書籍・雑誌

2018年4月 7日 (土)

かぐや姫の物語・高畑勲/追悼(122)

「火垂るの墓」「アルプスの少女ハイジ」などアニメの名作で親しまれた高畑勲監督が、5日に82歳で死去した。
私は余りアニメを見ることはないが、『かぐや姫の物語』は、素材に興味があって足を運んだ。
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【高畑勲監督死去】「かぐや姫の物語」「アルプスの少女ハイジ」…映像表現に強いこだわり
『竹取物語』は日本人ならば、誰でも知っているだろう。
『源氏物語』に「物語の出で来はじめの祖なる竹取の翁」とあるように、日本最古の物語といわれる。
9世紀後半から10世紀前半頃に成立したとされるが、成立年、作者共に不詳であり、謎の多い物語だ。
私は昔『竹取物語』の作者を知りたいと思ったことがある。

作者の候補として名前が挙げられているのは、源順(三十六歌仙の一人)、源融(嵯峨天皇の皇子で臣籍に下った)、僧正遍昭(六歌仙の一人)、紀貫之(三十六歌仙の一人、『古今和歌集』の編纂者の一人)、紀長谷雄(漢学者で大学頭)などで、いずれも仏典・漢書・和歌などに造型が深いが、誰かに特定できるだけの根拠がない。梅澤恵美子さんは、『竹取物語と中将姫伝説 』の中で、紀貫之や紀長谷雄などの紀氏説を推している。

『竹取物語』に登場する5人の貴人の中で、特に悪意をもって描かれている感じがするのは、不比等がモデルとされる車持皇子だろう。
車持皇子は、「心にたばかりある人にて」と書かれている。
<たばかり>というのは、「相手に誘いかけて自分の思うようにさせる。また、だまし欺く。ごまかす」の意味であり、要するに、卑劣でずるがしこい人物ということである。

こういう書き方から、作者は、藤原氏と対立し、政界を追われた大伴、石川、阿倍、石上、多治比、紀、巨勢のいずれかではないか、とする推測が生まれる。
2007年9月20日 (木) 『竹取物語』の作者は誰か?
2007年9月19日 (水) 5人の貴人のモデル
2007年9月21日 (金) 帝とかぐや姫のモデル
2007年9月22日 (土) 倭国のラストプリンセス?

まあ、史実と照合してあれこれ推理するのは、邪馬台国論争に共通する楽しみではある。
『かぐや姫の物語』は、製作に8年、製作費約50億円を投入したという。
高畑さんは公開時、「これを作ることでアニメーションはひとつ先に進めた気がする」と手応えを語っていた。
実写では描けない世界があることを示した作品と言えよう。
合掌。

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2018年4月 3日 (火)

安倍政権の公文書軽視/公文書管理(1)

「森友疑惑」で明らかにされたことは、安倍政権が、公文書をいかに軽視してきたかと言う事実である。
政府が「存在しない」としていた陸上自衛隊の日報がまた見つかった。
小野寺防衛相は、 「昨年の国会での質疑に対し、可能な限り探索作業を行ったが、その時点では確認できなかった」と釈明したが、本気で探していないことの証明である。

安倍政権に対して、現場からの反発も考えられる。
特に、稲田防衛相(当時)が、首都ジュバで「戦闘」があったと記載していたのを、「武力衝突」と言い換えたことに対して、当然戦闘の現場にいる人間としては、反発するのがとうぜんであろう。
防衛省は4月半ばをめどに、今回見つかった日報のうち開示できる部分については資料要求した国会議員に提出するとしているが、火種となる可能性は大きい。1804032_2

東京新聞4月3日

もはや「既視感」というか、やっぱりという感じであるが、公文書は国の統治のしくみの大基本である。
それが安倍内閣においては、不祥事のオンパレードである。
あたかも「皆で渡れば・・・」というような感じである。
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東京新聞4月3日
「TOP POINT」という抄録誌に4月号に、瀬畑源公文書問題 日本の「闇」の核心集英社新書(2018年2月)が取り上げられている。
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ここで公文書管理のあり方を正さないと、100年の計を過つことになる。
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何のための情報公開制度や公文書管理制度なのかを改めて問題にしなければならない。

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2018年3月23日 (金)

考える技術・書く技術(2)理科系の作文技術/知的生産の方法(173)

「森友疑惑」は、霞が関官僚の、尻尾を掴まれない話法・修辞法「霞が関文学」の限界を国民の目の前に明らかにした。
霞が関文学の対極に位置するのが「理科系の作文技術」であろう。

通りすがりの書店で、『まんがでわかる 理科系の作文技術』中央公論新社(2018年1月)が平積みされていた。
木下是雄氏のベストセラー『理科系の作文技術』中公新書(1981年9月)をマンガで開設したもので、久間月慧太郎という人がイラストを担当している。
理科系の作文技術』は、発刊当時読んだ記憶がある。
私は大学は工学部だったから、理科系と言えば理科系なのであるが、この書が刊行された当時は技術の現場はとうにサラバして、ベンチャー企業で経営スタッフをしていた。
その業務の一環で、専修学校の開設準備をしていた頃のはずである。

学生時代の専攻を離れ、リサーチファームを体験し、その後の職場だった。
ソフトウエア開発企業だったが、リクルートに苦戦していた。
ならば自前で養成機関を作ったらどうだ、という発想だった。
ソフトウェア需要の拡大とソフトウェアの巨大化が引き起こすソフトウェアの生産性の限界によって、コンピュータ技術の発展が大きく阻害される事態、すなわちソフトウエア・クライシスが叫ばれていた頃である。

その学校のカリキュラムを組んでいた時、「テクニカル・ドキュメンテーション」の必要性を強調した。
当時のソフトウェア技術者というのが、概してドキュメントをまとめる習慣がなかったので、メンテナンスに苦労しているのを知っていた。
一方、リサーチ・ファーム時代には、報告書の書き方について、かなり辛口のコメントをする先輩がいて、文章の書き方について、仲間と研究会をしていたので、自分でも興味のある分野だった。

いわゆる「文章読本」の類は何冊も出版されていた。
しかし、それらは専門学校のテキストには相応しくなかった。
後に、第1回小林秀雄賞(2002年)を受賞した斎藤美奈子さんの力作『文章読本さん江』筑摩書房(文庫版2007年12月)が出て、既存の「文章読本」が、ビジネスには役に立たない理由を明快に論じてくれたが、それは約20年後のことである。

当時、さまざまな資料を参照して、自分なりのテキストを作成してみた。
2年ほど専門学校生を対象に授業をしたが、本業が忙しくなったこともあってそれきりになったが、ゆっくりとまとめてみたい気持ちは残っている。

おおよそ、次のようなことを考えていた。
私たちが「情報」と呼んでいる物には、「情」の側面と「報」の側面がある。
ソフト(ウェア)という言葉にも、広狭あって、コンピュータのソフトウェアを狭、デザインや企画などを広とすれば、以下のような整理ができるであろう。

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そして、[情・報]産業のプロダクツをポジショニングすれば、以下のようになるのではないか。
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理科系の作文技術≒テクニカル・ドキュメンテーションであり、生産財的・報的ではないだろうか。
霞が関官僚にも『理科系の作文技術』を推奨したい。

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2018年3月20日 (火)

浅見光彦シリーズ・内田康夫/追悼(121)

浅見光彦シリーズの推理作家・内田康夫さんが13日午前、敗血症のため東京都内で死去した。
何といっても「浅見光彦」というキャラクターを創造したことが推理作家としてのキー・サクセス・ファクターであろう。
初登場は1982年の『後鳥羽伝説殺人事件』で、プロフィールは以下のようである。
名家の次男坊で、ブルゾン姿でトヨタ・ソアラを乗り回すという「清潔かつスタイリッシュにしてフランク」が特徴。これは「変わり者でアナーキーかつ不潔」(金田一耕助など)や「背広姿でピシッとキマりすぎている社会人として完全無欠なインテリジェンス」(明智小五郎)といった従来の日本の探偵像と一線を画して人気を得る。また、「長身かつ甘いマスクの33歳で独身貴族」といった設定が女性層の人気をつかみ、彼の登場する浅見シリーズはレディースコミックなどにおいて漫画化されているものも多数見受けられる。
内田の執筆作の中でも浅見光彦シリーズは群を抜いて数多く書かれており、名実共に内田康夫作品を代表する名探偵である。軽井沢(内田康夫の居住地)には浅見のファンクラブとクラブハウスが存在しており「浅見光彦倶楽部」と称する。ファンクラブ事務局の住所は長野県北佐久郡軽井沢町長倉504。また、シャーロック・ホームズシリーズにおけるシャーロキアンのように、浅見光彦の研究を行っているファンをアサミストと称する事がある。
浅見光彦

浅見光彦シリーズは、TVドラマや映画になっているので、国広富之、篠田三郎、水谷豊、榎孝明、辰巳琢郎等の俳優が演じている。
いずれも爽やかさをウリにしている俳優である。

Photo 内田さんは毎日新聞に「孤道」を連載中だった2015年7月に脳梗塞で倒れ、リハビリに励んでいた。昨年3月に「書き続けることが難しくなった」として休筆宣言。同作は浅見シリーズ114作目で、未完のまま出版。完結編を公募し、その締め切りが来月末に迫る中で旅立った。
 榎木は「1カ月くらい前にお見舞いに行った際は、私のことを分かってくれていました」と明かし、「まだ大丈夫だと思っていたんですが…」。家族ぐるみで交流が深かっただけにショックが隠せなかった。
 フジテレビ版のドラマや映画「天河伝説殺人事件」(91年)で浅見を演じ、内田さんから「もっとも浅見のイメージに近い」と絶賛されていた。鮮明に思い出されるのは内田さんと初めて会った30代の頃。顔を合わせるなり「あっ、浅見光彦がいた」と声を掛けられ、「自分にそっくりだよ」と大喜び。榎木は「年をとったら(あなたも)こんな顔になるんだ」と言われた。
榎木孝明ショック…浅見光彦シリーズの作家・内田康夫さん死去 

上記のように、内田さんは榎木さんが浅見のイメージに最も近いと考えていたようである。
「新作を書くたび、榎木くんの顔が浮かんで邪魔をする」と言っていたほどだ。
私は熱心な読者ではないが、それでも『中央構造帯』角川文庫(2011年9月)等の何作かは読んでいる。
⇒2014年5月 8日 (木) 金融機関の役割と矜持/ブランド・企業論(24)
⇒2015年1月24日 (土) 将門塚の祟り?/やまとの謎(98)

著書ではなく、榎木孝明さんの絵の展覧会を見に行ったことがある。
武蔵野美大へ入学するほどだったが、芝居に夢中になって中退して劇団四季の研究生になった。
懐かしいような水彩に風景画で、確かに浅見光彦のイメージに重なるような気がした。
新作を読めないのは残念だが、私の持ち時間にとっては十分な量のシリーズである。
合掌。

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2018年3月18日 (日)

日本の「闇」の核心(5)/日本の針路(397)

自民党は、「森友文書改竄」を「佐川事件」と命名したそうである。
安倍首相の飼い犬と呼ばれる西田昌司議員は、「財務省による、財務省の、財務省のための」事件などと呼び、麻生財務相は「佐川が、佐川が」と呼び捨てにして印象操作に躍起である。
しかし、そう吠えれば吠えるほど、「巨悪」が照らし出される構造になっているのに気が付かないのであろうか。

ここのところ冴えなかった官のある「文春砲」が久しぶりにズバリと書いているPhoto_2
「週刊文春」3月22日号

実際、「安倍夫妻の犯罪性」は明らかである。
普通に考えれば、もはや内閣総辞職は必至だろう。
「森友ゲート」の本質は、極右的な教育を行っていた学校法人をめぐる、余りにも異常な事件である。
海外では「Abegate=アベゲート」と呼ばれているという。Ws000001

発端は、豊中市議の違和感であった。1803182
東京新聞3月18日

そして異例の土地売買である。
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東京新聞3月18日

この「異例」の背景には「日本会議」の存在があったことは、関係者の共通の理解であろう。
だからこそ、日本会議の名前が削除されていたのだ。
2015年12月26日 (土) 日本をダメにする日本会議という存在/日本の針路(268)
2015年12月26日 (土) 日本をダメにする日本会議という存在/日本の針路(268)
2017年1月 9日 (月) 「日本会議の研究」の出版差止/アベノポリシーの危うさ(122)
日本会議とその力によって政権の座に就いた安倍晋三氏こそ、瀬畑源『公文書問題 日本の「闇」の核心集英社新書(2018年2月)に違いない。
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「週刊SPA!」2018年3月20・27日号

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2018年3月16日 (金)

日本の「闇」の核心(4)/日本の針路(396)

「森友疑惑」の公文書改竄問題は、日本の「闇」のありかを照らし出しているようである。
一連の流れを整理した表を引用する。180323
「週刊朝日」3月23日号

きっかけとなった国有地の査定について、大阪地検の事情聴取に、ゴミを試掘した業者が虚偽報告をさせられたと供述していると報じられている。
今日の毎日新聞1面のトップ記事である。

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、約8億円の値引きにつながった地中ごみを試掘した業者が、ごみは実際より深くにあると見せかけた虚偽の報告書を作成した、と大阪地検特捜部の調べに証言していることがわかった。学園や財務省近畿財務局側から促された、という趣旨の説明もしているという。値引きの根拠が揺らぐ可能性があり、特捜部は証言について慎重に事実確認を進めている模様だ。
「ごみ報告書は虚偽」 業者が証言「書かされた」

佐川喚問の焦点になるのであろうが、最初から価格ありきのストーリーがあったことになる。
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すべてが虚偽であったのだ。
そして安倍首相が「私や妻が関係しているなら、総理大臣も国会議員も辞める」と大見えを切ったことで、隠蔽せざるを得なくなった。
虚しい隠蔽作業を行わざるを得なかった官僚たちの無念はいかばかりであったことか!
財務省が削除したワードは、現時点では、以下の通りだとされている。Photo_2

何となく浮かんでくるものがあるが、不審なのは、昭恵夫人付の谷査恵子政府職員に係わる事項についての情報がないことである。Photo_2
2017年3月26日 (日) 森友疑惑(33)Faxの林査恵子氏は南アメリカへ?/アベノポリシーの危うさ(168)

これだけ精緻な記述があって、まったく触れられていないとは考えられない。
まだ全部開示していないのではないかと疑うのが合理的ではなかろうか。
昭惠氏および林氏の肉声による説明は不可欠である。

安倍首相&官邸はこの期に及んでも、ウソをついている。1803162
東京新聞3月16日

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2018年3月15日 (木)

日本の「闇」の核心(3)/日本の針路(395)

佐川国税庁長官の辞任を転換点として、状況は一気に核心に入ってきた。
日本という国の統治システムが、安倍夫妻という「稀に見るおバカなカップル」によって、メチャクチャな状態になってしまったことを、劇的に明らかにしようとしている。
「森友疑惑」の構図はは発覚当初から明らかであった。
2018年3月11日 (日) 安倍VS朝日の最終戦争(7)/日本の針路(392)

一貫して疑惑追及の先鋒に立っていた菅野完氏は、当初から「内閣が2つ分飛ぶような問題と言っていた。
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「日刊ゲンダイ」3月6日

朝日新聞のスクープを受けて、巷には「朝日VS財務省」という構図で捉えようという向きもあった。
特に「朝日誤報願望」が強い人たちであり、「朝日が先に文書を出せ」と言っていた人たちである。もちろん、その代表は安倍首相本人だったであろう。Aa
「週刊文春」3月15日号

そして、首相の盟友の百田尚樹、上念司、和田正宗等々の面々である。
2018年3月11日 (日) 安倍VS朝日の最終戦争(7)/日本の針路(392)
2018年3月10日 (土) 安倍VS朝日の最終戦争(6)/日本の針路(391)
2018年3月 9日 (金) 安倍VS朝日の最終戦争(5)/日本の針路(390)

ところが、問題は「安倍VS朝日」であり、「安倍VS朝日、毎日」であり、「安倍VS国会」であり、要するに「安倍VS国民」であった。
なかには、手のひらを返したように財務省バッシングに走る人もいるが、財務省叩きに走れば間違いの上塗りであろう。
来週には佐川喚問が実現するようだ。
しかし佐川氏を問い詰めても余り本質に迫れない気がする。
もちろん、佐川氏も重要な役割を果たしたわけだが、所詮は自発的には動かないという意味でコマであったに過ぎない。
もちろん、近財職員よりは大きな裁量を持ったコマであることは確かである。

やはり、安倍・麻生を矢面に立たせるべきだ。
麻生財務相のように、謝罪会見だというのに尊大な態度を取っているのは反感を招くだけであり、昭恵夫人喚問となれば、内閣総辞職であろうが、総辞職で終わる問題でもない。
それにしても、安倍首相が「妻に確認したら、否定した」と堂々と言っているのには驚いた。
泥棒に確認したけれど、盗っていないと言っていた、に等しい。Photo_2

ペーストするのも気が進まないが、安倍昭恵というおバカのために、「常識が覆された」と言って自ら命を絶った近畿財務局の職員がいる(不審なことはあるにしても、現時点では自殺と報じられている)というのに、当人は無頓着にFacebookを更新しているのである。Ws000005

私などには到底理解しかねる神経&感性である。
確かに大川小学校に行けば胸が締め付けられるような思いに駆られる。
しかし、3月11日は財務省が書き換え(改竄)を認めた当日である。
2018年3月11日 (日) 安倍VS朝日の最終戦争(7)/日本の針路(392)

あるいは、3月9日には、毎日新聞が朝日新聞報じたのとは別の改竄があることを報じている。
018年3月 9日 (金) 安倍VS朝日の最終戦争(5)/日本の針路(390)
私は、大川小学校行きをキャンセルしてしかるべきだったと思う。
上記投稿には、もちろんファンクラブ的な(彼らのよく使う用語で言えば「お花畑」的な)人たちのコメントも多いが、辛辣な批判も多く投稿されている。
こういうコメントには目を通さないのであろう。
まったく無自覚なのが恐ろしい。
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「安倍昭恵夫人」自殺者出した自覚まったくなし!週刊文春に「私も真実知りたい」とメール

「アッキード疑惑」という言葉は、本件の本質の一部であることは間違いない。
結局、下記の平野啓一郎氏のつぶやきのように言うしかないのかも知れないが、「なってはいけない」人には、降りて貰うしかないのである。Photo_7

佐川辞任によって、一般的に考えれば財務省のピンチという状況であることは間違いないが、次のように考える人もいる。
室伏謙一:室伏政策研究室代表・政策コンサルタント『森友問題・佐川氏辞任で財務省は官邸と経産省に「反撃」を始める』から引用する。

 かくして財務省は野党のみならず“世論の批判”の標的にまでなってしまったわけであるが、この状態が続けば、森友問題は財務省の現場、つまり近畿財務局の担当職員による不正であると結論付けることができ、そうした担当職員や関係幹部職員に責任を取らせれば問題を収束させることが可能となる。
 しかし、そうなれば財務省にとっては組織を揺るがす一大事であり、地位の低下、影響力の低下は避けられない。
 しかも、それを望むのは他でもない官邸であり、その背後にいる経済産業省であろう。これまでも財務省と経済産業省は消費税増税をはじめとするさまざまな政策で対立してきた。
 無駄な歳出の削減や税制の適正化を志向する財務省に対し、経済産業省はあの手この手で対抗、政務秘書官をはじめとする官邸の主要ポストや、安倍政権の重要政策を担当する内閣官房や内閣府のポストに経済産業省からの出向者等を次々と送り込んできた。重要ポストを奪われたのは財務省に限られない。また、安倍昭恵夫人付という不思議なポストにも経産省は出向者を送り込み、森友学園等との中継ぎ役を担っていた疑惑が持たれたことは記憶に新しい。
 安倍政権の重要政策の中身を書いているのも経済産業省出身者である。
 要するに経済産業省は官邸を使って自分たちの政策を実現、というより各府省に押し付けてきたわけであるが、それは経済産業省と官邸、安倍政権が一蓮托生であることを意味する。
 従って、現官邸に矛先が向かうように仕向けられれば、経済産業省をその地位から引きずり降ろすことができる。
 森友問題をめぐる反転攻勢はその絶好の機会というわけである。

そういう側面もあるであろうし、官邸に巣くう経産省閥を何とかすべきであることは同意である。
しかし問題は役人の閥の争いを超えている。
ことはもっと大きいと考えるべきである。
問われているのは日本の「知のあり方」であり、さらに言えば統治システムなのである。

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2018年3月14日 (水)

日本の「闇」の核心(2)/日本の針路(395)・幕末維新史(9)

瀬畑源『公文書問題 日本の「闇」の核心』集英社新書(2018年2月)は、まさに現下の日本の最大の問題点である。
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明治150年という節目の年に「公文書問題」がクローズアップされるというのも因縁を感じる。
というのは、幕末から維新への動きにおいて、重要なターニングポイントになったのは、「討幕の密勅」が下されたからだ、というのは定説であろう。1812

これが討幕の大義名分になって、戊辰戦争まで一気に情勢が動いていく。
ところが、この「密勅」が怪しいのだ。
東京新聞等で連載中の中村彰彦氏の連載「幕末明治の残照」は、明治維新の実情を活写していて面白い。
2017年10月1日の『86 密勅は偽造文書』は、「討幕の密勅」が岩倉具視らの策謀による偽造文書だったことを書いている。
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つまり、明治維新は捏造文書の果てに成ったということである。
もちろん、政局に陰謀や裏切りはつきものではあり、「勝てば官軍」ではあるが、教科書では殆ど触れられていないのではないだろうか。

映画『日本のいちばん長い日』で、敗戦の決まった後、公文書を焼却するシーンがあったのを記憶している人もいるだろう。
1945年8月14日に出された通達で、閣議や軍事機構の資料を燃やすシーンがあるが、権力者が自己に都合の悪いものの証拠隠滅をしているのだ。
⇒2015年8月25日 (火) 『日本のいちばん長い日』と現在/日本の針路(219)

「文書は廃棄しました」という佐川答弁、防衛省日報問題、文科省内の文書を「怪文書」と切り捨てた等々も、同じ精神構造と言えよう。

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2018年3月13日 (火)

日本の「闇」の核心/日本の針路(394)

「森友疑惑」は図らずも、瀬畑源『公文書問題 日本の「闇」の核心』集英社新書(2018年2月)の生々しい姿を垣間見せることになった。
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誰が、どのような方法・手段で、日本をダメにしつつあるかを白日に晒そうとしているのだ。
2015年12月26日 (土) 日本をダメにする日本会議という存在/日本の針路(268)
2016年8月14日 (日) 日本をダメにする日本会議という存在(2)/日本の針路(288)

余りにも長い時間であったと言えよう。
本来ならば、総選挙の結果だって変わっていた蓋然性は高い。
言い換えれば、政権の正統性が問われることになるのだ。

「森友疑惑」を当初から先導していた菅野完氏は、既に「月刊日本」の2017年4月号に『森友問題の闇を暴く』という一文を寄稿している。

 私はこうした「お互い顔色を伺い、強いものに諂い、空気を読んで物事を推し進めていく」構造を「全自動忖度機」と呼んでいます。この構造は官僚組織のみならず、日本の組織の宿痾のようなものですが、官邸が小選挙区制によって公認権を独占し、内閣人事局によって幹部官僚の人事権を独占したことで、霞ヶ関と永田町ではさらに強くなったと思います。私自身は、この問題に、政治家の介入があったかどうか、あるいは安倍政権が森友問題によって倒れるかどうかよりも、こちらの方がずっと重大な問題だと思っています。たとえ安倍政権が倒れたとしても、「全自動忖度機」という構造が残る限り、同じような問題は再び起こります。
 これこそ森友問題の核心です。森友問題とは、日本の国家組織は戦争に突入していった当時から何も進歩していないのではないか、我々はあの失敗を繰り返さないために努力してきたはずなのに、その努力は無駄だったのではないかという問題なのです。……

原稿を書いたのは2月であろうか?
国会で「森友疑惑」が取り上げられるのと余り時差はないと思われる。
⇒2017年2月21日 (火):森友学園スキャンダル/アベノポリシーの危うさ(135)
つまり当初から分かる人には分かっていたのであり、虚心に情報に接する人たちには共有されていたのである。

いま、麻生財務相が「近畿財務局の一部の職員が行い」「佐川が最高責任者」などと言っているのは、とんでもないことである。180313_2
東京新聞3月13日

何故、閣議決定までして「私人」だと言いつのった安倍昭恵の名前が、特例的措置に対する決裁文書に登場し、それを削除しなければならなかったのか?
「政治家の関与は一切なく、理財局の独断だ」といかにも秀才そうな人(富山一成理財局次長)が、この時だけ、即座に明確に応答したのも印象的であった。
この期に及んでも庇うのは、何なのか?180313_3
東京新聞3月13日

百歩譲って「理財局の独断」だとしたら、余計恐ろしいことであることにまで頭が回らないのだろうか?
仮に防衛省に置き換えて考えれば良い。
まったくシビリアンコントロールが効いていないということだ。
麻生大臣は本当に蚊帳の外だったのかもしれない、という声もある。
「ミゾユウ」「ユウム」を連発するような人に言ってもムダと思う気持ちも分からぬでもないが、「それを言っちゃあ、おしめえよ」。

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2018年2月22日 (木)

戦争体験・前衛から平和の俳句へ・金子兜太/追悼(118)

前衛俳句の旗手として活躍し第二次世界大戦後の俳壇をリードした俳人の金子兜太さんが20日、埼玉県熊谷市内の病院で死去した。
数え年で言えば「白寿」だった。
中日・東京新聞で、昨年12月まで連載していた「平和の俳句」を主唱し、選者を務めた。
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東京新聞2月22日

「平和の俳句」の相方は、俳優、小説家、お笑いタレント、作詞家、ラッパー、ベランダーとして幅広く活動するクリエイターのいとうせいこうさんだった。
金子さんといとうさんには、『他流試合―兜太・せいこうの新俳句鑑賞 』新潮社(2001年4月)という共著もある。

Ws000000_2 反戦平和への思いを込めた多くの句を残し、安倍政権が強引に進めた安保法に反対する運動のシンボルとなったプラカード「アベ政治を許さない」を揮毫した俳人の金子兜太さんが20日、急性呼吸促迫症候群のため埼玉県熊谷市の病院で死去した。98歳だった。葬儀は近親者のみで営む。
・・・・・・
「『アベ政治』をカタカナにしたのは、こんな政権に漢字を使うのはもったいないから」と話し、「アベとかいう変な人が出てきたもんだから、私のようなボンクラな男でも危機感を痛切に感じるようになりました」などと政権を痛烈批判していた。
俳人・金子兜太さんが死去 「アベ政治を許さない」を揮毫

確かに安倍政権下で、戦後日本のありようが急変してきている。
特定秘密保護法、集団的自衛権の閣議決定、安全保障法制、憲法改正への動き…。
「平和の俳句」は、三年間で十三万句以上が集まった。
詠まれた句は「安倍政権への批判」である。
最後にご自身の句が掲載された。
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東京新聞2017年12月31日

長野県上田市の「無言館」近くに建立された「俳句弾圧不忘の碑」の揮毫もされ、2月25日に除幕式が行われる直前だった。
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今またこんな時代の再来が予感されもする。
⇒2007年10月26日 (金) 新興俳句弾圧事件…①全体像
そんなことがあるはずもないと、歴史の進歩を信じたい。
合掌。

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