日記・コラム・つぶやき

2018年3月17日 (土)

「はじまり」の謎・ホーキング博士/追悼(120)

「宇宙のはじまり」について、大きな業績を上げたスティーヴン・ウィリアム・ホーキング博士が亡くなった。
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追悼:ホーキング博士、その賭けと発言を振り返る

1942年1月8日に生まれ、2018年3月14日が命日である。
3月14日は、円周率の日であり、数学の日である。
と考えれば、ホーキング博士の命日に相応しい日のように思う。
そして奇しくも、1879年のこの日、アルベルト・アインシュタインが生まれている。
アインシュタインの業績は多岐にわたるが、最も有名なものは一般相対性理論であろう。
1916年に発表され、重力によって光が曲げられることを予言した。
一般相対性理論と関わる分野で理論的研究を前進させたのがホーキング博士である。
1963年にブラックホールのブラックホールの特異点定理を発表し、1971年には「宇宙創成直後に小さなブラックホールが多数発生する」とする理論を提唱した。
1974年には「ブラックホールは素粒子を放出することによってその勢力を弱め、やがて爆発により消滅する」とする理論(ホーキング放射)を発表して、量子宇宙論という分野を形作ることになった。

もちろん、私に解説する知見はないが、宇宙の起源というテーマにワクワク感を覚える。
人の一生ははかない。
私も、最近は「来し方行く末」を考えるようになった。
個体としての私は、あと何年生きられるか分からない。
確かなことは、いつかは死ぬということだ。

個体としての生死を繰り返しながら、類・種として継続する。
それが生命体のしくみであるが、ダーウィンの『種の起源』が物語るように、新しい種が誕生した結果、地球上には多種多様な生命体が存在する。
新しい種、言い換えれば「質」は、いつ、どのように誕生するか?
池内了『「はじまり」を探る』東京大学出版会(2014年10月)は、「宇宙、生命、人類、言語、複雑性、…」の「はじまり」を、各分野のエキスパートが解説した書である。Photo
現代宇宙論に多大な影響を与えた人物である。

ホーキング博士は、「車椅子の物理学者」としても知られた。
学生のころに筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症したと言われる。
ALSは発症から5年程度で死に至る病であると考えられていたが、ホーキング博士は発症から50年以上にわたり研究活動を続けた。
晩年は重度障害者用意思伝達装置を使っており、その姿は良く知られていた。
身障者にとっては希望を与えてくれた存在だった。
合掌。

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2018年2月23日 (金)

一緒に飲みたい雰囲気を持った人・大杉漣/追悼(119)

遅咲きと言っていいだろう。
いつの間にやらメジャーになっていたという気がする。
幅広い芸域のバイプレイヤー・大杉漣さんが、急性心不全のため21日未明に急逝した。
享年66歳。

Ws000000_3 明大中退後の73年に舞台デビュー。80年に「緊縛いけにえ」で映画デビューし、ロマンポルノ作品にも多数出演し、名脇役となる基礎を作り上げた。93年に北野武監督「ソナチネ」のオーディションに合格し暴力団幹部役を熱演。“いぶし銀”の存在感を発揮し「HANA-BI」をはじめ、同監督作品には欠かせない存在に。数々の連続ドラマや大作映画に出演したが「枠や垣根はつくらない」と、製作費の少ない自主製作作品にも数多く出演。出演数の多さから「300の顔を持つ男」と呼ばれた。
 明るく朗らかなキャラで近年はバラエティー番組でも人気に。日本テレビ系「ぐるぐるナインティナイン」の人気コーナー「ゴチになります!」に昨年からレギュラー出演中。同9月には、設定金額を的中させる「ピタリ賞」を番組史上初めて2週連続で達成するなどマルチに活躍した。
 趣味も多彩でバンドなど音楽活動をはじめ、徳島・城北高時代はサッカー部に所属し全国大会に出場するなど大のサッカー好き。J2徳島ヴォルティスの熱狂的サポーターとして、サッカーファンからも人気で、誰からも愛された。
大杉漣さん急死 前日ドラマ撮影後に宿泊先で異変

急性心不全というから、心筋梗塞か、心室細動のどちらかの可能性が高い。
「おなかが痛い」と訴えたそうだが、「放散痛といわれるものではないか。
高血圧、喫煙、飲酒、肥満、ストレスなどが原因となり、冬場に発症しやすい。
働き盛りとも言えるが、分類としては高齢者になり、危険な年代であった。
各界から悼む声が寄せられているが、次のように言われるのは「300の顔を持つ男」と言われた人の本望だろう。

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もちろん面識はないのだが、心配りの人だったという。
今は飲むという場には縁が無いが、こういう人と互いに気を使わないで飲みたい。
大勢で居酒屋などでガヤガヤ飲むのも良し、バーで静かに飲むのも良し、という雰囲気を持っていた人だったように思う。
合掌。

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2018年2月12日 (月)

下町ボブスレーと「日本スゴイ」騒動/日本の針路(370)

下町ボブスレーというプロジェクトがある。
池井戸潤の小説『下町ロケット』を真似したプロジェクトで、「大田区の小さな町工場が中心となり、世界のトップレベルへ挑戦する日本製のソリを作り、産業のまち大田区のモノづくりの力を世界に発信しようというプロジェクト」になっている。
下町ボブスレーネットワークプロジェクト公式サイト

「下町ボブスレー」を無償で提供されたジャマイカ代表チームが、五輪本番で使用する契約を破棄したことが明らかになった。
替わりにラトビア製が使われる。

 下町ボブスレーのプロジェクト推進委員会は、今月2日に担当者5人を平昌に派遣。交渉は決裂していたが、翻意する可能性を信じて乗り込んだ。4日にジャマイカ連盟幹部と会った際に言われたのは、「それは、われわれのそりではない」。説得する余地はなく、諦めて帰国の途に就いた。
下町ボブスレー、諦め切れない五輪の夢=ジャマイカ翻意せず

これに対し、使用しなかったジャマイカチームを非難する声が上がったらしい。

 ジャマイカのボブスレー製作をしていた組織「下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会」が会見を開き、五輪で下町ボブスレーを採用しないのであれば契約書に規定がある通りジャマイカ側に損害賠償6800万円を請求する姿勢を見せると、ネットにはこれに同調し、「下町の町工場の人たちの義理人情をジャマイカは踏みにじった」とジャマイカをバッシングする意見があふれかえったのだ。
 マスコミも同様だ。たとえば、2月6日放送『とくダネ!』(フジテレビ)では笠井信輔アナウンサーが「(ジャマイカの)チームの人たちが下町ボブスレーの下町工場の人たちがつくったこのソリの重みとか意味とかをどれだけわかって使っているのかなって気がするんですよ。(中略)契約解除するんだったら『解除するので賠償金を払います』ということを同時に伝えてくるべきじゃないかなと僕は思います」とまくしたてた。
 さらに、同6日放送『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ)は、ジャマイカがラトビア製のボブスレーを使うことになったのは用意周到に仕組まれたものだったという怪しげな陰謀論まで開陳。夕刊フジにいたっては、「ジャマイカに契約の概念ある!?」などという、差別丸出しの見出しを掲げてジャマイカバッシングを展開した。
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下町ボブスレー問題でジャマイカバッシング! 背景に右派メディアと安倍応援団の「日本スゴイ」の虚妄

おそらく電博などの広告会社の企画だろうが、明治150年に通底する安易なナショナリズムが透けて見える。
ツイッターの意見を拾ってみよう。
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聞けば、ボブスレーを分解してみたところ、「こんなものか」という軽いノリでやって、結局うまく行かなかったということのようだ。
例の如く、安倍首相が深く考えもしないで安易に乗ったらしい。

技術を軽く考えてはいけない。
日本が技術大国になったのは、安倍首相みたいなゴマカシの精神を排除した勤勉な努力の成果なのである。
いたずらに「日本はスゴイ」などと考えているとしたら大間違いで、確かに教訓になる話と言えよう。

と思っていたら、既に教科書に載っていた、というオチがあった。
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以下にように解釈すれば、池井戸潤そのものとも言える。
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2018年2月10日 (土)

森友疑惑(65)財務省が文書開示/アベノポリシーの危うさ(336)

今頃になって何を考えているのだろうか。
財務省が国会に対し、森友学園との土地取引にかんする文書を提出した。

学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、財務省は9日、学園側との交渉内容が含まれる新たな20件の文書を国会に提出した。計約300ページに及ぶ。昨年2月の問題発覚後、国会は関連文書の提出を求めてきたが、同省の佐川宣寿・前理財局長(現・国税庁長官)は交渉記録を「廃棄した」と説明していた。
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森友文書、新たに20件300ページ 財務省が提出

誰が考えても、現国税庁長官である佐川宣寿・前理財局長の「破棄した」という国会答弁が虚偽であったことは明白であろう。
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東京新聞2月10日

麻生太郎財務相は「近畿財務局内の法律相談の記録であり、森友学園との交渉記録ではない」と答弁(強弁)しているが、1月19日に開示された近畿財務局の文書では、森友サイドがゴミが見つかったとして「開校が遅れたら大変なことになる」「土地を安価に買い受けることで問題解決を図りたい」などと財務局にもちかけており、売却担当者は「国は貸主として法的にどういう責任を負うか」と法務担当者に質問するなど、交渉の一端が窺い知れる内容が含まれていた。
⇒2018年2月 3日 (土) 森友疑惑(64)佐川長官の虚偽答弁/アベノポリシーの危うさ

この1年間の国会審議をなめているとしか思えない。
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同上

昭惠夫人は「私が真実を知りたい」などと言っているが、どの口が言うのだろうか。
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2018年2月 8日 (木)

仮想通貨の時価とは何か?/技術論と文明論(94)

仮想通貨の時価が急落している。
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東京新聞2月7日

昨年度は基本的に急騰したが、コインチェックの不正流出以前から下がり始め、同事件が輪をかけたようだ。
1カ月で3分の1になるとは尋常ではない。
仮想通貨は通過の代わりに決済等に使われるものであるならば、基本はリアルの通貨に連動しているのではないだろうか?
素朴な疑問である。
神田敏晶氏による解説サイト「世界で一番わかりやすい『ビットコイン』と『仮想通貨』の本質的なこと」を見てみよう。

通貨の歴史はトークンに始まる。
物々交換の不便な点、例えば保存場所が必要だったり、数日で腐ってしまったりということを解決するために、価値の媒体として、「トークン」が考えられた。
加工した石や、貝殻などが使われた。
トークンが増えてくると、管理をどうするかが問題になる。

紀元前3500年のメソポタミア文明で、象形文字から進化した楔形(くさびがた)文字による『粘土板(タブレット)』が発明された。粘土板に記載れた記録を改ざんされないように粘土板を焼いて取引内容を固定化した。つまり改ざんされない『暗号化』された『台帳』が発明された。古代メソポタミアでは、重要なことは金銭にかぎらず、すべて、タブレットに焼きこまれて保存された。取引、利息、金利、不動産、法律、辞書、数学、測量、天文、酒造、医療…すべての重要な事項がタブレットに焼かれて保存される。そう、これぞ『ブロックチェーン技術』の先祖の誕生だったのだ。
・・・・・・
『Cryptocurrency(暗号通貨)』のデータは、地方の権力者たちが自由に勝手に決めたトークンよりも、楔形文字を操れる人たち(エンジニア)が、焼きつけた(暗号化)「取引台帳」の方がはるかに「信用度(クレジット)」が高くなる。むしろ、その暗号化された解読(デコード)が日常化し、楔形「文字」をさらに進化させる事となる。

現代の『ブロックチェーン技術』も同じ思想だと言える。
ひとつの「ブロック」を形成するのに、莫大な計算を必要とさせ、次のブロックにつなげてチェーン化している。
⇒2018年2月 5日 (月)  ブロックチェーンのしくみ/技術論と文明論(93)

2008年11月1日に、サトシ・ナカモト氏という謎の日本人らしい人物が、 「私は全く新たな電子キャッシュシステムを開発してしまった。信用されているとされる第三者を一切経由せず、完全なるピアツーピア型で」と論文を発表した。
以下が論文のコピーである。
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https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

サトシ・ナカモト氏は、ブロックの計算ををする人に「ビットコイン」という報酬を与えた。
計算することによってビットコインという「金」がもらえるので、「採掘=マイニングする人」、ビットコインマイナーが生まれる事になった。

翌2009年より、「分散型台帳」の登録更新(マイニング=「採掘」)がされることによって「ビットコイン」の運用がなされ始めた。
常に台帳管理をコンピュータで計算し、台帳を更新するボランティアには、1ブロックごとに50ビットコインの報酬が与えられ、それが現在は25ビットコインだという。
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週刊SPA!180116・23

ブロックチェーン技術によるビットコインは、個人同士でもやりとりができるが、交換相手を見つけるのが難しいので、ビットコインの取引所ができた。
仮想通貨取引所を設けることにより、現在の通貨をビットコインと自由に交換できるようになったわけで、そこでリアルの通貨との交換比率が生まれた。
日本の金融庁が認可している仮想通貨取引所は現在16社ある。
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週刊SPA!180116・23

ビットコインの発行枚数は、発行上限枠が2,100万枚に限定されている。
2018年1月13日時点で1680万BTCが採掘の報酬として配られており、残りは420万BTC(20%)となっている。
しかし、4年毎に報酬が下がり、全部採掘するのは、22世紀の2141年頃と予測さえる。
ビットコインの採掘ブロック数を誰もがすぐに知ることができのが、ブロックチェーン技術の良いところと言われる。

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2018年2月 4日 (日)

コインチェックに立ち入り検査/ブランド・企業論(72)

仮想通貨取引所「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正に流出した。
⇒2018年2月 2日 (金) コインチェック経営陣の認識の甘さ/ブランド・企業論(71)
この問題で、金融庁は2日午前、東京都渋谷区のコインチェック本社に、資金決済法に基づく立ち入り検査に入った。
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東京新聞2月3日

 午前7時50分ごろ、金融庁検査官約10人が、報道陣が取り囲んだ同社本社に、裏口から入った。麻生太郎副総理兼財務相は2日の閣議後会見で、「利用者保全を確保するという観点から、経営者やコインチェック社の対応を確認していく」と述べた。
 金融庁はネムの流出が発覚した1月26日以降、コインチェック側から流出の詳しい経緯や、サイバー攻撃を防ぐための安全管理態勢などについて聴取してきた。同月29日には、同社に業務改善命令を出し、安全管理面の改善状況や、再発防止策、責任の所在などについて今月13日までに報告するよう求めていた。
 今回の検査は、コインチェックのこれまでの説明内容を実地で確認するのが狙い。同社は1月28日にネムを預けている全顧客に対し、会社の自己資金を充当して日本円で補償すると発表しているが、裏付けとなる財務内容の説明には不明瞭な点が多いことから、検査で詳しく確認する。
コインチェックに金融庁が立ち入り

昨年4月の同法改正で登録制に移行後、仮想通貨取引所に立ち入り検査が実施されるのは初めてであるが、予想通り管理体制に問題があると言わざるを得ないようだ。
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東京新聞2月3日

仮想通貨ブームに水を差してたのは間違いないだろうが、加熱していたとも考えられるので少し冷静になれば良いだろう。

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2018年2月 3日 (土)

森友疑惑(64)佐川長官の虚偽答弁/アベノポリシーの危うさ(335)

森友疑惑に関連して、1日の参院予算委員会で、共産党の辰巳孝太郎議員が、籠池泰典前理事長が、財務省の担当室長と面会した直後、安倍晋三首相の妻、昭恵氏から「電話があった」と語っている新たな音声データの存在を明らかにした。

  籠池前理事長は16年3月11日、小学校を建設中だった国有地で「新たなごみ」が見つかったと財務省近畿財務局に報告。同月15日に同省本省で田村嘉啓・国有財産審理室長(当時)と面会し、昭恵氏の名前を挙げながら対応を求めていた。
 辰巳氏によると、音声データは田村氏との面会翌日、籠池前理事長夫妻と近畿財務局の協議を録音したもの。前理事長は「財務省から出た直後、学園の名誉校長を務めていた昭恵氏から電話があり、『どうなりました。頑張ってください』と伝えられた」と語っているという。  参院予算委で辰巳氏に事実関係を尋ねられた安倍首相は「事前に質問の通告を受けていない」と即答せず、今後確認する意向を示した。
籠池氏「財務省から出た直後、昭恵氏から電話あった」

首相は2日の衆院予算委員会で、「妻に確認したところ、そのような電話はしていないということだった」と述べた。
いわゆる藪の中である。
当事者自身に確認して「していない」ということは証拠能力があると言えるだろうか?
「ない」ことを証明せよという「悪魔の証明」などと言って逃げていないで、偽証罪に問われる条件のもとに、昭惠氏自身が国会で証言すれば良いだけである。
籠池前理事長は、「堂々と」やっているのである。
場合によっては、両人を対峙させれば良い。
国会での証言を頑なにそれは拒否しているが、それではいつまでも終わらないだろう。。
長期拘留中の籠池氏も、証拠隠滅など考えられないので、釈放すればいいのに、と思う

森友問題については、佐川国税庁長官(前理財局長)の答弁の矛盾がはっきりした。
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文書「全て廃棄」→存在 値引き「適正」→過大の疑い 佐川氏答弁 次々破綻

頭脳明晰と思われる佐川氏は、何でこんなムリ(非論理的)な答弁をしているのか?
それは安倍首相夫妻を「忖度」しているからに他ならないだろう。
財務省側が、昭恵夫人が名誉校長であることは十分に承知していたからである。
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東京新聞2月2日

昭惠夫人の存在が国有地値引きに関係していることは明白である。
それでも「妻が言っていない」というだけなのか?

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2018年1月29日 (月)

沢木耕太郎『黒石行』/私撰アンソロジー(52)

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「俳句」KADOKAWA(2017年12月号)所収

俳句における「取り合わせ」の技法が気になっていて、たまたま上掲誌を書店で購入したが、その中に沢木耕太郎さんが『黒石行』と題する紀行文を載せていた。
青森県の黒石である。
弘前や十和田には行ったことがあるが、あまり馴染みがない土地である。
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沢木さんは16歳の時、アルバイトで貯めたわずかの金を元手に東北一周旅行をした。
車中泊や駅のベンチなどで宿泊する貧乏旅行だったが、例外的に黒石温泉の国民宿舎に泊まったのだ。
およそ50年前のことである。

私もちょうど50年くらい前に、友人と2人で東北一周の貧乏旅行をした。
単位を取得するために福島で工場実習をして、日当まで出してもらったのだ。
今でいうインターンのようなものかと思うが、高度成長真っ盛りだったので、企業としては青田刈りの一環の費用だったのだろう。
大学の寮などを探して泊まれば東北一周するくらいの日当を頂いた。

沢木さんの泊まった黒石の国民宿舎はとうに取り壊されていたが、部分的にではあるが、徐々に記憶が蘇ってくる。
さすがに「巧い」という文章だ。
構成といい、ボキャブラリーといい、お手本にすべき文章だと思う。
掲出部分は、沢木さんが父の死に際して突然浮かんだ俳句について書いている箇所である。
昔電通の仕事を請けていたことがあり、オフィスが昭和通り沿いにあった。
「昭和通りを横断し、銀座四丁目に向かって歩きながら」というのもよく通った記憶がある。

そして、私の場合は母であるが、死後、遺してあった雑文・短歌・俳句を一冊にまとめる作業を行った。
意識はしていなかったが、あれも「喪の作業」だったのだろう。
父の死の時はまだ子供だったから、特別の感懐はなかったが、自分が寿命を意識するようになって、父の死についても考えることが多くなった。
敗戦後、家庭を捨てたような人だったが、子供たちのことはどう考えていたのだろうか。
ああいう人生は送りたくないと思っていたのだが。

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2018年1月28日 (日)

コインチェックから仮想通貨が580億円分不正流出/技術論と文明論(91)

大手仮想通貨取引所のコインチェック(東京都渋谷区)が、外部から不正なアクセスを受け、顧客から預かっていた仮想通貨「NEM(ネム)」約580億円分が流出したと発表した。
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東京新聞1月28日

580億円という金額の大きさとセキュリティ管理の甘さの非対称性に驚く。
本物の通貨ならば、とても簡単には持ち出せない。
コインチェックは国内仮想通貨取引所、NEMは主要仮想通貨の1つである。Photo_2

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「週刊SPA1」2018年1月16・23日号

仮想通貨を巡っては、2014年に取引所を運営していた「マウント・ゴックス」で大量のビットコインが消失し、元社長が業務上横領などの罪に問われた事件が発生した。
⇒2014年2月28日 (金) ビットコイン騒動/花づな列島復興のためのメモ(313)

「マウント・ゴックス」事件の後、17年4月の改正資金決済法施行で、取引業者は登録制となり、コインチェックは登録審査中だが営業はできる。
ブームのようになっている仮想通貨であるが、コインチェックの大量流出で、信用が大きく損なわれることになると思われる。
まあ、新しいものに興味を持つことは良いが、投資はあくまで自己責任で。

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2018年1月21日 (日)

小学校上空の米軍ヘリ/永続敗戦の構造(14)

昨年12月に、市立普天間第二小学校の校庭に米軍大型ヘリコプターが窓を落下させるという事件が起きた。
すると、同校や宜野湾市教育委員会に「やらせだろ」「基地のおかげで経済発展しているじゃないか」などの誹謗中傷の電話が相次いだ。
これが一部の「愛国的」日本国民の姿である。

 市教委に「なぜこんな場所に学校を造ったのか。造った教育委員会の責任だ」との電話があり「(移転先の)土地がない」と返答すると「住宅地をつぶせ」と返ってきたという。
 普天間第二小は1969年4月、普天間小の児童増加に伴い分離して開校した。
 一方、普天間飛行場は沖縄戦の最中に建設され、当時は航空機の離着陸は少なかった。運用が過密になったきっかけは69年11月、山口県岩国基地を拠点としていた米海兵隊のヘリ部隊が普天間に移ってきたことだ。
 小学校移転計画も浮上したが、用地の問題などから断念した経緯がある。市教委は「宜野湾市のどこに移転したら安全だというのか。どこにいても事故は起こり得る」と指摘した。
被害校に誹謗中傷の電話 宜野湾市教委にも /沖縄

18日にも、同校上空を米軍ヘリコプター3機が飛行した。
同小に設置した4台の監視カメラの映像という証拠もある。
にもかかわらず、米軍は操縦士の証言やレーダーの航跡を根拠に「ヘリの操縦士らは学校の位置を把握し、避けて飛行した」と主張している。

 沖縄の怒りが激しいのは、米軍の振る舞いに苦悩させられるのが今に始まったわけではなく、常態化してしまっているからだ。日米両政府は1996年、米軍機の騒音軽減を目的に普天間飛行場(宜野湾市)と嘉手納基地(嘉手納町など)での午後10時~午前6時の飛行を制限する航空機騒音規制措置に合意。だが、実際には米軍は早朝、夜間の飛行を繰り返しており、合意は形骸化している。
 12年10月のオスプレイ配備の時も、日米両政府は飛行について「学校や病院を含む人口密集地域の上空をできる限り避ける」などとする運用ルールで合意したと強調したが、配備直後からルール違反とみられる飛行が相次いで目撃された。米軍の「約束」破りに沖縄側は煮え湯を飲まされてきている。日本政府は米側に改善を実行させられず、翁長知事が事件や事故の度に「日本政府には当事者能力がない」と批判するのもこうした実態があるからだ。
 今回は子供たちが過ごす学校を巡るトラブルだけに、県民の怒りはとりわけ強い。翁長知事は19日の記者会見で「沖縄防衛局は毅然(きぜん)とした対応をしてほしい」と注文した。
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小学校上空か否か 米否定に政府困惑

折しも名護市長選というタイミングで、何としても翁長雄志知事の再選阻止に全力を挙げる安倍政権は、なりふり構わぬ選挙戦を展開しているところである。
小野寺防衛相や菅官房長官も、沖縄側に立つ発言をしているが、「選挙にらみ」の政権の思惑では真の解決は望めまい。

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