技術論と文明論

2018年7月17日 (火)

治水政策の想定と想定外の事態/技術論と文明論(99)

「平成30年7月豪雨」による水害は、改めて治水政策の難しさを実感せざるを得ないものとなった。
工学的な対策は一定の設計条件を前提にするが、想定を超えるような事態が起きた場合にどうすべきか?
地球環境のためか、観測精度の向上のためかは別にして、「記録にないような事態」が頻発している。

倉敷市真備町や愛媛県西予市の様子には息を飲んだ。
真備町は高梁川支流小田川の決壊による。
2018年7月 8日 (日) 緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)2018年7月14日 (土) 頻発する異常気象と遊水機能を考慮した治水対策/技術論と文明論(97)

西予市では、上流の野村ダムの放流が適切であったか否かが問われている。Ws000023
大水害 愛媛県西予市野村

愛媛県西部の西予市と大洲市うぃ流れる肱川が氾濫し、約650戸が浸水した。
住民によると、午前6時半ごろから川は一気に増水して、津波のような濁流が押し寄せ、同7時半ごろには住宅の屋根まで水が及んだ。

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 気象庁によると、このときまでの24時間雨量は同市で観測史上最大の347ミリ。約3キロ上流の野村ダム(総貯水容量1600万立方メートル)は、午前6時20分から、緊急的に流入量とほぼ同量を放流する「異常洪水時防災操作」を開始。その水量は、直前の毎秒250立方メートルから一時、最大7倍近くに達した。
 地区の約5100人に避難指示が出たのは、7日午前5時10分。市関係者によると、その約3時間前の午前2時半ごろ、ダムの管理所長から市役所野村支所長に「7時45分に過去最大の毎秒1000立方メートルを放水する」と通告があったという。国は最初の連絡で「6時50分に放水開始予定」と告げたとし、双方に食い違いが出ているが、国の放流時刻の前倒し連絡などもあり、市の避難指示は5時10分に早まった。
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 ダムを所管する国土交通省治水課は「避難指示が出てから操作までの70分間、川への流量も少なく道路への浸水もなかった。避難行動に貢献できた」と回答。四国地方整備局の長尾純二河川調査官は「ダムの容量を空けて備えたが、予測を上回る雨だった。規則に基づいて適切に運用した」と説明する。
・・・・・・
 京都大防災研究所の角哲也教授(河川工学)は、予測を上回る降水時のダム操作の難しさを「ちょうど良く運用するのは神業」と表現。「現場の切迫感を、いかに早く住民に伝え、避難行動につなげてもらうかが大事」とし、非常時にどう動くのか日ごろから想定しておく重要性を訴える。
西日本豪雨/下 愛媛・西予肱川が氾濫 ダム放流、人災の声

想定していない局面は常に起こる可能性がある。
それに対処するのが人間の強みのはずだが、不完全AI「東ロボくん」ですら、一般的な人間を超えているのが実状である。
ダムはもちろん設計条件内ならば有効であるが、設計を超えた事態に対処する方法論は未確立ではないだろうか。

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2018年7月16日 (月)

水害はスーパー堤防の仕分けが原因か/技術論と文明論(98)

「平成30年7月豪雨」による水害を、民主党政権時が「スーパー堤防を事業仕分け」したからだ、という批判が流行しているらしい。
スーパー堤防のことを多少でも知っていたら起きるはずの主張である。
そもそもスーパー堤防とはどいうものか?

国交省が1980年代に整備を始め、首都圏、近畿圏の6河川で873キロ造る計画だったが、民主党政権の事業仕分けで「完成までに400年、12兆円かかり無駄」と批判され、「いったん廃止」となった。11年に5河川120キロに縮小された。このうち昨年度末までにできたのは、部分的完成を含めて12キロ。事業再開後の13年度に北小岩1丁目など2カ所が新たな着工区間に選ばれたが、その後、新規の着工はない。江戸川区内では江戸川、荒川の約20キロで計画があり、これまでに2カ所で計2.5キロできている。
朝日新聞掲載「キーワード」の解説

イメージ的には下図のようなものである。
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「400年かかる公共事業」の現場をみる

国交省が進めていた6河川とは以下の河川である。
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完了まで400年、総事業費12兆円とされたため、2010年10月の事業仕分けで「廃止」の判定がでた。
「百年河清を俟つ」という言葉も真っ青の400年である。

常に濁っている黄河の澄むのを待つ。あてのないことを空しく待つたとえ。(大辞林)

コスト・パフォーマンスから見て、仕分けされるべき事業だったと言える。
400年前といえば江戸時代初期であって、これから先400年を予測するのは不可能だからである。
日本の人口はこれから急速に減少していく。
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人口減少社会とこれから起こる変化

上図から予測すれば、400年後の日本列島の人口は1000万人以下である。
にもかかわらず、江戸川区は廃止判定後もスーパー堤防事業を強引に進めてる。
「まちづくり整備事業」(土地区画整理事業など)との一体施工を基本としており、対象区域の住民は、工事期間中ほかの場所で仮住まいをし、盛り土と宅地造成が終わってからスーパー堤防の上に新居を建てて戻るわけである。
稠密な土地利用の江戸川でさえ、コストに見合う効果があるか疑問符を付けられた。

今回、破堤した小田川は高梁川水系の支流であって、スーパー堤防の対象になり得ない河川であ。
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6カ所決壊、真備支流 岡山県が20年放置

つまり今回の西日本豪雨による決壊とスーパー堤防事業仕分けはまったく関係がないのである。
真備川の場合、治水計画が大幅に遅れていたことが原因と言った方が的確だろう。
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遅れてきた期間のほとんどが自民党政権であったことは言うまでもない。
治水事業費は、民主党への政権交代以前から進んでいたのである。Photo_5

民主党政権主犯説のようなデマが流行っているのは、情報を読む力の欠如であろうが、スーパー堤防という語感から、以下のような勘違いをしているらしい。
こんな堤防を期待しているとしたら、それも問題であろう。
この堤防が決壊したら、被害ははるかに大きくなるはずだ。
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2018年7月14日 (土)

頻発する異常気象と遊水機能を考慮した治水対策/技術論と文明論(97)

平成史上最悪の水害となった今回の西日本豪雨は、「平成30年7月豪雨」と命名されたが、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、6~7日にかけて中国・四国地方周辺に大雨をもたらした雨雲を解析した三次元動画を公表した。
積乱雲が数珠つなぎに次から次へと生じる「バックビルディング現象」が各地で多発し、同じ場所に長時間、激しい雨を降らせていたことが確認された。

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 気象庁や国土交通省の気象レーダーの記録から解析した。南西から暖かく湿った空気が流れ込み、最大高度約7キロの積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が多発していた。さらに、積乱雲の成り立ちを詳しく見ると、積乱雲の風上に次の積乱雲が連鎖的に発生するバックビルディング現象がみられた。
 同研究所によると、積乱雲の寿命は30~60分程度だが、この現象が起きると、地上からは、あたかも一つの積乱雲が同じ場所に長くとどまり、激しい雨を降らし続けるように見えるという。2014年8月の広島土砂災害や、昨年7月の九州北部豪雨でもみられた。
 広島県では6日午後6時以降、局地的に1時間に100ミリ超の猛烈な雨が降り続いた。同研究所の清水慎吾・主任研究員は「広島県の上空で南風と西風がぶつかり合って生まれた強い上昇気流が、線状降水帯を長時間維持させた可能性がある」と分析する。
「バックビルディング現象」各地で多発が判明

バックビルディング現象によって猛烈な雨が長時間継続した。1807102_3
東京新聞7月10日

バックビルディング現象は、4年前の広島を襲った豪雨禍の時にも言われた。
2014年8月21日 (木) 豪雨禍の傾向と対策としての古人の知恵/日本の針路(30)

改めて解説を見てみよう。

激しい雨を降らせる積乱雲が連続して発生し線状に並びその規模が幅20〜50km、長さ50〜200kmになるものが線状降水帯と呼ばれています。
停滞性の線状降水帯は同じ場所で激しい雨が3時間を超えて降り続けることもあり、まさにその場所に居る人にとっては経験したことのない大雨となります。
停滞性の線状降水帯の発生要因のひとつにバックビルディング現象があります。次のような流れで線状降水帯を作り出します。
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最初に風の収束や地形効果などによって積乱雲が発生します。激しい雨を降らせながら上空の風に流されてゆっくりと移動して行きます。風上側のこの積乱雲が発生した場所で新たに積乱雲が発生し、またゆっくりと風下へ移動して行きます。この流れが繰り返され、発達した積乱雲が世代交代を繰り返しながら組織化されて線状降水帯を作り出します。積乱雲させる、水蒸気の供給や上昇気流を引き起こす要因の解消、積乱雲を移動させる上空の風の流れの変化がない限りこの状況が続きます。
集中豪雨をもたらす線状降水帯とは?

継続した豪雨により、小田川が高梁川に合流する地点で小田川がバックウォーターで水位が上昇し、破堤に至ったと理解される。

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 岡山県倉敷市真備まび町で被害が拡大した背景について、専門家は高梁たかはし川の増水で支流の水が流れにくくなる「バックウォーター現象」が、堤防の決壊を誘発したと指摘する。
 国土交通省によると、高梁川の支流・小田川などで少なくとも計3か所の堤防決壊が発生し、広範囲にわたる浸水の原因となった。
 現地調査した岡山大の前野詩朗教授(河川工学)によると、高梁川と小田川の合流点の下流は、川幅が狭く湾曲し、水が流れにくい「ボトルネック」になっている。今回の豪雨では、高梁川の水位が合流点付近で急激に上がり、傾斜が緩やかな小田川の水が流れにくくなって水位が上昇。高馬川など小田川の支流の水位も上がり、堤防が次々に決壊した。前野教授は「高梁川の水位上昇の影響がドミノのように支流に広がり、水位が高い状態が長時間続いた」と推測する。
「バックウォーター現象」で支流の水位急上昇か

記録的な豪雨であったことは確かであるが、異常気象が異常ではなくなりつつあるともいえるのではないか。
洪水防御の切り札のように言われてきたダムも、想定以上の降雨の場合には危険を増す可能性がある。
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東京新聞7月13日

想定以上の現象に対して危険を増すというのはハード的対策に共通である。
基本的には堤内の土地利用を含めた総合的な対策ということになるが、人口減少時代においては、かって行われていた霞提のような遊水機能を持たせる対策を考えることも必要だろう。

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2018年7月 4日 (水)

AIの発展と自動運転への期待/技術論と文明論(96)

さまざまな分野でAIの実用化が進んでいる。
2018年1月13日 (土) スマートフォンとAI/知的生産の方法(170)

AIは、長いこと産業界のリーディング産業として君臨してきた自動車産業の姿を一変させるだろうと予測されている。180421
「週刊現代」4月21日号

当然、花形だった機械工学の技術社の立場も変わってくるだろう。1804212
同上

車については、製造だけでなく自動運転分野への影響も大きい。
高齢者の運転する車の事故のニュースが多いが、体力の衰えた高齢者ほど自動車に頼るニーズは高いのである。
特に、限界集落化しているような地域では喫緊の課題と言えよう。¥
雑誌「NEWTON」の2018年8月号が『人工知能と自動運転』という特集を掲載している。

自動運転は、次のようなレベルで考えられている。Photo

ロードマップは以下のように想定されている。Photo_2

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東京都で、自動運転やビジネスモデルの実証実験も始まった。
高齢者のモビリティをどう確保するかは現在の重要テーマである。

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2018年7月 2日 (月)

スマート化に逆行する日本/技術論と文明論(95)

東京電力ホールディングス(HD)は29日、建設作業が中断している東通原発(青森県東通村)について、今年度後半から敷地内の地質調査を始めると発表した。
東電が福島第1原発事故後、建設再開に動き出すのは初めてである。

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 同原発は、1号機(138.5万キロワット)が11年1月に国の新設認可を受けて着工したが、原発事故後は世論に配慮して建設を中断。現状は更地のままだ。
 一方、福島事故を受けた規制強化で安全対策コストが膨らみ、地元同意のハードルも高まる中、電力各社も原発の新設を検討しづらい状況だ。そこで東電HDは、既に新設認可を得て「建設中」の段階にある東通原発の共同建設・運営を各社に提案。コストを分担しつつ新たな電源を確保し、建設や運用に関する最先端のノウハウも得られるとアピールしており、東電HDの小早川智明社長は29日の記者会見で「より安全性に優れたものをつくっていきたい」と意欲を示した。
建設再開へ 福島第1原発事故以来、東電で初

世界の趨勢は、脱原発・脱炭素である。
さらに日本はプレートの境界に位置するという地質学的特性を負っている。
本来ならば、世界に先駆けて自然エネルギーシフトを進めるべきである。
2018年6月25日 (月) 相次ぐ地殻変動にもかかわらず原発再稼働か?/ABEXIT(60)

東電東通原発建設再開は、政権の方向性に合わせたものであろうが、新しい文明に取り残されるであろう。
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東京新聞6月30日

「限界費用ゼロ社会」の提唱で知られるジェレミー・リフキン氏は『スマート・ジャパンへの提言』で次のように述べている。0012
「TOPPOINT]2018年7月

日本政府や東電は、明らかに「スマート化」に逆行している。

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2018年2月 8日 (木)

仮想通貨の時価とは何か?/技術論と文明論(94)

仮想通貨の時価が急落している。
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東京新聞2月7日

昨年度は基本的に急騰したが、コインチェックの不正流出以前から下がり始め、同事件が輪をかけたようだ。
1カ月で3分の1になるとは尋常ではない。
仮想通貨は通過の代わりに決済等に使われるものであるならば、基本はリアルの通貨に連動しているのではないだろうか?
素朴な疑問である。
神田敏晶氏による解説サイト「世界で一番わかりやすい『ビットコイン』と『仮想通貨』の本質的なこと」を見てみよう。

通貨の歴史はトークンに始まる。
物々交換の不便な点、例えば保存場所が必要だったり、数日で腐ってしまったりということを解決するために、価値の媒体として、「トークン」が考えられた。
加工した石や、貝殻などが使われた。
トークンが増えてくると、管理をどうするかが問題になる。

紀元前3500年のメソポタミア文明で、象形文字から進化した楔形(くさびがた)文字による『粘土板(タブレット)』が発明された。粘土板に記載れた記録を改ざんされないように粘土板を焼いて取引内容を固定化した。つまり改ざんされない『暗号化』された『台帳』が発明された。古代メソポタミアでは、重要なことは金銭にかぎらず、すべて、タブレットに焼きこまれて保存された。取引、利息、金利、不動産、法律、辞書、数学、測量、天文、酒造、医療…すべての重要な事項がタブレットに焼かれて保存される。そう、これぞ『ブロックチェーン技術』の先祖の誕生だったのだ。
・・・・・・
『Cryptocurrency(暗号通貨)』のデータは、地方の権力者たちが自由に勝手に決めたトークンよりも、楔形文字を操れる人たち(エンジニア)が、焼きつけた(暗号化)「取引台帳」の方がはるかに「信用度(クレジット)」が高くなる。むしろ、その暗号化された解読(デコード)が日常化し、楔形「文字」をさらに進化させる事となる。

現代の『ブロックチェーン技術』も同じ思想だと言える。
ひとつの「ブロック」を形成するのに、莫大な計算を必要とさせ、次のブロックにつなげてチェーン化している。
⇒2018年2月 5日 (月)  ブロックチェーンのしくみ/技術論と文明論(93)

2008年11月1日に、サトシ・ナカモト氏という謎の日本人らしい人物が、 「私は全く新たな電子キャッシュシステムを開発してしまった。信用されているとされる第三者を一切経由せず、完全なるピアツーピア型で」と論文を発表した。
以下が論文のコピーである。
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https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

サトシ・ナカモト氏は、ブロックの計算ををする人に「ビットコイン」という報酬を与えた。
計算することによってビットコインという「金」がもらえるので、「採掘=マイニングする人」、ビットコインマイナーが生まれる事になった。

翌2009年より、「分散型台帳」の登録更新(マイニング=「採掘」)がされることによって「ビットコイン」の運用がなされ始めた。
常に台帳管理をコンピュータで計算し、台帳を更新するボランティアには、1ブロックごとに50ビットコインの報酬が与えられ、それが現在は25ビットコインだという。
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週刊SPA!180116・23

ブロックチェーン技術によるビットコインは、個人同士でもやりとりができるが、交換相手を見つけるのが難しいので、ビットコインの取引所ができた。
仮想通貨取引所を設けることにより、現在の通貨をビットコインと自由に交換できるようになったわけで、そこでリアルの通貨との交換比率が生まれた。
日本の金融庁が認可している仮想通貨取引所は現在16社ある。
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週刊SPA!180116・23

ビットコインの発行枚数は、発行上限枠が2,100万枚に限定されている。
2018年1月13日時点で1680万BTCが採掘の報酬として配られており、残りは420万BTC(20%)となっている。
しかし、4年毎に報酬が下がり、全部採掘するのは、22世紀の2141年頃と予測さえる。
ビットコインの採掘ブロック数を誰もがすぐに知ることができのが、ブロックチェーン技術の良いところと言われる。

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2018年2月 5日 (月)

ブロックチェーンのしくみ/技術論と文明論(93)

コインチェックに対する信用は毀損されたが、仮想通貨の基礎となる「ブロックチェーン」の技術は大きな広がりを持っている。
⇒2016年9月15日 (木) ブロックチェーンの可能性/知的生産の方法(159)

コインチェック以前にも一般紙で取り上げられる機会増えていた。
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東京新聞2017年12月18日

改めてブロックチェーンのしくみを見てみよう。
ブロックチェーンは、主に3つの要素の上に成り立っている。
1.ブロック
ブロックとは、ブロックチェーン上で行われたすべての取引の記録がおよそ100~1,000個単位でまとめられているデータのこと。
例えば、Aさんは100万円持っておりBさんに10万円送金した。10万円を受け取ったBさんは、50万円だった残高が60万円になり、取引が成立したため、Aさんの残高は90万円になった。
このような取引の記録が1つとしてまとめられ、いくつも集められているのがブロックである。

2.ハッシュ
ハッシュとは、ブロックチェーンにおいて使われているブロックを守っている暗号のこと。
主にSHA-256とRIPEMDと呼ばれる技術が採用されており、記録を守る「暗号化技術」として多方面で使われている。
通常の暗号化技術では、元の単語を割り出されないようハッシュを利用しているが、ブロックチェーンは元の単語を割り出すための計算式は用意された状態で運用されている。
ブロックごとにハッシュが仕込まれていることにより、仮に改ざんを行おうとしても整合性を欠くデータが出来上がってしまうことになる。

3.トランザクション
トランザクションとは、ブロックに書き込みが行われる取引のこと。
上記のAさんとBさんの取引の例のように、トランザクションがAさんとBさんの間で発生し、ブロックに書き込みが行われることとなる。

ブロックチェーンを国ぐるみで使っているのがエストニアである。
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東京新聞2017年12月25日

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2018年1月31日 (水)

コインチェックの仮想通貨・分散送金か?/技術論と文明論(92)

仮想通貨取引所大手コインチェックから約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム、単位はXEM/ゼム)」が外部からの不正アクセスで流出した問題で、実行犯のハッカーらが盗んだNEMを分散送金したらしい。
NEMは1つの口座に入金された後、9口座に分散されたという。
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東京新聞1月31日

 26日にコインチェックから盗まれたNEMのうち大半は、26日中にこのアカウントから9つのアカウントに送金されていたが、その後、出金はとだえていた。
 30日夜、このアカウントからの出金が突然再開された。30日午後10時半ごろから約30分にわたり、100XEM(30日夜の相場で約9000円)または0XEMを、9つのアカウントに対して、計14回送っている。送金先のほとんどが、26日以降、犯人のアカウントに送金したりメッセージなどを送ったアカウントのようだ。
 26日の事件発覚後からは、犯人のアカウントに対して、さまざまなアカウントから少額の入金や、メッセージの送信が行われていた。犯人にコンタクトを取ったり、犯人のアカウントからの送金を追跡するマーク(モザイク)を送る――などの目的とみられる。
 犯人側は、コンタクトを取ってきたアカウントに対して、NEMを“返信”している形になる。ただ、犯人の資金の移動を追跡するモザイクを送った日本の開発者、@minarin_(みなりん*)さんのアカウントには、送金が行われていない。
コインチェック窃盗犯、送金を再開 コンタクト取った人に“返信”?

この事件が犯人の思う通りに展開するのかどうか、現時点では分からない。
「仮想通貨少女」というアイドル・グループが登場するなど、ブームになっているがコインチェック事件が水を差すのかどうか。
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東京新聞1月24日

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2018年1月28日 (日)

コインチェックから仮想通貨が580億円分不正流出/技術論と文明論(91)

大手仮想通貨取引所のコインチェック(東京都渋谷区)が、外部から不正なアクセスを受け、顧客から預かっていた仮想通貨「NEM(ネム)」約580億円分が流出したと発表した。
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東京新聞1月28日

580億円という金額の大きさとセキュリティ管理の甘さの非対称性に驚く。
本物の通貨ならば、とても簡単には持ち出せない。
コインチェックは国内仮想通貨取引所、NEMは主要仮想通貨の1つである。Photo_2

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「週刊SPA1」2018年1月16・23日号

仮想通貨を巡っては、2014年に取引所を運営していた「マウント・ゴックス」で大量のビットコインが消失し、元社長が業務上横領などの罪に問われた事件が発生した。
⇒2014年2月28日 (金) ビットコイン騒動/花づな列島復興のためのメモ(313)

「マウント・ゴックス」事件の後、17年4月の改正資金決済法施行で、取引業者は登録制となり、コインチェックは登録審査中だが営業はできる。
ブームのようになっている仮想通貨であるが、コインチェックの大量流出で、信用が大きく損なわれることになると思われる。
まあ、新しいものに興味を持つことは良いが、投資はあくまで自己責任で。

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2018年1月19日 (金)

仮想通貨はどうなっていくのか?/技術論と文明論(90)

仮想通貨の代表がビットコインであるが、ビットコインの価格が急上昇した。
2017年12月半ばに一時1ビットコイン1万9000ドル台に達し、日本円では200万円を超えるまで上昇した。
年初は1000ドル弱、10万円程度だったから、1年間で約20倍になったことになる。
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ビットコインは信⽤できる通貨になるのか

異常とも言うべき上昇ぶりであるが、直近では下落する傾向のようである。

事実上仮想通貨のトップ100すべてが15~30%暴落した。全仮想通貨の時価総額は約4500億ドルとなり、48時間前の6500億ドルから30%近く下落した。
昨日Bitcoinはあと数ドルで1万ドルを切るところまで来ていたが、その後1万1000ドルと2日前の15%安まで戻した。しかし現在Bitcoinは、ほとんどの主要交換所で1万ドル以下で取引されている。
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ビットコインの暴落、さらに加速。ついに1万ドルを切る

相場のことであるから、今後のことは分からない。
しかし、アルトコインと呼ばれるビットコイン以外の仮想通貨も増えている。
主要な
アルトコインには次のようなものがある。2
「週刊SPA!」2018年1月16・23日号

これらの仮想通貨はどの程度の規模になるのであろうか。
当面仮想通貨に投資する気はないが、ウォッチしておこう。

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