思考技術

2018年6月17日 (日)

森友学園への不可解な融資と権力犯罪/ABEXIT(53)

いくらグルになってごまかそうと思っても、いつかはバレると考えた方が良い。
およそ1億3千万円で森友学園が国と国有地を購入する契約を結んだ4ヶ月後の2016年10月に、りそな銀行が10億円の融資を行っていた。
りそな銀行は、同土地が10億円の価値があることを認めた上で、国への代金返還請求権を担保に森友学園に10億円の融資を行なう決定を行ない、国交省もこれを承認する印鑑を押していたことが判明した。

当該土地の値引き額が過大であると会計検査院が疑義を呈した。
2017年10月30日 (月) モリカケ疑惑の行方/アベノポリシーの危うさ(313)

しかし、会計検査院の疑義を超えた事態だった。
8億円値引きして1億3400万円で購入した国有地を元に金融機関から10億円を限度に借り入れすることを、国土交通省が2016年10月に承認していたのである。
日本共産党の宮本岳志議員が国交省提出の文書を元に明らかにしたのだ。

石井国交相は「事実関係をよく承知していない」と言明を避けた。
しかし、改めて森友学園をめぐる不可解な金の流れと、2015年9月の安倍総理とりそな銀行関係者(冬柴鐵三元国交相の次男・冬柴大氏)との、大阪での”謎の会合”に注目すべきであろう。

首相動静は次の通りであった。

【午後】0時13分、同空港発。39分、大阪市中央区の読売テレビ着。1時30分から2時29分、番組収録。3時3分から45分、情報番組に出演。48分、同所発。4時7分、同市北区の海鮮料理店「かき鉄」着。故冬柴鉄三元国土交通相の次男、大さん、秘書官らと食事。5時5分、同所発。34分、伊丹空港着。6時8分、全日空36便で同空港発。57分、羽田空港着。7時18分、同空港発。43分、自民党本部着。44分から8時7分、谷垣禎一同党幹事長。8分、同党本部発。31分、東京・富ケ谷の私邸着。
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徹底検証不可欠アベ友事案2015年9月3-5日動静

森友事件は、「8億の土地を1億に不当に廉売した事件」「その実態を隠すために公文書が改竄された事件」から、「なぜが国有地を不当廉売した後に、銀行から学園への10億円ほどの融資に国が裏書きした事件」になった(菅野完)のだ。
閣僚の8割を占める日本会議を中心とした底知れぬ犯罪である。

驚くべきは日本会議の構成員が閣僚に占める割合である。第一次安倍内閣では首相をはじめ12人、麻生内閣では9人だった。それが改造前の第二次安倍内閣で13人になり、現内閣では19人中15人に増えた。公明党枠の1人を除く閣僚ポストの8割強を日本会議に関係する議員が占めている。
日本最大の右派団体「日本会議」と安倍政権のただならぬ関係〜なんと閣僚の8割が所属

公明党を加えれば85%になる。
公明党がズブズブなことは、冬柴氏の存在が示している。

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2018年6月14日 (木)

麻生氏は地位に恋々としているのか?/ABEXIT(50)

「老害」という言葉がある。
以下のような特徴を持った人を指す。

1.自分の意見を絶対に曲げない
2.理不尽に怒りをぶつけてくる
3.上から目線が激しい
4.昔の価値観を押し付ける
5.自分の非を認めない
老害の特徴とは。老害と言われる高齢者達の理由を知ろう

思い当たる人が、政界にも経済界にもいるが、麻生財務相などは典型ではないか。
謝罪会見なのに決して頭を下げない。
2018年6月 5日 (火) 公文書改ざん・廃棄・隠蔽問題はこれからだ/ABEXIT(44)
上記の特に、3や5に該当するだろう。

セクハラについて、社会の見る目が厳しくなっているのに無頓着である。
2018年4月20日 (金) 絶望の財務省&相/ABEXIT(9)
2018年5月 5日 (土) 麻生財務相のセクハラ感覚と認識/ABEXIT(19)
上記の特に1や4に相当するだろう。

思い起こせば「ナチスの手口をまねて憲法改正を」という発言もあった。
2013年8月 4日 (日) 撤回では済まされない麻生副総理の言葉
基本的な感覚がズレているのだ。

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東京新聞6月10日

さすがに自民党の中にも批判的な空気が出てきたようである。
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東京新聞6月6日

それでも麻生氏が閣僚で居続けるのはなぜか?
前川前文科次官が「総理の意向」文書の存在を証言したのに対し、官邸サイドは「前川氏は地位に恋々としがみつく人」と論評し、個人的なスキャンダル情報を親安倍メディアの読売新聞に報道させた。
2017年5月25日 (木) 加計疑惑(4)衝撃の前川前文科事務次官会見/アベノポリシーの危うさ(215) 
2017年6月 6日 (火) 加計疑惑(13)前川氏に対する印象操作という墓穴/アベノポリシーの危うさ(226)

しかし1年後の現在、どちらの言い分に信憑性があるかは瞭然である。
安倍首相はあくまで麻生氏を温存する意向だという。
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東京新聞6月5日

この内閣が存在することは、日本にとって大きな機会損失である。

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2018年6月11日 (月)

『万引き家族』の評価を巡って/ABEXIT(49)

是枝和裕監督の『万引き家族』がカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに選ばれた。
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慶賀すべき快挙である。
公開されたら観たいと思っていたら、近くのシネコンで先行公開するというので、6月3日に一般公開(8日)より一足先に観てきた。
期待に違わない素晴らしい作品で、審査員たちは、日本的な情感が詰まった作品をよくぞ選んだと思う。
ところが、安倍首相とその周辺には評判が良くないようだ。

この快挙に、ふだん「日本スゴイ」話が大好物の人たちが、いつもとまったく違う反応を見せている。
 その筆頭が総理大臣の安倍晋三だ。是枝監督の受賞は日本人監督としては今村昌平監督『うなぎ』以来21年ぶりなのだから、普通なら何かコメントを出しそうなものだが、一切無視。フランスの「フィガロ」紙にも「日本人が国際的な賞を受賞したら必ず賛辞を送るはずの安倍首相が沈黙を保ったまま」と皮肉られる始末だった。
 これはもちろん、安倍首相が『スターウォーズ』シリーズと山崎貴監督の映画にしか興味がないからではなく、是枝監督が安倍政権の姿勢を何度か批判しているからだろう。
カンヌ受賞でもネトウヨは是枝裕和監督と『万引き家族』が大嫌い! 安倍首相は無視、百田尚樹と高須克弥はバッシング

安倍一派の文化芸術理解の程が知れるというものだろう。
安倍首相に近い自民党の若手議員らが立ち上げた「文化芸術懇話会」という勉強会に触れたことがある。
何しろ最初の講演会の講師があの百田尚樹氏だったということで、この人たちの「文化芸術」観が分かるだろう。
2015年6月26日 (金) 亡国の自民党「勉強会」の中身/日本の針路(185)

クールジャパンなどと言ってもその程度のことなのだ。1806022_2
東京新聞6月2日

林文科相が慌てて祝意を伝えたいと表明したが、是枝監督は拒否した。

 フランスで先月開かれた第71回カンヌ国際映画祭で、メガホンを取った「万引き家族」が最高賞「パルムドール」を受賞した是枝裕和監督に対し、林芳正文部科学相が文科省に招いて祝意を伝える考えを示したところ、是枝監督が自身のホームページ(HP)に「公権力とは潔く距離を保つ」と記して辞退を表明した。
林文科相 カンヌ最高賞で祝意を 是枝監督は辞退表明

芸術の担い手の矜持として当然であろうが、筋の通った行動は気持ちが良い。

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2018年6月10日 (日)

「私や妻が関係していたら辞める」はどうなったか/ABEXIT(48)

まったくバカバカしい内閣である。
安倍首相の「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と明言していた国会答弁は、録画画像で国民が何回も見てきた。
それをきっかけとして、財務省は決裁文書を改ざんするという考えられないような犯罪行為に走った。
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東京新聞6月5日

昭惠夫人の関与を否定できないことが明白になると、「贈収賄」に限定すると前提条件を変えた。
つまり安倍首相の言葉の軽さが前代未聞の公文書改ざんという事態をもたらしたのだ。22
「AERA」6月11日号

人間の複雑さを理解できない安倍首相は、不正行為を強制させられた現場の職員の苦悩など想像の範囲外のことなのだろう。
その多くの人間に影響を及ぼしてきた言葉を、自分勝手に都合よく変えたのである。
財務省の「調査」報告書でも、首相答弁が起点となっていることは認めているが、昭恵夫人の関与については踏み込んでいない。
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東京新聞6月5日

こんな幼稚な欺瞞が許されるはずがない。
と思っていたら、なんと首相答弁の趣旨は「贈収賄に限定」と閣議決定したという。

 政府は8日、学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡って、安倍晋三首相が昨年2月17日に国会で「私や妻が関係していたら首相も国会議員も辞める」と述べた後、今年5月28日の答弁で「関係」の意味を贈収賄に限定したことについて、「趣旨は同じ」との見解をまとめた。立憲民主党の逢坂誠二氏の質問主意書に答えた。
 8日に閣議決定した政府答弁書は、昨年2月と今年5月の首相答弁を同趣旨と判断した理由として、首相が昨年3月24日の国会答弁でも「お金の流れ」に限定して「私も妻も関わっていない」と述べたことを挙げた。ただ、昨年2月と昨年3月の答弁の整合性については言及していない。
「首相辞める」の「関係は贈収賄に限定」の趣旨

なんでもかんでも閣議決定すれば済むと思っているらしい。
何しろ「そもそもには、「初めから」以外に「基本的に」という意味がある」という首相答弁を追認してしまう内閣である。
2017年5月21日 (日) アホな内閣(15)恣意的な閣議決定の乱用/アベノポリシーの危うさ(213)

辞書を作り替えるような暴挙であるが、言葉の意味を改変したり、前提条件を勝手に変えたりするようなことばかりでは「そもそも」議論が成り立たない。
国会を正常な言論の府とするためにも、内閣は総辞職すべきである。

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2018年6月 9日 (土)

安倍政治への一つの審判として新潟県知事選/ABEXIT(47)

米山前知事の辞任に伴う新潟県知事選が明日6月10日投開票される。
選挙戦には、元五泉市議の安中聡氏(40)、元海上保安庁次長で元副知事の花角英世氏(60)=自民、公明支持、元県議の池田千賀子氏(57)=立民、国民、共産、自由、社民推薦の争いである。
事実上、花角氏と池田氏による与野党の対決図式で、安倍政権の命運を占うものとなっている。

最大の争点は県内にある柏崎刈羽原発の再稼働問題のはずであるが、花角氏も前知事の「三つの検証」(福島第一原発の事故原因、原発事故が健康と生活に及ぼす影響、万一原発事故が起こった場合の安全な避難方法)を継承するとしており、池田氏との争点を見え難くしている。
しかし、問題は、原発ゼロを強く志向するのか、再稼働も視野に入れるのかである。
すなわち野党の原発ゼロ路線か、与党の再稼働路線か、である。

安倍政治の象徴である「モリカケ疑惑に対し、「いつまでモリカケか?」という声がある。
いつまでも引きずっているのは、与党が真摯に疑惑・不祥事に向き合わないことに原因であることを強調したい。
「モリカケ」を収束させるには、安倍政権を交代させるしかないのではないか?
その意味で、新潟県という1県の問題であると同時に、全国的な問題でもある。
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東京新聞6月9日

疑惑に塗れた安倍政権を継続させることは、ある意味で「国辱」と言える。
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東京新聞4月23日、よく見極める必要がある。

前知事の米山氏は、学力優秀なんだろうけど、人間力がイマイチだったということか?
「残念な生き物」の1つと言っていいかもしれない。
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牧太郎「サンデー毎日」5月20日号

さまざまな思惑が交錯するが、基本を見失わなければ、答は明瞭であるように思う。

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2018年6月 8日 (金)

アキバ通り魔事件と働き方の問題/戦後史断章(28)

10年前、秋葉原の歩行者天国は人出で賑わっていた。
そこに起きた惨劇を予想し得た人は誰もいなかったであろう。
犯行を起こした当人以外には。
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東京新聞

青森県の進学校の出身ながら、静岡県の自動車部品工場で派遣労働者として働いていた25歳の若者が、歩行者天国に車で突っ込み、車から降りてナイフで通行人に無差別で切りかかった。
何という不条理に震撼させられた。
⇒2008年6月11日 (水)  秋葉原通り魔と心の闇

しかし、驚くべきことに、この不条理を実行した犯人を「神」に譬え、ヒーロー視する人が少なからず存在したことである。
⇒2008年6月22日 (日)  通り魔をヒーロー視する人たち

犯人の履歴等についてはすでに少なからぬ論評がなされている。
もちろん、このような凶行に至るには、育った環境等の複合的な要因があるだろう。
犯人は、動機や心情をかなり詳細にネットに投稿していた。
そこから読み取れるのは、強い敗北感である。

その背景には、派遣労働者という労働形態がある。

1986年施行。当初は「自由な働き方ができる」と働く側に歓迎されたが、企業側が契約期間終了で「雇い止め」にできるため、人手不足のときに一時的に雇う「雇用の調整弁」にされやすい。2015年9月、派遣先への直接雇用の依頼や、派遣元での無期雇用などの雇用安定措置を盛り込んだ改正法が施行された。
労働者派遣法

私は派遣元と派遣先の両方の企業の経験があるが、現実に派遣労働者の多くが非正規雇用である。
それが「正規-非正規」の格差を生んでいることは疑い得ない。
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東京新聞6月4日

安倍政権は「働き方」の問題を今国会の最大のテーマに掲げている。
2018年2月18日 (日) 何のための「働き方改革」なのか/日本の針路(375) 
2018年3月 2日 (金) 何のための「働き方改革」なのか(9)/日本の針路(384)

しかし、過労死遺族の前でへらへら笑う安倍首相の態度を見れば、この政権の体質が良く分かる。
立法根拠であるデータが実にいい加減なのだ。
2018年3月12日 (月) 政府の「働き方改革」の馬脚/日本の針路(393)
結果として裁量労働制については法案を取り下げたが、「高プロ制」については強行突破の構えである。
2018年5月27日 (日) 「働き方改革法案」を強行採決/ABEXIT(35)

しかし、何と高プロ制の根拠のアンケート調査は僅か2サンプルに過ぎず、うち9人は事後的に実施したものであるという。
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東京新聞6月8日

後付けで立法事実を作るのは、アリバイつくりということである。
こんなウソばかりの政権には当然引導を渡さなければならない。

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2018年6月 7日 (木)

加計理事長はなぜ沈黙しているのか?/ABEXIT(46)

加計疑惑がヤマ場に差し掛かっている。
愛媛県文書に記録されていた「安倍-加計」面談が架空のものだった、と加計学園の渡辺事務局長が申し出たのだ。

A.渡辺事務長が真実を語っている場合
渡辺氏は、「その場で思ったことをふと口にした」と言っているが、そんなことで証言したことにはならない。
2018年6月 3日 (日) 加計学園の「虚偽面会話」は軽い問題ではない/ABEXIT(42)
事態打開のために、安倍首相の名前を虚偽に使ったわけであり、加計学園選定の正当性が問われる。
2018年5月29日 (火) 加計学園が、県・市にウソの説明?/ABEXIT(37)
渡辺氏は自分の言葉が真実であることを他の何かで補強しなければならないであろう。
しかし、記者会見の様子ではとてもそんなことはできそうもない。

B.渡辺事務局長がウソを言っている場合
俯瞰的に見れば、渡辺氏がウソを言っている可能性の方が高い。
国会質 疑や関係者の発⾔などを分析すると県⽂書の内 容は⼀連の経過と多くの点で合致しており、⾯会 を否定すると学園の説明の不⾃然さが浮かび上 がってくるのだ。
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加計⾯会否定、逆に不⾃然 「愛媛⽂書」学園発⾔の⽭盾露呈

大体、渡辺事務局長の記者会見は、虚偽説明をしてしまったことを反省しているようには思えないものだった。
かくなる上は、加計理事長が何らか説明すべきだ。
中村愛媛県知事も加計理事長自身の会見を促している。

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 安倍政権にダメージを与え続けている愛媛県の中村時広知事が、また一撃を繰り出した。いっこうに姿を現さない加計学園の加計孝太郎理事長に対し「記者会見を開くべきだ」と注文をつけたのだ。
 4日、加計理事長が記者会見を開くよう、学園サイドに伝えたと記者団に明らかにした。「コンプライアンスとガバナンスの問題は最高責任者の範囲だ。トップとして対外的に説明する方に重きを置いて欲しい」と語った。
 さすがに、加計理事長に会見を求める声は、自民党からも上がっている。田村憲久政調会長代理は、NHKの討論番組で「加計さんが会見するのもひとつではないか」と発言している。
中村愛媛知事がまた一撃 加計理事長に「会見を開くべき」

 

まさか雲隠れのままということではないだろう。
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東京新聞6月6日

自主的に会見を開かいなら証人喚問せざるを得ないのではないか。
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日刊ゲンダイ5月30日

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2018年6月 6日 (水)

全員不起訴の特捜部の存在意義は?/ABEXIT(45)

「森友疑惑」について全員不起訴という不思議な判断をした大阪地検には「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」と呼ばれる事件がある。

大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件とは、2010年(平成22年)9月21日に、大阪地方検察庁特別捜査部所属で、障害者郵便制度悪用事件担当主任検事であった前田恒彦が、証拠物件のフロッピーディスクを改竄したとして証拠隠滅の容疑で、同年10月1日には、当時の上司であった大阪地検元特捜部長・大坪弘道及び元副部長・佐賀元明が、主任検事の前田による故意の証拠の改竄を知りながら、これを隠したとして犯人隠避の容疑で、それぞれ逮捕された事件である。
Wikipedia

今の政権の姿を先取りするような出来事であったが、その「伝統」を引き継いでいるのであろうか?
しかし「森友疑惑」は大阪地検特捜部にとって「千載一遇のチャンス」という見方もあった。

「森友学園事件は、大阪地検特捜部にとって千載一遇のチャンス。官庁のなかの官庁の財務省がやれて政治が絡む。しかも国民注視の事件なので、“横やり”が入ることがない。これを徹底解明しなければ、大阪地検特捜部の存在意義が問われるでしょう」
こう検察捜査に期待をかけるのは、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士だ。
森友学園事件は、籠池泰典前理事長夫妻を詐欺や補助金適正化法違反の罪に問い、学園に国有地を安く払い下げたとして背任などの罪に問われている財務官僚については、3月末、不起訴処分で終結する予定だった。
だが、公文書書き換えという民主国家の根幹を揺るがす事態の発覚で、検察は「最終的な責任者」である佐川宣寿・前国税庁長官の逮捕も視野に入れた本格捜査に切り替えた。
森友問題で大阪地検特捜部が「千載一遇のチャンス」と奮い立つ理由

全員不起訴の判断で「大阪地検特捜部の存在意義が問われる」のは間違いあるまい。Photo_5

それにしても麻生財務相は未だに「理財局の一部人間が・・・」などとトンチンカンなことを言っていた。

 森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書の改ざん問題について、カナダを訪問中の麻生太郎財務相は2日(日本時間3日)、「組織的ではない」と述べ、理財局の一部の職員による行為だったとの認識を示した。問題を軽視するかのような発言で、責任を問う声が改めて高まりそうだ。
 カナダで開かれた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の終了後の記者会見で述べた。麻生氏は改ざんについて「大蔵省(財務省)という全体の組織で日常的に行われているわけではないという意味では組織的ではない」と発言。「理財局の中の国有資産課の、それを担当した人ということになると、かなり人数は限られてくる」と説明した。
 「組織的ではないのか」と質問した記者に対し、「組織的と言いたいあなたの立場とか、会社の都合とか、いろいろあるんだろうから、いろいろ言い方はあると思うが、私の考え方として、大蔵省(財務省)全体でやっていたわけではないというところを強調したい」とも述べた。
 財務省は4日に改ざん問題の調査結果と関係職員の処分を発表する予定だが、麻生氏は続投する意向を示す。麻生氏は「再発防止をきちんとやっていかなければいけない」とも語ったが、その指揮を執る組織のトップとしての認識が問われている。
麻生氏、文書改ざん「組織的ではない」 記者会見で発言

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しかも、単に書き換えたというものではなく、明確な意図の下に行われているのだ。Photo

しかも、この問題を最初からリードしてきた菅野完氏は、未だに隠蔽しているという。Photo_2

安倍内閣、日大、加計学園など、「危機管理がウリ」の組織は、どうしてこう状況に無頓着なのだろうか?
自分たちが絶対安全圏にいるとでも思っているのだろうか?
法務省に黒川弘務という次官がいる。
「官邸の代理人」と呼ばれ、「こいつがいる限り、安倍政権は安泰だ」と言われている。

エリート検事は途中で小規模な地検の検事正を経験する慣例に従い、10年8月、松山地検検事正へ異動したものの、わずか2カ月で呼び戻され、大阪地検特捜部の証拠改竄・隠蔽事件で発足した「検察の在り方検討会議」の事務局を務める。
「当時は民主党政権で、東京地検特捜部が小沢一郎の資金管理団体『陸山会』をめぐる事件に突き進み、小沢をパージしたうえ、検察審査会による強制起訴を画策した。そんな状況下でも黒川は検討会議のメンバー選びから関わり、議論を検察有利に導く一方、政権復帰を見越して自民党と通じていた」と検察関係者は明かす。
黒川がとりわけ通じていたのは、第2次安倍政権で官房長官となる菅義偉という。
検討会議が提言した刑事司法改革は、取り調べの可視化が裁判員裁判対象事件と検察の独自捜査事件に限定される一方、通信傍受が拡大されたほか、司法取引まで導入され、捜査機関の「焼け太り」で終わった。
「官邸の代理人」黒川法務事務次官

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そんな不条理が永続するはずがないではないか。

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2018年6月 5日 (火)

公文書改ざん・廃棄・隠蔽問題はこれからだ/ABEXIT(44)

「森友疑惑」について告発を受けていた大阪地検は、全員不起訴という不可解な判断を示した。
2018年6月 2日 (土) 森友公文書改ざんの構図/ABEXIT(41)

 これを待っていたかのように、財務省が処分を発表した。
謝罪会見をした麻生財務相は、いつものような尊大な態度で、見慣れた謝罪会見のように深く頭を垂れることはしなかった。
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東京新聞6月5日

まったく納得できるものではないと言わざるを得ないだろう。
安倍首相が「私や妻が関係していたら、首相だけでなく国会議員も辞める」と明言したのが契機だったのは明らかである。1806052_3
東京新聞6月5日

麻生財務相は、主導したとされる佐川氏の国政庁長官の昇格人事を「適材適所」と言い張っており、唖然とするばかりである。
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財務省の報告書には、以下のようなことが記されていた。

・」2017年2月に安倍晋三首相が国会で「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁して以降、安倍昭恵氏(総理夫人)の名前が入った書類の存否の確認をしたり、政治家の問い合わせに関する記録などを廃棄した。
・国会議員団の国有地視察(2017年2月21日)の際、財務省側が森友学園側の弁護士に「(森友学園の籠池泰典)理事長らの発言次第では国会審議がさらに混乱しかねない」「理事長は出張で不在」「撤去費用は相当かかった気がする、トラック何千台も走った気もする」など、説明ぶりを提案した。
・近畿財務局の統括国有財産管理官の配下職員は、「改ざんを行うことへの強い抵抗感があった」「本省理財局からの度重なる指示に強く反発」していた。
・会計検査院による検査開始後の2017年4月、財務省理財局の職員が国交省に出向き、国交省が保管していた森友学園に関する決裁文書を「改ざん後」の文書に差し替える作業をおこなっていた。会計検査院の検査に対し、国交省側はもともと保管していた「原本」を提出。一方、財務省側は「改ざん後」の文書を提出した。
森友改ざん報告書、これが全文だ。「妻関係していたら総理辞める」答弁後に記録破棄していた

にもかかわらず、麻生財務相は、5日午前の衆院財務金融委員会における国民民主党の今井雅人氏への答弁で「一連の調査の中では、安倍晋三首相の発言をきっかけとしてそういうことになったという事実は認められない」と述べた。
報告書も読んでいないのではないか。
「改ざんを行うことへの強い抵抗感があった」近財職員は、堪え切れず自ら命を絶った。
いかに無念だったことか。

麻生財務相は「組織ぐるみではない」というようなことを言っていたが、理財局長だった佐川氏が主導し、配下の職員が実行していたのを「組織ぐるみではない」としたら、どういう場合が「組織ぐるみ」なのか?
安倍首相は、昭恵夫人の関与が否定できなくなると、関与を「贈収賄」に限定するという「#ご飯論法」に出た。

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2018年5月31日 (木) 「ウソつき」の競演/ABEXIT(39)

当の昭恵夫人は、昨年3月、Facebookで一方的に発言しただけで、公式に発言していない。
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東京新聞6月3日

本当に関与していないと考えるなら、堂々と発言すれば良いではないか。

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2018年6月 4日 (月)

安倍主導「危機管理学」の実態/ABEXIT(43)

日大アメフト部の悪質タックルを巡る騒動で、日大当局の対応の拙劣さが話題になっている。
日大には危機管理学部があることが、半ばギャグになっているのだ。
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東京新聞6月3日

日大アメフト部の対応について、フローチャートで分かりやすく解説してくれているサイト『日本大学アメリカンフットボール部はいつどのタイミングで謝ればよかったのか?』を引用する。
先ずn悪質タックルに至る経緯は以下のようであった。Photo_8

そして反則後の対応は以下のようであった。

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そして反則をした選手が記者会見して謝罪した。
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要するに、すべてが後手なのだ。
実際の経緯は良く知られているように、記者会見で「指示を選手が誤解した」で済まそうとしたのであった。
世論に抗しきれず内田監督が辞意を表明して炎上鎮火を図ったが炎上は収まらない。
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挙句の果ては「永久追放処分」を受けた。
見事なくらいの状況を読み違えである。
これでは危機管理学部で何を教えているのか、という疑問が出てくるのは当然であろう。
驚くことには、危機管理学部が設置されているのは、日大の他には加計学園系列の2大学だけである。
加計学園の「安倍-加計架空面談」の対応を見ていると、日大と同様の道を辿っているように思える。

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「加計学園の千葉科学大は04年の開学当初から、当時は珍しかった危機管理学部が看板でした。安倍さんが安全保障の重要性を訴えてつくらせたともいわれています。ただし、学問として安全保障を教えるというよりも、関係者によると、消防署などに就職しやすい学部をつくったという話でした。学園側は『将来の総理がバックアップ』とアピールしていたそうです。04年5月の開学式典には安倍さんも馳せ参じています」(加計問題を取材するノンフィクション作家の森功氏)
 千葉科学大の創立10周年記念行事にも安倍首相は駆けつけた。その席で加計理事長を「腹心の友」と呼んだことが、後に広く知れ渡った。安倍側近の萩生田幹事長代行が、落選中に客員教授を務めていたのも千葉科学大の危機管理学部だった。
 危機管理学というからには学会もあるのだろうかと調べてみると、「日本安全保障・危機管理学会(JSSC)」が存在する。名誉会長はまたもビックリ、安倍首相だ。
 学会の設立は05年。概要には「この学会は日本国民全体を対象とし、安全保障および危機管理に関する理論とその応用・実践についての研究を深めつつ、有為な人材を育成し、大学、自治体および企業等へ送り込むことに寄与することを目的とする」とある。
 もっとも、学会といっても、役員に名を連ねるのは警察OBや自衛隊OBがほとんど。特別顧問は出雲大社宮司の千家尊祐氏、名誉顧問は渡辺喜美参院議員、顧問には自民党の中谷元元防衛相、佐藤正久外務副大臣、和田正宗参院議員らの名前もある。
注目の「危機管理学部」 日大と加計学園にだけ存在の衝撃

つまり、安倍首相や自民党タカ派の肝いりの学会なのである。
学部や学会を名乗っていても、学問と無縁である。
加計の危機管理の拙劣さも、近いうちに批判の対象となるであろう。
最重要課題のハズの拉致被害者の救出もトランプ大統領に依存しっ放しの安倍首相が、危機管理に見識があるとは思えない。

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