NHKの安倍政権のプロパガンダ放送化が止まらない。
⇒2019年1月21日 (月) 「嘘つきは戦争の始まり」とNHKの忖度/安部政権の命運(49)
⇒2019年2月19日 (火) 安倍官邸VSNHK反権力職員/安部政権の命運(72)
国会のニュースについては、例えば次のようである。
軟弱地盤が大きな問題となっている辺野古新基地建設工事について野党から質問が飛んだが一切無視し、代わりに大々的に取り上げたのは、身内である自民党・堀井巌議員の質問に対する安倍首相の答弁だった。
安倍首相が「日朝の首脳間の対話に結びつけていきたい」と答弁したことを受け、「拉致問題解決へ“日朝首脳会談 実現させたい”」と見出しに掲げた。
さらにひどいのは、小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明の編集の仕方だ。
上西充子法政大学教授は、インターネット中継からその全文起こしを行い、批判している。
先ず、上西教授が付けた小見出しで演説を俯瞰してみよう。
(1)決議文
(2)統計への不信
(3)根本厚生労働大臣の指導力の欠如
(4)理由の第一:初動段階における指導力の欠如
(5)理由の第二:真相究明に至る判断力の欠如
(6)理湯の第三:被害者救済に向けた取り組みにおける適格性の欠如
(7)理由の第四:実質賃金公表への消極姿勢
(8)理由の第五:国会における答弁能力の欠如
(9)安倍総理の任命責任
(10)内閣総理大臣の責任:統計への官邸の不当な介入
(11)部下への責任転嫁
(12)トップの部下に対する評価が、組織の体質を決め、職員の行動倫理を変えていく
(13)組織が揺らいでも、社会は揺るぎないものになる
(14)何が都合がよいか、悪いか、を基準とした言動の先に待つもの
(15)総理秘書官の越権行為
(16)GDPのかさ上げ
(17)GDP推計の基礎となる一次統計の見直し
(18)統計への政治介入
(19)統計への信頼回復のためには
(20)消費増税
(21)幼児教育の無償化
22)ワーキングプア世帯を直撃する消費増税
(23)最大の闘いの対象は、国民の諦め
(24)安倍政権による言葉の粉飾
(25)国民は、どこへ連れて行かれるのか
(26)民のかまどを憂う思いを
(27)結論:真に国民の負託に応えるために、私たちに求められるのは、国民に対する信頼
小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK
枝野幸男の「魂の大演説」と並ぶ堂々たる演説であるが、「ごはん論法」の命名者・上西教授ならではの見事な要約と言えよう。
⇒2018年9月19日 (水) 「NEWS23」で露呈した安倍首相の認識力/メルトダウン日本(34)
この演説を、NHKは悪意ある編集をして放映した。
第一に、上にも述べたように、小川議員自身の言葉が、一つも紹介されなかった。紹介されたのは、冒頭の「つかみ」部分で、総務省の統計標語の募集に対してインターネット上にあふれた統計標語のパロディーだけだ。まるで小川議員が、誹謗中傷だけで無駄に時間を埋めたかのような印象を与えるものだった。
第二に、小川議員は無礼な議員であるかのような印象を与えた。実際には趣旨弁明の開始時に、大島議長に対しても議場の議員に対しても深く一礼しているのだが、それは紹介されず、登壇のシーンに続いて、原稿を読み上げているシーンが流され(アナウンサーの音声がかぶせられ、何を語っていた場面かは読み取れない)、一礼した場面は紹介されなかった。それに対し、自民党の丹羽議員については、議場の議員に対して深々と一礼するシーンが流された。
……
実際には、大島議長が小川議員に注意したのは、1時間48分のうちで、二度だけだ。上記の見出しの(20)の消費増税に触れた場面で、この「少し早めて結論に導いてください」という発言があった。さらに、(27)の結論のところで、「(与党の)不規則発言に答えず、進行してください」という発言があった。その二度だけだ。
しかし、大島議長の「少し早めて」という注意に続いて、その注意に拍手で応える与党議員を映し出すことにより、議長も議員もうんざりしている、という印象を与える描き方だった。
なお、実際にどのタイミングで水を飲んでいたのかは、犬飼淳が下記の記事で検証し図解している。
小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK
犬飼氏の「信号無視分析」図解は省略するが、NHKが如何に意図的な編集を行っているかはよく分かる。
これに対し、NHKの木田幸紀専務理事は「自主的な編集判断」と繰り返し答弁した。
自主的な判断とすれば、やはり政権への「忖度」というよりも「阿諛追従」と言った方は良いだろう。
⇒2019年3月 3日 (日) 新元号予想のNHKは「阿諛追従」/安部政権の命運(83)
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