日本の針路

2017年10月18日 (水)

総選挙終盤の情勢/日本の針路(345)

安倍首相が「今なら勝てる!」と判断して解散したのだから、最初から与党有利のはずである。
それに、機会主義者の小池百合子都知事が都議選の味が忘れられずに乗っかり、バカな前原誠司民進党代表が取り込まれて、ますます与党有利になってしまった。
もはや首相として言ってはならない暴言さえも、問題にする人は少ない。
⇒2017年10月12日 (木): 安倍首相の暴言と衆院選序盤(?)の情勢/日本の針路(343)

そして早くも終盤である。
各紙とも与党堅調を報じている。

Photo_5  二十二日投開票の衆院選について、本紙は十七日、独自取材に、本紙や共同通信社が行った電話世論調査を加味し、終盤情勢を分析した。与党の自民、公明両党で、定数四六五の三分の二(三百十議席)以上を維持する情勢だ。希望の党と立憲民主党はそれぞれ四十議席超を確保する見通しで、野党第一党の座を争っている。
 自民は今回から定数が六減された二百八十九の小選挙区のうち、二百超で優位に戦いを進めている。定数四減となった比例代表も全国各ブロックで堅調で、安倍晋三首相(自民党総裁)が勝敗ラインに掲げた与党過半数の目標に加え、国会運営の主導権を握る絶対安定多数(二百六十一議席)も単独で得る見通しだ。
 公明は、自民とすみ分けて擁立した九つの小選挙区の一部で劣勢で、比例と合わせても公示前勢力を割り込む可能性がある。
 小池百合子東京都知事が代表を務める希望は、多くの小選挙区で野党間の競合を招き苦戦している。小池氏が七月の東京都議選で旋風を起こした東京都でも、小選挙区での議席の確保に手が届いていない。与党と激しく争う小選挙区もあるが、比例が伸び悩んでおり、公示前勢力を割り込む可能性がある。
 枝野幸男元官房長官が代表の立憲民主は、公示前勢力を三倍に増す勢いで自民に次ぐ第二党もうかがう。
 共産党は、米軍新基地建設反対で一致する野党が支援する沖縄1区で優位に立つが、比例では他の野党の勢いに埋没し、前回衆院選の躍進で得た二十一議席の維持は難しい情勢。日本維新の会は地盤の大阪で存在感を示すものの、全国的な支持は勢いに欠け、公示前勢力を維持できるかが焦点だ。
 社民党は小選挙区と比例九州ブロックで計二議席を獲得する見通し。比例で候補を出した日本のこころは議席獲得は見通せない。新党大地は比例北海道ブロックで議席が視野に入った。
 無所属は、二十人以上が議席を獲得しそうだ。この中では、民進党出身のベテラン議員が目立つ。
自公2/3維持の勢い 希望、立民 野党第1党争い 終盤情勢

残念ながら大きくは変わらないだろうが、希望と立憲の争いを見ても、反安倍の野党共闘が成立していれば、情勢は変わっていただろう。
前原を代表に選んだ民進党の限界ということだろう。
その意味では、確固としたリベラル勢力が明確になったのは収穫である。
「週刊金曜日」のブログの山下芳生×中島岳志の対談『衆院選で問われる日本政治の新しい対決軸、リベラル陣営のリアリズムとは』に、中島岳志氏による明快な図が載っている。

Photo_3横軸はリベラルとパターナルという価値観の問題です。リベラルは、基本的に個人の内的な価値の問題について権力は土足で踏み込まないという原則を持つ。これは寛容ということです。その反対語は、保守ではなくてパターナルで、価値を押しつける権威主義や父権制といった観念のこと。これは夫婦別姓、LGBT(性的少数者)の権利、歴史認識の問題などに現れやすい。
明らかに今の自民党は〈ローマ数字4〉の一番下のラインに位置すると思います。日本は、租税負担率や全GDP(国内総生産)に占める国家歳出の割合、公務員数などあらゆる指標がOECD(経済協力開発機構)諸国最低レベルとなっていて、もはや自己責任がいきすぎている社会です。
小池百合子さんも〈ローマ数字4〉に属します。彼女はかつて夫婦別姓に大反対しており(編集部注・「希望の党」は「寛容な保守」をアピールするために選択的夫婦別姓の導入に取り組んでいくとしている)、完全に思想的にはパターナル。極右的で歴史認識もひどい有様です。

まあ、小池百合子氏の本質は、関東大震災時の朝鮮人虐殺を認めない歴史修正主義や「排除」という言葉から明らかであって、前原誠司氏は、同類か騙されたかのいずれかであろう。
今更ではあるが、希望の党と自民党は無差別である。

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2017年10月13日 (金)

今、そこに見える「国難」/日本の針路(344)

安倍首相は解散を自ら「国難突破解散」と名付けた。
言わんとしているところは、北朝鮮の脅威と少子高齢化という国内事情のようである。
しかし、世間では「安倍政権の継続こそが国難だ」という声も聞こえる。
「国難だ」と言って、異論を排除してきた歴史もある。
大政翼賛会がその例であるが、まさに似たような雰囲気になりつつある。

しかし「国難」と呼ぶかどうかは別として、目に見える危機があることは確かだ。
米軍普天間基地に所属する大型輸送ヘリCH53が東村高江の牧草地に墜落、炎上した。
現場には米軍による規制線が張られ、立ち入り禁止になっている。

 12時頃、自民党の岸田文雄政調会長が比嘉なつみ候補(沖縄3区・自民)と現場を訪れた。
 親米の政権党だからだろう。2人はいとも簡単に規制線をくぐれた。規制線は現場から400~500m離れた位置に張られている。
 同じく沖縄3区の玉城デニー候補は規制線の中に入れなかった。玉城候補は野党でしかも基地反対を掲げる政治家だ。
 「同じ候補者なのにおかしいではないか」。抗議の住民・市民と警察が揉み合いとなった。現場は一時緊迫した。
 午後1時頃、翁長知事が現場を視察し「国難とはこういう状況だ」と語気を強めた。
地元農民・西銘晃さんの土地に墜ちたのだが、である。
【沖縄発】翁長知事「国難だ」 米軍ヘリ、牧草地に墜落 自分の土地に入れない農民

現場の状況をテレビの映像などで見る限り、明らかに「墜落」というイメージである。
しかし米軍は緊急着陸と公表し、日本政府もそう表現している・
1710132
東京新聞10月13日

事故原因は「日米地位協定」により、日本はアンタッチャブルである。
翁長知事のいうように、これこそが「国難」ではなかろうか。

そして「もの作り日本」を象徴する企業の不祥事続きである。
神戸製鋼や日産自動車の検査不正である。
検査部門の強い力が優れた品質を担保してきたのだ。
「〇〇ミクス」という浮ついた経済政策の裏側で、堅実な企業が浮利に走ってしまったのではないか。

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2017年10月12日 (木)

安倍首相の暴言と衆院選序盤(?)の情勢/日本の針路(343)

昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」で、党首討論を行っていた。
まあ時間も限られたものなので深い論戦など期待できないことは承知していたが、安倍首相が「モリカケ疑惑」について論点をはぐらかしてまともに答えていない(答えられない?)のが確認できた。
弁護士の郷原信郎氏は、安倍首相の発言について、次のような重要な指摘をしている。

安倍首相が、「籠池さんは詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」と発言した。内閣の長である総理大臣として、絶対に許せない発言だ。
籠池氏は、森友学園が受給していた国土交通省の「サスティナブル建築物先導事業に対する補助金」の不正受給の事実についての詐欺罪で逮捕され、起訴された。しかし、刑事事件については、「推定無罪の原則」が働く。しかも、籠池氏は、その容疑事実については、完全黙秘を貫いていると報じられている。その籠池氏の公判も始まっておらず、本人に言い分を述べる機会は全く与えられていないのに、行政の長である総理大臣が、起訴事実が「確定的な事実」であるように発言する。しかも、安倍首相は、憲法の趣旨にも反する、不当極まりない解散(【“憲政史上最低・最悪の解散”を行おうとする「愚」】)を、総理大臣として自ら行った。それによる衆議院選挙が告示された直後に、自分の選挙を有利にする目的で行ったのが昨夜の放送での発言なのである。安倍首相は「丁寧な説明をする」と言っていたが、それは、籠池氏が詐欺を働いたと決めつけることなのか。
「籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」は、“首相失格の暴言”

このような首相発言が許されるとすれば、もはや今、日本は法治国家ではないとするが、まったく同感である。
各紙が衆院選の情勢分析を行っている。
大同小異のようであり、日本経済新聞のものを見てみよう。

衆院定数465議席のうち、自民、公明両党で300議席に迫る勢いだ。自民だけでも安定多数の244議席を上回る見通しとなっている。小池百合子東京都知事が立ち上げた新党「希望の党」は選挙区で苦戦し、比例代表と合わせても70議席程度にとどまるとの結果になった。
Photo
与党300議席に迫る勢い 衆院選序盤情勢

まったく憂鬱になるが、おそらく最終的な結果も余り変わらないだろう。
何しろ政府が全力を懸けてやっているのである。
メディアも「安倍VS小池」にフィーチャーしている。
マジョリティである「B層」は、まんまと誘導されている。
⇒2017年10月 9日 (月):希望の党の支持基盤としてのB層/日本の針路(342)

しかし、安倍も小池も、根っ子は日本会議なのだ。
安倍一強を倒すと言ってみても、日本会議というコップの中のことである。
⇒2016年8月14日 (日):日本をダメにする日本会議という存在(2)/日本の針路(288)
⇒2015年12月26日 (土):日本をダメにする日本会議という存在/日本の針路(268)

しかし前原誠司民進党代表を誑かし、野党共闘路線を破綻させたのだから、影響は大きい。
せめてもの救い(?)は、小池百合子東京都知事の化けの皮が剥がれたことであろう。
そして、立憲民主党の意外な(?)健闘である。
ツイッターのフォロワー数や、立憲民主党に寄せられている個人献金の多さに、新しい政治の胎動を感ずる。

かくなる上は、参院民進党は断固として前原と袂を分かつべきだ。
そして、今後の野党共闘の地固めをすることに全力を注ぐべきだ。

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2017年10月 8日 (日)

街宣場所を告知できない安倍首相/日本の針路(341)

都議選の際に秋葉原の街宣でヤジられて「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と絶叫した安倍首相。
それが自民惨敗の一因とされている。
⇒2017年8月17日 (木):切れ者とキレる人/「同じ」と「違う」(105)

そのことがトラウマになっているのだろうか?
衆院選の街宣ついては異常なほどピリピリしているようで、鉄壁のガードをされている。20171007_1415552_2
ツイッターより

国民を守るよりも、まず自分を守るということだろう。
そして、街宣場所をオープンに告知しないという。

安倍首相は昨日おこなわれる予定だった新百合ヶ丘駅前の街頭演説を「ヤジ」が嫌だという理由でドタキャン。なんと急遽、4駅離れた向ヶ丘遊園駅前に場所変更するという逃亡劇を繰り広げたばかりだ。
 実際に国民から逃げる総理など前代未聞だが、そのため、Twitterでは「ほんとうに来るのか」「また直前に逃げるのでは」などと意見が飛び交い、「国難来る」「会いに行ける国難」というハッシュタグまで登場した。
 自民党総裁の街宣なのに、国分寺での安倍首相の街頭演説について、自民党広報から国民への事前告知は一切なし。
安倍首相、今度は無告知ゲリラ街宣の醜態!

国民の前に堂々と立てない首相とは何なのか。
改めて、将の器かどうか問われているのだ。
「こんな人に」国政を任せるわけにはいかないだろう。

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2017年10月 6日 (金)

総選挙後の政権は誰が担うのか?/日本の針路(340)

総選挙が政権を争う選挙だとすれば、総選挙後の政権は誰が担うことになるだろうか?
現時点では結果を予測するのは難しいが、選挙の構図は見えてきた。
⇒2017年10月 3日 (火): 明確になった衆院選の構図/日本の針路(336)

三極を以下のような図で考えてみよう。
3
自公×希望維新×立憲民主共産社民 衆院選3極争う構図

選択肢を絞って考えてみよう。
1.安倍政権は存続するか?
私の周辺の安倍シンパは、民進党が希望の党に合流した時点では相当危機意識を持っていた。
⇒2017年9月27日 (水): 小池新党はポピュリストの本領か?/日本の針路(331)
しかし、小池氏が「何様?」といった態度で急速に失速しつつあるのを見て、「選挙結果が楽しみだ」などと言っている。

果たして彼らの思っているように、有権者は「モリカケ疑惑」を忘れているのだろうか?
私は安倍首相が「追い込まれて解散した」と考えており、それはそう簡単には変わっていないのではないかと見る。
「立憲民主」+「共産」+「社民」のリベラルは苦しい戦いであることは紛れもないが、ツイッターのフォロワー数などを見ると、「立憲民主」は民進党の中で「スジを通した」ことが意外と評価されているようである。
⇒2017年10月 5日 (木): 総選挙の争点としての原発政策/日本の針路(339)
つまり安倍政権が存続できるほどには自民党は議席を獲得できないのではないか。

2.誰が後継するのか?
政権交代が起きるにしても、リベラルに移るとは考えられない。
とすれば「自公」政権が後継するのか?
安倍信任という状況でないのだから、「自公」も終了である。

「維新」and/or「希望」を組み込む可能性が高い。
小池百合子氏の発言も、そう想定しているのではないか。
とすれば、首班は誰に?
これ以上はムダな憶測というものだろう。
私は、今回の総選挙で落ち着くとは思えず、政界再編の2幕、3幕があると思う。
⇒2017年9月28日 (木): 衆院解散は「倭国大乱」に似ているか?/日本の針路(332)

とすると、今回の政局のシナリオライターは誰だったのか?
田中龍作氏の見方である。

前原誠司氏が代表に就く前から小沢・自由党代表は、政権交代に向けて知恵を授けていた。小池ゆり子氏とも気脈を通じ、伏兵を送り込んでいた。仕掛け花火のような「小沢の秘策」が炸裂したのである。
前原代表は記者会見で記者団から共産党との選挙協力について問われると「1対1に持ち込む」と繰り返した。
前原代表によれば、小池新党(希望の党)から出馬した民進党議員が民進党に戻って来ることはない。解党が始まったのである。
両院総会、懇談会、代表記者会⾒の会場となった永田の党本部には、かつてない数のメディアが詰めかけた。身動きが取れないほどだ。最盛期の政権交代時(09年)でもこれほどの人数はいなかった。
安倍首相が解散日恒例の記者会見を開かなかったこともあり、メディアは民進党に釘付けになった。独裁者が腰を抜かす奇策は、そこにぶつけられたのである。
前原-小沢が解散の日にぶつけた超ド級の秘策

この見方は正しかったのか?
前原氏がケロッと「想定内だ」と言っているのを見ると、当たらずといえども遠からず、と言ったところだろうか。
陰謀論めいているが、以下のようなコメントもある。

「忍者外交の名手・指南役」の米ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャー博士が、ドナルド・トランプ大統領に対して、「第2の日本」北朝鮮の金正恩党委員長=元帥との「口汚い罵り合いを止めて、対話により『米朝和平』(米朝国交樹立・平和友好条約締結→朝鮮半島統一) を実現するよう」厳しく諌めたという。これを受けて、天皇陛下を戴く世界支配層「ゴールドマン・ファミリーズ・グループ」は、小沢一郎政権誕生を前提に、11月4日~6日来日するトランプ大統領が天皇陛下に謁見した後、小沢一郎新首相・前原誠司外相が、天皇陛下の親書を携えてトランプ大統領とともに訪朝して、米朝和平とともに日朝和平を実現する計画を立てているという情報が伝わってきた。一方、新党「希望の党」が10月4日、総選挙の第1次公認候補192人を発表したところ、公認候補者の間で「小沢一郎代表に根回ししてもらったお陰だ。今後どこまでも小沢一郎代表に付いて行く」という声が広がり、「小沢一郎政権誕生を最大の目標として選挙戦を繰り広げて行こう」と勢いづいている。これは、「圧力強化一辺倒」の安倍晋三首相の「北朝鮮政策」が、キッシンジャー博士の一喝によって名実とともに破綻させられたことを意味している。
本来の台風の目は自由党 小沢一郎氏による根回しで全てが裏で繋がる今回の政界再編

第2幕は安倍退陣から始まると見る。

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2017年10月 5日 (木)

総選挙の争点としての原発政策/日本の針路(339)

ノーベル賞の自然科学部門の受賞はならなかったが、文学賞を日本出身のカズオ・イシグロ氏が受賞した。
慶賀したい。

衆院選絡みでは、立憲民主党の公式ツイッター(https://twitter.com/CDP2017)のフォロワー(読者)数が5日、開設から3日で13万人を超え、主要政党では自民党の約11万人を抜いて最多となった。
フォロワー数が議席数に直結しないのが残念であるが、勢いの一つの側面であることは間違いない。

総選挙の争点の1つが、原発政策である。
希望の党の代表である小池百合子氏は、当初は原発ゼロを口にしていたはずである。
しかし核武装が持論の小池氏が、本気で脱原発に取り組むはずがない。
案の定、踏み絵の政策協定書には、原発のことにまったく触れていない。
⇒2017年10月 3日 (火):明確になった衆院選の構図/日本の針路(336)
緑のタヌキに騙されてはならない。

東京電力の柏崎刈羽原発の再稼働に関して、原子力規制委が「適合」の判断をした。
もちろんこれは技術基準に関しての判断であって、そのまま再稼働の是非を判断するものではない。
⇒2013年7月 9日 (火):規制委の安全性審査は必要条件ではあるが十分条件ではない/花づな列島復興のためのメモ(243)

しかし安倍政権はそこを短絡し、審査がOKなら速やかに再稼働させる方針である。
現時点では、米山新潟県知事が慎重な姿勢を崩していないので、すぐに再稼働が可能なわけではない。
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東京新聞10月5日

たとえ技術基準に適合したとしても、柏崎刈羽原発の稼働には難題が山積している。
東京電力は福島の事故の対応の最中である。
福島の事故の収束だけでも大変なのに、柏崎刈羽の運転をする余裕があるのか?
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東京新聞10月5日

「福島の事故収束のために柏崎刈羽の運転が必要だ」というのは本末転倒した論理である。
先ず福島の収束に全力投球すべきである。

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2017年10月 4日 (水)

「希望の党」のミッションはリベラル狩り/日本の針路(337)

希望の党は何のために設立されたのか?
第一次公認192人が発表された。
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東京新聞10月4日

10項目の踏み絵を踏まなかった者は排除し、挙句の果ては、枝野氏らが立ち上げた立憲民主党には刺客を立てた。
露骨なリベラル狩りである。
したたかと言えばしたたかであるが、そう思うようには運ばないだろう。
おそらく一番喜んでいるのは、自民党であり、安倍首相であろう。
しかし選挙が公示されていないのに、惨憺たる状況が晒されてしまっている。

民進党から希望の党へ移って、公認された面々の胸中はどうだろうか?
安堵しているのか、仲間を売ってしまったという贖罪意識か?
議員でいることが目的化している人たちにとっては前者であろうが、多少でも志を持って政治家になった人はどうだろうか?

前原氏は、民進党が解体必至の状況で、多少でも価値が残っているうちに、藁をも掴む覚悟で、できるだけ有効に使おうという発想だったのであろうか。
⇒2017年9月11日 (月):民進党の解体と「真の野党」への再編成/日本の針路(328)
しかし愚直な前原誠司氏は、赤子の手を捻るように、小池百合子氏してやられた。
偽メール事件と言い、この人の資質に大きな疑問を感じさせられる。

民・希合作についての上西小百合衆議院議員の見方として、次のような記事があった。

 上西氏は「小池都知事の後ろで動いたのは、小沢一郎さんと細川護熈さん。しかも小沢さんは幹事長の座を要求しているらしい。明日、テレビ朝日の政治部デスクの細川隆一さんと一緒の生番組に出演するから、この辺も聞いてみよう」とツイートした。
 また、上西氏は28日に衆院解散を受けてツイートし「民進でも、共産でも、それこそ維新でもいい。今回の総選挙はありとあらゆる事が許される。悪魔のように細心に、天使のように大胆に。壮絶な戦いをして欲しい。今回の総選挙に出馬できる政治家は幸せだと、逃げた私は本気で思う。敵は自民だ、希望じゃない。間違うな」とつづり、さらに「野田佳彦と安倍晋三の漫画が終わった。腐った5年はまるまる私の議員時代だ」と連続ツイートしていた。
上西小百合氏、希望の党「後ろで動いたのは小沢一郎さんと細川護煕さん」

しかし小沢氏も、細川氏も、小池氏の手法は面白くないようである。
リベラルを排除した結果、枝野氏らが「立憲民主党」を立ち上げ、大物議員らは無所属での出馬することになった。
結局、安倍政権の打倒はフェイクで、民主党の分断(リベラル狩り)が小池氏の狙いだったのだろう。
だとすれば、それなりに成功したようにも見える。

小池氏は当初、原発ゼロなどと言って、安倍政権に対立するかのように振舞っていたが、
政策協定書には、原発ゼロは書いてない。
⇒2017年10月 3日 (火):明確になった衆院選の構図/日本の針路(336)
こんな幼稚な詐術が長続きするわけがない。
希望の通り民進党を解体させはしたが、解体は時間の問題であった。
⇒2017年9月11日 (月):民進党の解体と「真の野党」への再編成/日本の針路(328)

マスメディアは、「自公VS希望」に焦点を絞っているが、しかし例えばTeitterのフォロワー数では後からスタートした立憲民主党が、既に希望の党に大差をつけているという。

Ws000000_2枝野幸男氏が立ち上げた新党「立憲民主党」が2017年10月2日夕、公式ツイッターアカウントを開設した。翌3日昼段階で、既にフォロワー5万人を獲得するなど、勢いをみせている。
一方、同じく新党で小池百合子都知事が代表を務める「希望の党」は、9月26日に公式ツイッターアカウントを開設するも、フォロワーは1800人程度にとどまっている。
リプライにも違いが
立憲民主党のツイッターのフォロワーは3日昼現在、5万8000人超とその数を着実に伸ばしている。対する希望の党は、約1800人と伸び悩んでいる。他政党と比較しても、自民党11万人、公明党7万人に次ぐフォロワー数となっており、民進党にも倍以上の差をつけている。
希望の党、立憲民主党に抜き去られる 公式ツイッターのフォロワー数に大差

実際の投票行動とは別だろうが、将来の動きの先取りのようにも見える。
希望の党は、第一次公認に引き続き公認を追加発表するということであるが、既に急速に失速しつつあるように思われる。
例えば、音喜多駿、上田令子両都議が「都民ファーストの会」を離脱した。
真相は分からないが、小池百合子「希望の党」代表に対する信頼感が失われていることは間違いないだろう。

小沢氏は無所属で出馬するという。
自由党出身で希望の党公認で出馬する人は、潜在的離反者と見ていいだろう。
音喜多氏らの動きのように、「都民ファーストの会」の雲行きが怪しくなってきたが、「希望の党」も早晩内部矛盾が表面化し、大政党にはならないと思われる。
「倭国大乱」は未だ開幕前である。
⇒2017年9月28日 (木):衆院解散は「倭国大乱」に似ているか?/日本の針路(332)
そこにわずかな明かりが灯っているように見える。

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2017年10月 3日 (火)

明確になった衆院選の構図/日本の針路(336)

今年のノーベル物理学賞は、やはり本命の「重力波」の観測に授与された。
⇒2017年10月 2日 (月):日本の研究力を回復するために(4)重力波/日本の針路(335)

こういう研究成果に接すると、衆院選の様相がまったくツマラナイことのように思えてくるが、「民進党の枝野幸男副代表が「立憲民主党」を立ち上げ、「自公」「希望」「リベラル」の三つ巴の選挙戦の構図となった。
小池百合子代表が「希望」受け入れの条件とした踏み絵は以下のようだという。
Photo_2

私には関係がないが、特に「第7項」は如何なものか!
上限金額もなしに「指示する金額を提供せよ」と言われても、判断のしようがないのではなかろうか。
民進党全体の合流を考えていた前原誠司代表はとんだピエロ役だったことになる。

小池百合子氏は典型的な「排除の論理」を持ち出した。
Ws000000
 自民党から旧社会党出身者まで、幅広い人材を抱えた民進党。引退議員を除いて前職は81人、元職・新顔の公認内定者137人と合わせると218人に上る。前原氏は「民進党すべての候補予定者を公認してほしい」と記者団に語った。
 小池氏の宣言は、こうした前原氏の意向を否定し、「排除の論理」で絞り込みを図るというものだ。「野合批判」を避け、民進色を振り払う狙いがある。前日の会見では、安全保障法制への賛否を条件に挙げ、この日は「安全保障、憲法観といった根幹の部分で一致していることが政党の構成員として必要最低限のことだ」と断じた。
小池氏、政策不一致の候補「排除する」 民進との合流

もっともらしいような言い方をしているが、まだ実体がない新党なので、小池氏が独裁するということだろう。
さかんに「しがらみのない」という表現を使うのもその意味だだと考えられる。

衆院選の争点は何か?
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東京新聞10月1日

争点は「親安倍か反安倍か」と「改憲・安保法是か非か」であるが、小池氏の手口を見ていると、「改憲・安保法是か非か」は「民主か独裁か」でもある。。
総選挙の結果は、おそらく自民党の相当の議席減、希望はそれなりの議席を獲得するだろう。
しかし「与党+希望+維新」では本当に大政翼賛会の再来である。
リベラルはいまや絶滅危惧種に近いが、敗戦という痛切な体験を踏まえて戦後日本の中で一定の勢力を形成してきた。
多様な意見を容認するので今の政治状況では大きな勢力になりにくいが、大政翼賛会を作って再び失敗を繰り返すわけにはいかない。

今こそリベラルの旗を高く掲げなければならない。
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東京新聞10月3日

価値観における戦前・戦中に対する戦後の優位性を噛みしめるべき時だ。

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2017年10月 2日 (月)

日本の研究力を回復するために(4)重力波/日本の針路(335)

今年のノーベル医学生理学賞は、「体内時計を制御する分子メカニズムの発見」の業績で、米国人研究者のジェフリー・ホール、マイケル・ロスバッシュ、マイケル・ヤングの3氏に贈られることが決まった。
昨日書いた「DDSに関する松村保広国立がん研究センター先端医療開発センター 新薬開発分野分野長らのグループの業績」は来年以降に期待しよう。
⇒2017年10月 1日 (日):日本の研究力を回復するために(3)DDS/日本の針路(334)

物理学分野では、アインシュタインが約100年前に存在を予言した「重力波」が話題になっている。
イタリアなどの国際共同研究チームが観測に成功したと、28日発表があった。
重力波は2年前に米国で初観測され、今回が4回目で、欧州で観測されたのは初めてである。

 重力波は、非常に重い天体が高速で運動すると、より強く発生する。今回の観測は8月14日。2015年に初めて重力波をとらえた米国2カ所にある観測施設「LIGO(ライゴ)」に加え、欧州の観測施設「Virgo(バーゴ)」でも同時に観測された。地球から18億光年離れた場所で太陽の31倍と25倍の重さの二つのブラックホールが、互いの周囲を回りながら合体して発生したとみられる。
 Virgoは長さ3キロのパイプをL字形に直交させ、内部に通したレーザー光を使って重力波をとらえる巨大な装置。フランス、イタリアなど欧州の20カ国が参加してイタリアのピサ近郊に設置。観測開始からわずか2週間後に重力波をとらえた。
 G7科学大臣会合が開かれているイタリア・トリノで会見した共同研究チームは「LIGOの2カ所と欧州の計3カ所で同時に観測できたことで、発生源を精度良く分析できた」と説明した。
アインシュタインが予言の「重力波」、欧州でも観測

「重力波」はノーベル物理学賞の最有力テーマに位置づけられている。
以下のようなメカニズムで発生すると考えられている。
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東京新聞9月25日

重力波がどんな天体でどんな波形で出るかを計算する方法を確立したのが、京都大学基礎物理学研究所の柴田大教授だ。
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現在観測されている重力波は、上掲記事にあるようにブラックホールの運動により発生したとみられるものである。
柴田さんの狙いは中性子星由来の重力波である。
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中性子星は大質量の恒星の超新星爆発によってその中心核が圧縮された結果形成されるが、中性子星として存在できる質量にはトルマン・オッペンハイマー・ヴォルコフ限界と呼ばれる上限値があり、それを超えるとブラックホールとなる。
Wikipedia:中性子星

柴田さんたちの研究は、純粋に好奇心を喚起する。
基礎物理研究所は、日本人のノーベル賞受賞の戦陣を切った湯川秀樹博士を記念して設立されたものである。
長年の研究が脚光を浴びる日を待ちたい。

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2017年10月 1日 (日)

日本の研究力を回復するために(3)DDS/日本の針路(334)

昨年から今年にかけて、親しい知人の何人かがガンで亡くなった。
がんの標準的な治療方法は、「手術療法」、「化学療法(抗がん剤)」、「放射線療法」に大別される。
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がんの3大治療

もちろん効果が確実で副作用が小さい療法が期待される。
化学療法として期待が寄せられているのが、ドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System, DDS)である。
すなわち、体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御し、コントロールする薬物伝達システムである。

DDSの効果は以下の通りである(Wikipedia:DDS)。

1. 薬物作用の分離
特定の作用だけを取り出す、または抑え込む。
2. 効果の増強/発現
効果がより的確なものとなり、再現性も向上する。投資量の削減や適用拡大(新しい効能の発現など)が期待できる。
3. 副作用の軽減
安全域の拡大を図ることにより、QOLを改善し、患者の負担を軽減する。また、副作用から製薬化が頓挫した化合物を薬として復活させることもできる。
4. 使用性の改善
患者および医療従事者の負担を軽くし、薬物の服用指示違反(ノンコンプライアンス:noncompliance)問題の解消につながる。
5. 経済性
製品のライフサイクルの延長、差別化が図れる。また、医療費や関連費用の削減ができる。研究・開発の効率化が期待できる。

DDSへの貢献でノーベル賞が期待されているのが、松村保広国立がん研究センター先端医療開発センター 新薬開発分野分野長らのグループである。
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「週刊現代」10月7日号

Wikipedia:松村保広に次のように記されている。

1986年に高分子薬剤が選択的にがん局所に留まりやすい現象である「EPR効果Enhanced Permeability and Retention effect)」(en)を、前田浩と共に提唱した。また、がん間質にデリバリーし、不溶性フィブリン上で抗がん剤をリリースして、がんと腫瘍血管両方を攻撃するがん間質ターゲティング(CAST:“CAncer Stromal Targeting)療法を開発した。

医学生理学賞の本命と言えよう。32
同上

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