書籍・雑誌

2017年6月21日 (水)

アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(4)/アベノポリシーの危うさ(239)

安倍ヨイショの山口敬之氏のレイプ事件は、この内閣の本質の一面を照射するものであろう。
事件の経緯を、改めて「週刊新潮」6月8日号から引用しておこう。
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この時系列を見ると、事件後、被害者の詩織さんは警察に相談に行き、警察は防犯カメラで確認をした。
その1週間後に、山口氏はTBSワシントン支局長を解任されている。
さらに1週間後、告訴状が受理されたが、約40日後、逮捕状執行が取り消しになっている。

逮捕状実務に詳しい若狭勝氏は、次のように言う。

この種の犯罪で、所轄警察署が入手した逮捕状につき、警視庁本部刑事部長がその逮捕状の執行をストップすることは通常絶対にあり得ない。
裁判官の判断は何だったのか。そもそも、裁判官は、逮捕する理由も相当ではなく、逮捕の必要もない、ひいては、逮捕するに適さない案件に逮捕状を発付したということなのか。
若狭勝議員(元東京地検特捜部副部長)が断言!「元TBS記者山口敬之氏レイプ疑惑、警視庁本部刑事部長がその逮捕状の執行をストップすることは通常絶対にあり得ない」

あり得ないことの連続である。
いかに法治がないがしろにされているかと言うことであろう。
そして、「通常絶対にあり得ない」逮捕状執行取り消しから約1年後、ヨイショ本『総理』が発売され、さらに半年後に第2弾のヨイショ本が発売されている。
つまり、あたかも逮捕状取り消しの御礼の如くである。

法治がないがしろされていることは、「閣議決定の私物化」でも分かる。
安倍首相の夫人昭惠氏が公人か私人か問題になった。
⇒2017年3月 4日 (土):森友疑惑(12)総理夫人は私人か公人か/アベノポリシーの危うさ(146)

これに対し、政府は3月14日、「公人ではなく私人であると認識している」との答弁書を閣議決定した。
閣議決定してもらう「私人」というのも論理矛盾であるが、その後明らかになりつつあることは、私人の域を遙かに超えていると言わざるを得ない。
⇒2017年4月 9日 (日):森友疑惑(43)昭惠夫人の壮大な勘違い/アベノポリシーの危うさ(180)
⇒2017年4月 5日 (水):加計疑惑(1)昭恵夫人の関与/アベノポリシーの危うさ(177)
⇒2017年3月25日 (土):森友疑惑(32)焦点となった昭惠夫人/アベノポリシーの危うさ(167)
⇒⇒2017年3月24日 (金):森友疑惑(31)「藪の中」は解明されたか?/アベノポリシーの危うさ(166)
⇒2017年3月18日 (土):森友疑惑(25)昭惠夫人の役割/アベノポリシーの危うさ(160)

公人と認めてしまうと、首相との一体性を認めることになると考えたのだろうが、ムリにムリを重ねた結果、「閣議決定」そのものの権威性を地に落とした。
その後、昭恵夫人付の公務員は5人いることが分かった。
その内の2人は首相官邸に常駐しており、森友との連絡を担当した谷査恵子氏もその一人だった。
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東京新聞4月11日

このように体制が膨れたのも、安倍首相が「女性が輝く社会」などというスローガンを打ち出し、それに夫人を利用すると共に、夫人もそれに乗ったからである。
空疎なスローガンを打ち上げただけの、後は野となれ山となれ、がこの政権の本質なのは、「魂の殺人」とも言われるレイプ犯を放免させたことに現れている。

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2017年6月11日 (日)

加計疑惑(17)官邸と加計グループの多面的な関係/アベノポリシーの危うさ(230)

加計学園グループの加計孝太郎理事長と、安倍首相が長年の友人関係、首相自身の言葉によれば「腹心の友」であることは公知の事実である。
「週刊朝日」6月16日号に、安部首相の人脈と加計学園グループの関係を表した以下の図が載っている。
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まさに「ズブズブ」というに相応しい関係である。
⇒2017年6月 5日 (月):加計疑惑(12)底なし沼のようなズブズブの関係/アベノポリシーの危うさ(225)

このような親しい関係にある場合は、特に疑われないような心構えが必要である。
いわゆる「李下に冠を正さず」であり、「瓜田に履を納れず」である。
⇒2017年3月14日 (火):森友疑惑(21)加計学園の李下の冠/アベノポリシーの危うさ(156)
ところが、安倍官邸は、千葉科学大学学長に「天下り」している木曽功元内閣官房参与が典型であるが、余りにもしばしば「李下に冠を正し」、「瓜田に履を納れ」ている。

獣医学部開設計画が急進展したのは、昨年の内閣改造後である。
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東京新聞6月9日

内閣改造では、地方創生担当相が石破茂氏から山本幸三氏に、文科相が下村博文氏から松野博一氏に交代した。
時を同じくして、今治市では、決定前にもかかわらず開学を前提としたスケジュールが共有されていた。
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東京新聞6月9日

学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が愛媛県今治市で獣医学部を新設する計画を巡り、京都産業大(京都市)も学部新設を希望していたにもかかわらず、内閣府が加計学園側の開学時期についてだけ協議していた疑いが浮上している。政府が「2018年4月開学」とする要件を公式に公表したのは昨年11月だが、毎日新聞が入手した今治市議会の資料からは、公表前から市と内閣府が連携して来春開学を目指していた様子がうかがえる。
「18年開学」内閣府が協議の疑い 公表前に

さあ、これだけの状況証拠が出揃いつつある。
「関与は明白」であろう。
さすがに自民党の中にも危機感が生まれつつあり、「安倍下ろし」の予感もする。
「恋々としがみついている」のは誰なのか?
「国家百年の計」を考えるならば、一刻も早く辞任すべきではないか。

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2017年6月 6日 (火)

加計疑惑(13)前川氏に対する印象操作という墓穴/アベノポリシーの危うさ(226)

安倍首相が、「印象操作」という言葉で、質問を遮ろうとすることが多い。
以下のような記事がある。

Ws000001_2 5月30日の参院法務委員会。友人の加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園との関係を野党議員に問われ、首相が反論した。「1年間に14万円の報酬を受けたことはございます。しかしこれは印象操作であって、まるで私が友人のために便宜を図ったかのごとく議論をしておりますが恣意(しい)的な議論だと思います」
 首相は「印象操作」を今国会でたびたび使う。「忖度(そんたく)した事実がないのに、まるで事実があるかとのことを言うのは典型的な印象操作なんですよ」「我々がまるでうそをついているかのごとく、そういう印象操作をするのはやめていただきたい」
 インターネットの国会の会議録で「印象操作」という言葉で検索をかけると、初登場は2015年3月。同年は4回、16年は8回使われた。今国会(2日夕時点の公開分)、首相は16回発言している。
 「印象操作」と言われた共産党の小池晃書記局長は取材に「事実関係を確認しようと質問しているのに、それに答えず『印象操作だ』と応じるのでは議論にならない。聞く耳を持たないという意志の表れだ。あんな言葉、どこで覚えたんですかね?」と話した。
「印象操作」首相が連呼 野党「どこで覚えたのか」

どこで覚えたのかは知らないが、首相サイドでよく理解していることは、衝撃の証言をした前川前文科事務次官に対して、個人情報をチークしてまで、「怪しい人間像」という印象を植え付けようとしたことでも明らかであろう。
⇒2017年5月25日 (木):加計疑惑(4)衝撃の前川前文科事務次官会見/アベノポリシーの危うさ(215)
⇒2017年5月29日 (月):加計疑惑(8)「王様は裸だ」と言った前川前事務次官/アベノポリシーの危うさ(219)
⇒2017年5月30日 (火):加計疑惑(9)国家の悪事の告発とプライバシー/アベノポリシーの危うさ(220)

しかしその悪だくみも、相手の女性の証言等で覆されつつある。
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「週刊文春」6月8日号

ここでも政権は自ら墓穴を掘っているのだ。
⇒2017年3月28日 (火):森友疑惑(35)連続オウンゴール/アベノポリシーの危うさ(170)
⇒2017年3月30日 (木):森友疑惑(37)ゼロ回答と満額回答/アベノポリシーの危うさ(172)
⇒2017年3月29日 (水):森友疑惑(36)辻元疑惑(?)と対比する愚/アベノポリシーの危うさ(171)
⇒2017年3月31日 (金):森友疑惑(38)辻元批判と拡大する墓穴/アベノポリシーの危うさ(173)

以下のツイッターの感覚に同感する。
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「出会い系バー=買春」と決めつけた発言をした菅官房長官をはじめとする人たちは、自身のゲス性を恥じるべきだ。
籠池前森友学園理事長で成功した「印象操作」であるが、柳の下に何匹もドジョウはいないようだ。
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2017年6月 5日 (月)

加計疑惑(12)底なし沼のようなズブズブの関係/アベノポリシーの危うさ(225)

安倍首相は5月8日、衆院予算委員会集中審議で、学校法人「森友学園」問題に絡み、一時名誉校長に就任した昭恵夫人と学園側が「ずぶずぶの関係」にあったと指摘した民進党の福島伸享議員に、対して次のように言った。

「ずぶずぶの関係」とか、そんな品の悪い言葉を使うのはやめた方がいい。それが、民進党の支持率に出ている。
安倍首相、民進党議員の「ずぶずぶの関係」に不快感

民進党の支持率に言及するのは余計なお世話だろうが、確かに余り上品な語感ではない。
しかし、「ずぶずぶの関係」と言わざるを得ないような実態があるのだ。
「ズブズブの関係って、どんな関係ですか?」というYahoo知恵袋の質問に対し、ベストアンサーに選ばれた回答は以下のようである。

許認可する行政機関と業者が癒着している状態を言います。
国会議員と業者の癒着も言います。
ほとんどは贈収賄や献金がらみで自分の処が儲かるようにしてもらう事です。
解りやすい例が韓国の沈没船セウォル号の過積載を行政が見て見ぬふりをした事や運行ルートを20年間独占させた事など政府機関、政治家、海洋警察、地方自治体も含め韓国社会の闇は深いのでしょう。
まさに国ぐるみで「ズブズブ」の関係です。
ズブズブの関係って、どんな関係ですか?

2014年5月の回答であるが、今なら、森友や加計を例にした方が分かりやすいだろう。
安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園には、首相の周りの人間が深く係わってきた(いる)。
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東京新聞6月3日

これ以上「ズブズブ」を説明するに好適な例は簡単に見つからないだろう。
未だに、「加計も森友も違法性はない」という人もいる。
例えば、経済評論家だという渡邉哲也氏は次のように言う。

 国会で籠池問題に次いで、加計学園問題が話題になっている。この二つの問題の共通点は、その違法性が見いだせないことに加えて、重要な憲法違反であり、国民の権利を侵していることにある。
 日本国憲法では第16条で「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」と請願権を認めており、請願をしたからといって、差別待遇をしてはいけないと規定している。
民進党よ、加計学園問題を追及しても時間のムダである

つまり加計学園側の行為は、「憲法で保障されている請願行為であり、何ら違法性がない」と言っているのである。
問題になっているのは加計学園の行為そのものではなく、行政判断を政権のごり押しによって歪められたか否かである。
渡邉氏は、意識的にか無意識的にか、論点をすり替えている。

前川氏の証言その他により、内閣府が文科省に圧力を加えていた実態が明らかになりつつある。
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東京新聞6月2日

違法でないことは、必要条件ではあるが、十分条件ではない。
政策決定には、公平性や透明性なども必要である。
加計事件は、前川氏の個人攻撃までして、「あるものを、ないことにする」権力犯罪の性格が加わった。
文科省内には前川擁護の動きが見られ、NHKまで、文科省内で件の文書の共有を示すメールの存在を報じている。
官邸はどにような手を打ってくるか。
しかし、「驕る平家は久しからず」で、大きな動きは止められまい。

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2017年6月 4日 (日)

宝暦治水を描いた『孤愁の岸』・杉本苑子/追悼(105)

『孤愁の岸』の作家・杉本苑子さんが、5月31日、老衰のため死去した。
91歳だった。

Photo_4 東京生まれ。文化学院卒業後、サンデー毎日の懸賞小説に応募したのを機に、選考委員だった吉川英治氏に師事。ほぼ10年間吉川氏のもとで文学修業を積み、昭和38年、幕府から治水工事を命じられた薩摩藩士の苦悩を描いた「孤愁の岸」で直木賞を受賞した。豊富な歴史知識をもとに、古代から近世まで幅広く描いた。
 53年に「滝沢馬琴」で吉川英治文学賞、61年に「穢土荘厳(えどしょうごん)」で女流文学賞。平成14年には文化勲章と菊池寛賞を受けた。生涯独身を貫き、著作権を含む全財産を静岡県熱海市に寄贈すると表明していた。
作家の杉本苑子さんが死去 91歳 「孤愁の岸」「滝沢馬琴」など歴史小説

『孤愁の岸』は、江戸時代に美濃国の揖斐川、長良川、木曽川の3川の治水難工事を成し遂げた薩摩藩士(薩摩義士)を描く。
いわゆる木曽三川が乱流する地帯は、輪中という治水・水防のしくみで有名である。
記憶しているのは、1976年(昭和51年)9月12日に、岐阜県安八郡安八町で長良川が決壊して大被害を生じた「安八水害」がある。
輪之内町などの地名が、輪中を彷彿とさせる。
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この辺り一帯を視察旅行したことがあるが、天気の良い日だったので、水害の様子をイメージすることが難しかった。

杉本さんは、吉川英治の唯一の弟子と言われるが、『孤愁の岸』は直木賞受賞作。
雄藩を消耗させるという狙いもあったと言われる「お手伝い普請」であるが、中心人物は薩摩藩の工事責任者である家老平田靭負である。
昔、鹿児島の仕事に携わっていた時があり、何代目かの末裔と会ったことがある。

1753年(宝暦3年)12月25日江戸幕府老中・西尾忠尚は薩摩藩に命じて濃尾地方の木曽川、長良川、揖斐川の3河川の治水事業にあたらせた。これは幕府の、雄藩をあまり富裕ならしめないための政策手段でもあったが、この3河川は、その流域が今日の長野、岐阜、愛知、三重、滋賀の五県にわたり、とりわけそのうち南北15里、東西2里では、多くの本支流が交錯し、容易ならざる難事業であった。そのうえ寛保年間以後、11年間にわたって洪水が頻発し、惨状を呈していた。
そのために幕府の厳命、督促は猶予がなく、薩摩藩は死力をつくしてこれにあたった。藩主島津重年の命によって家老平田靱負正輔、大目付伊集院十蔵久東らが工事を担当し、留守居山沢小左衛門盛福、普請奉行川上彦九郎親英らとともに、美濃国大牧村を本陣として、1754年(宝暦4年)2月5日から工事に着手し、5月22日ひとまず工事を中止し、同年9月21日さらに勘定頭倉橋武右衛門が参加し、翌1755年(宝暦5年)3月28日ついに工事を完成し、幕府目付牧野織部、勘定吟味役細井九郎助らあらたに江戸からくだった検使は、地元の検使とともに、同年4月16日から5月22日まで、一ヶ月余にわたって本検分をすませた。
薩摩藩はこの工事で、数十万両もの莫大な経費を負担した。幕府側の妨害工作などによる過労のため病となり生命を落としたり、あるいは横暴な幕府側への抗議のために切腹して果てる者を多数出した。総奉行平田靱負は工事完遂を見届け、この難事業の責任を取る形で切腹した。藩主重年も後を追う様に病没した。
1938年(昭和13年)に、平田靱負ら85名の「薩摩義士」を、「祭神」に『治水神社』(岐阜県海津市海津町油島)が建立された。
Wikipedia・薩摩義士

近年、治水工事の実相や義士の顕彰運動を見直す動きもあるようだ。
治水は、右岸と左岸、上流と下流で、利害が相反するので、単純な見方はできず、多くの人の関心を引き起こし、層の厚い研究が求められる。
『孤愁の岸』は、治水に対する関心の喚起という意味でも重要である。
91歳は大往生と言えよう。
合掌。

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2017年5月22日 (月)

谷川俊太郎『大岡信を送る』/私撰アンソロジー(47)

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戦後の詩壇を牽引してきた大岡信さんが4月5日に亡くなった。
⇒2017年4月 7日 (金):ことばの魔術師・大岡信/追悼(102)
⇒2017年4月16日 (日):大岡信『春のために』/私撰アンソロジー(45)

JR三島駅の近くに「大岡信ことば館」がある。
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東京新聞5月11日

この「ことば館」で盟友ともいうべき谷川俊太郎さんの朗読とDiVaの演奏会が開かれた。
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DiVaというのは、谷川さんの子息・賢作さんを中心とする音楽グループである。
賢作さんは、もちろん子供の時から大岡さんと面識があり、アットホームな会であった。
掲出の詩は、「ことば館」の壁にレリーフになっている。
朝日新聞に4月11日に発表されたものである。

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2017年5月21日 (日)

アホな内閣(15)恣意的な閣議決定の乱用/アベノポリシーの危うさ(213)

最近の閣議決定はどうかしている。
5月12日には、「そもそも」には「どだい」という意味があるなどの答弁書が閣議決定された。
政府が言葉の意味を閣議決定? 
まるでG・オーウエルの『1984年』みたいではないか。
⇒2010年8月14日 (土):ジョージ・オーウェルの『1984年』-個人情報の監視と保護

『1984年』の中に、ニュースピーク(新語法)の話が出てくる。
独裁政権が支配を盤石なものにするため、国民の語彙や思考を制限して新しい言語を作り、国民に強制するのだ。
安倍政権も新語法を意図しているのだろうか?

経緯を振り返ってみよう。
「そもそも」の発端は、安倍首相の答弁である。
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大丈夫?首相の言葉 「そもそも=基本的に」辞書にな し

安倍首相は、「そもそも」という語を辞書で調べてみたところ、と自信たっぷりに前置きし、「初めから」以外に「基本的に」という意味があると答弁した。
この答弁に対し、さまざまな辞書を調べてみたが、そういう解説をしている辞書は見当たらないという疑問が上がった。

 普段から辞書と付き合う校閲記者の私は30種類以上の辞書に当たったが、「基本的に」 とするものは見当たらなかった。「新明解国語辞典」などを担当する三省堂の吉村三恵子さ んも「そんな意味はないと思う」と首をひねる。
 ちなみに「そもそも」の意味は、(1)説き起こす時に使う語(2)元来、最初から、物 事の初め・起こり(岩波国語辞典7新版)。(1)の用法もあり、(2)の「最初から」と 読み替える山尾氏の指摘は揚げ足取りの印象も受ける。とはいえ「基本的に、という意味も ある」とする首相答弁は解せない。本当に辞書を引いたのか。「基本的に」を「そもそも」 の類語とするものを見たのかもしれないが、類語は「意味」ではない。
大丈夫?答弁の解釈、辞書になく…言葉の粗雑さ露呈

安倍首相の国語力のお粗末さには定評(?)がある。
⇒2017年5月11日 (木):アホな内閣(11)安倍首相の国語力/アベノポリシーの危うさ(205)
そこで、参照した時点を尋ねる質問主意書が出された。
質問主意書と答弁書の要点は以下のようである。
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「そもそも」は基本的に 文法的にどだい無理

「そもそも」の大辞林の説明には、「(物事の)最初。起こり。どだい」という説明があるが、だからと言って、「そもそも=基本的に」にはならない。
大辞林の説明は名詞である。
副詞的に用いる場合は、否定的に使われる。
Ws0000013
「そもそも」は基本的に 文法的にどだい無理

首相の発言をフォローするための閣議決定は、森友学園問題でも行われた。
安倍昭恵夫人が「公人か私人か」が問題にされた時「首相夫人は私人である」とする答弁書が閣議決定されたのは記憶に新しい。
「忖度」の有無は別としても、公務員の秘書が5人もいることが判明し、それでも私人なのか、と疑問が増幅した。

安倍政権の閣議決定の一端を見てみよう。
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東京新聞5月16日

首相発言の正当化のために閣議決定をするとは、閣議の私物化と言われても仕方がないだろう。
閣議決定は憲法や国会決議と矛盾しても罰則がないのだ。

教育勅語の容認、銃剣道の導入、ヒトラーの『わが闘争』の容認等奇妙な閣議決定が続いている。
こんな内閣は、日本を不幸にするだけである。

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2017年5月18日 (木)

森友疑惑(54)ゴミは最初から不存在!アベノポリシーの危うさ(210)

加計疑惑追及が佳境に入ってきたが、森友疑惑追及も終わっていない。
疑惑の根本問題である8億円の値引きの根拠とされたゴミの実態は果たしてどうだったのだろうか?
「紙の爆弾」という雑誌の6月号に『「8億円のゴミ」は存在しない』という記事が掲載されている。
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「8億円の値引きに関する国会に提出された質問主意書とそれに対する回答は以下の通りである。
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まったくふざけた誠意のない回答であることを記憶しておこう。
「適正な価格」か否かは、ゴミの算定に係わっていることは誰でも分かる。
8億円は以下のように算出された。
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ところが、ゴミは、3m以下には存在しなかったのだ。
籠池泰典前理事長が、ボーリング調査を担当した業者のメールを公開した。
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日刊ゲンダイ5月18日付

要するに、8億円の値引きに合わせてゴミを計算したのであり、「紙の爆弾」誌の記事のサブタイトルのいう通り「国家の犯罪」であると言うことになる。
籠池前理事長を逮捕するなどの口封じをしようするだろうが、この期に及んでそんなことをすれば、ますます疑惑を深めるだけである。
情報を隠すのではなく、正面から説明すれば、コトは早く終わるのだ。

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2017年5月15日 (月)

アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(続)/アベノポリシーの危うさ(208)

安部首相がもっとも信頼しているジャーナリスト(?)山口敬之氏に掛けられている容疑とはどんなものか?
⇒2017年5月12日 (金):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑/アベノポリシーの危うさ(206)
「週刊新潮」5月18日号の記事を見てみよう。
「事件」は、山口氏と海外で活動中の女性ジャーナリストの間で起きた。
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この女性を山口氏が酒を飲ませて抵抗力を失わせてレイプしたという容疑である。
よくある話と言えばそれまでであるが、女性は酒が強く、不覚になるほど酔ったことはないと言う。
薬を飲まされたというのである。

事件の経緯は次表のようにまとめられている。
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上表にあるように、山口氏には逮捕状が用意されたが、執行取り消しになった。
「週刊新潮」によれば、逮捕状取り消しの判断をしたのは、中村格という当時の刑事部長である。
菅官房長官の信頼の篤い人物だという。
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ある意味で、密室の中の出来事ではあるが、監視カメラの映像が残っているらしい。
山口氏の首相ヨイショ本の出版はこの事件の後であるから、何らかの関係も想定される。
被害女性は泣き寝入りすることなく、公表した。41705182
これからどう展開していくか?
「女性が輝く社会」を標榜するなら、事実解明に積極的に動くべきだが、女性の下着を盗んだ男を大臣に据えるようでは、口先だけのことだろう。
⇒2017年1月17日 (火):不適格大臣列伝(7)高木毅前復興相/アベノポリシーの危うさ(123)

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2017年5月 6日 (土)

アホな内閣(9)憲法遵守義務違反の首相/アベノポリシーの危うさ(200)

安倍首相が改憲について、具体的なスケジュールに踏み込んだ発言をした。

安倍晋三首相は3日、憲法第9条改正と2020年の施行を目指す考えを表明し、在任中の改憲実現に強い意欲を示した。これまで国会の議論を見守る姿勢をみせてきただけに、与党内にも困惑が広がる。首相の勝負手は、国会の議論を加速させる起爆剤になるのか、それとも、合意を遠ざけるのか。首相が目標に到達する道筋は明確になってはいない。
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安倍首相改憲発言「なぜ今」に「首相がしびれ切らす…」

改憲が首相の悲願であることは承知しているが、国務大臣には憲法遵守義務がある。

日本国憲法
 第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

首相が改憲を主導するのは如何なものか?
「この憲法」を変えようとするなら、国会議員をお辞めになるべきだろう。

安倍首相は次のように語った。
「憲法を不磨の大典と考える国民は非常に少数になってきた。もはや改憲か護憲かといった抽象的で不毛な議論から卒業しなくてはならない」
私も現行憲法を「不磨の大典」であるとは考えない。
だけど、安倍首相が目論む改憲には明確に反対である。

憲法記念日にあわせて実施された各社の世論調査の結果を見ると、改憲を願う国民は少なくなってきている。

 まず、憲法改正する必要があるか否かという質問に対しては、朝日新聞は「変える必要はない」が50%、「変える必要がある」は41%と反対が上回り、改憲派の読売新聞も「改正する方がよい」49%、「改正しない方がよい」49%と拮抗。NHKは「必要」43%、「必要ない」34%という数字となった。NHKの場合、同じ調査方法をとった前回02年には「必要」が58%、「必要ない」が23%だったため、改憲に賛成する人は大幅に数が減り、改憲に反対する人が増えた結果となった。
 しかも、より具体的に「憲法9条を改正する必要があると思うか」という質問では、朝日新聞が「変えるほうがよい」が29%、「変えないほうがよい」が63%。JNNも「9条改正に賛成」が31%、「反対」が56%と、過半数以上が9条の改正に反対。読売新聞でも、9条については「解釈や運用で対応するのは限界なので改正する」が35%に対し、「これまで通り、解釈や運用で対応する」が42%、「厳密に守り、解釈や運用では対応しない」18%と、改正に反対する意見が60%を占めた。また、NHKも「必要があると思う」が25%、「必要はないと思う」が57%と改正反対が半数を超え、「9条は日本の平和と安全にどの程度役に立っているか」という質問には、「非常に役に立っている」が29%、「ある程度役に立っている」が53%と、「役に立っている」と回答した人が調査以来はじめて8割を超えた。
安倍「護憲派の国民は少数になった」は嘘! 各社世論調査で改憲反対が増加、9条は6割以上が「改正不要」

安倍改憲の危険性が周知されつつあるということだろう。
改憲に血眼になる前に、森友疑惑の真相究明のために昭恵夫人を国会に招致するなどやるべきことが他にある。

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