ブランド・企業論

2018年11月20日 (火)

日産ゴーン逮捕の衝撃と教訓/ブランド・企業論(73)

日産自動車再建の功労者(だったはずの)カルロス・ゴーン氏が東京地検特捜部に逮捕された。
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東京新聞11月20日

有価証券報告書に自分の報酬を過少に虚偽記載していた疑いだという。
「ゴーンよ、お前もか!」という感である。
当然のことながら、日産自動車の株価は急落した。
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大部分のビジネスパーソンが、「まさか!」と思うだろう。
レバノン出身のブラジル人で、日仏の代表的な企業の代表を務めた人物である。
昨年1月には日本経済新聞の「私の履歴書」欄に登場し、それをベースにした著書も出ている。
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日本経済新聞社(2018年3月)

まさにカリスマと呼ばれるに相応しい経営者だ。
そのカリスマが日本社会の常識からすれば、余りに多額の役員を得ていた。
にもかかわらず、それを少しでも少なく見せたかったのだろうか。

余りに強い権力の集中による驕りだろうか?
権力は腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する。
改めて噛みしめたい。

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2018年2月 4日 (日)

コインチェックに立ち入り検査/ブランド・企業論(72)

仮想通貨取引所「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正に流出した。
⇒2018年2月 2日 (金) コインチェック経営陣の認識の甘さ/ブランド・企業論(71)
この問題で、金融庁は2日午前、東京都渋谷区のコインチェック本社に、資金決済法に基づく立ち入り検査に入った。
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東京新聞2月3日

 午前7時50分ごろ、金融庁検査官約10人が、報道陣が取り囲んだ同社本社に、裏口から入った。麻生太郎副総理兼財務相は2日の閣議後会見で、「利用者保全を確保するという観点から、経営者やコインチェック社の対応を確認していく」と述べた。
 金融庁はネムの流出が発覚した1月26日以降、コインチェック側から流出の詳しい経緯や、サイバー攻撃を防ぐための安全管理態勢などについて聴取してきた。同月29日には、同社に業務改善命令を出し、安全管理面の改善状況や、再発防止策、責任の所在などについて今月13日までに報告するよう求めていた。
 今回の検査は、コインチェックのこれまでの説明内容を実地で確認するのが狙い。同社は1月28日にネムを預けている全顧客に対し、会社の自己資金を充当して日本円で補償すると発表しているが、裏付けとなる財務内容の説明には不明瞭な点が多いことから、検査で詳しく確認する。
コインチェックに金融庁が立ち入り

昨年4月の同法改正で登録制に移行後、仮想通貨取引所に立ち入り検査が実施されるのは初めてであるが、予想通り管理体制に問題があると言わざるを得ないようだ。
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東京新聞2月3日

仮想通貨ブームに水を差してたのは間違いないだろうが、加熱していたとも考えられるので少し冷静になれば良いだろう。

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2018年2月 2日 (金)

コインチェック経営陣の認識の甘さ/ブランド・企業論(71)

仮想通貨の話題が賑やかになってきたのは私にも感じられた。
そこで1月19日に「当面仮想通貨に投資する気はないが、ウォッチしておこう」と、心づもりを書いた。
⇒2018年1月19日 (金)  仮想通貨はどうなっていくのか?/技術論と文明論(90)

ところが現実の動きは急で、ゆっくりウオッチングしている間もなく、コインチェックの不正流出事件が起きてしまった。
⇒2018年1月28日 (日)  コインチェックから仮想通貨が580億円分不正流出/技術論と文明論(91)
⇒2018年1月31日 (水)  コインチェックの仮想通貨・分散送金か?/技術論と文明論(92)
この話題はマスメディアの格好のテーマになっているようであるが、帰趨はまだ予測できないと言うべきであろう。

しかし、何となく「起こるべくして起きた」事件という感じがする。
それは、金額の規模に比較して、コインチェックのセキュリティ管理が甘いようだったからである。
それと共に、コインチェック経営陣は、神妙に頭を下げて謝罪しているものの、流出してしまった事態を甘く見ているのではないかという印象を拭えなかった。

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 インターネット上で確認できる取引記録によると、26日午前0時ごろからの約20分間に被害のほぼ全額に当たる約576億円相当のネムが特定のアドレスに流出。同日午前2時57分からの約30分間には、このアドレスから八つのアドレスに分散して送金された。さらに約20時間後の午後11時42分には、九つ目となるアドレスに2次送金されていた。
 コインチェックによると、同日午前11時すぎには社内で異常を感知し、午後11時半ごろから記者会見で被害を発表。九つめのアドレスへの送金は会見中になる。
コインチェック巨額流出、記者会見中もNEM2次送金 分散、9アドレスに

記者会見の最中に新たなトランザクションがあったのでは、シャレにならない。
ノンフィクションライターの窪田順生氏は次のように言っている。

 要するに、「危機は管理できる」という妄想にとらわれた時点で、「危機」を自分たちが理想とするシナリオで収束できるのではないかという甘い期待を抱いてしまうのだ。
 先日会見したコインチェックの経営陣は、まさにこの「罠」に陥っていたように見受けられる。
 セキュリティが甘かったのではという質問に対して、安全性の高いセキュリティシステム・マルチシグの「準備に至れていなかったという形」という回答でやりすごそうとした大塚雄介COO(最高執行責任者)は、「今の説明でお客さんが納得するかと思うか」と厳しく追及され、30秒ほど絶句してしまった。
 被害者の怒り、社会の不信感というものを真正面から受け止めていれば、こんな言葉遊びのような釈明は出てこないが、「危機」を「管理」できるという妄想にとらわれたことで、自分たちが望む答え方でスルーしてくれるのでは、と見込み違いをしてしまったのだ。
 断っておくが、大塚氏やコインチェックの経営陣が無能だと断じているわけではない。
 どんなに頭脳明晰でも、どんなに優秀なカリスマ経営者であっても、1人の人間である。人間というものは、目の前で起きている「危機」をある程度コントロールできると思ってしまった時点で「奢り」が生まれる。その奢りは、「どうすれば自分たちの被害を最小限に抑えられるか」、「この状況でも、なるべくいい印象を与えておきたい」といったスケベ心を生んでしまう。
 ややこしい話だが、「危機」に臨む際にそのようなスケベ心を持っていると、燃えている火に灯油をぶっかけるような事態となり、新たな「危機」を引き起こしてしまう、ということを申し上げたいのである。
コインチェック、はれのひ…炎上謝罪会見を生む「傲慢な思い違い」

これはかなり好意的な見方であると思う。
パソコンショップなどで、分からないから聞いているのに、「そんなことも知らないの?」というような対応をするスタッフがいるが、その時と同じような感じを受けるのである。
「自己資金で弁済する」という発言も、返せば問題ないだろうと言っているように聞こえる。
仮想通貨全体の信頼性を毀損しているという自覚がないようである。

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2017年12月25日 (月)

「今年の漢字」に対する私の違和感/ブランド・企業論(70)

年末の恒例行事となっている日本漢字能力検定協会のキャンペーン「今年の漢字」。
2017年の世相を表す「今年の漢字」は、「北」とされ、「漢字の日」にあたる12月12日、京都・清水寺で発表された。
例年のように、清水寺の森清範貫主が揮毫したが、森貫主はその場で知らされるという。
言わば、ぶっつけ本番である。

1位の「北」には7104票が集まった。北朝鮮のミサイル発射や核実験の 強⾏、九州北部豪雨、北海道産のじゃがいもの不作、北海道日本ハム の大谷翔平選手や清宮幸太郎選手、競馬キタサンブラックなどが選ばれた理由として挙げられた。
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今年の漢字は「北」 その理由は?

まあ、一種の遊びであろうからどうこういうこともないだろうが、理由がいかにも無理しているような感じがする。
松尾貴史氏が次のように言っているが、同感である。

 もう少し、「なるほど」とうなずける文字はなかったのか。確かに、「北」朝鮮の行儀の悪い挑発には辟易(へきえき)させられたが、そんなもので今年を象徴されるのは片腹痛い。九州「北」部豪雨というのもこじつけが過ぎるのではないか。まだ「北」海道産のジャガイモの不作のほうが「北」の意味がストレートだが、今年の漢字の理由に数えるのは無理やりな気がする。
・・・・・・
 とはいえ、これは一般公募で多数だったという決定であって、審査員が選ぶようなシステムならば別の文字が選ばれた可能性も高いと思う。逆にいえば、これは政権による「北の脅威を煽(あお)ること」が成功している証しなのかもしれない。
 私が今年の漢字を投票するなら、「隠」だろうか。資料、書類、証拠を「隠(いん)」蔽(ぺい)し、逆に証拠「隠」滅も逃亡の恐れもない森友学園の籠池泰典氏を「隠」すために、さながら禁錮刑のような扱いで閉じ込め続け、疑惑満載の加計学園の加計孝太郎理事長や安倍晋三総理大臣の妻昭恵氏は「隠」れ続けた。これほど「隠」し事が取りざたされる一年も無かったのではないか。
 「操」という漢字も捨てがたい。「印象操作はやめていただきたい」と言っていた人の繰り出す印象「操」作の数々に、翻弄(ほんろう)され続けた一年でもあった。経済政策がうまくいっているふりをするための株価「操」作や、各交通機関の「操」作ミスも多かった。裁判所や警察、原子力規制委員会、検察審査会、一部の報道機関が、政権に「操」られているのではないかと感じることも多かった。
 もうひとつ、「難」という字もふさわしいかもしれない。「国難突破解散」と、自身の「難」を隠すためとしか思えない奇妙な解散をして、彼自身が国「難」であることを指摘する人も多かったが、与野党の非「難」合戦もかまびすしかった。官僚たちの「難」解な答弁にあきれた。日本海の「難」破船や遭「難」者の増加もあった。山中伸弥教授らによる研究で「難」病の治療法に光が差したということもある。
松尾貴史のちょっと違和感

いずれにせよこじつけ感が残るのは、そもそも漢字一字で代表させることに無理があるのだろうが。
私は一字という制約を外せばもう少し考えようがあるように思う。
例えば、「排除」である。
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東京新聞12月24日

驕慢な小池都知事の言動や安倍首相の「こんな人たち」という言葉を忘れないためにも。
ついでに「今年の漢字」に比べるとマイナーではあるが、「大人げない発言大賞」というアワード(?)がある。

 今年もまた貫禄の大人げない発言を連発して、我が国の大人げないシーンを力強く牽引してくれたのが、安倍晋三首相です。さすが我らがリーダーです。
 とくに着目したいのが、2月に衆院予算委員会で、森友学園をめぐる疑惑を追及された際の発言。
「私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい」
 安倍首相自身や昭恵夫人が「何の関係もなかった」と言い張るにはどうしても無理があります。安倍首相には「なぜこんなに強気だったのか不思議で仕方ないで賞」と、もっとも栄誉ある(?)「金賞」を贈らせてください。盾とか賞状とかはありませんが、気持ちだけでも受け取っていただけたら幸いです。Ws000000
安倍首相が金賞! 「大人げない発言大賞」を石原壮一郎が選んだ

「今年の漢字」に比べれば、よほど納得的である。

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2017年12月 2日 (土)

東レよ、お前もか?/ブランド・企業論(69)

東レが11月28日、子会社がタイヤなど形状を維持するための補強材の製品検査データを不正に改ざんしていたと発表した。
13社の顧客に対し、2008年4月から16年7月までの8年3カ月間に計149件の品質数値の書き換えが行われていたとのことだ。
東レと言えば、経団連の現会長榊原定征の出身企業であり、日本の化学会社の代表である。
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東京新聞11月30日

 同社の発表によると、書き換えが行われた製品はタイヤ用、自動車のホース・ベルト用、抄紙用のコードと呼ばれる補強材。子会社の東レハイブリッドコードが、タイヤメーカーや自動車部品メーカー、抄紙用フェルトメーカーに製品を納入する際に、顧客との間で取り決めた規格から外れた製品の品質データを規格内の数字に書き換えていたという。現時点では法令違反や安全に問題のある案件は見つかっていないとしている。
 不正は16年7月に行われたコンプライアンス調査の結果で発覚。都内で会見した東レの日覚昭広社長によると、当初は法令違反や安全上の問題はなかったことなどから公表しない方針だったという。しかし、11月3日にインターネット掲示板上での書き込みがあり、一部株主からの問い合わせもあったことから発表に踏み切ったと話した。
東レ:子会社が製品検査データを不正改ざん、8年間で149件

ここしばらく、神戸製鋼、、日産、三菱マテリアルなど日本を代表するメーカーの不正が続いている。
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東京新聞11月29日

東レの日覚社長の言い方には違和感がある。
安全性や社会への影響云々というよりも、ルールに抵触しているかどうかの問題である。
榊原氏の社長・会長在任中の事案であり、不正は承知していなかったというが、責任は免れまい。
天皇退位の日程が決まったが、平成も終わろうとする時期に、日本の製造業が揺らいでいる。
時代の変わり目ということだろうか。

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2017年7月 4日 (火)

原子力事業で破滅の危機の東芝(9)上場維持の条件/ブランド・企業論(68)

一部市場から姿を消すことになった東芝。
原発事業に執着したツケは余りにも大きい。
⇒2017年6月27日 (火):原子力事業で破滅の危機の東芝(8)2部降格と半導体事業の行方/ブランド・企業論(67)

しかし、二部降格で済むかどうかは予断を許さない。
上場維持の条件は次のようである。
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東京新聞6月24日

虎の子の半導体メモリーの売却という判断であり、売却自体はやむを得ないだろう。
しかし、売却先については、日経新聞の社説でさえ次のように案じている。

 巨額の投資が必要な半導体事業は、財務力の弱った東芝から切り離し、新たなスポンサーのもとで再出発するほうが事業の発展につながるという判断もある。
 ここまではひとまず理解できるとして、疑問が多いのが実際の売却案だ。東芝取締役会は先週、政府系ファンドの産業革新機構を軸にした「日米韓連合」との売却交渉を優先的に進めると決めた。
 同連合は革新機構のほか日本政策投資銀行と米ベインキャピタルが出資者に名を連ね、韓国半導体大手のSKハイニックスもベインに資金協力する形で参画する。
 疑問の第一は連合の中核である官製ファンドの革新機構に半導体のような世界を相手に戦うグローバル事業を経営できる力があるのかどうかだ。同機構の主導でつくった液晶会社のジャパンディスプレイは経営不振が続いている。
 綱川社長は技術流出を招かないことを買い手の条件にあげるが、そうであるなら、SKが参加するのもよく分からない。「我が社の技術を不正に取得した」として3年前に東芝が損害賠償を求めて訴えた当の相手がSKである。
 東芝のメモリー事業の長年のパートナーである米ウエスタンデジタルとの対立も気になる。同社は米国で売却手続きの一時停止を求めて提訴しており、ここで東芝が負ければ、売却そのものが宙に浮くかもしれない。これ以上の迷走はお互いメリットがなく、溝を埋める努力が双方に必要だろう。
 最後に仮に交渉がまとまったとしても、来年3月末までに世界各国の独禁当局の許可を得て、売却を実施できるのかという不確定要素は残る。経営とは予見できない未来に向けて複数の選択肢を用意しておくことだ。「債務超過回避による上場維持」が果たせない場合を想定したプランBを東芝経営陣は持っているのだろうか。
日本経済新聞6月29日

東芝はWD社を提訴するという強硬策にでた。
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東京新聞6月29日

吉と出るか凶と出るかは分からないが、追い込まれた結果のデシジョンであることは間違いないだろう。
長年のパートナーと泥沼の争いをするところに明るい展望はないように思える。

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2017年6月27日 (火)

原子力事業で破滅の危機の東芝(8)2部降格と半導体事業の行方/ブランド・企業論(67)

東京証券取引所は23日、経営再建中の東芝の株式について、8月1日付で東証1部から2部に降格させると発表した。
今年3月末時点で、負債が資産を上回る債務超過の状態にあったことを東証が確認したためであり、予測はされていたが、「とうとう」という感慨新たである。

 東芝は23日、2017年3月期の決算内容を記した有価証券報告書(有報)の提出期限の延長を関東財務局に申請し承認を受けたと発表した。新しい期限は8月10日。半導体メモリー事業の売却交渉で官民ファンドの産業革新機構などを優先交渉先に決めたばかりだが、その一方で有報提出は先送りせざるを得ないといった綱渡りの運営が続いている。
 綱川智社長は東芝本社(東京・港)で会見を開いた。冒頭、有報の提出期限の延長などについて説明し「株主など利害関係者に多大な心配をおかけすることをおわびします」と謝罪した。15年春の会計不祥事発覚以降、有報の期限を延期するのは今回で5回目だ。
 提出期限延長の主因は、3月下旬に法的整理に踏み切った米原子力事業会社のウエスチングハウス(WH)。WHは米連邦破産法11条の破綻手続きに入っているが、再生計画が固まるのは7月末がめどとなる。これに伴い決算や監査手続きの完了に時間がかかるほか、米国の原子力発電所建設プロジェクトの工事損失引当金について損失の認識時期が適切だったかどうかの確認も進めている。
 監査法人のPwCあらたとは見解の対立が続いているが、協議を継続し、新しい有報提出期限までに「適正意見」の獲得を目指す。
東芝社長、日米韓連合と基本合意「28日までに可能」 

東芝の失敗は、国策と一体化した原発事業への執着にある。
「週刊エコノミスト」6月20日号に、以下のような図が載っている。
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その国策の推進者が現在の政権を支えているのだ。
政権を変えないと、10年後には日本全体が東芝化する蓋然性が高いと言えよう。

半導体メモリーの売却について東芝は革新機構と日本政策投資銀行、米投資ファンドのベインキャピタルの連合を優先交渉先に選んだ。
しかし、協業先の米ウエスタンデジタル(WD)が売却に反対の姿勢で法的手段にも出ており、前途は不透明だ。
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東京新聞6月22日

半導体メモリーの売却についても、国を「忖度」するようでは、東芝は所詮、その程度の会社、ということになる。
残念であるが、そんな会社にイノベーションは期待できないだろう。
東芝が上場を維持するとしても、ウリという判断だろう。

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2017年4月13日 (木)

原子力事業で破滅の危機の東芝(7)政官との癒着/ブランド・企業論(67)

東芝はどうなるのであろうか?
米国の子会社WHの破綻処理で今期赤字が1兆円を超え、債務超過に陥った。
2年連続で債務超過ならば上場廃止である。
虎の子の半導体事業を分離・売却して損失を穴埋めする計画であるが、2期連続債務超過を回避できるかは不透明だ。
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静岡新聞4月6日

背後に、原子力ムラの事情があったのであろうが、福島原発事故以後も国策として原発を推進してきた自民党政府にも大きな責任があるだろう。
「週刊文春」4月13日号で、『東芝“原発大暴走”を後押しした安倍秘書官』という記事を掲載している。
その人の名は、今井尚哉。

今井秘書官の叔父の今井善衛は、城山三郎『官僚たちの夏』の主人公のモデルと言われ、通商産業省で事務次官を務めた。
また、同じく叔父の今井敬は、新日本製鐵の社長を経て経済団体連合会の会長を務めた。
そういうバックグラウンドもあってか、“影の首相”として権力を振るってきたことが知られている。
⇒2016年11月 7日 (月):「驕るお友達」は久しからず/日本の針路(307)

森友疑惑のキーパーソン・谷査恵子氏の上司である。
今井氏は資源エネルギー庁次長だった経歴からしても諸利権の網の目の中核である。
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「週刊文春」4月13日号

今井氏は、森友疑惑、加計疑惑等にも絡んでいるだろう。
⇒2017年3月27日 (月):森友疑惑(34)林査恵子氏および上司を国会へ/アベノポリシーの危うさ(169)
今後、隠されいた事実が暴かれていくと思われる。

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2017年4月11日 (火)

原子力事業で破滅の危機の東芝(6)第3Q決算発表/ブランド・企業論(68)

東芝が11日、2度にわたり延期していた2016年4~12月期連結決算(米国会計基準)を発表した。
最終損益は5325億円の赤字(前年同期は4794億円の赤字)だった。
監査法人が決算内容に「適正意見」を付けない異例の公表であった。
ウェスティングハウス社の会計処理や内部統制をめぐり監査法人と見解が折り合わなかった。

東芝の失敗が原発事業に拘ったことが原因であることは明らかである。
⇒2017年2月16日 (木):原子力事業で破滅の危機の東芝(5)/ブランド・企業論(66)
⇒2017年1月31日 (火):原子力事業で破滅の危機の東芝(4)/ブランド・企業論(65)
⇒2017年1月28日 (土):原子力事業で破滅の危機の東芝(3)/ブランド・企業論(64)
⇒2017年1月20日 (金):原子力事業で破滅の危機の東芝(2)/ブランド・企業論(63)
⇒2017年1月18日 (水):原子力事業で破滅の危機の東芝/ブランド・企業論(62)
⇒2016年5月 1日 (日):原発事業によって生じた東芝の深い傷/ブランド・企業論(52)
⇒2016年1月 4日 (月):経営危機にまで追い詰められた東芝/ブランド・企業論(46)
⇒2015年8月 2日 (日):東芝の粉飾と原発事業の「失敗」/ブランド・企業論(37)

東芝再建は、下記のようなスキームで進められようとしている。
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東京新聞3月30日

しかし▲の課題解消は一筋縄ではいかない。

 株主から預かったお金を示す自己資本は昨年末時点で2256億円のマイナスとなり、債務超過に陥った。
 16年4~12月期は売上高が前年同期比4%減の3兆8468億円、本業のもうけを示す営業損益は5762億円の赤字(前年同期は2319億円の赤字)だった。前回1兆円超の最終赤字としていた17年3月期通期の業績予想については「未定」とした。
・・・・・・
 今回、監査法人の適正意見を得られなかったのは米ウエスチングハウス(WH)の内部統制について監査法人のPwCあらたと意見の違いを埋めきれなかったためだ。
 WHでは昨年末に発覚した巨額損失を少しでも抑えようと、一部経営陣が従業員に過度な圧力をかけた疑いが出ている。監査法人は内部統制の不備があったとされる期間や過去の決算などに疑義を持っている。適切に処理してきたとする東芝側と見解の差は大きい。
東芝、最終赤字5325億円 16年4~12月期

東芝の先行きは不透明で株価もそれを反映している。
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11日の東京市場で東芝株は前日比3%安の223.5円で取引を終えた。
市場の信頼を失っているが、今後回復できるであろうか?

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2017年2月16日 (木)

原子力事業で破滅の危機の東芝(5)/ブランド・企業論(66)

東芝が14日、同社本社で記者会見を開き、半導体メモリ事業を100%売却する可能を問われた綱川智社長は、「柔軟に考えていく。なんでもあり得る」と回答した。
既に経営再建策の柱のひとつとして、メモリ事業を分社化することを発表していた。
しかし、20%未満の外部資本の導入で、東芝が主導権を維持した形で事業運営する姿勢だったが、この方針を撤回したことになる。
それだけ事態は切羽詰まっているということだろう。

東芝は、2015年の「不適切会計」が明るみに出てから経営再建に努めてきた、はずであった。
⇒2015年8月 2日 (日):東芝の粉飾と原発事業の「失敗」/ブランド・企業論(37)
⇒2016年1月 4日 (月):経営危機にまで追い詰められた東芝/ブランド・企業論(46)
⇒2016年5月 1日 (日):原発事業によって生じた東芝の深い傷/ブランド・企業論(52)
⇒2017年1月18日 (水):原子力事業で破滅の危機の東芝/ブランド・企業論(62)
⇒2017年1月20日 (金):原子力事業で破滅の危機の東芝(2)/ブランド・企業論(63)
⇒2017年1月28日 (土):原子力事業で破滅の危機の東芝(3)/ブランド・企業論(64)
⇒2017年1月31日 (火):原子力事業で破滅の危機の東芝(4)/ブランド・企業論(65)

エネルギーとメモリが2本の柱であった。
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東洋経済2017年2月4日号

原発事業の失敗によって、もう1本の柱であるメモリも手放さざるを得なくなってしまったのだ。
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東洋経済2017年2月4日号

東芝のなかでメモリ事業が大事な事業であるという位置づけを継続したいという希望も放棄せざるを得なかったというわけである。
買い叩かれることを避けるため、関連の売却は期末を越える見通しで、そうなると東証の規定により2部に降格になる。
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東京新聞2月16日

名門の自負からすれば屈辱だろうが、原子力事業は取り返しのつかない失敗を犯したことになる。
しかも、大局的に考えれば、いずれ撤退を図るべき事業だったにも拘わらず、である。

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