日記・コラム・つぶやき

2017年12月11日 (月)

リニア建設工事利権と受発注疑惑/アベノポリシーの危うさ(329)

中央(リニア)新幹線は、超伝導を利用した新しい高速輸送システムである。
品川-名古屋間を約40分で結び、2027年の開業を目指している。
大阪までは約70分で、37年の全線開業予定だ。
技術者ならずとも胸が躍る話題である。

総工費9兆円と言われているが、この種のものは最終的にどうなるかは分からない。
いずれにせよ巨額の資金が動くことは間違いない。
中央新幹線関連⼯事を巡り、東京地検特捜部が偽計業務妨害容疑で大手ゼネコン「大林組」の強制捜査に着⼿したことが報じられている。

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 9日未明。東京都港区港南2の大林組本社から、特捜部の係官がワンボックスカーで押収品を運び出した。
 本社の近くには、大林組が受注した4件のうち、品川駅(南工区)の工事現場がある。9日は地上の工事が行われず、警備員の男性は「日曜以外はいつも工事をやっているのだが……」と首をかしげた。大林組の現場担当者は取材に対し「(休みになったことが)事件の影響かはお話しできない」と話した。
 リニア関連工事の別工区を受注した別の大手ゼネコン幹部は「リニア関連の入札は不調になったことがある。当時は全国的に労務費が上昇し、建設資材も高騰しているのに(JR東海側の)予定価格が低く抑えられたままで、いろんな入札が不調になっていた」と漏らす。そのうえで「品川駅は大林組の本社があるお膝元。重視して営業をかけていたのは事実だろう」と推測した。
 ある準大手ゼネコン社員は「大林組はJRの工事に強い印象がある。リニアはトンネルが多く、工事が難しい。南工区を大林組のような大手が受注したこと自体は不自然と思わなかった」と語った。
 一方、リニア中央新幹線建設に反対する市民グループ「リニア・市民ネット」代表の川村晃生(てるお)・慶応大名誉教授は「巨額な投資を伴う事業で利権は非常に大きい。財政投融資を活用しており、不正が事実なら民間レベルにとどまる問題ではない。捜査の動向や事業を認可した国土交通省の対応を注視したい」と話した。
 国交省の担当者は「JR東海にも事情を聴き、情報収集に当たっている」としている。
リニア中央新幹線 入札不正疑い、大林組捜索 夢のリニア、業界に衝撃 工費9兆円、巨大な利権

民主党政権時代に「コンクリートから人へ」というスローガンが打ち出された。
有用・有益なコンクリートもあるのだから、いささか乱暴な表現と言わざるを得ないが、土建政治から訣別しようという姿勢は重要だったと思う。
リニア新幹線の工事には、水系を中心にした生態系のアセスメントが不十分のように思われる。

ここしばらく芳しい実績のなかった東京地検特捜部が、どこまで真相(深層)に迫れるか?
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2017年12月 9日 (土)

いかがわしい安倍夫妻の交友人脈/アベノポリシーの危うさ(327)

「類は友を呼ぶ」という言葉を裏書きしているのだろうか?
スパコン開発の星と目されていたベンチャー企業の社長が詐欺容疑で東京地検特捜部に逮捕されたが、その社長が安倍首相との近さを売りにしている元TBS記者の御用ジャーナリスト、山口敬之氏の“パトロン”だった。
⇒2017年12月 8日 (金):スパコン補助金詐取容疑者と山口敬之/アベノポリシーの危うさ(326)
⇒2017年6月21日 (水):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(4)/アベノポリシーの危うさ(239)
⇒2017年6月 3日 (土):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(3)/アベノポリシーの危うさ(224)

安倍首相夫人の昭恵氏も、大麻への傾倒やカルト的人物との交流が有名だ。
⇒2017年4月 9日 (日):森友疑惑(43)昭惠夫人の壮大な勘違い/アベノポリシーの危うさ(180)
⇒2017年4月12日 (水):森友疑惑(44)重要参考人・安倍昭惠/アベノポリシーの危うさ(181)
⇒2017年4月17日 (月):森友疑惑(46)昭惠夫人と反社会的勢力/アベノポリシーの危うさ(183)

昨年10月に大麻所持容疑で逮捕された鳥取県の大麻加工販売会社社長も、元女優の高樹沙耶も昭恵夫人と親交があった。
森友学園の籠池前理事長を含め、わずか1年余りの間に、オトモダチが4人も逮捕されている。
普通は首相夫人ともなれば、身辺に気をつけるだろう。

スパコン開発の斎藤社長も、山口敬之氏の人脈をフル活用したようである。
内閣府の経済財政諮問会議「2030年展望と改革タスクフォース」で共同座長を務め、自民党の「経済構造改革に関する特命委員会」に講師として招かれた。
百田尚樹氏と共通する匂いである。

斉藤容疑者は巨額投資が必要なスパコン開発のために資金繰りにあれこれ苦労していたようである。

 民間の信用調査機関などによると、関連会社で尋常ではない増資が繰り返されていた実態が見受けられるのだ。これらの増資に助成金が充てられていた疑いもあり、特捜部が資金の流れを調べているという。
Ws000000 ペジー社のスパコンの“核”である高効率液浸冷却装置の製造をする「エクサスケーラー」社は、2014年4月に資本金5000万円で設立されたが、その後、今年6月までの3年間で、実に13回もの増資を行い、現在資本金は27億円にまで膨らんでいる。
「メディアなどで技術力は評価を受けていましたが、売り上げや利益を思うように計上できず、財務状態は追いついていなかったと推測されます。資金は助成金や投資としての直接調達がメインだったようです」(調査機関関係者)
・・・・・・
 そして驚くのは、会社はカツカツのはずなのに、斉藤容疑者が住んでいたのが、御茶ノ水の高台にある高級賃貸レジデンスだということ。17階建てのビルは下はオフィス、上層部の4フロアが住宅で、1戸の広さはナント126平方メートル。「外国人エグゼクティブにもお薦めのゆったりとした間取り」と不動産情報サイトで紹介されるようなゴージャス物件だ。
 斉藤容疑者は、安倍首相と親しい元TBS記者の山口敬之氏が事務所にしていた高級賃貸レジデンスの費用も負担していたと「週刊新潮」に報じられているが、そうした費用はどこから出ていたのか。また、自転車操業の財務力にもかかわらず山口氏に便宜を図っていたとしたら、そこまでしたのはどうしてなのか。闇は深そうだ。
アベ友スパコン詐欺 3年13回の怪しい増資と金満生活の闇

何やらバブル時代を彷彿とするような話である。
金融緩和政策の副作用や出口戦略に思いが向かないような安倍首相は、本気で株価の高騰を「アベノミクスの成果」と喜んでいるのかも知れない。

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2017年12月 6日 (水)

北村薫『ビスケット』/私撰アンソロジー(50)

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北村薫『遠い唇』KADOKAWA (2016年9月)の中の『ビスケット』の一節。
北村氏は本格ミステリー作家クラブの発起人の一人であり、初代事務局長を務めたことでも分かるように、本格派のミステリー作家である。
本格派ミステリーは論理性を旨とするが、小説である以上、文学性も重要な要素であろう。
私は、文学趣味が横溢した『六の宮の姫君』創元推理文庫 (1999年6月)を読んで、熱心な読者とは言えないけれど、ファンになった。
芥川龍之介の短編『六の宮の姫君』角川文庫(1958)の創作意図を解き明かすために、芥川の交友関係を探っていく設定のミステリーである。

遠い唇』も、論理性と芸術性が融合した極上の一冊である。
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同書の後書きにあたる「付記ーひらめきにときめき」に、次のような文がある。

わたしが好んで書く《名探偵》は、論理というより、常人の持たないひらめきによって真相に到達するのです。瞬時に、別世界を見てしまう特別な目を持っている。わたしはそれにときめくのです。

著者の言う「ひらめき」とは、セレンディピティと言われるものだろう。
セレンディップは予期しない創造的な発見のことで、ノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士の受賞記念講演で有名になった概念である。
「偶然に掘り出し物を見つける能力」などと説明されている。
⇒2016年9月26日 (月):回路から漏出する電子とセレンディピティ/技術論と文明論(72)

ノーベル賞に繋がる業績は、偶然得られた結果かも知れないが、その意味や価値を見逃さない認識力があったからこその業績であると言えよう。

北村氏の言葉を目にしたとき、電通の第4代社長・吉田秀雄氏の「広告は、科学であり、芸術である」という言葉を連想した。
吉田氏は、同社を現在のような広告の巨人なる礎を築いた人として知られ、同社の社訓だった「鬼十則」は同氏の言葉である。
「鬼十則」は、私などのように電通に無関係の人間にも大きな影響力を持ったが、最近は「働き方」の悪しき例として有名になってしまった。
5 取り組んだら放すな! 殺されても放すな! 目的を完遂するまでは・・・
などが、過労死を招いた要因であるとされ、電通の社員手帳からも削除されたという。

しかし、クリエイティブな仕事は本質的にキリがないもので、成果は時間の関数ではない。
「鬼十則」の精神が、同社発展の原動力となったことは否定できない。
「鬼十則」の否定は、電通の自己否定のように思われる。
⇒2016年10月30日 (日):電通「鬼十則」の功罪/日本の針路(301)

前川佳一『パズル理論』白桃書房 (2013年5月)によれば、研究開発業務は「ジグソーパズル型」と「知恵の輪型」に大別される。
前者は、ゴールのイメージが明確で、努力を継続すればいずれはゴールに到達できるもので、後者は完遂できるかどうか不確定なものである。
新車の開発などが前者であり、青色LEDの開発などが後者である。

北村氏が「論理」と言っているのは「ジグソーパズル型」に相当し、「名探偵のひらめき」を必要とするのが「知恵の輪型」といえるだろう。
「知恵の輪型」業務のマネジメントは、今後重要性を増す課題だと思うが、上意下達を旨とする日本社会の弱点である。
青色LEDの開発に成功した中村修二博士なケースが典型であろう。
⇒2007年12月11日 (火):青色LEDの場合
⇒2009年4月23日 (木):LEDの技術開発への期待
⇒2014年10月 7日 (火):青色LEDでの三教授のノーベル賞受賞を寿ぐ/知的生産の方法(104)

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2017年12月 3日 (日)

改元のスケジュール/日本の針路(356)

1979年に制定・公布された「元号法」によって、「元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める」とされた。
いわゆる「一世一元の制」の法制化である。
しかし歴史は意外に新しい。
明治政府は、慶応4年を改めて「明治元年」とするとともに、一世一元の詔で天皇一代につき一元号とする一世一元の制を定めた。
明治以前は、天皇の在位中にも災害など様々な理由によりしばしば改元が行なわれていた。
また、寛永や慶長のように、新たな天皇が即位しても、元号が変わらない場合もあったのである。

第二次世界大戦後に制定された日本国憲法、1947年(昭和22年)施行の皇室典範では元号の規定が明記されず、同年5月3日を以って元号の法的根拠は消失した。
しかし、その後も元号が「慣例として」用いられていたが、昭和天皇の高齢化に伴い、元号法制化を求める声が高まり、元号法の制定になった。

最近、自民党の竹下亘氏が、宮中晩さん会の国賓に同性パートナーが出席することについて、「私は反対だ。日本本国の伝統には合わない」と 発言し波紋を呼んだ。
その後撤回したが、、「皇室を考えた場合に、日本人のメンタリティーとしてどうかな という思いが私の中にあったものだから、ああいう言葉になって出 た」と言わずもがなの弁解をして、何が問題なのか分かっていないことを露呈した。
「日本国の伝統」ばどと言えば、保守層に好感されると考える根性がさもしい。

1日の皇室会議で、天皇陛下が2019年4月30日に退位する日程が決まった。
退位を実現する特例法が6月に成立し、政府が退位時期の決定に向けた検討を本格化して以降、宮内庁と首相官邸は妥当な時期を巡り駆け引きを続けたという。

 官邸が昨年から探ってきたのは「18年12月末退位・19年元日改元」案。陛下が退位の意向をにじませる昨年8月のビデオメッセージで「平成30年(2018年)」に触れたからだ。18年の誕生日に85歳を迎えられる区切りの良さもあった。
 先手を打ったのは宮内庁だった。「1月1日は皇室にとり極めて重要な日。譲位、即位に関する行事を設定するのは難しい」。西村泰彦次長が今年1月17日の定例記者会見で18年末退位案について難色を示した。宮内庁が退位を巡って公の場で異例の言及をしたことに、菅氏は「政府の立場でコメントは控えたい」と言葉をのみこんだ。
 「なんだかんだ言っても陛下のお気持ちというのは本当に大きい」。退位特例法の成立後、退位時期をめぐり宮内庁との調整に入るにあたって、官邸の高官はこぼした。
 宮内庁がこだわったのは19年1月7日。昭和天皇の死去から30年の式年祭をいまの天皇陛下で開くことだった。官邸に求めたのは「19年3月末・4月1日改元」案。年度替わりの節目でもある。同庁関係者によると、官邸側に年末年始と3~4月の皇室行事を示し、どちらが皇位継承に伴う陛下と皇太子さまの負担が少ないか説明した。
・・・・・・
宮内庁の山本信一郎長官は11月21日夜、19年4月末退位案が浮上したとの報道を受け、同庁長官室前で記者団に硬い表情で繰り返した。ある宮内庁幹部は「12月1日の皇室会議の日取りを聞いたのが21日夜。4月末退位案は寝耳に水で長官も知らなかったと思う」と話す。
 「4月末」という国民的に決してきりの良くない退位時期。それ自体が、官邸と宮内庁の溝の深さを物語る。
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皇室の事情、官邸のメンツ 退位時期巡り溝浮き彫り

改元は日本人全体に影響することである。
5月1日という日の是非についてはいろいろ意見があろうが、「象徴天皇」というファジーな概念を、全身全霊で追求し実践しようとされてきたことに疑問はない。
静かに滞りなく皇位継承と改元が行われることを願う。

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2017年12月 2日 (土)

東レよ、お前もか?/ブランド・企業論(69)

東レが11月28日、子会社がタイヤなど形状を維持するための補強材の製品検査データを不正に改ざんしていたと発表した。
13社の顧客に対し、2008年4月から16年7月までの8年3カ月間に計149件の品質数値の書き換えが行われていたとのことだ。
東レと言えば、経団連の現会長榊原定征の出身企業であり、日本の化学会社の代表である。
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東京新聞11月30日

 同社の発表によると、書き換えが行われた製品はタイヤ用、自動車のホース・ベルト用、抄紙用のコードと呼ばれる補強材。子会社の東レハイブリッドコードが、タイヤメーカーや自動車部品メーカー、抄紙用フェルトメーカーに製品を納入する際に、顧客との間で取り決めた規格から外れた製品の品質データを規格内の数字に書き換えていたという。現時点では法令違反や安全に問題のある案件は見つかっていないとしている。
 不正は16年7月に行われたコンプライアンス調査の結果で発覚。都内で会見した東レの日覚昭広社長によると、当初は法令違反や安全上の問題はなかったことなどから公表しない方針だったという。しかし、11月3日にインターネット掲示板上での書き込みがあり、一部株主からの問い合わせもあったことから発表に踏み切ったと話した。
東レ:子会社が製品検査データを不正改ざん、8年間で149件

ここしばらく、神戸製鋼、、日産、三菱マテリアルなど日本を代表するメーカーの不正が続いている。
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東京新聞11月29日

東レの日覚社長の言い方には違和感がある。
安全性や社会への影響云々というよりも、ルールに抵触しているかどうかの問題である。
榊原氏の社長・会長在任中の事案であり、不正は承知していなかったというが、責任は免れまい。
天皇退位の日程が決まったが、平成も終わろうとする時期に、日本の製造業が揺らいでいる。
時代の変わり目ということだろうか。

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2017年11月23日 (木)

森友疑惑(56)会計検査院報告/アベノポリシーの危うさ(320)

「森友疑惑」の中心テーマ、国有地の値引き問題に関する会計検査院の報告が出た。
財務省が「便宜」を図ったと思われる背景に、安倍昭恵首相夫人が名誉校長を務めていた事実があったことは否定できない事実である。
それが「忖度」であるとするなら、「忖度」が生まれる構造を問題にしなければならない。
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東京新聞11月23日

会計検査院の報告書では、国の価格算定を「根拠が不十分」と批判する一方、詳しい資料が残っていないとして適正価格は明示しなかった。
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「森友」検査院報告 解明、あとは首相「誰が得、究明を」

会計検査院といえども行政機関であるから、検査には限界がある。
財務省は根拠資料を廃棄してしまっていると説明しているが、多くの国民は納得していないだろう。
籠池前理事長夫妻の保釈請求は却下された。
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保釈の手続きは以下のようである。
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保釈金に関する2つの誤解と保釈されるまでの手順

却下した裁判所がどういう判断をしたかは分からないが、逃亡や証拠隠滅の可能性は考えられないだろう。
こうなればさらに一層、安倍昭恵夫人をはじめとする関係者の「証言」が必須ではなかろうか。

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2017年11月13日 (月)

創価学会と官邸の関係/日本の針路(353)

私は学生時代に、一度だけ創価学会の会議に参加したことがある。
尊敬していた先輩が急に学会の熱心な信者になって誘われたのだ。
もちろん違和感はあったが、嫌悪感はなかった。
公明党があったのかどうか記憶にはないが、護憲平和路線だったと思う。

いつから自民党主導の与党の立場になったのか?
安倍政権のウルトラライトの立場と、公明との母体の創価学会の立場がどう折り合っているのか、不思議な感覚だと思うが、余り深く考えたことはないが、選挙結果次第では変化するのではと思っていた。
公明党が先の衆院選を総括した10日の全国県代表協議会では、地方組織代表から安倍晋三首相(自民党総裁)が提案する憲法9条改正による自衛隊明記案への賛否を明確にするよう求める意見が出ていたそうである。

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党執行部は重要政策を巡り自民党との対立が明確になれば連立政権の基盤が揺らぎかねないとして、自民党の議論を見守る慎重な姿勢を示した。出席者が11日、明らかにした。
 協議会では、出席者が9条改正への党見解が曖昧として方向性を示すよう要求。執行部は「改憲を党是とする自民党と公明党が対立すれば、政権そのものに関わる話になる」と述べ、賛否を明言しないことに理解を求めた。
公明地方、9条改正賛否明確化を 総括で要求 執行部は慎重姿勢

執行部は持ちこたえられるだろうか?
また、学会員の公明離れが加速するのではないか、という記事を目にした。

「10月の総選挙で公明党は5減の29議席に終わりました。比例代表では、2000年以降の衆参両院選を通じて初めて700万票を割った。これは一部の学会員が批判の意味を込めて立憲民主党に投票したり、無効票を投じたからといわれています」(創価学会関係者)
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 安保法制や共謀罪に賛成し、自民党のブレーキどころかエンジンになっている今の公明党に学会員の不満は鬱積し、爆発寸前という。今後、“公明離れ”がさらに加速する可能性が高い。
「今回、公明党は『5歳までの幼児教育を全て無償化する』と公約に掲げました。安倍首相も教育無償化について『全ての子供たち』と言っていたくせに、選挙が終わった途端、認可外保育は対象外にしようとしていると判明。選挙で汗を流した学会婦人部はカンカンです」(ある婦人部会員)
 こうした動きを察知した創価学会は、沈静化のために先手を打とうとしているようだ。例年、学会は創立記念日の11月18日前後に幹部人事を行う。今年は“官邸とのパイプ役”と呼ばれる幹部を要職から外すのではないか、という情報が流れている。
「この幹部は菅官房長官の“盟友”といわれています。今回、安倍首相が解散・総選挙に踏み切ろうとしていることを知ると、足元の改憲反対派の学会員の反発を危惧して『都議選が終わったばかりで準備が間に合わない』『年末にするよう首相を説得して欲しい』などと菅氏に要請したといいます。ところが、やんわりと押し切られて選挙に突入。結果、公明党の議席を大きく減らすことにつながった。創価学会が本当にこの幹部を要職から外すことになれば“懲罰人事”になりますが、同時に“官邸との決別”も意味します」(前出の創価学会関係者)
 こうした公明党の事情を知ってか知らずか、安倍首相は8日夜、「憲法を変えることを支持されたと思っている。できれば早めにしたい」と明言した。解けそうな“下駄の雪”を捨てて、別の改憲勢力と手を組むつもりかもしれない。
菅官房長官の“盟友”を更迭? 公明党に自公連立解消の兆し

安倍首相にとって改憲は至上命題なのか?
普通はそう考えるだろうが、自民党の長老山崎拓氏は次のように見ているという。
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サンデー毎日11月19日号

要するに、自民党が総選挙で勢力を維持し、公明党が微減に終わった結果、巨大与党が改憲問題で割れて行くだろうと言う見立てだ。
果たしてどうなるか?
創価学会の側では内部矛盾が高まっているであろうから、公明党は与党のうま味は捨てがたいにせよ、創価学会の意向に従わざるを得ないだろう。

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2017年11月12日 (日)

希望の党に希望はあるか/日本の針路(352)

希望の党が、10日、国会議員の共同代表として玉木雄一郎衆議院議員を選出した。
小池代表との共同代表体制であるが、失望から絶望へ、などと言われている「希望の党」は、希望を復活させることができるだろうか。

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 11月10日に行われた希望の党の共同代表選挙で、玉木雄一郎衆議院議員(48)が選任された。国会議員票53票のうち、39票が玉木氏に投じられた。小池百合子代表に近く、チャーターメンバーが味方に付いた玉木氏の勝利は予想通りだと言える。
 しかしながら勝利の結果はともかく、7割強の得票率は「大勝」と言えるのか。あるチャーターメンバーは投票前に、「玉木氏は4対1以上で勝たなくてはいけない」と語っている。
 その理由は、玉木氏の対抗馬の大串博志衆議院議員(52)が、「憲法9条改正反対」「安保法制反対」の姿勢を明確にしたからだ。さらに大串氏は、新進党や無所属の会、立憲民主党との“連携”まで言及した。
【希望の党】共同代表に玉木氏就任!問われるリーダーシップ。

敗北した大串氏の立場は次のようだ。

これについて大串氏は「憲法改正の議論はあっていいが、9条改正は必要ない」と断言。安保法制についても、「日本の立憲主義を守るという立場から、集団的自衛権を含む安保法制は容認しないという立場を明らかにする」と述べ、他党との連携についても、民進党や無所属の会、立憲民主党との連携及び統一会派を組む可能性にも言及した。
しかしながら希望の党は、保守政党を標ぼうし、安全保障政策について現実視するのではなかったか。そのために政策協定書が作られ、民進党からの参加希望者は振り分けられたのではなかったか。上記のチャーターメンバーは、「安保法制も憲法改正問題も、希望の党に入る時に確認済みの事項だ。それに反するならば、同じ政党としてやっていられない。出て行ってほしい」と述べている。
これについて大串氏は、「当初の政策協定書には『安保法制を容認しない』と書かれていたが、後で修正してその文言は消えた」として、持論が希望の党の基本方針と矛盾しないことを強調。実際に当初作られた「8項目政策協定書」にはその第2項で「限定的な集団的自衛権の行使を含め、安全保障法制を基本的に容認し、現実的な安全保障政策を支援すること」と記載されていたが、後に「現実的な安全保障政策を支持する」に修正されてはいる。
よって「安保法制を容認しない」と主張しても、政策協定書に矛盾するわけではないという論理が成立するというのが大串氏の言い分だ。
希望の党は「玉木共同代表」で何が変わるか

この路線の違いは、戦術的というよりも戦略的だから、早晩希望の党の内部矛盾は顕在化するだろう。
玉木氏は、「さわやかにスポーティにいきたいと思うので、みなさん頑張りましょう」と挨拶したが、そう簡単にはいかないと思われる。
ベクトルの違いを容認すれば民進党を解党したことの意味が問われるし、路線純化をすれば大串氏の支持勢力は離党するだろう。

最近の小池百合子氏はすっかりくたびれているように見える。
「鬼道に仕え、よく衆を惑わす。年齢は既に高齢」という『魏志倭人伝』の卑弥呼の描写を思わせる。
いよいよ、「倭国大乱」かも知れない。
⇒2017年9月28日 (木):衆院解散は「倭国大乱」に似ているか?/日本の針路(332)

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2017年11月 9日 (木)

リベラル・アーツとの関係(3)/リベラルをどう考えるか(4)

社会で要請される知識は、本来「理系」とか「文系」とかという枠とは無関係である。
理系の知識も文系の知識も学ぶ文理融合系や、学際系の学部が誕生しているのは必然であると言える。

複数の学問的(学際的)な視点から学んだり、一つの専門領域を深く学びつつ、それを支える複数の学問領域を学ぶ学部は昔から存在した。
東京大学に教養学部があり、現在は大学院総合文化研究科と一体的に運用され、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部と称している。
ICU(国際基督教大学)の教養学部 アーツ・サイエンス学科が私の受験生の頃から設置されていた。

かつて文理学部という学部が多くの地方国立大学を中心に存在した。
それが専門化の必然的な結果ではあるのだろうが、ほとんどが例えば文学部と理学部へと分化した。
いま、秋田の奇跡と称される国際教養大学が見事に成功しているのを見ると、いささか残念のような気がする。

リベラルアーツ系学部の新設としては、山梨学院大学の国際リベラルアーツ学部新設を紹介したことがある。
⇒2014年6月24日 (火):遠藤麟一朗とリベラルアーツ/知的生産の方法(98)
また、「情報」「環境」「社会」「人間」「文化」などの付した「新リベラルアーツ系」も増えている。
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【文系でもない理系でもない新しいリベラルアーツとは】いま注目されるリベラルアーツ教育の新しい波

この傾向は、安倍首相の教育改革の理念の真逆の方向性である。
⇒2017年11月 5日 (日):リベラル・アーツとの関係/リベラルをどう考えるか(2)
奇しくも小泉進次郎自民党副幹事長から、安倍首相の政治手法に疑問が投げかけられている。
これをガス抜きと見る人もいるが、問題の根は深いところにあるのではなかろうか。

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2017年11月 6日 (月)

リベラル・アーツとの関係(続)/リベラルをどう考えるか(3)

私は、安倍政権の考え方は、基本的にリベラル・アーツとは馴染まないと考える。
安倍首相に近い自民党議員の勉強会「文化芸術懇話会」がそれを証明している。
2015年9月の総裁選が無投票であったことに勢いをえて、安倍首相は首相側近の加藤勝信・官房副長官と萩生田光一・党総裁特別補佐を同会の「顧問格」に据え、会の拡大を図った。

同会の基本的な性格として、Wikipediaに次のような説明がある。

2015年5月には自由民主党の若手リベラル国会議員により「過去を学び、分厚い保守政治を目指す若手議員の会」が立ち上げられた現状を憂えた若手タカ派によって結成された勉強会である。

自民党内のリベラル狩りであり、希望の党の先駆だったと言える。
⇒2017年10月 4日 (水):「希望の党」のミッションはリベラル狩り/日本の針路(337)

同会の初会合の講師は、なんとあの百田尚樹氏であった。

2015年(平成27年)6月25日に行われた初回会合の出席者には、総裁安倍晋三に近い議員も多く、同年9月に行われる予定の総裁選挙を前に、安倍の無投票再選の機運を高める狙いがあるとされた。
出席者からは、安保法案を批判する報道に関し「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」との声が上がり、「安全保障関連法案をどうわかりやすく説明したらいいか」との質問や「(安保関連法案を違憲とする)憲法学者や元内閣法制局長官に全く権威はない」との声が出たという。
また、講師として招かれた作家の百田尚樹は、集団的自衛権の行使容認に賛成の立場を表明した上で、政府の対応について「国民に対するアピールが下手だ。気持ちにいかに訴えるかが大事だ」と指摘し、「反日とか売国」という表現を使いながら、「日本を貶める目的をもって書いているとしか思えないような記事が多い」と指摘すると、参加議員から「そうだ、そうだ」と賛同の声が上がったという。さらに、百田は、沖縄県の地元紙・沖縄タイムスと琉球新報の2紙が政府に批判的だとの意見が出たことに対して、「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。
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まるで質の悪い右翼の集会のようである。
百田尚樹氏は、数多くのベストセラーを持つ作家であり、大衆の心を捉える術に長けている。
しかし、それはヒトラーに通じるものであると言うべきであろう。
⇒2014年11月21日 (金):百田尚樹の『殉愛』の売り方/知的生産の方法(110)
⇒2014年11月22日 (土):クリティカル思考の反面教師としての百田尚樹/知的生産の方法(111)
⇒2014年11月28日 (金):安倍首相の盟友・百田尚樹の馬脚/日本の針路(76)
⇒2014年12月 6日 (土):誰が百田尚樹の首に鈴を付けるのか/日本の針路(80)

百田尚樹氏は、安倍首相の肝いりでNHKの経営委員を務めていた。
いかに安倍首相が見識を欠くかの好例であり、モリカケ疑惑の本質を示唆する人事であった。
百田氏については、以下のような相関図を紹介したことがある。
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⇒2014年12月29日 (月):百田尚樹の正体?/人間の理解(8)

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