アベノポリシーの危うさ

2017年11月18日 (土)

加計疑惑(59)notoriousをウリにするのか?/アベノポリシーの危うさ(318)

加計学園獣医学部がなりふり構わず韓国からの留学生を募集している。
⇒2017年11月11日 (土):加計疑惑(57)韓国人枠の評価/アベノポリシーの危うさ(316)

四国の獣医師不足に対応するという説明が、便宜的なものに過ぎないことは明白である。
それはともかく、学生募集パンフが誇大広告というよりも、虚偽広告というべきであった。
岡山理科大がノーベル賞学者を「輩出」していると理解しそうな説明が載っていたのである。

Ws000006 岡山理科大での業績と誤解を招きかねない表現について、同学園広報室は取材に15日、毎日新聞の指摘を受けて当該部分を削除するとした。
 加計学園は獣医学部定員140人のうち20人を留学生枠とし、14日の設置認可前から韓国でパンフレットを配っていた。毎日新聞が入手したカラー6ページのパンフレットは「(獣医師は)日本の会社員の2~3倍の高収入」とし、学園のホームページでもハングルで「日本で有名な名門学校法人」とアピールしている。
 パンフレットによると志願資格は来春までに高校を卒業し、所定の日本留学試験を受けていることが条件。日本語600字の志望理由書などの提出も求めている。学園の系列大はアジアや中東などから留学生を受け入れている。
ノーベル学者「輩出」? 削除へ 韓国留学生パンフ

今や加計学園が「日本で有名な名門学校法人」であることは間違いない。
悪名高き学校法人である。
昔、「notorious」という単語について、岩田一男氏が石原慎太郎氏を例に、「有名な,悪名高い,名うての」というニュアンスを説明していたことがある。
これからは「加計学園」を例にした方が分かりやすいだろう。

参考までに、大学別のノーベル賞受賞者というサイトがあったので引いておこう。」
Ws000007
ノーベル賞受賞者が多い日本の大学ってどこ?

さすがに国立大学ばかりが並んでいるが、埼玉、山梨、徳島、長崎といった地方大学から受賞者が出ている。
その辺りを、文教政策にどう生かすか?
産業界に役に立つことが高等教育の使命だと考えている安倍首相には期待できない課題だろう。
⇒2017年9月13日 (水):安倍首相の教育改革認識/アベノポリシーの危うさ(279)

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2017年11月16日 (木)

加計疑惑(58)茶番の国会審議/アベノポリシーの危うさ(317)

加計学園の獣医学部新設が認可されたことを受け、衆院文部科学委員会は15日、林芳正文部科学相らが出席して審議を行った。
安倍首相も加計孝太郎氏も集積していない「当事者」不在の審議なので、最初から期待できるものではなかったが、改めて疑問点を説明できない政府側の事情が分かった。
安倍首相が何度も「丁寧な説明」と言っているのだから、質問時間云々というようなケチなことに拘らず、正々堂々と論戦を行えば良いはずなのに、徹底して逃げるつもりのようだ。

Photo 最大の焦点となる首相側の関与について、立憲民主党の逢坂誠二氏は、首相が加計学園の加計孝太郎理事長と長年の友人関係にあることを受け「首相や官邸が何らかの肩入れをしたと言われている」と追及した。
 林氏は与党側の質問の際に、政府の国家戦略特区が獣医学部新設を認める過程で「首相から文科省に指示はなかった」と明言した。希望の党の山井和則氏が、「もし首相が加計氏の相談に乗っていたら」「もし不正が明らかになれば」などと繰り返し質問しても「仮定の事柄についてお答えは差し控える」との答弁に終始した。
 野党は、国家戦略特区を活用した獣医学部新設に関しても、政府が設けた「既存獣医師養成でない構想の具体化」など四つの要件を満たしたと判断した根拠をただした。だが内閣府側の答弁が要領を得ず、審議が中断する場面もあった。
 林氏は特区にかかわる部分は「所管外」としながらも、認可に至る一連の手続きは適切に行われたと強調した。
 すれ違う議論が続き、新たな事実も出てこなかったことを受け、野党側は「これでは国民が納得しない」として、首相出席の委員会審議や、加計氏の証人喚問を求めた。加計問題を審議する参院の文教科学委員会の日程は決まっていない。
認可の正当性 論戦平行線 首相・加計氏不在で解明進まず

問題の「石破4条件」が確認できないことも明らかになった。

「加計学園が4条件を満たすとは考えられない。誰がいつ判断したのか」。立憲民主党の逢坂誠二氏は語気を強めた。4条件は2015年6月に閣議決定され、(1)既存の獣医師養成でない構想が具体化(2)新たに対応すべき分野における具体的な需要(3)既存の大学・学部では対応が困難(4)獣医師の需要の動向も考慮--からなる。
 国家戦略特区を所管する内閣府の長坂康正政務官は「文科相や農相も出席した昨年11月9日の特区諮問会議で了承された」と答弁。だが、この日の会議では獣医学部新設を認める規制緩和を決めたものの、学園が事業者に名乗りを上げて計画を具体化させたのは今年1月の段階だった。
 逢坂氏が「答弁になっていない」などと詰め寄ると、長坂氏は答弁に窮し、後ろに控えた官僚らと相談。こうした場面が続き、逢坂氏の40分の質問時間中、10回にわたって質疑が中断した。
衆院文科委 加計審議、10回中断 政府、4条件答弁窮し

なお、日本維新の会の足立康史氏は、持ち時間を他政党から融通して貰うという厚遇を得て質問に立った。

足立氏は、希望の玉木雄一郎代表と立憲の福山哲郎幹事長を名指しして攻撃。獣医学部新設に懐疑的な獣医師会から献金を受けているとして「仮に請託を受けて国会質問していれば、あっせん利得罪だ。犯罪者だ。首相を犯罪者たちが取り囲んで非難しているのが今の国会だ」と主張した。さらに「『総理の意向』との報道は捏造(ねつぞう)だ。大臣はどう思うか」と質問。林芳正文科相は「特定の報道について何かを断定するのは控える」とかわした。
衆院文科委 増えた質問時間で野党・メディア批判

足立氏の議員適格性に疑問を持たざるを得ない。
⇒2017年11月15日 (水): 非リベラルな言動(1)足立康史代議士/リベラルをどう考えるか(5)

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2017年11月11日 (土)

加計疑惑(57)韓国人枠の評価/アベノポリシーの危うさ(316)

安倍首相の「腹心の友」加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設計画に対し、文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)がゴーサインを出した。
設置審の答申が10日発表され、文科相が近く認可する。

Ws000000「設置審は外形的な審査をするところで、基準さえ満たせば認可の答申をする。獣医学部の新設を認める答申が出されたが、問題の根っこにある国家戦略特区諮問会議の審議の過程への疑惑は解消されていない」。元文部科学省大臣官房審議官の寺脇研・京都造形芸術大教授はこう語る。
 さらに、「当初、8月の予定だった答申は他大学まで巻き込んで11月にまで先送りされたが、これは異例中の異例。来春の開学を考えると非常に遅く、すでに多くの受験生は志望校を決めてしまっているだろう」と指摘。「せめて疑惑まみれの獣医学部で学生が学ぶことを避けるため、いまだに沈黙を守る加計孝太郎理事長が説明責任を果たすべきだ」と求めた。
 元総務相の片山善博・早稲田大公共経営大学院教授は「愛媛県の長年の悲願が成就することや、特区の狙いだとされる地方創生はこの問題の本質ではない」と強調。「今回の問題で一番の疑惑とされる、時の首相の『おともだち』を優遇したのではないか、官僚がそんたくしたのではないか、という点が解明されていない」と一連の経緯を疑問視した。
 また、設置審の議論についても「最初から認可ありきのストーリーで進められた印象だ」と述べ、「首相をはじめとする政治家や省庁幹部が国会で語った内容に納得した国民が、どれだけいるだろう。ほかに獣医学部を新設したい大学があったにもかかわらず、加計学園だけに認められたプロセスは十分に検証されていない」と断じた。
加計学園 「疑惑」残したまま 決着に疑問の声

設置審の判断と国家戦略特区の判断が別であることで、このままゴーサインを出して良いのか?
良いはずがない。
⇒2017年11月 3日 (金):加計疑惑(56)大学設置審認可へ/アベノポリシーの危うさ(315)

しかも、同学部は、韓国で学生を募集していたことが分かった。
NHKの「あさチャン」が報じた。
獣医学部に関して、定員の7分の1に匹敵する韓国人留学生を集めている。
さすがに、ツイッターなどに多くの批判が湧いている。
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何のために、どのような学部を創るのか?
トランプ大統領のアジア歴訪では韓・中の前座的だと言わざるを得ないし、国家戦略特区の名で友人が韓国からの留学生を、国費で補助しようとしているのだ。
ウヨクが反日的と糾弾しないのが不思議なくらいだ。
国家戦略特区における議論を再検証しなければなるまい.

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2017年11月 8日 (水)

疑惑の仲か、安倍とトランプ/アベノポリシーの危うさ(316)

安倍首相のトランプ大統領の接遇は、異例というよりも以上と言うべきであった。
⇒2017年11月 7日 (火): トランプ大統領にへつらう安倍首相とマスメディア/永続敗戦の構造(12)

トランプ大統領は、「日本へ行って、仲いいアベはんに武器をぎょうさん売ったで」と見も蓋もないツイートをしている(なぜか関西弁風になる)。
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安倍首相は、モリカケ疑惑から逃れるために、なりふり構わない姿勢である。
強引に国会を閉じ、臨時国会開催の要求は棚晒しにし、チャンスだと考えれば解散をする。
「勝てば官軍」という意識なのかも知れないが、歴史の評価に耐えるとは思えない。
⇒2017年10月30日 (月): モリカケ疑惑の行方/アベノポリシーの危うさ(313) ⇒2017年10月31日 (火): 国会・ディベート・クリシン/アベノポリシーの危うさ(314)
⇒2017年11月 3日 (金): 加計疑惑(56)大学設置審認可へ/アベノポリシーの危うさ(315)

一方のトランプ大統領も、いよいよ足許まで疑惑が押し寄せている。
タックスヘイブン(租税回避地)の法律事務所から漏洩した「パラダイス文書」が、トランプ政権に新たな「ロシア疑惑」を突き付けている。

Ws000000_2 大富豪で、知日派としても知られるロス氏。多数の企業を束ねる「ロスグループ」は、低迷企業を投資で再生させ、世界各地で巨額の利益を上げてきた。なかでも、ナビ社はかつてロス氏自身が取締役を務め、株価を倍増させた。ロス氏は後にナビ社への投資を「ホームラン」と振り返った。 
ただ今年2月に政権入りする前に保有資産の大半を手放した。商務長官として利益相反がないようにするためだ。グループの主要な役職も退き、ナビ社とも距離を置いたように見えた。
 だがロス氏はナビ社の実質的な株主の立場を続け、ロシアのプーチン大統領と近い企業との取引を続けていたことが、「パラダイス文書」でわかった。
 ロス氏のロシア側との関係の発覚は、トランプ政権のアキレス腱(けん)になっている「ロシア疑惑」の根深さを改めて印象づけるものだ。
・・・・・・
 トランプ氏自身に対する米国民の視線も厳しさを増している。ワシントン・ポスト紙が2日に公表した世論調査では、ロシア疑惑を巡って「大統領自身も罪を犯した可能性が高い」と考える人が49%に上っている。ロス氏ら閣僚の進退問題に発展すれば、既に落ち込んでいる支持率への影響も避けられない。
 トランプ氏はアジア歴訪に出発した3日朝、記者団に「ロシアとの結託はない。何もない。率直に言って(捜査が)継続しているのは侮辱だ」と不満をあらわにした。
・・・・・・
 パラダイス文書に名前が登場したトランプ政権関係者はロス氏だけではない。閣僚や有力支援者など、ロス氏以外にも12人の名前がICIJの取材で判明した。「既得権層による富の独占」を批判して大統領選に勝利したトランプ氏だが、政権はタックスヘイブン(租税回避地)と深く結びついている。
新たなロシア疑惑、トランプ政権に火種 パラダイス文書

日米の政権は異常なほど親密ぶりをアピールしているが、崩壊は意外に早いのではないか。
アメリカの直近の選挙情報である。
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日本が先か、アメリカが先か分からないが、まあ一方だけということはないだろう。

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2017年11月 3日 (金)

加計疑惑(56)大学設置審認可へ/アベノポリシーの危うさ(315)

学校法人加計学園」(岡山市)の獣医学部新設の可否を審査している文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)が、新設を認可するよう林芳正文科相に答申する方針を固めた。
答申は10日の予定だとされ、これにより来春の開学が可能になる。
これで、「加計疑惑」は一件落着であろうか?

残念ながらそうではない。
加計学園の獣医学部新設計画では、政府の国家戦略特区制度を活用した手続きが「加計ありき」で進められたのではないか、が疑惑の焦点であった。
学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相の「腹心の友」であり、首相官邸の働き掛けの有無などについて疑問が呈されてきた。
設置審と国家戦略特区制度は別の制度的枠組みであり、設置審の判断が疑問に答えるものではないからである。
設置審の判断は、必要条件であっても十分条件ではないのだ。

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東京新聞11月3日

 特区担当の内閣府が文部科学省に、獣医学部新設に関して「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えたとする記録文書が、5月に明らかになった。

 菅義偉官房長官は当初「怪文書」と切り捨てたが、前川喜平前文科事務次官が「確実に存在した」と証言し、文科省の再調査で確認された。内閣府は発言を否定した。
 前川氏はさらに在任時の昨年九月、和泉洋人首相補佐官に「総理は自分の口からは言えないから」と手続きを促されたと説明。同八月に当時内閣官房参与だった木曽功学園理事から「早く進めてほしいのでよろしく」と言われたと明かしたが、和泉、木曽両氏とも働き掛けはないと主張した。
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 記録文書には、首相側近の萩生田光一自民党幹事長代行(当時は官房副長官)が再三登場。新設条件の修正に関する内閣府のメールに「(修正指示は)萩生田副長官からあったようです」との記載もあった。萩生田氏は関与を否定している。
 安倍首相が今年六月の記者会見で「議事は全て公開している」と胸を張った特区の審議でも、疑義が生じている。
 二〇一五年六月の特区ワーキンググループに加計学園の三人が出席していたのに、議事録では伏せられ、発言も記載されなかった。獣医学部新設には「既存の大学で対応が困難」などの四条件が必要とされるが、議事要旨には、クリアしたかどうかを詳細に話し合った形跡は見当たらない。
 獣医学部新設は予定地の愛媛県今治市などが申請。昨年十月に安倍首相が議長として出席した特区諮問会議で議論されたが、首相は事業者が加計学園であることを知ったのは、計画が認定された今年一月になってからと説明した。こうした自身の言動を含め、説明責任が問われている。
「加計ありき」残る疑惑 問われる首相の説明責任

設置審の判断で加計疑惑が解消されたわけではないことを確認すべきだろう。
国家戦略特区の判断の検証を曖昧にするようなことがあっては、将来に禍根を残すことになると思う。

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2017年10月31日 (火)

国会・ディベート・クリシン/アベノポリシーの危うさ(314)

選挙が終わった直後は、与党幹部が口を揃えて「謙虚な姿勢で」と言っていたはずである。
それが、まさに舌の根が乾く間もなしに、国会を開く前から野党の質問時間を減らせと言い始めた。
議院内閣制だから、政府与党の見解と政府の見解に大きな違いはない。
事実、国会でカジノ法案審議の時、時間が余ったからと、「般若心経」を口にした自民党の質問者もいた。
⇒2016年12月 7日 (水):後ろめたさ全開のカジノ法案審議/アベノポリシーの危うさ(113)

各党の言い分は次のようである。

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 質問時間の配分は国会法に規定がなく、与野党の協議で決まる。衆院では予算委員会などの審議について、議席数の少ない野党に配慮し、最近は与党二割、野党八割を目安に割り振っている。だが、森友学園や加計(かけ)学園を巡る疑惑追及などに費やされることを嫌った政府・与党には以前から見直し論がくすぶっていた。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官はこの日の記者会見で「各会派の議席数に応じた質問時間の配分は、国民からすればもっともな意見だ」と語った。
 この問題を巡っては、首相と自民党の萩生田(はぎうだ)光一幹事長代行が二十七日、これまでの慣例を見直し、野党の質問時間を削減する方針を確認している。
「民主主義の履き違えだ」 野党の質疑 短縮批判続出

野党の質問時間を制限して、何をしようというのか?
安倍首相へのゴマすりか?
はたまた般若心経を唱えるか?

日本人はディベートが苦手と言われる。
確かに口ばっかり達者な人は信用できないような気がする。
しかし、若者は変わりつつあるようだ。
俳句甲子園では、作品点もさることながら、鑑賞点が決め手になるとは、森谷明子さんの『春や春』にも描かれているとおりである。
⇒2017年7月 7日 (金):森谷明子『春や春』/私撰アンソロジー(48)
⇒2010年8月30日 (月):俳句甲子園
⇒2011年9月27日 (火):今年の俳句甲子園/私撰アンソロジー(7)

その俳句甲子園の最強豪校が、東大進学で有名な開成高校であるのは、癪に障るが納得的でもある。
ディベートの際に重要のはクリティカル・シンキング(クリシン)である。
⇒2010年9月22日 (水):クリシンはどこへ行った?
⇒2010年12月25日 (土):イシュードリブン/知的生産の方法(1)

クリティカル・シンキングについては下図が参考になる。
Criticalthinking2_2
What is "CRITICAL THINKING"?

国会は言論の府であろう。
だとしたら、堂々とクリティカル・シンキングに基づくディベートを行うべきだ。
Photo
ロジカルシンキング、クリティカルシンキングの違いを知ろう!

安倍政権のように、国会審議から逃げている政権をいつまで続けさせるのだろうか?

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2017年10月30日 (月)

モリカケ疑惑の行方/アベノポリシーの危うさ(313)

安倍首相が解散総選挙の日程を考えるうえで、野党の状況などから、「今なら勝てる!」と判断したであろうことは、万人の認めるところであろう。
その判断は、選挙結果を見る限り当たったと言ってもいいだろう。
しかし、モリカケ疑惑の行方次第では、波乱含みである。
モリトモ疑惑の中核である土地売買における値引き額について、会計検査院が疑問を抱いていることが分かったのは、選挙直後の10月25日であった。
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東京新聞10月26日

この疑惑解明の進捗度合いも、当然選挙日程を考えるうえで影響したであろう。
安倍首相は、「表面化しないうちに選挙を終わらせてしまうこと」を考えたに違いない。

解散した総選挙は、安倍首相の思う通りになった。
安倍体制が強化されたにか?
「モリカケ疑惑」の「丁寧な説明」が行われたことになったのか?
そう考えているとしたら、有権者は随分なめられたものだ。
果たしてどうなのか、やがて分かるだろう。

政権の広報紙に堕した産経新聞に、政策の私物化の様子を示す記録がある。
植草一秀氏のブログから引用する。

2015年9月19日に戦争法制=安保法制は強行制定された。8月30日の日曜日には国会議事堂を10万人以上の市民が包囲し、戦争法反対の示威行動を展開した。国会の緊迫度が頂点を迎えていた。そのさなかに、2015年9月4日(金)に安倍首相は平日昼間に大阪に出張した。
産経新聞は次のように伝えている。
安倍晋三首相は4日、大阪市を日帰りで訪問した。国会開会中の平日に首相が大阪入りするのは異例だが、首相には新党結成を目指す大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長との友好関係を強調する狙いがあった。自民党総裁選後の中長期の政権運営を見据えれば、政治思想が近い橋下氏の存在は欠かせないからだ。
大阪市を訪れた首相は地元の読売テレビのワイドショーに生出演し、安全保障関連法案の対案を出した維新をこう持ち上げた。
・・・・・・
9月4日(金)の安倍首相動静は以下のとおり。
【午前】8時18分、徒歩で公邸発。19分、官邸着。24分から40分、閣議。9時19分から44分、斎木昭隆外務事務次官。10時21分、官邸発。47分、羽田空港着。11時15分、全日空21便で同空港発。58分、伊丹空港着。
【午後】0時13分、同空港発。39分、大阪市中央区の読売テレビ着。1時30分から2時29分、番組収録。3時3分から45分、情報番組に出演。48分、同所発。4時7分、同市北区の海鮮料理店「かき鉄」着。故冬柴鉄三元国土交通相の次男、大さん、秘書官らと食事。5時5分、同所発。34分、伊丹空港着。6時8分、全日空36便で同空港発。57分、羽田空港着。7時18分、同空港発。43分、自民党本部着。44分から8時7分、谷垣禎一同党幹事長。8分、同党本部発。31分、東京・富ケ谷の私邸着。
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徹底検証不可欠アベ友事案2015年9月3-5日動静

日本共産党の宮本岳志議員によれば、2015年9月4日午前10時から正午までの間、近畿財務局9階会議室で、森友学園の小学校建設工事を請け負った設計会社所長、建設会社所長が近畿財務局の統括管理官、大阪航空局調査係と会合を持っていた事実がある。
冬柴大氏はりそな銀行高槻支店次長を務めたのち、冬柴パートナーズ株式会社を設立しているが、同社の業務内容には、コンサルティング、助成金申請援助があり、森友学園はりそな銀行と業務提携を行っている。

なんとも薄汚れた縁故的利権共同体ではないか。
森友・加計は朝日新聞などが捏造した疑惑だとする人もいる。
安倍首相の丁寧な説明をよく聞いて、疑惑の行方をしかと見据えよう。

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2017年10月25日 (水)

マクロ経済指標と経済の実相/アベノポリシーの危うさ(312)

総選挙に勝利した安倍首相は、当然のようにアベノミクスを再加速させるという。
しかし、アベノミクスで経済は良くなっているのか?
確かに、直近の株価は好調である。
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週刊朝日11月3日号

しかし、実生活で好景気を実感している人は少ないと思われる。
企業業績は好調であっても、実質賃金に反映されていないからだ。
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同上

広辞苑の第7版のニュースが流れているが、もう忘れ去られたような言葉に「トリクルダウン」がある。
アベノミクスという言葉と一緒に流行した言葉だ。
経済再生担当相だった甘利明氏は、2014年11月の記者会見で、「アベノミクスの基調が頓挫したわけではないが、トリクルダウンがまだ弱い」と語っており、安倍政権の経済政策のブレーンである経済学者の浜田宏一氏は、「アベノミクスの最初のステージはトリクルダウン」としていた。
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【アベノミクス失敗?】トリクルダウン理論が崩壊中!

それがいつの間にやら、安倍政権のブレーンである竹中平蔵慶應大学教授は、「トリクルダウンなんて起こるはずがない」と言った。
⇒2016年1月17日 (日):いかさま経済政策の破綻(続)/アベノミクスの危うさ(68)
稲田朋美元自民党政調会長も2016年5月15日のNHK日曜討論で、「安倍政権としてはトリクルダウンという考え方はとっていない」と発言した。
⇒2016年6月11日 (土):トリクルダウンの幻/アベノポリシーの危うさ(79)

幻の流行語大賞である。
井沢元彦、中原圭介『「歴史×経済」で読み解く世界と日本の未来』PHP研究所(2017年8月)において、中原氏は「本来、経済政策や金融政策というのは、国民生活を悪化させないためにどうすればいいのかという視点が原点にあるはずです」と言っている。
まさに「経世済民」である。

またmアベノミクスを推進しているリフレ派の経済学者は、一般教養の土台が欠如していると酷評しているが、同感である。
未だにアベノミクスを再加速させるなどと言っている安倍首相は、やはり「裸の王様」である。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
⇒2015年12月12日 (土):続続・安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(64)
⇒2017年10月21日 (土): デフレ脱却という政策目標の誤り/アベノポリシーの危うさ(310)

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2017年10月22日 (日)

「こんな首相」を続けさせて良いのか?(2)/アベノポリシーの危うさ(311)

選挙戦の初期は、メディアの取り上げ方は「安倍VS希望」の図式が圧倒的に多かったように思う。
周南になって、「政権VS立憲民主」もしくは「改憲勢力VS立憲勢力」にシフトしてきたように感じられる。
たまたま、橋本治『知性の顚覆 日本人がバカになってしまう構造』 朝日新書(2017年5月)を読んでいたら、独特の表現ではあるが大いに共鳴した。

橋本さんは、東大在学中の駒場祭のポスターのコピー「とめてくれるなおっかさん 背中の銀杏が泣いている 男東大どこへ行く」で知られる。
その後、桃尻語などで一世を風靡したのは知っているが、感覚が合わないような気がしていた。
橋本さんは、『自民・希望・民進「誰も得しない」? 橋本治が衆院選を切る』で次のように語っている。

 安倍は北朝鮮問題やら民進党のスキャンダルやらで、一時は落ち込んでた支持率が、ここにきてちょっと上がったから「今だ」と思って解散総選挙に踏み切ったんだろうけど。選挙戦じゃ希望の党や民進党の悪口ばっかり言っていて、そういうコトしていると自分が嫌われるというのが、相変わらず分かってないでしょ。
 一方、希望の党の小池百合子は民進党を乗っ取って、一気に主役になろうと考えたんだろうけど、その過程で「私にとって都合の悪い人は排除します」なんて言うもんだから、結局はタカ派だってのがあっさりバレて嫌われた(笑)。で、前原がその小池に手玉に取られて、分裂崩壊しちゃった民進党は「ああ、あの人たちってやっぱりバカだったのね……」とみんなに納得されちゃった。
 その希望の党を排除された面々は、急遽団結して立憲民主党を作った。ほとんど忠臣蔵だよね。代表のせいでお家断絶となった民進党の浪士が、仇討ちを決意して結集したという……。日本人の同情はこういうところに集まるから、元の城をなくしてもここはそれなりに勝てる。そういうもんです。

超大型の台風が上陸するのはほぼ確実らしい。
総選挙の結果はどうなるか?
もう少し時間が欲しかったところだが、そこが政権の狙いだろうから言っても仕方がない。
しかし安倍首相と枝野立憲民主党代表の街頭演説の様子を並べた写真が雄弁に語っている。
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ものものしい警備の中でしか演説できない首相と、群衆の真ん中で演説する枝野氏。
「「こんな首相」を続けさせて良いのか?」と、本気でもう一度問いたい。
⇒2017年10月20日 (金):「こんな首相」を続けさせて良いのか?/アベノポリシーの危うさ(309)

改めて、各党の主張の概要をまとめた表を引用しておこう。
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東京新聞10月22日

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2017年10月21日 (土)

デフレ脱却という政策目標の誤り/アベノポリシーの危うさ(310)

安倍首相は「アベノミクス」がよほどお気に入りらしい。
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「アベノミクス」と称する経済政策の1丁目1番地は、日銀の黒田東彦総裁による「異次元の金融政策」であろう。
しかす既に4年以上経つのに、広言していた2%の物価上昇目標は未だに達成できていない。
にも拘わらず、反省の姿勢がまったくないまま緩和政策を続けている。
「PDCA]というマネジメントの原則に照らしてみても、安倍一強のマイナスは明らかであろう。
出口政策についても具体策を示していない。

Ws000000_2 国債の大量購入で日銀が保有する国債は発行残高の4割超に膨らみ、市場では不安が強まっている。日銀が将来、出口局面で国債の買い入れを減らせば、市場に出回る国債が増えて国債価格が下落(金利は上昇)すると見込まれる。市場が混乱する恐れがあるほか、日銀が抱える国債に巨額の含み損が発生したり、日銀にお金を預けている民間金融機関への利払い費が膨らんだりして、日銀の財務が悪化する懸念がある。日銀の信頼性が損なわれて円が売 られれば、極端な円安やインフレを招きかねない。
黒田日銀総裁 異次元緩和強気、出口は遠く

企業の業績は上がっても、社員の実質賃金は下がっているので、消費は冷え込んだままだ。
⇒2017年10月19日 (木)::アベノミクスというイカサマ/日本の針路(346)

そもそもデフレは絶対的な悪なのか?
デフレスパイラルといわれるような状況が好ましくないことは、多くの人のコンセンサスであり、アベノミクスはデフレ脱却を最大の眼目としている。

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⇒2013年7月 1日 (月):金融緩和の効果と影響-アベノミクスの危うさ(8)/花づな列島復興のためのメモ(239)

しかし多くの大衆にとってはインフレよりもデフレの方が有難いのではないか?
⇒2013年7月30日 (火):物価上昇はハッピーな事態なのか?/アベノミクスの危うさ(10)

実際、井沢元彦、中原圭介『「歴史×経済」で読み解く世界と日本の未来』PHP研究所(2017年8月)には、中原氏により次のようなことが解説されている。

経済学者も日本政府も欧米の価値基準にならって「デフレは悪だ」と決めつけてきたわけです。実態を見ているとは、とても言えませんね。

中原氏は「東洋経済オンライン」2016年5月31日で、『「アベノミクスは大失敗」と言える4つの根拠』で、次を指摘している。

(1)円安により企業収益が増えたとしても、実質賃金が下がるため国内の消費は冷え込んでしまう。
(2)大企業と中小零細企業、大都市圏と地方といった具合に、格差拡大が重層的に進んでしまう。
(3)米国を除いて世界経済が芳しくない見通しにあるので、円安だけでは輸出は思うように増えない。
(4)労働分配率の見地から判断すると、トリクルダウンなどという現象は起きるはずがない。

リアルに社会を見れば、納得する人が多いのではないか。
未だにアベノミクスを自慢している安倍首相は、まさに「裸の王様」である。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
⇒2015年12月12日 (土):続続・安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(64)

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