世界史の動向

2018年9月11日 (火)

「9・11」とサウジアラビア/世界史の動向(64)

21世紀の冒頭を象徴するような「9・11」のWTCビルの航空機突入のから17年が過ぎた。
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9.11の犠牲者の遺族がサウジアラビアを提訴

この事件については謎が多く「陰謀論」めいた話も多い。
例えばJ.コールマン、太田龍訳『9・11陰謀は魔法のように世界を変えた』成甲書房(2003年8月)は、この事件を、アメリカが連邦制共和国から、独裁的支配者をもつ強大な帝国に移行するために、「仕組まれた」ものだという。

まあ、にわかには信じがたいことではあるが、不可思議な要素が多いのも事実である。
例えば、萩谷良氏は次のような疑問にどう答えるか、と提起している。

1.ペンタゴンに開いた穴は飛行機の胴体の断面程度で、翼が衝突して突き抜けたにしては小さすぎます。
2.WTC7も崩壊したのに伏せられています。
3.WTC崩壊は、米国でよく土建屋が大規模建築を取り壊す際にする爆破に酷似しています。つまり、建物全体に爆薬を仕掛けたのと同じ壊れ方です。かつ、飛行機は上の階に突っ込んだのに、なぜか建物は下の方から崩れていて、上階には爆発の様子がなく、また、通説のように飛行機の積んでいたケロシンが燃えたなら当然見られるはずの炎が見えません。
4.FBIは、犯人を1年間も怪しみもせず米国内で教育していました。
5.米国政府はあのとき、ボーイング機が本来のコースをそれて、人口が密集するニューヨークに向かっているのに、気づかなかったのでしょうか? 本来なら、米空軍機が追跡して、よそで撃ち落とすはずです。
6.マイケル・ムーアがあの事件を取り上げたドキュメント映画「華氏911」でも見られるように、爆破事件の直後、なにより怪しいはずのサウジアラビアのビンラディン一家が米国を脱出し、ほかの罪もない中東の人たちが足止めされ、差別的な扱いを受けているのです。
アンチ陰謀論ヒステリーへの疑問

ツインタワー崩壊の原因は、公式にはビル内部の鋼鉄製の梁が過度に熱せられて構造が破たんしたためとされている。

 しかし、ノルウェー産業科学技術研究所(SINTEF)のクリスチャン・シメンセン(Christian Simensen)氏はこの公式見解に異を唱え、「大量の溶融アルミニウムがビルを流れ落ち、数百リットルもの水と接したため」とする論を展開した。
 シメンセン氏によると、アルミニウム産業では1980年以来、アルミニウムと水の接触による爆発事故が250件以上報告されている。また、米アルミニウム製品メーカーのアルコア(Alcoa Aluminium)による実験では、融解アルミニウム20キロ分を少量のさびを含んだ水20リットルと反応させたところ、大爆発が起きて研究施設は完全に破壊され、地面には直径30メートルの穴が開いたという。
 シメンセン氏の試算では、航空機が激突した世界貿易センタービルの北棟と南棟には、それぞれ30トンずつの溶融アルミニウムが流れ込んだとみられる。この分量が水と反応した場合、爆発の威力はビルの大部分を吹き飛ばすのに十分だったと考えられるという。この結果、重量のあるビル上部が下部を押しつぶして、ビル全体が砂上の楼閣のように崩れ落ちたと同氏は論じている。
 このシナリオに沿えば、ビルの崩壊直前になぜ内部で爆発が起きたのかも説明できる。この内部爆発は、「爆弾があらかじめ仕掛けられていた」とする政府陰謀説の源となっている。
9.11ツインタワー崩壊、原因は溶融アルミニウムの水蒸気爆発?

2016年9月、アメリカ議会は、テロ支援者制裁法を可決した。

アメリカ国外で起こった事件に関しても、テロについて他国を提訴することができるようになり、提訴はこの法に基づいて行われている。
昨年、アメリカ同時多発テロ事件で死亡した850人の遺族と1500人の負傷者が、ニューヨーク南部のマンハッタン連邦地裁に対して訴えを起こした。
訴状では、この攻撃の前の1年6ヶ月の間に、ロサンゼルス、サンディエゴ、サラソタ、ワシントン、バージニアでのハイジャック犯と関係を持っていたサウジアラビア政府関係者の名前が挙げられている。

事件後、アメリカ議会は、この問題に関する調査委員会を設置し、報告を発表したが、10年が経った後も、サウジアラビアに関する情報は明らかにされてない。

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2018年8月14日 (火)

アメリカとの対立で、トルコ・リラが急落/世界史の動向(63)

13日の金融市場は、前週末のトルコリラ急落に端を発した混乱が続き、日本を含む世界の株価が下落した。
日経平均株価は、前営業日比440円65銭安の2万1857円43銭で取引を終え、約1カ月ぶりに2万2000円を下回った。
今日は498円65銭高と急反発し、乱高下の感じである。
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リラ急落は、2016 年に発生したクーデター未遂事件に絡んでトルコ当局が拘束していたアメリカ人牧師の身柄をめぐって、トランプ政権が即時釈放を求めるとともに、トルコの2閣僚に対する制裁措置を発動するなど強硬策に出たことが直接のきっかけである。
トルコのエルドアン大統領もアメリカ政府の2閣僚への報復制裁を発表し、さらにトランプ政権がトルコに対する一般特恵関税制度(GSP)に基づく非関税アクセスの見直しを発表するなど制裁の応酬が繰り広げられている。Vs1808142
東京新聞8月14日つ。

しかしトルコとアメリカの亀裂によって世界貿易が影響を受ければ、経済構造面で輸出依存度が相対的に高い新興国経済は打撃を受けるであろう。
新興国通貨は軒並み下落している。
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トルコ危機は国際金融危機に発展するのか

トルコ・リラの対ドル安は、日本の輸出企業にも打撃を与えるであろう。
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東京新聞8月14日

安倍政権のイカサマ経済政策によって株価を維持してきた日本市場は、トランプ政権の自国第一主義の痛撃を受けることになるのであろうか?

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2018年6月19日 (火)

世界のリーダーの誇りを捨てたトランプ大統領/世界史の動向(62)

先進国の間の対立が鮮明になったG7。
それを象徴するような写真が話題になっている。

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 世界に最も拡散されたのは、ドイツ政府が配信した写真だろう。9日午前、メルケル独首相がトランプ米大統領を説得する姿が写る。安倍晋三首相の同行筋によると、この場で話したのはイラン問題だった。
 トランプ氏は首脳宣言にイランが「テロ支援国家」であると明記するよう求めた。しかしメルケル氏は認められないと説いた。イランとの良い関係を保ちたい首相も困った様子だ。最後は「イランが支援するものを含む、全てのテロリズムへの財政的支援を非難する」との表現で折り合った。
 日本政府が首相官邸のフェイスブックに載せた写真は、安倍首相が米欧の橋渡し役を果たす構図だ。首相周辺はプラスチックごみを話した場面だと解説する。
漂流G7 ネット戦の裏側

G7の分裂の構図は次のようである。
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東京新聞6月10日

「公正」とは何かが問われるが、「アメリカ・ファースト」に拘るトランプ大統領が「公正」を主張するのは疑問である。
日本は基本的に自由貿易立国のはずである。
トランプ追従で「自由と公正」と立派な言葉ではあるが、具体的にどうするかが曖昧な立場の安倍首相の姿勢が際立つ。

政府が説明する「プラスチックごみ」について、安倍首相は何をどう話したのか?
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海のプラスティックゴミ問題は深刻である。

 世界の海はプラスチックのごみに満ち、生態系の乱れを加速させている。事態は深刻なのである。
 国連環境計画(UNEP)が五日公表した報告書によると、世界のプラスチックの廃棄量は年々増え続け、二〇一五年には三億トンに達している。このうち約半分を、レジ袋やペットボトルといった使い捨て製品が占めている。
 使い捨てプラ製品の廃棄量は中国が最も多い。しかし一人当たりでは米国が世界一、次いで日本、欧州連合(EU)の順である。
 海を漂うプラごみは、紫外線や波の力で分解されて微小な粒子に変わる。直径五ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼び、洗顔料や歯磨き粉などに含まれるもの(マイクロビーズ)もある。
 これらはポリ塩化ビフェニール(PCB)のような有害物質を吸着する性質があり、のみ込んだ魚を食べた人間への影響も懸念されている。今や廃プラ問題は、温暖化に次ぐ国際環境問題になったと言われており、危機感を抱いた欧米やアフリカなどは、使い捨てプラの規制強化を進めている。
 EUは先月末、ファストフード店で使われるスプーンや皿、ストローなど、使い捨てプラ食器を禁止するよう、加盟国に提案した。
 米国は一五年、マイクロビーズの配合の禁止を決めた。フランスは二〇年から、使い捨てプラ容器を禁止する。
 日本では例えばレジ袋の削減は、企業や自治体の自主的な取り組み任せ。政府としては「プラスチック資源循環戦略」の策定は進めるものの、今のところ、国として使い捨て製品の流通規制にまでは踏み込むつもりがなさそうだ。
 プラごみを作り、捨てるのは人だけだ。人の仕業は必ず人に環(かえ)るというのも温暖化と同じである。海洋国、そして廃プラ大国日本は、ここでも世界の大きな流れに取り残されていくのだろうか。
海のプラごみ 誰がクジラを殺すのか

安倍首相がこの問題で「米欧の橋渡し役を果たす」とは、とても思えない。

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2018年6月12日 (火)

米朝首脳会談合意文書に署名/世界史の動向(61)

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)は、12日、シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで初の首脳会談を行い、共同声明に署名した。

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Trump and Kim Signed Something in Singapore. Here's What It Says

声明の内容は以下の通りである。

 トランプ大統領と金正恩委員長は米国と北朝鮮の新たな関係樹立や朝鮮半島の持続的で強固な平和体制の構築に関連した問題を議題とし、包括的かつ深く、真摯(しんし)に意見を交換した。トランプ大統領は朝鮮民主主義人民共和国の安全を保証することを約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に向けた確固たる変わらない約束を再確認した。
 新しい朝米関係を樹立することが朝鮮半島や世界の平和、繁栄に寄与するという点を確信し、相互信頼を構築することが朝鮮半島の非核化を進めることを確認し、トランプ大統領と金委員長は次のような合意事項を宣言する。
1.米国と北朝鮮は平和と繁栄に向けた両国国民の願いを踏まえ、米国と北朝鮮の新たな関係を築くことを約束する。
2.両国は朝鮮半島の持続的かつ安定的な平和を構築するため、共に努力する。
3.2018年4月27日の板門店宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向け、努力することを約束する。
4.米国と北朝鮮は身元の確認ができた戦争捕虜、行方不明者の遺骨を直ちに送還することを含め、戦争捕虜、行方不明者の遺骨収集を約束する。

現時点では不透明な部分が多いのは確かであるが、大きな一歩を踏み出したことは間違いないだろう。
しかし、当然のことながら拉致問題の解決については、安倍首相のように口先だけで最重要課題というだけでなく、自ら動いて解決していかなければならない。
家族会の反応も冷ややかなように感じる。

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2018年4月28日 (土)

歴史の歯車は回ったか?/世界史の動向(60)

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領は27日、約70年に及ぶ両国の戦争状態を年内に終結させることで合意した。
朝鮮半島の「完全な非核化」を目指すことにも同意した。
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東京新聞4月28日

もちろん楽観は許されないが、止まっていた歯車が動き出したと言えよう。
文大統領と金主席は対照的な存在だ。
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東京新聞4月26日

しかし、同一民族意識があってこそであろう。
私はテレビで下記のような映像を見て、計算されつくしているとは思ったが、それでも歴史が動いたことを実感した。
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南北首脳:戦争終結へ、完全な非核化目指す-歴史的な「板門店宣言」

この事態に、日本は完全に置いて行かれている。
最重要課題と言い続けてきた拉致問題さえ、トランプ大統領頼みという外交方針のお粗末さ・脆弱さが露呈したのである。
2018年4月23日 (月) 北朝鮮情勢と拉致問題のアメリカ頼み/世界史の動向(59)

残念ながら以下のようなことだろう。
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頼みのトランプ大統領も、中国の習金平主席には感謝の意を表明しても、安倍首相のことは一顧だにしていない。
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にもかかわらず、自民党(与党)および政府にはその認識がないようだ。
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「皆様のNHK」の岩田明子氏は、安倍首相と親しいことがウリになっているが、こんな解説だ。
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もちろんNHKの解説を鵜呑みにする人だけではないが、影響は大きいだろうなあ。
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もちろん、テレビの解説でも岩田さんはむしろ特異であろう。
ニュースステーションの星浩氏などは、歴史を踏まえた解説をしている。
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NHKの受信料を払い続けるべきか、思案の時期かもしれない。

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2018年4月23日 (月)

北朝鮮情勢と拉致問題のアメリカ頼み/世界史の動向(59)

拉致問題の解決は国民共通の願いである。
安倍政権も第一優先に掲げていたはずである。
しかし、日米首脳会談でトランプ大統領にひたすら協力を懇願する様子は、基本的に安倍政権にカードがないことを表明したようなものであろう。
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北朝鮮問題に関して、「最大の圧力を・・・」と言い続けている間に、情勢は大きく転換しつつある。
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東京新聞4月22日

もちろんまだ非核化が実現したわけではないので予断は禁物だが、流れは変わったのではないか。
トランプ大統領は北朝鮮の態度を率直に喜んでいるようだ。
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セクハラ問題でも、世界の常識から大きくズレていることを内外に示した安倍政権である。
018年4月19日 (木) 国際標準を逸脱した安倍政権のセクハラ認識/ABEXIT(8)

北朝鮮問題でも国際的な流れに逆らうことにならないか?
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まあ、少なくとも、圧力と言っている相手に胸襟を開くことはないだろう。
日本が世界からどう見られるか、考えないと。
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2017年12月22日 (金)

エルサレム問題の「義」と「利」/世界史の動向(58)

国連総会(UN General Assembly)で21日、エルサレムをイスラエルの首都と認定した米政府の決定を無効とする決議案の採決が行われ、賛成128、反対9、棄権35の圧倒的多数で採択された。
安倍首相は、涙ぐましいほどにトランプ大統領との蜜月を演出してきたので心配だったが、賛成票を投じた。
外務省幹部は「あえて反対する理由が見当たらないし、棄権という選択肢は米国との関係でも何らプラスに働くものではない」と説明している。
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米のエルサレム首都認定「無効」国連決議、賛成128反対9で採択

エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3大宗教の聖地である。
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東京新聞12月7日

このように微妙な問題に、思いつきのように判断を出すのがトランプ流であろうか?
米国の決定に反対するなら、財政支援をやめるというスタンスのトランプ大統領の言辞が諸国の批判を招いている。
そんなことは織り込み済みで、トランプ大統領は米国が他国のために財政を支出することに消極的であるから、財政援助を減らす理由にしたいという見方もできよう。
しかし人間にとって経済はもちろん重要であるが、場合によっては敢えて経済的に不利な選択を取る場合もある。

 パレスチナ自治政府のハムダラ首相は21日、ツイッターに「エルサレムの保護とパレスチナの人々の権利を支持するため、法的、道義的責任を果たすよう望む」と投稿し、決議案に賛成票を投じるよう訴えた。
 トルコはイスラム諸国でつくるイスラム協力機構(56カ国とパレスチナ)の議長国として、国連総会の開催を求めた。チャブシュオール外相は国連総会へ出発前の20日、イスタンブールで会見し、「名誉ある国は米国の圧力に屈しない」と強調した。ユルドゥルム首相も21日、首都アンカラで講演した際、「トランプ大統領はすべての国が自己決定できることを理解すべきだ。強者が必ずしも正しいわけではない」と訴えた。
 対イスラエルでアラブ諸国を牽引(けんいん)してきたエジプトは、米国がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことの撤回を求める国連安保理(15理事国)の決議案を作成。同案は18日に採決され、エジプトを含む14理事国が賛成したが、米国の拒否権行使で廃案になった。
 政府系アハラム紙の政治記者アルアザブ・アルタイーブ氏は「エジプトは国連総会でも決議案に賛成する。米国の脅しには屈しない」と語る。同国市民の間では「米国の支援は無意味」など反米姿勢が目立つ。
 だが、エジプトはシナイ半島でイスラム過激派に対する掃討作戦を進め、米国から毎年13億ドル(約1470億円)の軍事支援を受けており、米国との関係悪化は避けたいのが本音だ。シーシ大統領はトランプ氏のエルサレム首都宣言を「拒否する」と述べたが、その後は発言を控えている。
「札束でほおたたく」トランプ流外交術 中東で強い反発

「利」と「義」をどうバランスさせるかは価値観の問題である。
サムライを自負するならば、「義」に傾くところだが、わが国のリーダーは「利」に傾いているように見える。

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2017年11月10日 (金)

トランプ大統領のアジア歴訪/世界史の動向(57)

アジアを歴訪中のアメリカ・トランプ大統領が、韓国、中国訪問を済ませ、ベトナムでAPECの臨んだ。
この長い歴訪は、世界にとってどのような意味を持つのだろうか?
また、日本の外交は成功したのか?

私の周辺の安倍信者は、「やはり安倍ちゃんの外交力はスゴイ」などと言っているが、本当か?
韓国、中国でもそれぞれすくなくとも表面上は「熱烈歓迎」を受けたように見える。
日本では安倍首相の、まるで宗主国の元首を迎えるかのような接遇が印象に残った。
この「ご接待」は成功したのだろうか?
私にはそう見えない。
⇒2017年11月 7日 (火):トランプ大統領にへつらう安倍首相とマスメディア/永続敗戦の構造(12)

外務省OBの天木直人氏は以下のように論評している。

 首脳外交とは、決して首脳間の個人的友好関係を誇示するものではない。
 その国の国民を背負った二国間の首脳の、国家の威信と国益を賭けた凌ぎ合いなのだ。
 ひるがえって、それに先立って行われたトランプ大統領の来日はどうだったか。
 個人的友好関係を強調するあまり、ゴルフと会食パフォーマンスが優先された。
 米国大統領の初来日にもかかわらず国賓としなかったのは、天皇陛下の謁見を避けるためではなく、ゴルフをしたかったからに違いない。
 いまとなってはそう思わざるを得ない。
 トランプ大統領の国会演説よりも、トランプ大統領とのゴルフと会食を優先したかったのだ。
ゴルフと会食を優先した安倍対米首脳外交の歴史的敗北

しかも、そのゴルフたるやひどいものだったようだ。

 政界で話題になっているのはバンカーにハマった1番ホールでの安倍首相の衝撃映像だ。1回ではバンカーからボールを出せず、2回目のショットで何とかバンカーから脱出。安倍首相は先を歩くトランプと松山英樹に取り残されまいと、バンカーからフェアウエーに一気に駆け上がろうとしたが、バランスを崩して後方にスッテンコロリン1回転。亀みたいに手足をバタつかせて自身がバンカー入りしてしまった。この“珍プレー”をテレビ東京がニュースで放送すると、ユーチューブに映像がアップされ、瞬く間に再生回数が30万回を超えた。
ゴルフで転倒 衝撃映像で露呈した安倍首相の“体調悪化説”

別にミスショットやトランプ大統領との腕の差をあげつらっているのではない。
ゴルフ、豪華会食、プレゼントという一連の発想が、底の浅さを示している。
残念ながら、世界の舞台でリーダーシップを発揮して行けるとは思えない。
しっかり勉強したことがないツケが回ってきているのだ。
加計孝太郎氏とも「留学」という名目で渡米して、実際は遊びまわっていたに違いあるまい。

安倍首相の姿勢と対照的に猛烈な勉強ぶりで知られる佐藤優氏は、以下のように批判している。
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東京新聞10月10日

自民党も、本気で安倍降ろしを考えないとマズイだろう。

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2017年10月 7日 (土)

核兵器廃絶国際キャンペーンにノーベル平和賞/世界史の動向(56)

ノルウェーのノーベル委員会が、2017年のノーベル平和賞を、核兵器の非合法化と廃絶を目指す国際NGOで、今年の核兵器禁止条約成立に貢献した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に授与すると発表した。
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東京新聞10月7日

核兵器禁止条約への参加は、世界のコンセンサスになっている証拠であろう。
しかし「唯一の被爆国」の日本政府は同条約に反対である。
⇒2016年10月31日 (月):核禁止条約に反対する日本政府/永続敗戦の構造(5)

もちろんヒバクシャの感情を逆なでするものだ。
今日の筆洗の全文を引用する。
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山田洋次監督の『母と暮らせば』については何回か触れた。
⇒2016年1月14日 (木):母と暮らせば』と複素的な世界観/戦後史断章(24)
⇒2017年8月 9日 (水):『母と暮らせば』と『シン・ゴジラ』/戦後史断章(27)
⇒2017年9月 3日 (日):『母と暮らせば』の医学生のモデル・土山秀夫/追悼(112)

映画の中で、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の甘美なメロディが印象的だったが、亡霊となった学生のモデルの土山秀夫さんの実体験に基づいていたのは知らなかった。
奇しくも文学賞は長崎出身のカズオ・イシグロに授与されることが決まった。
果たして偶然の一致だろうか?

条約に不参加の日本の外務省担当者は「受賞決定は承知している。核廃絶の目標は共有しているが、アプローチは異にしている」と述べた。
安倍晋三首相による祝福の談話は6日には出ていない。

イシグロさんは5歳まで長崎で生活していた。
海洋学者だった父が英国の研究所に招かれたため、一家で移住し、以来、英国で暮らし、英国籍となった。
しかしナガサキでの生活は一種の原体験のようである。

「最初に小説を書き始めた際の動機は、私の日本の記憶を保存することにありました」と共同通信に語っていた。
長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)会長の谷口稜曄さんのように、直接被爆体験を語ってきた人たちが亡くなりつつある。
⇒2017年8月31日 (木):赤い背中の告発・谷口稜曄/追悼(110)

それは、その人たちの記憶の中の風景が消え去るということだろう。
核兵器禁止条約に反対する政党に一票を投ずるわけにはいかない。

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2017年5月16日 (火)

FBI長官解任はトランプ政権崩壊の始まりか?/世界史の動向(55)

トランプ米大統領のFBI長官の電撃解任が大きな問題になりつつある。
ニクソン元大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件の再来ではないか、という声だ。
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東京新聞5月12日

トランプ米大統領のコミーFBI長官の解任について、サンダース米大統領副報道官は10日、「司法副長官の解任勧告を受け入れた」と説明していた。
11日の米NBCテレビのインタビューでは一転して、「司法省の勧告とは関係なく、解任するつもりだった」と述べた。
トランプ氏はインタビューで、自身が捜査対象かどうかをコミー氏に3回問いただしたとも明かし、「捜査対象ではない」との回答を得たと語った。
自身の潔白を印象づける目的とみられるが、捜査に圧力をかけたとの疑惑がかえって強まった。
マケイブFBI長官代行は11日の上院情報特別委員会の公聴会で「コミー氏はFBI内で幅広い支持を得ている」と証言し、サンダース氏が解任理由の一つとして示した「FBI職員の信頼を失っていた」との発言を否定した。
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FBI捜査へ圧力 トランプ氏、強まる疑惑

米紙ワシントン・ポストは、トランプ米大統領が先週、ロシアのラブロフ外相やキスリャク駐米大使と会談した際、高度な機密情報を漏らしていたと伝えた。
同紙によると、トランプ氏は10日、ホワイトハウスでの会談で、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」がノートパソコンに爆弾を仕掛け、機内に持ち込もうとしているとの懸念に関する具体的な情報を、両氏に詳しく伝えた。
事情を知る当局者が同紙に語ったところによると、トランプ氏は両氏に「私にはすごい情報が入ってくる。すごい情報の報告を毎日受けている」と話した後、ISISの手口を詳細に説明したという。
・・・・・・
トランプ氏は大統領選で、民主党候補のヒラリー・クリントン元国務長官が機密情報を「極めて不注意」に扱ったと激しく非難した経緯がある。
トランプ氏、ロシア外相に「機密情報漏らす」 米紙報道

一連の事態に対し、米国民の間でも不信感が広がっている。
NBCが10~11日に実施したオンライン世論調査では、トランプ氏によるコミー氏解任は「不適切だ」とする回答が54%を占め、「適切だ」とする回答は38%にとどまった。
未だ就任して4カ月程であるが、前途多難である。

 

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