思考技術

2017年4月23日 (日)

アホな内閣(4)金田勝年法務相と共謀罪審議/アベノポリシーの危うさ(189)

「テロ等準備罪」法案の国会での審議が始まった。
問題の大きな案件である。
稀代の悪法・治安維持法も、「一般人は対象ではない」と説明しながら、すぐに対象範囲を拡大していったのは歴史が示す通りである。

例えば、有名ではあるが未だ細部が明らかにされていない新興俳句弾圧事件がある。
新興俳句弾圧事件とは、治安維持法下における思想弾圧事件の一つで、昭和15年2月14日の第一次「京大俳句」弾圧事件から、18年12月6日の「蠍座」(秋田)弾圧事件までの、4年間にわたる一連の出来事である。
⇒2007年10月26日 (金):新興俳句弾圧事件…①全体像
事件に連座した俳人の一人が渡辺白泉である。
⇒2007年11月16日 (金):渡辺白泉

白泉は、慶應大大学の出身であるが、京大俳句会の同人だった。
俳句などの文芸は、言葉の連想作用を活用することによって成り立つ。
例えば「菊枯れる」という季語が、皇室の衰運を表しているというような恣意的なこじつけも可能であることは、五木寛之の小説『さかしまに』に描かれている。

渡辺白泉は新興俳句の旗手の一人と目されていた。
⇒2012年1月17日 (火):渡邊白泉/私撰アンソロジー(14)
有名な「戦争が廊下の奥に立ってゐた」などの句を詠んでいた白泉が目を付けられたのは必然だった。

同法は金田勝年法務相が所管するが、余りにも頼りなかった。
⇒2017年2月 2日 (木):不適格大臣列伝(9)金田勝年法務相/アベノポリシーの危うさ(127)
⇒2017年2月 9日 (木):不適格大臣列伝(12)金田勝年法務相(2)/アベノポリシーの危うさ(131)

そこで林真琴刑事局長を補佐役とした。
しかし、野党の反対を採決で押し切っての決定である。
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東京新聞4月20日

審議に堪えぬ法相など要らない。

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2017年4月18日 (火)

不適格大臣列伝(17)山本幸三地方創生担当相/アベノポリシーの危うさ(184)

「SPA!」誌に連載中の菅野完氏のタイトルではないが、思わず「なんでこんなにアホなのか?」という言葉が口をつく。
山本幸三地方創生担当相(衆院福岡10区)である。
16日、大津市での講演後、観光やインバウンド(訪日外国人)による地方創生に関する質疑で、「一番のがんは文化学芸員だ。観光マインドが全く無く、一掃しないとだめだ」と述べた。
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東京新聞4月18日

公的資格を持って仕事に携わっている人間を、「一掃しないと」などと、とても大臣の発言とは思えない。
いくら撤回しても、一度口にしてしまえば、消えはしない。
程度の低いチンピラと同じである。

 講演は滋賀県が主催し、山本氏は「地方創生とは稼ぐこと」と定義して各地の優良事例を紹介した。
 発言は会場からの質問への回答。山本氏は京都市の世界遺産・二条城で英語の案内表示が以前は無かったことなどを指摘した上で、「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない、お茶もできない。そういうことが当然のように行われている」と述べ、学芸員を批判した。
 閉会後の報道陣の取材に対し、山本氏はインバウンドの興味を引くさまざまなアイデアについて「『文化財が大変なことになる』と全部、学芸員が反対する。観光立国として(日本が)生きていく時、そういう人たちのマインドを変えてもらわないと、うまくいかない」と説明し、「全員クビは言い過ぎ」とも述べた。
 学芸員は博物館法で定められた専門職員で、資格認定試験に合格し博物館資料の収集、保管、展示、調査研究などを行っている。ある学芸員は「観光のための文化財活用と文化財保護をいかに両立するかが大事な視点だ。観光に重きを置いている最近の国の風潮を象徴している発言だ」と話した。
山本地方創生相「学芸員はがん。一掃を」

まったく無知であり、かつ無恥である。
専門職員の職務が何であるかについて、まったく知識を欠いている。
学芸員は観光案内じゃない。
一掃してしまえば、「資料の収集、保管、展示、調査研究など」が遂行できなくなる。

観光ということも理解していない。
観光の「光」は優れた景物のことを指している。
「玉磨かざれば光なし」と言うが、優れた素材もケアをしてこそ光り輝くのである。
その学芸員の存在理由を否定して、観光を言うとは本末転倒の極みであろう。

それにしても現内閣の失言が相次ぐ。
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止まらぬ閣僚の失言 「1強」が緩みに

もはやこの政権の性格であり、当然任命責任の問題である。
山本氏の場合は、失言と言うより、暴言でありかつ妄言でもあろうが。
Ws000003
「失言」と「暴言」と「放言」と「妄言」の違い

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2017年4月 8日 (土)

森友疑惑(42)「裸の王様」の末路/アベノポリシーの危うさ(179)

森友学園をめぐる一連の疑惑の核心である国有地ダンピング払下げに、安倍昭恵夫人が関与しているが確定的になった。
籠池氏が谷査恵子首相夫人付政府職員に宛てた要望事項が明らかになったのだ。
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東京新聞4月5日

問題は籠池氏が送った陳情の手紙(上図の④)である。
菅野完氏は次のように言う。

 だがこの「籠池からの手紙」はいささか読解し難い。なぜなら手紙の内容が、「50年定借として早い時期に買い取るという形に契約変更したい」「学校の用地が半値で借りられたらありがたい」「本来なら平成27年度予算で返ってくるはずの立て替え払いが、予算化されていなかったので早急に予算化してもらいたい」と、手前勝手な要求事項だけを無味乾燥に箇条書きしたものにすぎないからだ。
 冒頭の挨拶や自己紹介、依頼内容の概要など、手紙らしい内容は一切ない。ただただ要求内容が羅列されるだけ。「籠池氏が何をしている人か」「なんでこんな手紙を送りつけてきたのか」という予備知識がなければ、到底、理解できるような代物ではない。しかしながら、これに対する返答である谷氏からのfaxは、予備知識のない人間であれば読解不可能なはずの「籠池からの手紙」を見事に読み込み、その要求事項の全てに遺漏なく的確に返答しており、先述のように「工事立替費の次年度での予算化」という「籠池の要求」を完全に満たす回答まである。ここまで円滑なコミュニケーションが成立するためには、「籠池が手紙を送る意図」を、谷氏に「解説」する人物がどうしても必要だ。
菅野完「アッキード事件の核心に迫る“籠池ノート”の中身」

それは昭恵氏以外には考えられない。
⑤の谷氏から籠池氏へのファックスに、「さしあたっての回答」が記されていた。
⇒2017年3月30日 (木):森友疑惑(37)ゼロ回答と満額回答/アベノポリシーの危うさ(172)
この「さしあたっての回答」の部分を指して、官邸サイドは「ゼロ回答」だとしたが、実際は籠池氏の要望は、1年以内にすべて適えられているのだ。
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東京新聞4月5日

以上でQ.E.D.(証明終わり)である。
首相がよく口にする「悪魔の証明」でも何でもない。
ごく当たり前の推論である。

この推論を否定するのは、夫人付け秘書に証言させればいいだけである。
もちろん偽証は罰せられる場で、である。
安倍晋三首相は、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べたのである。
⇒2017年2月22日 (水):森友疑惑(2)国有地格安売却/アベノポリシーの危うさ(136)
まあ、この言葉があろうとなかろうと、辞任に値する行為であったのだが。
それにしてもこの発言を含む議事録が公開されていないのはなぜか?
⇒2017年4月 6日 (木):不適格大臣列伝(16)今村雅弘復興相/アベノポリシーの危うさ(178)

このように問題を大きくしたのは、自滅行為を繰り返してきたからである。
⇒2017年3月28日 (火):森友疑惑(35)連続オウンゴール/アベノポリシーの危うさ(170)
まだ逃げ切れると考えているなら、周りに「王様は裸だ」という人がいないからであろう。
今や週刊文春誌4月13日号も「裸の王様」を唱え始めた。
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私はかねてから「裸の王様」ではないかと指摘してきた。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
⇒2015年12月12日 (土):続続・安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(64)
裸の王様の末路は滑稽である。

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2017年4月 6日 (木)

不適格大臣列伝(16)今村雅弘復興相/アベノポリシーの危うさ(178)

私は、瞬間的にはコトの経緯が分からなかった。
今村雅弘復興相の4日午前の閣議後会見である。

今村復興相は4日朝、復興庁で行われた会見で、福島県から自主避難を続けている住民に対する国の責任をめぐる記者とのやりとりで激しい言い合いとなった。
今村復興相「撤回しなさい!」
記者「撤回しません」 
今村復興相「しなさい!出て行きなさい!二度と来ないで下さいあなたは」
記者「これはちゃんと記述に残しておきます」
今村復興相「どうぞ!人を中傷誹謗(ひぼう)するようなことを許さんよ、絶対」
記者「避難者を困らしているのはあなたですよ」
今村復興相「うるさいっ!」
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今村大臣が激高「出て行きなさい」後に陳謝

話の流れについて補足すれば、東京電力福島第一原発事故で今も帰れない自主避難者がいることについて、国が責任を取るべきでは、と記者が問うたところ、今村復興相は、自主避難は「本人の責任でしょう。(不服なら)裁判でも何でもやればいいじゃないか」と発言した。
これに対して、記者が重ねて国の責任について質問したところ、突然にキレたのである。

「これはひどい。暴言ではないか」と思うのが普通の人間であろう。
ところが、下記のようなツイートもある。
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まあ、考え方は人それぞれであろうが、私は、今村復興相の発言については、次のツイートに賛成である。
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今村復興相の資産報告書には、東電株を8千株保有していると記載されている。
原発事故の対応を考えれば、利益相反であろう。
今村復興相は、3月12日放送の「日曜討論」(NHK総合)で、自主避難者に対し、「故郷を捨てるのは簡単」だとコメントした人である。
前任の高木毅氏は、自民党福井県連会長の山本拓衆議院議員が以下のように認めたいわゆるパンツ大臣である。
⇒2017年1月17日 (火):不適格大臣列伝(7)高木毅前復興相/アベノポリシーの危うさ(123)

おととし、一部の週刊誌がおよそ30年前に高木前復興大臣が女性の自宅から下着を盗んだなどと報じたことを受け、県連が独自に調査を行った結果だとして、「女性の自宅に住居侵入し、逮捕されていた。そのあと、女性と示談になったので問題とはならなかった」と述べました。

人事を見ただけでも、「被災者に寄り添う」という言葉が、まったく真実味がないことが分かる。
いじめ問題に象徴されるように、自主避難者の多くが苦難の生活を送っている。
公的な扶助が余りにもないからだ。
⇒2016年11月17日 (木):原発避難者いじめは社会の反映/原発事故の真相(148)
⇒2017年2月 6日 (月):原発事故の避難者の現状/原発事故の真相(154)

この内閣は余りにも問題がある。
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少なくとも昭恵夫人の森友疑惑への関与は明らかであるから、安倍首相は約束したように辞した方がいいのではないか。
もっともこの発言を含む議事録が未公開である。
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以下のように指摘されている。

 森友疑惑で安倍首相が激しく追及を受けた衆院予算委員会の議事録が、一ヵ月以上経ってもHPに掲載されていないことが、分かった。
 掲載されていないのは2月17日、20日、23日、24日、25日の予算委員会。いずれも森友疑惑が取り上げられた。
 特に2月17日は安倍首相が「私や妻が関係しているということになれば総理大臣も国会議員も辞める」と答弁した日である。
 2月24日は宮本岳志(共産)議員の爆弾質問が飛び出した。
【アベ友疑獄】首相答弁「関わっていたら辞めます」 ― 議事録がない!

これも「忖度」かも知れないが、まさか「なかった」とはできまい。

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2017年4月 1日 (土)

稲田防衛相の虚偽答弁/日本のPost-truth(1)

4月1日は、ウソをついてもいい日とされている。
しかし、日頃から常習的にウソをついている人もいる。
稲田防衛相はその代表格といえよう。
力強く断言していたことを一夜にして翻して、完全に信頼性を失墜したことは記憶に新しい。
⇒2017年3月15日 (水):森友疑惑(22)稲田防衛相の馬脚/アベノポリシーの危うさ(157)

森友学園問題をワイドショーなどで騒ぎ過ぎだという声もあるが、政府や自民党がそのネタを提供しているのだ。

大阪市の学校法人「森友学園」との関係について説明が二転三転している稲田朋美防衛相について、15日、フジテレビ系「バイキング」MCの俳優・坂上忍が「もう、もはやここまで来ると、稲田大臣の記憶力が怪しまれているわけですよね」と皮肉った。
 「グッディ!」MC陣とのクロストークで語ったもので、坂上はこれまでも物議を醸す発言を繰り返してきた稲田氏について「今回ばかりはその(これまで野党から追及を受けてきた)レベルではすまされない」と、同氏が危機的状況に追い込まれていることを指摘。
 「グッディ!」MCの安藤優子は、稲田氏の連日の釈明に「だんだん日本語の使い方が、毎日難しくなってくる」と苦笑していた。
<坂上忍>稲田防衛相の記憶力を問題視!

防衛相の重責を担っているはずの稲田氏が、ウソの連発で信用されないようでは、国防が危うい。
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東京新聞「筆洗」

「記憶に基づいた答弁であって、虚偽の答弁をしたという認識はない」という苦しい言い訳については、以下のようなコメントがあり、もはや漫才のネタである。
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こんなことを書かれたら、普通は恥ずかしくて表を歩けないだろう。
本当に記憶がないのなら、認知症を疑った方がいい。
いずれにしろ、大臣適格性を欠いている。

稲田氏は「10年前に籠池氏から大変失礼なことをされて関係を断っている」と語っていたが、それも大ウソだった。
23日の証人喚問で籠池泰典理事長が、2016年1月に稲田朋美防衛相の夫で弁護士である龍示氏の事務所において近畿財務局と大阪航空局の職員と面談して、「今回の土地の事柄を相談した」と発言した。
稲田防衛相は24日にこの面談を“事実”と認めざるを得なかった。

 国会でこの件について追及を受けた稲田防衛相は、「夫の稲田龍示弁護士からは『自分(龍示氏)は土地売却には一切関係していない、君は森友学園の顧問になったことはない』との説明を受けておりました」と弁明。しかし、昨日の籠池証言を受けて夫に確認したところ、このような返答があったという。
「籠池夫妻が平成28年の1月年明け早々に弁護士法人光明会に、平成21年8月ごろの顧問契約終了以来、いきなり連絡してきて、すぐに相談を聞いてほしいということでした。
 まず、1月8日に、籠池夫妻が光明会事務所(編集部注:稲田夫妻が設立した弁護士事務所)に来られました。詳細は不明ですが、小学校をつくるということ、そのために土地を借りているが土壌汚染対応の立て替え費用を国が返してくれないというような内容でした。この日はそのような話で終わり、その後、籠池氏から再度連絡があって、立て替え費用について財務局や航空局の方と話がしたいから、その場に立ち会ってほしいという依頼がありました」
 ここで話し合われている「土壌汚染対応の立て替え費用」とは、昭恵夫人付きの職員・谷査恵子氏のファクスで財務省が「平成28年度の予算で調整中」と返答していたものと同じ内容だが、これを籠池理事長は稲田防衛相の夫にも相談していた、というわけだ。
 しかも、龍示氏は「代理人として話を聞くことはできないし、本件について発言することもないが、それでよければ構わない」と返答し、16年1月27日に事務所の会議室を提供。稲田防衛相は「財務局や航空局のどなたが何名来られるかもわからなかったところ大勢で来られたので、急遽椅子をたくさん入れて対応しました」などと話した。
 そして、稲田防衛相は「(龍示氏は)話し合いに同席だけすることとなったといった趣旨のことを述べ、その後はほとんど発言してない」「売却の話ではなく、借地の土壌汚染対応の立て替え費用の返還の話」「この件について費用は受け取っておらず、これ以降、先方からは何の連絡もありません」と必死になって強調した。
稲田朋美の「籠池理事長と関係断った」はやはり嘘!

稲田氏の言う10年前の「大変失礼なこと」とは何か。
次のような解説がある。

 籠池氏は稲田氏の政治資金パーティーの発起人として名を連ねたこともあったが、ある事件が起きた。
「07年、帝国ホテルで開かれた稲田氏のパーティーの席上で、籠池夫人の諄子さんが野次を盛んに浴びせたことがあった。稲田さんは『参ったな』とぼやき、それ以降、諄子さんを避けるようになった。今回の騒動で諄子さんが『おにゃんこちゃん』と呼んだことについて国会で尋ねられ、『奥様らしい』と稲田さんが答えたのは、このときの経緯もある」(自民党関係者)
 その後、稲田氏は籠池氏からの講演依頼を断り続けた結果、「怨」と書いたファクスを何枚も送りつけられたこともあったという。
父の代から籠池氏と昵懇の仲だった稲田防衛相はKO寸前

稲田氏が籠池諄子さんを「奥様らしい」と評した時、人柄まで認識しているではないかと思ったが、そういう事情があったのである。
籠池夫妻とは、父の代からから昵懇で、深い因縁があったのだ。
⇒2017年3月19日 (日):森友疑惑(26)稲田防衛相は何を隠したかったのか/アベノポリシーの危うさ(161)

その籠池氏に対し、昨年10月22日付で「感謝状」を贈っている。
⇒2017年3月12日 (日):森友疑惑(19)稲田防衛相の係わり/アベノポリシーの危うさ(154)
腐れ縁というか、のだから、よくよく縁が深いのだろう。
あるいは感謝状は「事務方が勝手に贈った」とでも言うのであろうか?

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2017年3月31日 (金)

森友疑惑(38)辻元批判と拡大する墓穴/アベノポリシーの危うさ(173)

大阪地検特捜部が、籠池理事長に対する告発状を受理した。
高松市の男性が、国の補助金を不正に受給した補助金適正化法違反の疑いで告発状を提出したものである。
また、証人喚問での籠池理事長の証言を巡り自民党が偽証罪での告発も検討している。

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、学園の籠池(かごいけ)泰典氏の「100万円寄付」証言をめぐり、菅義偉官房長官が28日、参院決算委員会で偽証罪での刑事告発の可能性に言及した。国会の権限である告発に、政府が口をはさむ異例の対応だ。公文書の公開に後ろ向きだったのに一転して、メールやファクスといった私信を相次いで公開するなど、安倍政権は証言の打ち消しに躍起だ。
政権、籠池氏証言打ち消しに躍起 異例の告発言及

私は籠池氏の行ってきたことには反対である。
⇒2017年2月24日 (金):森友疑惑(4)系列幼稚園と日本会議/アベノポリシーの危うさ(138)
しかし、問題は籠池氏の予定していた小学校に「神風が吹いた」と言わせるような、便宜や支援が行われていたことにある。
問題が顕在化しなければ、4月に開校になっていたと思われる。

その疑惑を解明することに一貫して消極的なのが、官邸&与党である。
籠池氏の国会招致にも反対していたのに、「首相を侮辱した」という理由で、一気に偽証罪に問える証人喚問することになった。
証人喚問で、夫人の関与がほぼ確定すると、夫人のFacebookでの反論を是として、偽証罪で告発するという。
誰が見ても、手続き的にムリがある。
⇒2017年3月28日 (火):森友疑惑(35)連続オウンゴール/アベノポリシーの危うさ(170)
⇒2017年3月30日 (木):森友疑惑(37)ゼロ回答と満額回答/アベノポリシーの危うさ(172)

挙句の果ては、比べようのない辻元清美議員に関することに国会で言及して何とか躱そうとした。
そのこと自体が、見識を問われることである。
⇒2017年3月29日 (水):森友疑惑(36)辻元疑惑(?)と対比する愚/アベノポリシーの危うさ(171)

しかも疑わしい根拠に基づくもので、さらに墓穴を広げようとしている。
オウンゴールの連鎖である。

森友学園問題で野党から追及を受けた安倍首相は「今日、産経新聞の中に3つの疑惑と出ていますよね!辻元清美議員は真っ向から否定しているわけでありまして、これを証明しなければ行けないというわけです」と述べ、野党に反論します。
これは籠池理事長の妻と安倍昭恵夫人のやり取りに「辻元清美議員」の名前が書いてあった問題で、産経新聞は28日に「民進・辻元清美氏に新たな3つの疑惑 民進党拡散やめて メディアに忖度要求」というようなタイトルで記事を掲載していました。安倍首相はこの記事を参考にして、「産経新聞も報じていた」と発言しています。
安倍晋三首相が国会で辻元清美騒動を言及!「産経に出ていた」産経「ソースはネット」ネット民「ソースは・・・」

産経新聞は直接の取材をしたわけではなく、いずれも2ちゃんねるや右派系のまとめブログに掲載されているような情報をまとめただけと言われる。
そのまとめブログや掲示板は「籠池理事長の妻のメールが情報源(ソース)」と言われる。
産経新聞の記事はネット情報をまとめただけと言うことになるが、それを元に国会で首相が発言したわけである。
首相自身がよく口にする「レッテル貼り」である。

Photo29日、籠池夫人は著述家の菅野完氏の電話インタビューに答え、辻元の幼稚園侵入の記述に根拠がないことを白状した。
「私は(侵入を)見てません。娘がそう言ったので。(そう思ったから書いた?)はい。事実を確認したわけじゃありません。(何のエビデンスもないと?)はい」
当事者ことごとく否定 安倍首相が辻元議員攻撃でまた墓穴

そもそも、国会で証言した籠池氏の発言を、籠池氏の妻のメールで否定しようということが考えられないだろう。
またしても、官邸の焦り and/or 不見識が露呈したといえよう。

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2017年3月30日 (木)

森友疑惑(37)ゼロ回答と満額回答/アベノポリシーの危うさ(172)

昭恵首相夫人付き政府職員の谷査恵子氏から、籠池理事長に宛てたファックスが開示された。
当初、菅官房長官は2枚中の1枚目だけを示した。
しかし、1枚目はいわゆるフェイスシートであって、実質の内容は2枚目に書かれていた。
いかに官邸が焦っていたかが推測できる。
2枚目には、籠池氏からの具体的要請に対する回答が記されていた。
⇒2017年3月24日 (金):森友疑惑(31)「藪の中」は解明されたか?/アベノポリシーの危うさ(166)

籠池氏の要望事項が明らかになった。
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籠池氏が総理夫人付に送った手紙の内容が判明(速報)

字が小さくて読みにくいが、上記サイトに活字化されている。
ポイントは以下のような内容である。
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東京新聞3月29日

確かにファックスの時点では、「ご希望に沿えない」という回答であって、一見ゼロ回答のように思える。
しかし「引き続き、当方としても見守ってまいりたい」というのであるから、この時点で、積極的な関与の姿勢であることがわかる。
しかも「昭恵夫人にも報告済み」ということで、谷氏の独断とすることはできない。
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これが「神風を吹かした」安倍昭恵氏のFAX!

に見ればどうか?
神戸新聞が時系列を整理している。
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森友学園陳情を次々実現 鴻池氏秘書「話分かる役人」

官邸のように「ゼロ回答」というのは、コンテキスト思考に欠けると言わざるを得ない。
ファックスの一時点の文言だけを抽出してみても、全体像は捉えられないということである。

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2017年3月29日 (水)

森友疑惑(36)辻元疑惑(?)と対比する愚/アベノポリシーの危うさ(171)

安倍首相が28日の参院決算委員会で、籠池泰典氏の妻が昭恵夫人に送っていたメールに名前が登場した、民進党の辻元清美衆院議員に言及した。

 民進党の斉藤嘉隆議員が、籠池氏が夫人を通じて100万円を寄付されたと主張していることに触れ、首相サイドが授受を否定している根拠をただし、「否定するなら根拠を示さなければならない」と指摘。
 これに対し、首相は辻元氏が公の場で説明していないことを念頭に、「御党の辻元議員との間にも、同じことが起きている。今日の新聞に『3つの疑惑』と出ていましたね」と、不機嫌そうに言い放った。
 「いっしょにするな」とやじが飛ぶと、首相は「いっしょにするなというが、辻元議員は真っ向から否定している。これも証明しないといけない」と指摘。辻元氏への説明を求めた。
 その上で、首相は、籠池氏サイドと首相夫妻サイドで意見が対立していることに関し、「そうしたことが『ない』と言いっている人より、『ある』と言っている人の方が証明しないといけない。たった2人きりで渡した、渡さないとなれば、こちらは渡していないことは、証明しようがない。悪魔の証明だ」と述べ、「彼ら(籠池氏)が出してきたものが本当かどうか、しっかり検証されるべきだ」と主張した。
安倍首相「証明しないと」 民進党の辻元問題に言及

どうやら首相は本気で言っているようである。
片方は「証言」である。
裁判で証人が証言すれば、それは証拠としての価値を持つ。
その証言を否定するならば、挙証責任は否定する側にある。

もう一方は、次の部分のようである。
Ws000001
辻元清美の主張「安倍昭恵・籠池夫⼈は嘘つき︕塚本幼稚園には接近していな い」に⽭盾する2つの証拠

井戸端会議をメールにしたような内容で、おしゃべりというか無責任な「こんなこともあった」というような内容である。
確かに辻元氏の主張とは対立的であるが、国会における証人喚問での証言と、メールの断片を比較しようとするのは明らかに常軌を逸している。
こんな主張を首相が国会でしなければならないほど、錯乱しているのか?
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日刊ゲンダイ3月28日

もし、辻元氏のことを究明したいのならば、それはそれで追及すればよいのである。
自分の疑惑を指摘されて、「〇〇ちゃんもやっている」と言い返す幼稚園児のような発想ではないか。
第一、籠池証言を否定する立証責任は首相側にあるのであって、たとえ辻元氏に証明責任があるとしても、それは変わらないのだ。
同列に論ずるのがおかしいことは、小学生でも理解できることだろう。

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2017年3月27日 (月)

森友疑惑(34)林査恵子氏および上司を国会へ/アベノポリシーの危うさ(169)

森友学園に問題のファクスを送付した谷査恵子氏が、日本からの時間距離が最も遠い南アメリカの某国に移動になったというウワサが流れている。
⇒2017年3月26日 (日):森友疑惑(33)Faxの林査恵子氏は南アメリカへ?/アベノポリシーの危うさ(168)
本当かどうか分からないが、メディアから身を隠しているのは事実だろう。
もし、伝えられているように、安倍首相が激怒したというのなら、お門違いも甚だしい。

谷氏の経歴を見てみよう。

 谷氏は1998年に経産省入省。13年から15年末までの3年間、「内閣総理大臣夫人付」として昭恵夫人を支えた。16年からは中小企業庁の経営支援部で連携推進専門官に就いていた。
 ファクスの存在について、24日の集中審議で質問された菅官房長官は「1週間ほど前に全体の話を聞いて、その後すぐ籠池理事長に送ったファクスを谷氏から入手した」と説明したが、内情は違うようだ。
「証人喚問での籠池理事長の発言で、問題のファクス文書が保存されていることが分かり、対応に追われた。官邸もまったく把握していなかったのです」(官邸担当記者)
 先に公開してしまった方がダメージが小さいと考えたのか、菅は23日の定例会見で記者にくだんのファクスを配布。よほど慌てていたとみえて谷氏のメールアドレスや携帯番号などの個人情報が示されたままだった。後で黒塗り版を配布し直すという失態について、菅は「不注意だった」と答弁したが、本当に文書を1週間前に入手していたなら、個人情報の扱いに配慮する時間は十分あったはずだ。
「もちろん総理もファクスの存在を知らなかった。激怒して、谷さんを呼び出し、怒鳴りつけたと聞きます。しかし、彼女の一存で勝手にやった話ではないことくらい政界関係者なら誰でも分かる。昭恵夫人に怒鳴るならともかく、ノンキャリの彼女にすべてを負わせるのはあまりに酷です」(自民党関係者)
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証拠FAXに官邸激怒 元夫人付の谷査恵子氏“国外追放”情報

まあ、仕事とはいえ、昭恵氏に献身的に尽くしていたようであり、「怒鳴りつけ」られる筋合いではないだろう。
こうして、安倍官邸は仲間を離反させていく。
谷氏は分からないが、同志だったはずの籠池氏や、松井大阪府知事は今や離反している。
「昨日の友は今日の敵」ということか?

 民進党の江田憲司代表代行は24日の記者会見で、安倍昭恵首相夫人担当の政府職員が財務省に照会した内容を森友学園側へファクスしていたのを踏まえ、政務担当の今井尚哉首相秘書官の証人喚問も視野に入れるべきだと主張した。「夫人担当職員の実質上の上司は今井氏だ。その指示に基づくファクスと解するのが自然だ」と述べた。
 江田氏は橋本政権で政務担当首相秘書官を務めた経験を持つ。「夫人担当職員が財務省との連絡調整を独断でやることは絶対にあり得ない」と強調した。
森友問題、首相秘書官の喚問を

今井秘書官は、権勢をふるっていることで知られている。
以下のように指摘したことがあった。

安倍首相も、第1次政権は、「お友達内閣」と評されたように、親しい友人中心の人事で失敗した。
その経験を生かしているだろうか?
一強を謳歌している安倍首相だが、今井尚哉筆頭秘書官がアキレス腱ではないかと言われる。
・・・・・・
権勢をかざす人間は、足をすくわれて哀れな末路を辿る可能性が高い。
「驕る〇〇は久しからず」である。
⇒2016年11月 7日 (月):「驕るお友達」は久しからず/日本の針路(307)

そろそろ、私益優先の「身びいき内閣」の年貢の納め時である。

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2017年3月24日 (金)

森友疑惑(31)「藪の中」は解明されたか?/アベノポリシーの危うさ(166)

籠池喚問で、官邸および与党は幕引きが図れるつもりだったのであろう。
しかし、芥川龍之介の『藪の中』のように、関係者の証言が食い違い、藪は深まったようにも見える。
これで幕引きしたら、いくら何でも国民感情的に許せないような展開になった。
⇒2017年3月16日 (木):森友疑惑(23)見え始めた「藪の中」/アベノポリシーの危うさ(158)

官邸および与党にとっては「想定外」のことなのが、慌てぶりから見て取れる。
藪の闇は深まったようにも見えるが、確実にこの疑惑はベールを剥がされつつあるのだ。
安倍政権の「えこひいきの構造」は、加計学園他広がりつつある。
⇒2017年3月14日 (火):森友疑惑(21)加計学園の李下の冠/アベノポリシーの危うさ(156)
森友疑惑を入り口として、「明治十四年の政変」のような事態が出来するという見方もある。
日本大百科全書の解説は以下の通りである。

1881年(明治14)10月、10年後の国会開設、開拓使官有物払下げ中止の決定とともに、参議大隈重信(おおくましげのぶ)とその一派を追放し薩長(さっちょう)藩閥政府の強化を計った政治的事件。自由民権派による国会開設請願運動の高揚のなかで、政府はこれを弾圧しつつも憲法制定・国会開設への決断を余儀なくされつつあったが、その内部では、参議伊藤博文(ひろぶみ)を中心とする薩長系参議の漸進論と大隈の急進即行論とが対立していた。同年3月、大隈が政党内閣制を容認するような憲法意見書を単独で上奏するや、この対立はさらに激化した。そのうえ、北海道の開拓使官有物の有利な払下げ条件をめぐる開拓使長官黒田清隆(きよたか)と開西貿易商会の五代友厚(ごだいともあつ)との薩摩閥同士の癒着が暴露され、民権派はじめ国民的な非難攻撃のなかで大隈もまたこれに反対するや、政府部内での対立は決定的となった。右大臣岩倉具視(ともみ)も伊藤と組んで井上毅(こわし)にプロシア流の憲法構想を立案させ、大隈のイギリス的議会主義を排撃していたが、ついに井上をブレーンとして大隈放逐のクーデターを計画、岩倉・伊藤は薩長系参議とともに、天皇の東北・北海道巡幸からの帰京を待ってこれを断行した。この政変で明治憲法体制確立への第一歩が画され、下野した大隈の立憲改進党も含め、板垣退助(たいすけ)らの自由党を中心とする自由民権運動と薩長藩閥政府との対抗も新段階に入った。[芝原拓自]

与党の西田昌司、葉梨康弘、下地幹郎氏らの尋問は、威圧的、強圧的で、コアな安倍信者以外には不快感を与えるものであった。
一方の籠池氏は、国有地売却問題の追及は受け流す一方で、安倍晋三首相の妻・昭恵氏との関わりを詳細に証言した。
すっかり「籠池劇場」ともいうべき観を呈しており、イメージは決して悪化していないようだ。
参考人招致ではなく、証人喚問で一気に決着を図ろうとした与党にとっては誤算であろうが、そもそも「首相を侮辱したから」などという理由で喚問するから天罰である。
⇒2017年3月18日 (土):森友疑惑(25)昭惠夫人の役割/アベノポリシーの危うさ(160)

昭恵夫人と籠池氏側は、騒動が大きくなってからも頻繁にメールの交換をしており、森友ならぬメル友である。
明らかになったことと、疑惑が深まったことがあるが、明らかになったことで特に重要な点は、昭恵夫人が積極的に係わっていた事実に物証が示されたことである。
首相が強調する「私人」の昭恵夫人についていた内閣府のスタッフが、籠池氏からの問い合わせに対し対応し、ファックスで回答していた。
その一部が下記である。
Fax
これが「神風を吹かした」安倍昭恵氏のFAX!

このファックスを、何の便宜も図っていないので、昭恵氏の係わりがない証拠だというが、「平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」という文言をどう読んでいるのか?
菅義偉官房長官は、「夫人は中身には関わっていない」と語り、あくまで職員と籠池氏側のやりとりであるとした。
しかし、本気で職員独自の判断でやったと考えているのだろうか?
菅野氏は次のようにツイートしている。
Ws000002

まあ、わざわざ官房長官がコメントするほど危機感が深いということだろう。
情けないのは、安倍首相が、妻の携帯が水没したなどの弁明をしていることである。
物理的に破壊しない限り、情報を復元することが不可能ということは、まずないのだ。
籠池氏の言葉によれば、このような経緯の中で「神風」が吹いたのである。
大変な力量のある「私人」ではなかろうか。
⇒2017年3月 3日 (金):森友疑惑(11)政界工作の一端/アベノポリシーの危うさ(145)
かくなる上は、昭恵夫人の招致が不可欠であろう。
自民党が頑なに拒めば拒むほど、不信感が強まるようになってしまったことが理解できないのだろうか。
あるいは、夫人が国会に招致されるくらいなら、政権を投げ出すか?

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