ABEXIT

2018年8月 3日 (金)

腐った鉄面皮とこわもてが繁殖中/メルトダウン日本(4)

日本ボクシング連盟のドン山根明終身会長のやくざっぽい風貌がTVを賑わしている。
風貌だけで判断するのはいかがかとは思うが、日大のドン・田中理事長と同類のようである。
2018年8月 1日 (水) アマチュアスポーツ界の恥部が表面化/メルトダウン日本(2)

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日刊ゲンダイ8月3日

田中理事長は、本物のやくざ・山口組六代目司忍組長とも親密なようだ。
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「週刊文春」8月9日号

日大の田中理事長は、予想されるように、やりたい放題で振る舞っているようである。
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同上

ボクシング連盟の山根会長の悪行も底なし沼のようで、「奈良判定」というものが実際に行われていたようである。
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東京新聞8月3日

日大田中、ボクシング連盟山根、自民党安倍は相似形である。180803_4
日刊ゲンダイ8月3日

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2018年7月30日 (月)

モリカケ症候群(2)文科省の堕落/ABEXIT(78)

文部科学省科学技術・学術政策局長だった佐野太氏が受託収賄容疑で逮捕された事件は、政権の姿の反映ではないのか。
2018年7月 9日 (月) モリカケ症候群・東京医科大のブランディング/ABEXIT(69)
他人事のように「膿を出し切る」とか、「徹底して再発防止に取り組む」と言う言葉が虚しい。
元を絶たなければ同じことの繰り返しである。

東京医大は、「裏口入学リスト」を作っていたという。
具体的な選考調整の様子は以下のように報じられている。271807272
週刊文春7月27日号

まあ、我が子を希望の大学に入れてやりたいという親としての気持ちは分からないでもない。
しかし、裏口が本人のためにならないのは当然だ。
結果的に佐野氏の場合、子供の人生にも傷をつけてしまった。
悔やんでも悔やみきれないのではないか。
佐野氏の人物像は次のように語られている。
18072722
週刊文春7月27日号

安倍御用達のコメンテーター・上念司は、「息子を東京医科大に裏口入学させた佐野太は前川喜平の直系とのこと。しかも前川喜平が天下り斡旋で処分されてた時期にやってた。文科省が前川喜平みたいになってる」と言って拡散しようとした。
しかしこれはまったくのフェイクだったことが明らかにされている。

「佐野はたしかに前川氏が官房長時代にも官房政策課長、総務課長などを歴任しているが、『前川の直系』なんて関係ではない。むしろ、関係が悪かったという話もあるほどだ。というのも、佐野は科学技術庁入庁組で、文科省内の旧科技庁グループ、 “旧科技庁のドン”とも呼ばれていた沖村憲樹氏の一派だった」
 冲村氏は国立研究開発法人・科学技術振興機構特別顧問に天下りしているが、高村正彦・自民党副総裁に極めて近く、官邸や自民党大物議員にも顔が利く人物。実際、冲村氏が仕切る旧科技庁グループは前川氏が引責辞任した文科省の天下り問題でも、まったく扱いが違っていた。
 そもそも、政権が率先して不正を明らかにしたこの文科省への天下り調査は、加計学園認可に反対していた文科省幹部への報復、狙い撃ちだったという噂もあり、事実、官邸が文科省の天下り問題調査でターゲットにした吉田大輔高等教育局長(当時)は、獣医学部新設に強硬に反対していたと報じられている。
 ところが、同じ文科省でも旧科技庁グループ、冲村派の天下り問題は一切表に出てこなかった。当時、会員制情報誌「FACTA」(2017年3月号)が、文科省の天下りは冲村氏が仕切る科学技術庁グループのほうがひどいのに、政権与党との関係からか、不問に付されているということを指摘。国会でも追及がおこなわれた。
 そして、冲村氏の利権を暴いた「FACTA」の続報(2017年8月号)では、今回、逮捕された佐野容疑者が〈「冲村派」の中核メンバー〉として名指しされていた。
 つまり、佐野容疑者は、前川氏の直系どころか、安倍政権に極めて近い派閥に属する官僚だったのだ。実際、佐野容疑者は加計問題で官房長として内部調査や大臣答弁などにかかわってきたが、完全に官邸の言いなりだった。
逮捕された文科省局長は安倍政権に近い官僚だった! 裏口入学の交換条件の支援事業に加計学園も選定

文科省ではJAXAを担当していた川端和明国際統括官が、コンサルティング会社役員から飲食の饗応を受けていた。
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東京新聞7月28日

川端氏も人脈的には佐野氏と同じであろう。
安倍首相のモラル喪失の悪影響は留まるところがない。

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2018年7月24日 (火)

杉田水脈議員の発言にみる自民党のホンネ/ABEXIT(77)

自民党に杉田水脈という衆院議員がいる。
差別発言で知られているが、バカバカしいような内容が多いので、無視してきた。
しかし、「新潮45」8月号に寄稿した『「LGBT」支援の度が過ぎる』という文章は余りにひどい。
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「生産性がない」寄稿 先輩議員が擁護と投稿 LGBT支援団体は抗議

 杉田議員は文章のなかで〈子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります〉とした上で、LGBTにこう言及するのだ。
〈LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女たちは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか〉
 子どもをつくらない=生産性がないから税金を投入するのは問題。──この主張は、明確にLGBTに対する差別だ。
 あらためて言うまでもなく、憲法では〈すべて国民は、個人として尊重される〉と謳われている。この国に生きるすべての人は独立した個人であり、どんなセクシュアリティをもっていても、あらゆる人が基本的人権を有する者として社会的保障や支援を受ける権利があり、性的指向や性自認によって差別することはけっして許されない。にもかかわらず、子どもをつくらないことを「「生産性」がない」などと言い、為政者が税金を投入することに疑義を呈するというのは、完全に差別を助長するものだ。
 そして、この「生産性」という言葉は子どもの有無にかぎらず、杉田議員の文脈では、さまざまな理由から働くことができない人や障がいをもつ人などにも当てはまるだろう。こういった主張の行き着く先は「弱者に権利を与えるな」「国の役に立たない者に生きる価値はない」という極論であり、相模原事件のようなジェノサイドをも煽動しかねない。そんな危険性を大いに孕むものだ。

常識ある人ならばトンデモ発言と眉を顰めるだろう。
「子どもをつくらない=生産性がない」というのは、女性を子供を生む機械にたとえた柳沢伯夫元厚労相と瓜二つである。
柳沢氏はこの発言で辞職せざるを得なかった。
2015年10月 1日 (木) 「女性の活躍」=出産と考える愚/日本の針路(236)

ところが杉田議員には強い味方がいるのだ。
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二階幹事長も、何が問題なのか分かっていないようである。
 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が寄稿で同性カップルを念頭に「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と記述した問題で、二階俊博幹事長は24日の記者会見で「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と述べ、問題視しない考えを示した。
 二階氏は「右から左まで各方面の人が集まって自民党は成り立っている。(政治的立場での)そういう発言だと理解したい」とした。一方で、「当事者が社会、職場、学校の場でつらい思いや不利益を被ることがないよう、多様性を受け入れていく社会の実現を図ることが大事だ。今後も努力していきたい」とも述べた。
人生観の問題ではない。
人権の問題なのだが、自民党の重鎮(?)には、人権という概念がないのだ。
杉田氏は次のように書いている。

「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること。〉
〈LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます。〉(22日のツイート、現在は削除)
つまり、杉田議員のLGBT差別は、「自民党公認」だと言うのである。自民党は一昨年の参院選の公約でも〈社会全体が多様性を受け入れていく環境を目指します〉などと表向きはLGBTフレンドリーを装っていたが、このような差別発言を容認するとは、一体どういうことなのか。

杉田氏は昨年の衆院選で自民党から出馬し比例で当選を果たした。
スカウトしたのは安倍首相である。
櫻井よしこは、『言論テレビ』の中で「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』って言うので、萩生田(光一・自民党幹事長代行)さんが一生懸命になってお誘いして、もうちゃんと話をして、(杉田氏は)『自民党、このしっかりした政党から出たい』と」と証言している。
要するに安倍首相自身のお気に入りで、絶対に当選するであろう比例から出ているのだ。
自民党候補でなければ当選するような人ではない。

衝撃的な相模原の障害者施設の無差別殺傷事件から2年経つ。
今ではすっかり忘れ去られてしまった「一億総活躍社会」というスローガンであるが、LGBTなど「生産活動」に無縁の人は、納税者であっても活躍してはならないのだ。
ナチスの「優生思想」そのものであるが、そう言えば、相模原事件の実行犯・植松聖は安倍首相に傾倒していた。

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2018年7月23日 (月)

官僚の作文を棒読みするだけの安倍首相/ABEXIT(76)

6月23日の「沖縄慰霊の日」に朗読された「平和の詩」は多くの人に感動を与えたことであろう。

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東京新聞6月24日

作者の相良倫子さんは浦添市の中学三年生である。
瑞々しい感性と豊かなレトリックによる見事な作品と言えよう。
素晴らしい詩作品というだけでなく、彼女の朗読はプレゼンテーションという意味でも素晴らしいものだった。

プレゼンのコーチングを業としている岡本純子さんは、東洋経済オンラインの連載「コミュ力は鍛えられる」に、『沖縄14歳少女が読み上げた「平和の詩」の衝撃 』という記事を寄せ、次のように書いている。

株主総会シーズン真っ盛りである。エグゼクティブへのコミュニケーションコーチングなどを生業としている筆者は、超少数株主の一員として、趣味と勉強を兼ね、役員たちの生プレゼンを見学に行き、勝手に採点して回っている。
残念ながら、まるでロボットのように無表情、無感情、無味乾燥のプレゼンと応答ぶりに、がっくりと肩を落として会場を後にすることがほとんどだ。典型的なおじさんプレゼンに食傷していたところ、たまたまつけたテレビで、衝撃的なシーンを目にした。
 6月23日、沖縄慰霊の日に、自作の詩を披露した浦添市立港川中学校3年生の相良倫子(りんこ)さんの朗読シーンだった。ピンと背中を伸ばし、始まった瞬間から、その場の空気を支配する堂々としたたたずまいにくぎ付けになった。
 この詩の巧拙については、専門家ではないので、評する立場にはないが、隠喩、倒置、反復、対照法、畳みかける、列挙法、省略法、韻などといったレトリック(修辞法)を余すところなく活用していることは見て取れた。しかし、こうした技巧を超越して、聞き手の心をとらえたのは、何よりも五感を刺激するその言葉と伝え方だ。

「まるでロボットのように無表情、無感情、無味乾燥のプレゼンと応答ぶり」の代表例は安倍答弁だろう。
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そして、平然とウソを並べるのだ。
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今国会を通じて、サイコパスの一種ではないかという思いを強くした。
2015年6月 2日 (火) 安倍晋三=サイコパス論/人間の理解(13)

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2018年7月21日 (土)

カジノ法を成立させて国会閉会/ABEXIT(75)

今国会は歴史に記録されるべきだろう。
昨年来の懸案テーマだった「モリカケ疑惑」は、「膿を出し切る」どころか、大量の膿を残したままである。
象徴的だったのは、事実上の最終日に「カジノ法」を成立させたことである。
多くの懸念や疑問が残る中で、災害対策を置いてまで邁進した政府与党は不自然で、異常なものだった。
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山本太郎氏らが垂れ幕 

カジノとは「賭場」である。
現在の法律では禁止されている。
それには当然理由がある。
なぜそんなに急ぐのか?
トランプ大統領との約束なのか?
公明党は、胸を張って賛成できるのか?1807212
東京新聞7月21日

主務大臣は公明党の石井国交相である。
もちろん災害対策にこそ邁進すべき時だった。PhotoPhoto_2

「赤坂自民亭」ご称する宴会のタイミングの悪さは弁解のしようがないはずだが、微塵の反省もないようである。
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政府・与党は、多くの被災者が避難生活を強いられている時に、カジノ法に邁進して成立させたのだ。
私はこの点については、山本太郎氏に100%同意する。
こんなことを許す空気があるとすれば、主権者もなめられたものである。

犬飼淳さんという人の「【平成30年7月豪雨】政府の『空白の66時間』を視覚化」の記事は、ヘタな弁解が通用しなことを雄弁に語っている。
2018年7月11日 (水) 豪雨被害を拡大した「空白の66時間」/ABEXIT(71) 
2018年7月13日 (金) 「空白の66時間」が映し出す思考と志向/ABEXIT(73) 
⇒2018年7月15日 (日) 「赤坂自民亭」の耐えられない軽さ/ABEXIT(73) 

にもかかわらず、この宴会の様子を拡散した西村康稔官房副長官は、みっともない弁解をしてヒンシュクの上塗りを重ねている。

西村氏は、7月11日に「多くの方々に不快な思いをさせてしまい、おわびを申し上げたい。反省もしている」とTwitterで陳謝しました。
さらに翌日7月12日にも「本日の国会質疑において厳しいご指摘を頂きました。私のツイートで多くの方に不愉快な思いを抱かせたこと強く反省しています。お詫び申し上げます。ご批判を真摯に受け止め、今後慎重に情報発信を行ってまいります」と述べています。
豪雨災害中に自民党宴会、謝罪文の酷さを可視化してみた

上記サイトの筆者・勝部元気氏は、これは謝罪とは言えないと批判している。

2年ほど前にブログ記事「『不快な思いをさせて申し訳ございません』は謝罪ではない」で書いた時から繰り返し指摘していることですが、これらは「Non-apology apology」です。「謝罪」とは「罪を謝る」と書くように、犯した罪や不適切な対応そのものに対して謝るべきです。ところが、不快にさせたという批判する人々の二次的な感情についてしか謝っていないわけですから、これは「罪を謝った」とは言えません。

まったく同感である。
勝部氏は犬飼氏の信号無視話法にも倣っている。
2018年6月27日 (水) 「ごはん論法」と「信号無視論法」では議論にならない/ABEXIT(62)

青字が批判された点に関してしっかりと応答して謝罪をしている箇所、黄色が批判されている点とは全く異なる点について謝罪をしている箇所、赤色が事実を捻じ曲げたり、批判者側に過失があるかのような見解を述べている箇所です。
豪雨災害中に自民党宴会、謝罪文の酷さを可視化してみた
当然青字はゼロ。何一つ謝っていません。それどころか、批判をした人々のほうに責任転嫁をしているわけですから、かなり悪質な言い訳と言えるでしょう。犬飼さんのフレーズを借りれば、まさに「信号無視謝罪」です。
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このように、自分達の何が問題だったのかすら全く認識できない政治家に、災害対応を任せていることは、甚だ不安でしかありません。そしてマスコミの追求力もあまりに弱く、一連の政府対応を批判する声はほとんど聞こえてきません。地球環境が激変する中、今後も大きな自然災害が発生することが見込まれますが、このままで良いのでしょうか?

まったくその通りとしか言いようがないが、驚くことに自民党の長老はいたって太っ腹(無神経)である。
麻生財務相や二階幹事長は、擁護したり大騒ぎすることではないと言う。

 大雨の予報が出ていた5日夜に自民党議員数十人が参加した飲み会「赤坂自民亭」への批判が続くことに関し、麻生太郎副総理兼財務相と二階俊博幹事長が17日、問題はなかったとの見方を示した。麻生氏は記者会見で「閣僚や閣僚経験者が若手の無派閥の人と懇親するのが目的だ。そういう意味では極めて有効な手段だ」と意義を語り、「あの日は行かなかったがほぼ毎回行っている。ああいう(批判)話に取られたのは、はなはだ残念だ」と述べた。
 二階氏は記者団に「ああいうことはなければなかった方がいいと思うが、目くじらたてて大騒ぎするほどのことではない」と指摘した。
麻生太郎氏「赤坂自民亭」を擁護 二階氏も問題なし

彼らは、「問題が露呈せず誰も不快に感じなければ、西日本が被災中でもどんちゃん騒ぎで酒を飲みます」と言っているわけである。
そして国会を閉じれば、国民の関心は他に向くだろうと考えているはずだ。
自民党総裁選に安倍首相は意欲的のようだが、そんなことになればこの国の未来は絶望的である。

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2018年7月15日 (日)

「赤坂自民亭」の耐えられない軽さ/ABEXIT(74)

「赤坂自民亭」を巡る騒動は、現在の政権の姿を象徴するものであった。1807152_2
山口二郎・東京新聞7月15日

気象庁が警戒を呼び掛けている最中である。

 酒宴が批判されるのは当然だ。気象庁が昼2時、わざわざ「記録的な大雨となる恐れ」と警告を発したのに、「関係ねーよ」とドンチャン騒ぎをしていたのだから言い訳は通じない。すでにその頃、河川は増水し、土砂崩れが起きていた。
西村氏の謝罪が火に油 安倍自民“言い訳”に嘘発覚で大炎上

だいたい国会議員が内輪の酒宴の様子をSNSで拡散するセンスを疑う。
特に西村康稔官房副長官は、「獺祭-山口-安倍と賀茂鶴-広島-岸田のどっちだ?」「正に自由民主党」というはしゃぎようであり、「良いこと」をしたと思っていたはずであるる。
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2018年7月13日 (金) 「空白の66時間」が映し出す思考と志向/ABEXIT(73)

この認識というかセンスのギャップはどうしようもない。

 飲み会の様子を5日夜、ツイッターに写真付きで投稿し、批判を浴びている西村氏は12日の参院内閣委員会で、「大雨による災害発生時に会合をしていたかのような『誤解』を与え、多くの方が不愉快な思いをされた。反省している」と謝罪。10日にも同趣旨の反省の弁をツイッターに投稿したが、これが猛批判を招いている。西村氏のツイッターには、「なんだ、その開き直り」「誤解じゃなくて事実だったでしょ? 何を今更」「誤解って日本語の意味知ってますか」と批判が殺到している。
西村氏の謝罪が火に油 安倍自民“言い訳”に嘘発覚で大炎上

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日刊ゲンダイ7月13日

西村康稔という人物の履歴を、Wikipediaで見てみよう。

兵庫県明石市生まれ。実家は時計店で、父親はサラリーマン。神戸大学附属明石中学校、灘高等学校、東京大学法学部卒業。1985年、通商産業省入省。経済企画庁への出向や、石川県商工課長を経て、アメリカ合衆国メリーランド大学大学院で国際政治経済学を専攻し、1992年5月に修士号を取得した。1999年、通商産業省環境立地局調査官を最後に退官。
・・・・・・
2003年、第43回衆議院議員総選挙に再び無所属で兵庫9区から出馬し、前回敗れた宮本を下して初当選。無所属の新人議員5人で院内会派「グループ改革」を結成後、自民党に入党し、森派(当時)に入会。2005年の第44回衆議院議員総選挙では、新党日本公認の宮本、民主党公認の畠中光成を破り再選。
・・・・・・
2009年9月、自由民主党総裁選挙に町村派の一部議員から推される形で出馬(総裁選出馬に際し、町村派を退会した)したが、谷垣禎一に敗れた。

灘高→東大法→通産省という受験エリートである。
学力優秀だが、知性を感じられないタイプで、高橋洋一氏の同類と言えよう。
2018年7月13日 (金) 「空白の66時間」が映し出す思考と志向/ABEXIT(73)

もう一度「空白の66時間のタイムテーブル」を見てみよう。
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「赤坂自民亭」と浮かれているのも問題であるが、安倍首相が7月7日の11時49分に私邸に帰宅して後、翌朝まで災害対応の行動を取らなかったことはより本質的な問題である。
既に犠牲者が発生していたことが報じられているのである。
「政府として一丸となって、発災以来、全力で取り組んでまいりました」などという言葉がいかに虚しく響くか。
まったく「耐えられない軽さ」である。
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山口二郎・東京新聞7月15日

山体の崩壊と政治の崩壊に因果関係はないが、異常気象が環境政策と関連すると言えば、まったく無関係とは言えない。

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2018年7月13日 (金)

「空白の66時間」が映し出す思考と志向/ABEXIT(73)

「空白の66時間」と言われる豪雨災害の初動の遅れに対し、さまざまな見方が登場し、それが見解を表明した人の「思考・志向」を映し出す鏡となっている。
「空白の66時間」とは、平成最悪の水害となった「平成30年7月」豪雨に対する政府の初動対応の遅れを指す。
2018年7月11日 (水) 豪雨被害を拡大した「空白の66時間」/ABEXIT(71)

例によって、財務省出身の嘉悦大学教授・高橋洋一氏は、政権擁護に必死であるが、言っていることは論旨不明と言わざるを得ない。

   豪雨被害は、平成では最大級である。そのため、安倍晋三首相は、欧州訪問をとりやめ、被災地を視察することとしている。
   その一方、立憲民主党など左派野党は、先週(2018年7月)5日夜に行われた安倍首相や自民党議員が衆院議員宿舎で開いた懇親会について、「赤坂自民亭」と批判している。
   筆者の感想をいえば、こうした政治利用はどちらの側からみても見苦しく、やめた方がいい。被災地の当事者の方が不快に思うならやめた方がいいが、被災地ではそれどころではなく必死に対応しているはずだ。こうした会合などを批判するのは、政治的に利用したい第三者である。
政治家と官僚の「仕事」は違う 「赤坂自民亭」騒動への違和感

「よくも言ったり!」である。
「左派野党」が「赤坂自民亭」と名付けて批判しているような印象であるが、「赤坂自民亭」は自分たちの命名である。
2018年7月 8日 (日) 緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)

高橋氏は次のようにも言っている。

政治家には会合はつきものである。もし会合なしの政治家がいるなら、民の声を聞かないという意味で政治家たる職務を果たしていないともいえる。  自民党や立憲民主党も、身内の会合を政治家が喜々としてSNSで発信することもいかがなものかという批判もあるだろうが、今やそうした時代である。
・・・・・・
被災地以外で妙な自粛ムードが広がると、経済的な「二次被害」になる可能性すらある。それは、自然災害を超えた「人災」にもなりうるので、よく注意したほうがいい。

何を言いたいのだろうか?
かつては大規模災害は「改元」の契機にすらなった。
「自粛ムード」が発生するのは当然であろうが、「政治家は率先してそのムードを打ち破れ」ということか?
それにしても「赤坂自民亭」が開催されたのは、気象庁が災害の発生についての警告を呼び掛けた直後のリアルタイムのことであり、自粛ムードと無関係であることは言うまでもない。
高橋氏は、ある部分の知能は高かったのだろうが、知性というものを感じられない。
AIに取って代わられるタイプの人だろう。

ごく簡単に経緯を振り返ってみよう。

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 気象庁は五日午後二時、緊急に臨時記者会見を開き「記録的な大雨となる恐れがある」と注意を呼び掛けた。豪雨警戒を理由に会見を開くのは過去に例がない。担当者は「かなりの危機感があった」と振り返る。五日午前中には近畿三府県で十六万人超に避難指示・勧告が出ていた。
 宴会はその夜に開かれた。「赤坂自民亭」と銘打った宴会には安倍晋三首相や小野寺五典防衛相、西村康稔官房副長官ら官邸の危機管理を担う人物が出席。上川陽子法相、広島県選出で自民党の岸田文雄政調会長も参加し、談笑して、酒を酌み交わす姿を西村氏らがその日の夜にツイッターに投稿した。
豪雨対応「万全」だったか 野党は政権批判

安倍首相自身はどう「反省」しているか?

昨日(11日)、甚大な被害を受けた岡山県を訪問。そこで初動対応が遅れたという指摘が出ていることについて記者から質問された安倍首相は、こう言い放ったのだ。
「政府として一丸となって、発災以来、全力で取り組んでまいりました」
「発災以来、政府一丸」とは、一体どこの国の話だろう。「全力で取り組んだ」と言えるのは、迅速に災害に対応するための非常災害対策本部を設置してこそのこと。だが、安倍首相が同本部を立ち上げたのは8日の8時の話であって「発災以来、政府一丸」というのは完全な嘘だ。
 しかも、何度でも繰り返すが、気象庁が「厳重な警戒が必要」と異例の緊急会見を開いたのは5日14時のこと。同日、避難勧告が数十万人に及ぶなかで、安倍首相は総裁選対策で「赤坂自民亭」なる内輪の宴会に参加した。しかも、この宴会後、エプロン姿の自民党・石田真敏議員と左藤章議員はテレビの取材に対し、「みんなと写真撮ったりね、いろいろ人も変わってワイワイ声も聞こえないくらい」と赤ら顔で答え、こうダメ押ししている。
「酒飲んで、ワァーっというだけです」
 安倍首相と仲良く写真を撮って「酒飲んでワァー」というだけの宴会……。「一丸となって全力で取り組んで」いたのは、実際のところ、自民党の子飼い議員たちとの酒盛りではないか。
安倍首相が豪雨災害66時間放置をなかったことに!和田政宗は朝日のただの被災地支援検証を「政権攻撃」と封殺

そして、首相側近の西村康稔官房副長官は、「赤坂自民亭」の様子を、グラスを持った笑顔の集合写真とともに「和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!」とツイッターに投稿していた張本人である。
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西村氏は、集合写真を自身のツイッターに投稿したことについて、「多くの方々に不快な思いをさせてしまい、おわびを申し上げたい。反省もしている」と陳謝した。

西村氏は東京・赤坂の衆院議員宿舎で開かれた「赤坂自民亭」に出席。首相のほか岸田文雄・党政調会長らが顔をそろえた。西村氏は懇親会終了後の午後10時ごろ、グラスを持った笑顔の集合写真とともに「和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!」とツイッターに投稿した。
 西村氏は11日、BS11の番組で陳謝する一方、懇親会が開かれていた時点で「大雨特別警報」は出ていなかったことを念頭に、「大雨被害が出ている最中に会合をやっているかのような誤解を与えた」とも述べた。

誰も「大雨被害が出ている最中に会合をやっている」などと言ってはいない。
5日夜は、東日本から西日本の広い範囲で記録的な大雨になる恐れがあると気象庁が発表していたのにかかわらず、と批判しているのである。
不正確な表現で「誤解を与えた」というのは、稚拙なすり替えである。
まったく姑息としか言いようのない男であるが、誰に対して陳謝したのだろうか?

和田政宗氏は、例の如くの朝日批判である。

自民党を代表するネトウヨのひとりである和田政宗議員は、世間からの批判をかわそうと、矛先を報道に向けはじめたのだ。
 和田議員がもち出したのは、今朝の朝日新聞。それは「国のプッシュ型支援、被災直後は歓迎でも ミスマッチも」と題されたもので、安倍首相が力を入れている「プッシュ型支援」の問題点を指摘した記事だ。
「プッシュ型支援」は、〈国が被災府県からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送〉(内閣府HPより)するものだが、記事では〈プッシュ型は被災直後の混乱期を乗り切るための措置〉であり、〈過剰に届いたりミスマッチが生じたりし、早い段階で被災地の求めに応じて物資を届ける「プル型支援」に切り替える必要がある〉と指摘。実際、愛媛県大洲市では、プッシュ型支援で届けられた仮設トイレが「管理方法が決まらず使っていない」状態にあるという。
安倍首相が豪雨災害66時間放置をなかったことに!和田政宗は朝日のただの被災地支援検証を「政権攻撃」と封殺

小野寺防衛相はどうか。
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もう一度「赤坂自民亭」の様子を晒しておこう。180710_2
日刊ゲンダイ7月10日

次のツイートの写真が、はしゃぐ西村官房副長官、片山さつき議員そして安倍首相らの発言をまとめている。
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これが、政府・自民党の姿なのだ。
2018年7月12日 (木) 失態を直視せず誤魔化そうとする政権/ABEXIT(72)
2018年7月10日 (火) 西日本豪雨禍と不誠実な政治屋たち/ABEXIT(70)

口先だけの災害対策は百害あるのみである。Photo_2

誰が考えても、宴会などやっている場合でないことじゃ明らかであろう。

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2018年7月12日 (木)

失態を直視せず誤魔化そうとする政権/ABEXIT(72)

「平成30年7月豪雨」災害が激甚になったのは、記録破りの豪雨であったことに加え、安倍政権の対応の拙劣さにあったことは否めない。
2018年7月11日 (水) 豪雨被害を拡大した「空白の66時間」/ABEXIT(71)

しかし、「安倍政権は災害対応が66時間遅れたというのはデマだ」という説が流れている。
「2日の13時には内閣府は情報連絡室を設置していた」というのである。

「内閣府連絡情報室は、内閣府防災業務計画(http://www.bousai.go.jp/taisaku/keikaku/pdf/260618_cao_operation_plan.pdf)によれば、一定の気象状況が予測される場合、事務的に設置するのが『情報連絡室』です。設置責任者は、政策統括官(防災担当)付参事官(災害緊急事態対処担当)となっています。政策統括官は局長級、参事官は課長級です。これは閣僚の意志とは無関係に、自動的に設置されるものです。また、総理大臣官邸(内閣官房)の連絡室とは別物です。内閣府防災担当は、旧国土庁の組織で、官邸の対応とは言えません。それに、関係省庁災害警戒会議についても、国土交通省とか、総務省消防庁で対応しているからといって、官邸が主導して対応しているとは言えないですよね。それと同じです」
 つまり、内閣府情報連絡室の設置をもってして「政府はきちんと対応していた」というロジックが成立するならば、モリカケ問題で安倍政権があたかも「官僚の暴走」のように他人事を決め込んでいるのも無理筋だということになる。
「ちなみに、官邸の連絡室も、一定の災害の場合に、自動設置されるはずです。非常災害対策本部や総理を本部長とする災害対策本部の設置は、閣僚の了解が必要ですが、官邸連絡室の設置には、閣僚の意思は不要のはずです。閣僚が主導した対応は、8日の『非常災害対策本部』の設置からと考えるのが妥当です。なぜならば、非常災害対策本部とは、防災担当大臣の主導で、各省の幹部たちがタテ割りを超えて動く『装置』だからです」
 つまり、これらの連絡室設置=官邸が主導して対応というのは早計で、やはり官邸の対応は最大限譲歩したとしても官邸連絡室の設置である6日13時58分、きちんと縦割りを超えて動ける体制ができたのは非常災害対策本部設置は8日なのだから、やはり「遅い」ことには間違いないのだ。
 もし、各省庁や官邸主導ではなく、制度的に進んだ行政府の動きをもってして「安倍首相は対応していた」というならば、現政権が「官僚が勝手にやった不手際」としている文書改ざん問題などについても、「安倍首相は責任を取るべきだ」と主張するのが筋だろう。
「安倍政権は災害対応が66時間遅れたというのはデマ。2日からちゃんと対応していた」は本当か?

何でこんな無理をしてまで、政権を擁護しようというのだろうか?
安倍首相の初動対応を積極的に批判しているメディアは少数である。
TVはもともと期待できないにしても、新聞でも西日本新聞、中日(東京)新聞、静岡新聞等のブロック紙もしくは地方紙が中心のようである。
1807112
東京新聞7月11日

野党6党派は昨日、菅義偉官房長官に政府は豪雨災害対応に最優先で取り組むよう申し入れをおこない、安倍首相や石井国交相といった担当大臣が最優先で災害対応に当たることを求めた。
だが、安倍政権は内閣委員会の開催を強行し、災害対応の先頭に立つべき石井啓一国土交通相を、なんと6時間も委員会に張り付かせるた。
なんのためか?
カジノ法の審議のためという信じがたい理由である。
安倍政権はこの非常事態に「災害対応よりもカジノ審議」を優先させたのである。

「赤坂自民亭」に安倍首相と一緒に参加した西村康稔・内閣官房副長官が、宴会の模様を嬉々として投稿し、批判が高まると、被害状況や自衛隊の態勢にかんするデマを垂れ流したことを伝えたが(参照http://lite-ra.com/2018/07/post-4115.html)、この西村官房副長官が昨晩、『深層NEWS』(BS日テレ)に生出演。大雨特別警報が出ていながら犠牲者が多く出たことについて、西村官房副長官はこう主張したというのだ。
「それぞれの自治体が政府の呼びかけに対し、どう反応したか検証していくことが大事だ」
……
政府の呼びかけ、だと? 気象庁が大雨では異例の緊急会見を開いて「記録的な大雨となる恐れ」「厳重な警戒が必要」と警告したのは、5日の14時だ。なのに、その夜に何事も起きてないかのように宴会を開き、いまにも氾濫しそうな河川の状況に不安で怯える人びとがいることも無視したのは、安倍首相や西村官房副長官をはじめ、自民党の面々ではないか。
 いや、そればかりか、西村官房副長官は宴会後、言い訳するかのように〈地元明石淡路の雨は、山を越えた〉などと、現実とはかけ離れたデマまがいのツイートまでしていた。政府高官が公式アカウントで、警戒感を削ぐようなアナウンスをおこなっていたのである。
……
 だいたい、西村官房副長官は「大雨特別警報」の発令を「政府の呼びかけ」にすり替えているが、本来、政府が災害時におこなうべき「呼びかけ」とは、第一に、安倍首相がカメラの前で強い警戒を求め、勧告が出ている地域の住民に対してただちに避難を促すこと、そして菅官房長官が随時、把握している状況を伝えることだ。
 しかし、今回の安倍首相の対応はどうだったか。6日午後には福岡県、佐賀県、長崎県、広島県、岡山県、鳥取県、京都府、兵庫県に大雨特別警報が出され、気象庁も「重大な危険が差し迫った異常事態」と警戒を呼びかける異例の会見をおこなったが、安倍首相は会見を開くこともなかった。その上、菅官房長官の午後の定例記者会見では、注意喚起をすることもなかったばかりか、被害が出ているなかで宴会を開いて複数の参加議員がSNSに写真を投稿していた問題を問われると、「大雨は官邸でも対応している」「大きなやるべきことをしっかりやっていれば問題ない」などと答えた。
安倍首相の豪雨被災地ないがしろは続いている! 災害対応よりカジノ優先、宴会参加の官房副長官は自治体に責任転嫁

気象庁の緊急会見から約66時間、大雨特別警報の発令から約38時間、安倍首相は「緊急事態」であることを示さなかったのである。
西村官房副長官が「自治体が政府の呼びかけに対し、どう反応したか」などと言うのはとんだお門違いである。
「どのような非難も受ける。正直言って、これだけすごい災害になるという予想は私自身はしていなかった」と述べた竹下総務会長の方が率直だと言うべきであろう。
2018年7月10日 (火) 西日本豪雨禍と不誠実な政治屋たち/ABEXIT(70)

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2018年7月11日 (水)

豪雨被害を拡大した「空白の66時間」/ABEXIT(71)

「平成30年7月豪雨」と命名された今回の西日本豪雨の被害が広がっている。
その大きな要因が初動の遅れであることは疑い得ない。
近年の大規模災害と比べて政府の初動が著しく遅いのである。66_2
【平成30年7月豪雨】政府の「空白の66時間」を視覚化

他の政党に比べ、政府・自民党の感覚は際立って鈍い。2

そのため初動の遅さを表す「空白の66時間」という言葉が生まれている。
具体的なタイムテーブルで示されている。66

【平成30年7月豪雨】政府の「空白の66時間」を視覚化

タイムテーブルに記されてもいるように、気象庁が異例の記者会見を開いて警戒を呼び掛けている最中、安倍首相をはじめとして政権幹部が参加して、「赤坂自民亭」と称する議員会館で自民党国会議員が「和気あいあい」と宴会を開いていた。
それをSNSで拡散してくれた。
2018年7月 8日 (日) 緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)
2018年7月10日 (火) 西日本豪雨禍と不誠実な政治屋たち/ABEXIT(70)

つまりこういうことだ。
66_3

さすがに自民党の中からも疑問視する声が上がっている。

 自民党の森山裕国会対策委員長は10日の記者会見で、記録的な大雨になる恐れがあると気象庁が発表した5日の夜、安倍晋三首相らが自民党議員の懇親会に出席したことについて「大雨や災害が予測される時は、できるだけ、そのようなことは慎んだ方がいい」と苦言を呈した。
 衆院議員宿舎で開かれた懇親会「赤坂自民亭」は、首相のほか、岸田文雄政調会長、竹下亘総務会長、小野寺五典防衛相らが出席。森山氏は出席していなかった。
 西村康稔官房副長官が5日夜、グラス片手に笑顔の集合写真を添え、「和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!」とツイッターに投稿すると、ネット上で「この非常時に懇親会!」「中止に出来なかったのか?」と批判が広がった。
豪雨前の赤坂自民亭「慎んだ方がよかった」自民・森山氏

「慎んだ方がよかった」というレベルではない。
西村康稔官房副長官は安倍首相の最側近として知られ、なおかつ防災担当である。

被害拡大が懸念されていた5日の夜、西村官房副長官は安倍首相に迅速な対応を進言するでもなく、一緒に「赤坂自民亭」に参加。そして、安倍首相と岸田文雄・自民党政調会長の、あきらかに酒が入って陽気な様子のツーショットや、安倍首相を中心に参加者が乾杯ポーズで写った集合写真とともに、こんなツイートを投稿した。
〈参加した多くの議員は「(安倍総理が差し入れた)獺祭と(岸田政調会長が差し入れた)賀茂鶴とどっちを飲むんだ??」と聞かれ、一瞬戸惑いながらも、結局両方飲んでました。そして、お二人と写真を撮っていました笑笑 いいなあ自民党。〉
〈今日は、安倍総理、岸田政調会長、竹下総務会長が勢揃い。和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!まさに自由民主党党。〉(原文ママ)
・・・・・・
この宴会写真と被災者の不安を無視した投稿には非難が殺到したためか、同日23時45分には〈地元秘書から、地元明石淡路の雨は、山を越えたとの報告を受けました。秘書、秘書官と随時連絡を取り合いながらの会でした〉とツイートしたのだ。
 官房副長官ともあろう者が、自分の選挙区のある地域にしか目を向けていないことを露呈させるとは、これだけでも酷い話だが、その明石市や淡路島にしても〈山を越えた〉というようなことはなく、その後、6~7日にかけて避難勧告が出され、淡路市にいたっては本日21時16分まで大雨、雷注意報が出されていた。つまり、自分が飲み会で浮かれていたのを打ち消すために、災害を矮小化するデマを流したのである。
 さらに、西村官房副長官は7日の関係閣僚会議において安倍首相が発言している写真と合わせて、〈これまでに経験したことのない記録的な雨量〉と投稿。未曾有の雨量だと認めているのに、この時点で非常災害対策本部がいまだ設置されていないのはどう考えてもおかしいのだが、西村官房副長官がそうした安倍首相の失策を指摘するはずもなく、ただ写真だけで「やっている感」を演出しようとしたのだ。
 しかも、問題はこのあと。西村官房副長官は、投稿文をこう締めくくっているのである。
〈現在、京都、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡の各府県で自衛隊員約21,000名が人命救助など活動中。〉
 じつは、これもデマだった。実際、自衛隊の救助態勢について、8日の毎日新聞の朝刊は以下のように伝えている。
〈防衛省によると同日(注・7日)夕現在、京都、高知、福岡、広島、愛媛、岡山、山口の7府県からの災害派遣要請を受け、自衛隊は約600人態勢で、土砂崩れ現場での救助、孤立地域からの輸送、洪水対策などにあたっている。西日本の陸上自衛隊を中心に約2万1000人が救助要請などに即応できるよう待機している〉
 ようするに、実際に7日時点で救助などの活動に当たっていた自衛隊員は約600人に過ぎず、2万1000人は「待機」していただけだったのだ。それを西村官房副長官は、「約21,000名が人命救助など活動中」だとデマを喧伝したのである。
安倍首相の豪雨対策そっちのけ自民飲み会参加に非難轟々! 一緒に大はしゃぎの安倍側近は言い訳のためデマ拡散

さすがに安倍首相が見込んだ男である。
ウソ・出まかせの連発である。
安倍政権の大失態というコメントが使われているが、本質の露呈と考えるべきであろう。

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2018年7月10日 (火)

西日本豪雨禍と不誠実な政治屋たち/ABEXIT(70)

西日本を襲った豪雨の被害は平成史上最悪となった。
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東京新聞7月10日

この非常時に、議員宿舎で「赤坂自民亭」と称して酒盛りをしていた自民党議員がいたことは忘れるべきではないだろう。2_2

「楽しい!」とはしゃぎ、わざわざツイッターで宴会の様子を拡散した片山さつき議員が皮肉られるのは当然であろう。
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2018年7月 8日 (日) 緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)

もちろん今回の豪雨は広がり、強さ等において記録的なものであることは確かである。
自民党の竹下亘総務会長は9日午後の記者会見で、自身も宴会に参加していたことについて、「どのような非難も受ける。正直言って、これだけすごい災害になるという予想は私自身はしていなかった」と述べた。
正直と言えば正直であるが、気象庁から最大級の警告が出ていたのである。Photo_4

要するに「軽い」のである。
ものごとをを考える習慣のない人たちが調子に乗って宴会をやっていたということである。
これでは気象庁がいくら警鐘を鳴らしても、ムダということになる。1807082
東京新聞7月8日

Jアラートを利用して北朝鮮のミサイル危機を煽ってきたので、警報を軽視してしまったのではないか。
参加者の中には上川法相もいたが、翌日の7人の死刑執行はいつ決まったのか?
命令書にサインをしていたはずであり、慄然とする。
安倍政権の酷薄さを見る思いがする。

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