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2018年7月17日 (火)

治水政策の想定と想定外の事態/技術論と文明論(99)

「平成30年7月豪雨」による水害は、改めて治水政策の難しさを実感せざるを得ないものとなった。
工学的な対策は一定の設計条件を前提にするが、想定を超えるような事態が起きた場合にどうすべきか?
地球環境のためか、観測精度の向上のためかは別にして、「記録にないような事態」が頻発している。

倉敷市真備町や愛媛県西予市の様子には息を飲んだ。
真備町は高梁川支流小田川の決壊による。
2018年7月 8日 (日) 緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)2018年7月14日 (土) 頻発する異常気象と遊水機能を考慮した治水対策/技術論と文明論(97)

西予市では、上流の野村ダムの放流が適切であったか否かが問われている。Ws000023
大水害 愛媛県西予市野村

愛媛県西部の西予市と大洲市うぃ流れる肱川が氾濫し、約650戸が浸水した。
住民によると、午前6時半ごろから川は一気に増水して、津波のような濁流が押し寄せ、同7時半ごろには住宅の屋根まで水が及んだ。

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 気象庁によると、このときまでの24時間雨量は同市で観測史上最大の347ミリ。約3キロ上流の野村ダム(総貯水容量1600万立方メートル)は、午前6時20分から、緊急的に流入量とほぼ同量を放流する「異常洪水時防災操作」を開始。その水量は、直前の毎秒250立方メートルから一時、最大7倍近くに達した。
 地区の約5100人に避難指示が出たのは、7日午前5時10分。市関係者によると、その約3時間前の午前2時半ごろ、ダムの管理所長から市役所野村支所長に「7時45分に過去最大の毎秒1000立方メートルを放水する」と通告があったという。国は最初の連絡で「6時50分に放水開始予定」と告げたとし、双方に食い違いが出ているが、国の放流時刻の前倒し連絡などもあり、市の避難指示は5時10分に早まった。
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・・・・・・
 ダムを所管する国土交通省治水課は「避難指示が出てから操作までの70分間、川への流量も少なく道路への浸水もなかった。避難行動に貢献できた」と回答。四国地方整備局の長尾純二河川調査官は「ダムの容量を空けて備えたが、予測を上回る雨だった。規則に基づいて適切に運用した」と説明する。
・・・・・・
 京都大防災研究所の角哲也教授(河川工学)は、予測を上回る降水時のダム操作の難しさを「ちょうど良く運用するのは神業」と表現。「現場の切迫感を、いかに早く住民に伝え、避難行動につなげてもらうかが大事」とし、非常時にどう動くのか日ごろから想定しておく重要性を訴える。
西日本豪雨/下 愛媛・西予肱川が氾濫 ダム放流、人災の声

想定していない局面は常に起こる可能性がある。
それに対処するのが人間の強みのはずだが、不完全AI「東ロボくん」ですら、一般的な人間を超えているのが実状である。
ダムはもちろん設計条件内ならば有効であるが、設計を超えた事態に対処する方法論は未確立ではないだろうか。

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2018年7月16日 (月)

水害はスーパー堤防の仕分けが原因か/技術論と文明論(98)

「平成30年7月豪雨」による水害を、民主党政権時が「スーパー堤防を事業仕分け」したからだ、という批判が流行しているらしい。
スーパー堤防のことを多少でも知っていたら起きるはずの主張である。
そもそもスーパー堤防とはどいうものか?

国交省が1980年代に整備を始め、首都圏、近畿圏の6河川で873キロ造る計画だったが、民主党政権の事業仕分けで「完成までに400年、12兆円かかり無駄」と批判され、「いったん廃止」となった。11年に5河川120キロに縮小された。このうち昨年度末までにできたのは、部分的完成を含めて12キロ。事業再開後の13年度に北小岩1丁目など2カ所が新たな着工区間に選ばれたが、その後、新規の着工はない。江戸川区内では江戸川、荒川の約20キロで計画があり、これまでに2カ所で計2.5キロできている。
朝日新聞掲載「キーワード」の解説

イメージ的には下図のようなものである。
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「400年かかる公共事業」の現場をみる

国交省が進めていた6河川とは以下の河川である。
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完了まで400年、総事業費12兆円とされたため、2010年10月の事業仕分けで「廃止」の判定がでた。
「百年河清を俟つ」という言葉も真っ青の400年である。

常に濁っている黄河の澄むのを待つ。あてのないことを空しく待つたとえ。(大辞林)

コスト・パフォーマンスから見て、仕分けされるべき事業だったと言える。
400年前といえば江戸時代初期であって、これから先400年を予測するのは不可能だからである。
日本の人口はこれから急速に減少していく。
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人口減少社会とこれから起こる変化

上図から予測すれば、400年後の日本列島の人口は1000万人以下である。
にもかかわらず、江戸川区は廃止判定後もスーパー堤防事業を強引に進めてる。
「まちづくり整備事業」(土地区画整理事業など)との一体施工を基本としており、対象区域の住民は、工事期間中ほかの場所で仮住まいをし、盛り土と宅地造成が終わってからスーパー堤防の上に新居を建てて戻るわけである。
稠密な土地利用の江戸川でさえ、コストに見合う効果があるか疑問符を付けられた。

今回、破堤した小田川は高梁川水系の支流であって、スーパー堤防の対象になり得ない河川であ。
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6カ所決壊、真備支流 岡山県が20年放置

つまり今回の西日本豪雨による決壊とスーパー堤防事業仕分けはまったく関係がないのである。
真備川の場合、治水計画が大幅に遅れていたことが原因と言った方が的確だろう。
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遅れてきた期間のほとんどが自民党政権であったことは言うまでもない。
治水事業費は、民主党への政権交代以前から進んでいたのである。Photo_5

民主党政権主犯説のようなデマが流行っているのは、情報を読む力の欠如であろうが、スーパー堤防という語感から、以下のような勘違いをしているらしい。
こんな堤防を期待しているとしたら、それも問題であろう。
この堤防が決壊したら、被害ははるかに大きくなるはずだ。
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2018年7月15日 (日)

「赤坂自民亭」の耐えられない軽さ/ABEXIT(73)

「赤坂自民亭」を巡る騒動は、現在の政権の姿を象徴するものであった。1807152_2
山口二郎・東京新聞7月15日

気象庁が警戒を呼び掛けている最中である。

 酒宴が批判されるのは当然だ。気象庁が昼2時、わざわざ「記録的な大雨となる恐れ」と警告を発したのに、「関係ねーよ」とドンチャン騒ぎをしていたのだから言い訳は通じない。すでにその頃、河川は増水し、土砂崩れが起きていた。
西村氏の謝罪が火に油 安倍自民“言い訳”に嘘発覚で大炎上

だいたい国会議員が内輪の酒宴の様子をSNSで拡散するセンスを疑う。
特に西村康稔官房副長官は、「獺祭-山口-安倍と賀茂鶴-広島-岸田のどっちだ?」「正に自由民主党」というはしゃぎようであり、「良いこと」をしたと思っていたはずであるる。
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2018年7月13日 (金) 「空白の66時間」が映し出す思考と志向/ABEXIT(73)

この認識というかセンスのギャップはどうしようもない。

 飲み会の様子を5日夜、ツイッターに写真付きで投稿し、批判を浴びている西村氏は12日の参院内閣委員会で、「大雨による災害発生時に会合をしていたかのような『誤解』を与え、多くの方が不愉快な思いをされた。反省している」と謝罪。10日にも同趣旨の反省の弁をツイッターに投稿したが、これが猛批判を招いている。西村氏のツイッターには、「なんだ、その開き直り」「誤解じゃなくて事実だったでしょ? 何を今更」「誤解って日本語の意味知ってますか」と批判が殺到している。
西村氏の謝罪が火に油 安倍自民“言い訳”に嘘発覚で大炎上

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日刊ゲンダイ7月13日

西村康稔という人物の履歴を、Wikipediaで見てみよう。

兵庫県明石市生まれ。実家は時計店で、父親はサラリーマン。神戸大学附属明石中学校、灘高等学校、東京大学法学部卒業。1985年、通商産業省入省。経済企画庁への出向や、石川県商工課長を経て、アメリカ合衆国メリーランド大学大学院で国際政治経済学を専攻し、1992年5月に修士号を取得した。1999年、通商産業省環境立地局調査官を最後に退官。
・・・・・・
2003年、第43回衆議院議員総選挙に再び無所属で兵庫9区から出馬し、前回敗れた宮本を下して初当選。無所属の新人議員5人で院内会派「グループ改革」を結成後、自民党に入党し、森派(当時)に入会。2005年の第44回衆議院議員総選挙では、新党日本公認の宮本、民主党公認の畠中光成を破り再選。
・・・・・・
2009年9月、自由民主党総裁選挙に町村派の一部議員から推される形で出馬(総裁選出馬に際し、町村派を退会した)したが、谷垣禎一に敗れた。

灘高→東大法→通産省という受験エリートである。
学力優秀だが、知性を感じられないタイプで、高橋洋一氏の同類と言えよう。
2018年7月13日 (金) 「空白の66時間」が映し出す思考と志向/ABEXIT(73)

もう一度「空白の66時間のタイムテーブル」を見てみよう。
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「赤坂自民亭」と浮かれているのも問題であるが、安倍首相が7月7日の11時49分に私邸に帰宅して後、翌朝まで災害対応の行動を取らなかったことはより本質的な問題である。
既に犠牲者が発生していたことが報じられているのである。
「政府として一丸となって、発災以来、全力で取り組んでまいりました」などという言葉がいかに虚しく響くか。
まったく「耐えられない軽さ」である。
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山口二郎・東京新聞7月15日

山体の崩壊と政治の崩壊に因果関係はないが、異常気象が環境政策と関連すると言えば、まったく無関係とは言えない。

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2018年7月14日 (土)

頻発する異常気象と遊水機能を考慮した治水対策/技術論と文明論(97)

平成史上最悪の水害となった今回の西日本豪雨は、「平成30年7月豪雨」と命名されたが、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、6~7日にかけて中国・四国地方周辺に大雨をもたらした雨雲を解析した三次元動画を公表した。
積乱雲が数珠つなぎに次から次へと生じる「バックビルディング現象」が各地で多発し、同じ場所に長時間、激しい雨を降らせていたことが確認された。

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 気象庁や国土交通省の気象レーダーの記録から解析した。南西から暖かく湿った空気が流れ込み、最大高度約7キロの積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が多発していた。さらに、積乱雲の成り立ちを詳しく見ると、積乱雲の風上に次の積乱雲が連鎖的に発生するバックビルディング現象がみられた。
 同研究所によると、積乱雲の寿命は30~60分程度だが、この現象が起きると、地上からは、あたかも一つの積乱雲が同じ場所に長くとどまり、激しい雨を降らし続けるように見えるという。2014年8月の広島土砂災害や、昨年7月の九州北部豪雨でもみられた。
 広島県では6日午後6時以降、局地的に1時間に100ミリ超の猛烈な雨が降り続いた。同研究所の清水慎吾・主任研究員は「広島県の上空で南風と西風がぶつかり合って生まれた強い上昇気流が、線状降水帯を長時間維持させた可能性がある」と分析する。
「バックビルディング現象」各地で多発が判明

バックビルディング現象によって猛烈な雨が長時間継続した。1807102_3
東京新聞7月10日

バックビルディング現象は、4年前の広島を襲った豪雨禍の時にも言われた。
2014年8月21日 (木) 豪雨禍の傾向と対策としての古人の知恵/日本の針路(30)

改めて解説を見てみよう。

激しい雨を降らせる積乱雲が連続して発生し線状に並びその規模が幅20〜50km、長さ50〜200kmになるものが線状降水帯と呼ばれています。
停滞性の線状降水帯は同じ場所で激しい雨が3時間を超えて降り続けることもあり、まさにその場所に居る人にとっては経験したことのない大雨となります。
停滞性の線状降水帯の発生要因のひとつにバックビルディング現象があります。次のような流れで線状降水帯を作り出します。
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最初に風の収束や地形効果などによって積乱雲が発生します。激しい雨を降らせながら上空の風に流されてゆっくりと移動して行きます。風上側のこの積乱雲が発生した場所で新たに積乱雲が発生し、またゆっくりと風下へ移動して行きます。この流れが繰り返され、発達した積乱雲が世代交代を繰り返しながら組織化されて線状降水帯を作り出します。積乱雲させる、水蒸気の供給や上昇気流を引き起こす要因の解消、積乱雲を移動させる上空の風の流れの変化がない限りこの状況が続きます。
集中豪雨をもたらす線状降水帯とは?

継続した豪雨により、小田川が高梁川に合流する地点で小田川がバックウォーターで水位が上昇し、破堤に至ったと理解される。

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 岡山県倉敷市真備まび町で被害が拡大した背景について、専門家は高梁たかはし川の増水で支流の水が流れにくくなる「バックウォーター現象」が、堤防の決壊を誘発したと指摘する。
 国土交通省によると、高梁川の支流・小田川などで少なくとも計3か所の堤防決壊が発生し、広範囲にわたる浸水の原因となった。
 現地調査した岡山大の前野詩朗教授(河川工学)によると、高梁川と小田川の合流点の下流は、川幅が狭く湾曲し、水が流れにくい「ボトルネック」になっている。今回の豪雨では、高梁川の水位が合流点付近で急激に上がり、傾斜が緩やかな小田川の水が流れにくくなって水位が上昇。高馬川など小田川の支流の水位も上がり、堤防が次々に決壊した。前野教授は「高梁川の水位上昇の影響がドミノのように支流に広がり、水位が高い状態が長時間続いた」と推測する。
「バックウォーター現象」で支流の水位急上昇か

記録的な豪雨であったことは確かであるが、異常気象が異常ではなくなりつつあるともいえるのではないか。
洪水防御の切り札のように言われてきたダムも、想定以上の降雨の場合には危険を増す可能性がある。
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東京新聞7月13日

想定以上の現象に対して危険を増すというのはハード的対策に共通である。
基本的には堤内の土地利用を含めた総合的な対策ということになるが、人口減少時代においては、かって行われていた霞提のような遊水機能を持たせる対策を考えることも必要だろう。

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2018年7月13日 (金)

「空白の66時間」が映し出す思考と志向/ABEXIT(73)

「空白の66時間」と言われる豪雨災害の初動の遅れに対し、さまざまな見方が登場し、それが見解を表明した人の「思考・志向」を映し出す鏡となっている。
「空白の66時間」とは、平成最悪の水害となった「平成30年7月」豪雨に対する政府の初動対応の遅れを指す。
2018年7月11日 (水) 豪雨被害を拡大した「空白の66時間」/ABEXIT(71)

例によって、財務省出身の嘉悦大学教授・高橋洋一氏は、政権擁護に必死であるが、言っていることは論旨不明と言わざるを得ない。

   豪雨被害は、平成では最大級である。そのため、安倍晋三首相は、欧州訪問をとりやめ、被災地を視察することとしている。
   その一方、立憲民主党など左派野党は、先週(2018年7月)5日夜に行われた安倍首相や自民党議員が衆院議員宿舎で開いた懇親会について、「赤坂自民亭」と批判している。
   筆者の感想をいえば、こうした政治利用はどちらの側からみても見苦しく、やめた方がいい。被災地の当事者の方が不快に思うならやめた方がいいが、被災地ではそれどころではなく必死に対応しているはずだ。こうした会合などを批判するのは、政治的に利用したい第三者である。
政治家と官僚の「仕事」は違う 「赤坂自民亭」騒動への違和感

「よくも言ったり!」である。
「左派野党」が「赤坂自民亭」と名付けて批判しているような印象であるが、「赤坂自民亭」は自分たちの命名である。
2018年7月 8日 (日) 緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)

高橋氏は次のようにも言っている。

政治家には会合はつきものである。もし会合なしの政治家がいるなら、民の声を聞かないという意味で政治家たる職務を果たしていないともいえる。  自民党や立憲民主党も、身内の会合を政治家が喜々としてSNSで発信することもいかがなものかという批判もあるだろうが、今やそうした時代である。
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被災地以外で妙な自粛ムードが広がると、経済的な「二次被害」になる可能性すらある。それは、自然災害を超えた「人災」にもなりうるので、よく注意したほうがいい。

何を言いたいのだろうか?
かつては大規模災害は「改元」の契機にすらなった。
「自粛ムード」が発生するのは当然であろうが、「政治家は率先してそのムードを打ち破れ」ということか?
それにしても「赤坂自民亭」が開催されたのは、気象庁が災害の発生についての警告を呼び掛けた直後のリアルタイムのことであり、自粛ムードと無関係であることは言うまでもない。
高橋氏は、ある部分の知能は高かったのだろうが、知性というものを感じられない。
AIに取って代わられるタイプの人だろう。

ごく簡単に経緯を振り返ってみよう。

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 気象庁は五日午後二時、緊急に臨時記者会見を開き「記録的な大雨となる恐れがある」と注意を呼び掛けた。豪雨警戒を理由に会見を開くのは過去に例がない。担当者は「かなりの危機感があった」と振り返る。五日午前中には近畿三府県で十六万人超に避難指示・勧告が出ていた。
 宴会はその夜に開かれた。「赤坂自民亭」と銘打った宴会には安倍晋三首相や小野寺五典防衛相、西村康稔官房副長官ら官邸の危機管理を担う人物が出席。上川陽子法相、広島県選出で自民党の岸田文雄政調会長も参加し、談笑して、酒を酌み交わす姿を西村氏らがその日の夜にツイッターに投稿した。
豪雨対応「万全」だったか 野党は政権批判

安倍首相自身はどう「反省」しているか?

昨日(11日)、甚大な被害を受けた岡山県を訪問。そこで初動対応が遅れたという指摘が出ていることについて記者から質問された安倍首相は、こう言い放ったのだ。
「政府として一丸となって、発災以来、全力で取り組んでまいりました」
「発災以来、政府一丸」とは、一体どこの国の話だろう。「全力で取り組んだ」と言えるのは、迅速に災害に対応するための非常災害対策本部を設置してこそのこと。だが、安倍首相が同本部を立ち上げたのは8日の8時の話であって「発災以来、政府一丸」というのは完全な嘘だ。
 しかも、何度でも繰り返すが、気象庁が「厳重な警戒が必要」と異例の緊急会見を開いたのは5日14時のこと。同日、避難勧告が数十万人に及ぶなかで、安倍首相は総裁選対策で「赤坂自民亭」なる内輪の宴会に参加した。しかも、この宴会後、エプロン姿の自民党・石田真敏議員と左藤章議員はテレビの取材に対し、「みんなと写真撮ったりね、いろいろ人も変わってワイワイ声も聞こえないくらい」と赤ら顔で答え、こうダメ押ししている。
「酒飲んで、ワァーっというだけです」
 安倍首相と仲良く写真を撮って「酒飲んでワァー」というだけの宴会……。「一丸となって全力で取り組んで」いたのは、実際のところ、自民党の子飼い議員たちとの酒盛りではないか。
安倍首相が豪雨災害66時間放置をなかったことに!和田政宗は朝日のただの被災地支援検証を「政権攻撃」と封殺

そして、首相側近の西村康稔官房副長官は、「赤坂自民亭」の様子を、グラスを持った笑顔の集合写真とともに「和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!」とツイッターに投稿していた張本人である。
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西村氏は、集合写真を自身のツイッターに投稿したことについて、「多くの方々に不快な思いをさせてしまい、おわびを申し上げたい。反省もしている」と陳謝した。

西村氏は東京・赤坂の衆院議員宿舎で開かれた「赤坂自民亭」に出席。首相のほか岸田文雄・党政調会長らが顔をそろえた。西村氏は懇親会終了後の午後10時ごろ、グラスを持った笑顔の集合写真とともに「和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!」とツイッターに投稿した。
 西村氏は11日、BS11の番組で陳謝する一方、懇親会が開かれていた時点で「大雨特別警報」は出ていなかったことを念頭に、「大雨被害が出ている最中に会合をやっているかのような誤解を与えた」とも述べた。

誰も「大雨被害が出ている最中に会合をやっている」などと言ってはいない。
5日夜は、東日本から西日本の広い範囲で記録的な大雨になる恐れがあると気象庁が発表していたのにかかわらず、と批判しているのである。
不正確な表現で「誤解を与えた」というのは、稚拙なすり替えである。
まったく姑息としか言いようのない男であるが、誰に対して陳謝したのだろうか?

和田政宗氏は、例の如くの朝日批判である。

自民党を代表するネトウヨのひとりである和田政宗議員は、世間からの批判をかわそうと、矛先を報道に向けはじめたのだ。
 和田議員がもち出したのは、今朝の朝日新聞。それは「国のプッシュ型支援、被災直後は歓迎でも ミスマッチも」と題されたもので、安倍首相が力を入れている「プッシュ型支援」の問題点を指摘した記事だ。
「プッシュ型支援」は、〈国が被災府県からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送〉(内閣府HPより)するものだが、記事では〈プッシュ型は被災直後の混乱期を乗り切るための措置〉であり、〈過剰に届いたりミスマッチが生じたりし、早い段階で被災地の求めに応じて物資を届ける「プル型支援」に切り替える必要がある〉と指摘。実際、愛媛県大洲市では、プッシュ型支援で届けられた仮設トイレが「管理方法が決まらず使っていない」状態にあるという。
安倍首相が豪雨災害66時間放置をなかったことに!和田政宗は朝日のただの被災地支援検証を「政権攻撃」と封殺

小野寺防衛相はどうか。
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もう一度「赤坂自民亭」の様子を晒しておこう。180710_2
日刊ゲンダイ7月10日

次のツイートの写真が、はしゃぐ西村官房副長官、片山さつき議員そして安倍首相らの発言をまとめている。
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これが、政府・自民党の姿なのだ。
2018年7月12日 (木) 失態を直視せず誤魔化そうとする政権/ABEXIT(72)
2018年7月10日 (火) 西日本豪雨禍と不誠実な政治屋たち/ABEXIT(70)

口先だけの災害対策は百害あるのみである。Photo_2

誰が考えても、宴会などやっている場合でないことじゃ明らかであろう。

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2018年7月12日 (木)

失態を直視せず誤魔化そうとする政権/ABEXIT(72)

「平成30年7月豪雨」災害が激甚になったのは、記録破りの豪雨であったことに加え、安倍政権の対応の拙劣さにあったことは否めない。
2018年7月11日 (水) 豪雨被害を拡大した「空白の66時間」/ABEXIT(71)

しかし、「安倍政権は災害対応が66時間遅れたというのはデマだ」という説が流れている。
「2日の13時には内閣府は情報連絡室を設置していた」というのである。

「内閣府連絡情報室は、内閣府防災業務計画(http://www.bousai.go.jp/taisaku/keikaku/pdf/260618_cao_operation_plan.pdf)によれば、一定の気象状況が予測される場合、事務的に設置するのが『情報連絡室』です。設置責任者は、政策統括官(防災担当)付参事官(災害緊急事態対処担当)となっています。政策統括官は局長級、参事官は課長級です。これは閣僚の意志とは無関係に、自動的に設置されるものです。また、総理大臣官邸(内閣官房)の連絡室とは別物です。内閣府防災担当は、旧国土庁の組織で、官邸の対応とは言えません。それに、関係省庁災害警戒会議についても、国土交通省とか、総務省消防庁で対応しているからといって、官邸が主導して対応しているとは言えないですよね。それと同じです」
 つまり、内閣府情報連絡室の設置をもってして「政府はきちんと対応していた」というロジックが成立するならば、モリカケ問題で安倍政権があたかも「官僚の暴走」のように他人事を決め込んでいるのも無理筋だということになる。
「ちなみに、官邸の連絡室も、一定の災害の場合に、自動設置されるはずです。非常災害対策本部や総理を本部長とする災害対策本部の設置は、閣僚の了解が必要ですが、官邸連絡室の設置には、閣僚の意思は不要のはずです。閣僚が主導した対応は、8日の『非常災害対策本部』の設置からと考えるのが妥当です。なぜならば、非常災害対策本部とは、防災担当大臣の主導で、各省の幹部たちがタテ割りを超えて動く『装置』だからです」
 つまり、これらの連絡室設置=官邸が主導して対応というのは早計で、やはり官邸の対応は最大限譲歩したとしても官邸連絡室の設置である6日13時58分、きちんと縦割りを超えて動ける体制ができたのは非常災害対策本部設置は8日なのだから、やはり「遅い」ことには間違いないのだ。
 もし、各省庁や官邸主導ではなく、制度的に進んだ行政府の動きをもってして「安倍首相は対応していた」というならば、現政権が「官僚が勝手にやった不手際」としている文書改ざん問題などについても、「安倍首相は責任を取るべきだ」と主張するのが筋だろう。
「安倍政権は災害対応が66時間遅れたというのはデマ。2日からちゃんと対応していた」は本当か?

何でこんな無理をしてまで、政権を擁護しようというのだろうか?
安倍首相の初動対応を積極的に批判しているメディアは少数である。
TVはもともと期待できないにしても、新聞でも西日本新聞、中日(東京)新聞、静岡新聞等のブロック紙もしくは地方紙が中心のようである。
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東京新聞7月11日

野党6党派は昨日、菅義偉官房長官に政府は豪雨災害対応に最優先で取り組むよう申し入れをおこない、安倍首相や石井国交相といった担当大臣が最優先で災害対応に当たることを求めた。
だが、安倍政権は内閣委員会の開催を強行し、災害対応の先頭に立つべき石井啓一国土交通相を、なんと6時間も委員会に張り付かせるた。
なんのためか?
カジノ法の審議のためという信じがたい理由である。
安倍政権はこの非常事態に「災害対応よりもカジノ審議」を優先させたのである。

「赤坂自民亭」に安倍首相と一緒に参加した西村康稔・内閣官房副長官が、宴会の模様を嬉々として投稿し、批判が高まると、被害状況や自衛隊の態勢にかんするデマを垂れ流したことを伝えたが(参照http://lite-ra.com/2018/07/post-4115.html)、この西村官房副長官が昨晩、『深層NEWS』(BS日テレ)に生出演。大雨特別警報が出ていながら犠牲者が多く出たことについて、西村官房副長官はこう主張したというのだ。
「それぞれの自治体が政府の呼びかけに対し、どう反応したか検証していくことが大事だ」
……
政府の呼びかけ、だと? 気象庁が大雨では異例の緊急会見を開いて「記録的な大雨となる恐れ」「厳重な警戒が必要」と警告したのは、5日の14時だ。なのに、その夜に何事も起きてないかのように宴会を開き、いまにも氾濫しそうな河川の状況に不安で怯える人びとがいることも無視したのは、安倍首相や西村官房副長官をはじめ、自民党の面々ではないか。
 いや、そればかりか、西村官房副長官は宴会後、言い訳するかのように〈地元明石淡路の雨は、山を越えた〉などと、現実とはかけ離れたデマまがいのツイートまでしていた。政府高官が公式アカウントで、警戒感を削ぐようなアナウンスをおこなっていたのである。
……
 だいたい、西村官房副長官は「大雨特別警報」の発令を「政府の呼びかけ」にすり替えているが、本来、政府が災害時におこなうべき「呼びかけ」とは、第一に、安倍首相がカメラの前で強い警戒を求め、勧告が出ている地域の住民に対してただちに避難を促すこと、そして菅官房長官が随時、把握している状況を伝えることだ。
 しかし、今回の安倍首相の対応はどうだったか。6日午後には福岡県、佐賀県、長崎県、広島県、岡山県、鳥取県、京都府、兵庫県に大雨特別警報が出され、気象庁も「重大な危険が差し迫った異常事態」と警戒を呼びかける異例の会見をおこなったが、安倍首相は会見を開くこともなかった。その上、菅官房長官の午後の定例記者会見では、注意喚起をすることもなかったばかりか、被害が出ているなかで宴会を開いて複数の参加議員がSNSに写真を投稿していた問題を問われると、「大雨は官邸でも対応している」「大きなやるべきことをしっかりやっていれば問題ない」などと答えた。
安倍首相の豪雨被災地ないがしろは続いている! 災害対応よりカジノ優先、宴会参加の官房副長官は自治体に責任転嫁

気象庁の緊急会見から約66時間、大雨特別警報の発令から約38時間、安倍首相は「緊急事態」であることを示さなかったのである。
西村官房副長官が「自治体が政府の呼びかけに対し、どう反応したか」などと言うのはとんだお門違いである。
「どのような非難も受ける。正直言って、これだけすごい災害になるという予想は私自身はしていなかった」と述べた竹下総務会長の方が率直だと言うべきであろう。
2018年7月10日 (火) 西日本豪雨禍と不誠実な政治屋たち/ABEXIT(70)

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2018年7月11日 (水)

豪雨被害を拡大した「空白の66時間」/ABEXIT(71)

「平成30年7月豪雨」と命名された今回の西日本豪雨の被害が広がっている。
その大きな要因が初動の遅れであることは疑い得ない。
近年の大規模災害と比べて政府の初動が著しく遅いのである。66_2
【平成30年7月豪雨】政府の「空白の66時間」を視覚化

他の政党に比べ、政府・自民党の感覚は際立って鈍い。2

そのため初動の遅さを表す「空白の66時間」という言葉が生まれている。
具体的なタイムテーブルで示されている。66

【平成30年7月豪雨】政府の「空白の66時間」を視覚化

タイムテーブルに記されてもいるように、気象庁が異例の記者会見を開いて警戒を呼び掛けている最中、安倍首相をはじめとして政権幹部が参加して、「赤坂自民亭」と称する議員会館で自民党国会議員が「和気あいあい」と宴会を開いていた。
それをSNSで拡散してくれた。
2018年7月 8日 (日) 緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)
2018年7月10日 (火) 西日本豪雨禍と不誠実な政治屋たち/ABEXIT(70)

つまりこういうことだ。
66_3

さすがに自民党の中からも疑問視する声が上がっている。

 自民党の森山裕国会対策委員長は10日の記者会見で、記録的な大雨になる恐れがあると気象庁が発表した5日の夜、安倍晋三首相らが自民党議員の懇親会に出席したことについて「大雨や災害が予測される時は、できるだけ、そのようなことは慎んだ方がいい」と苦言を呈した。
 衆院議員宿舎で開かれた懇親会「赤坂自民亭」は、首相のほか、岸田文雄政調会長、竹下亘総務会長、小野寺五典防衛相らが出席。森山氏は出席していなかった。
 西村康稔官房副長官が5日夜、グラス片手に笑顔の集合写真を添え、「和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!」とツイッターに投稿すると、ネット上で「この非常時に懇親会!」「中止に出来なかったのか?」と批判が広がった。
豪雨前の赤坂自民亭「慎んだ方がよかった」自民・森山氏

「慎んだ方がよかった」というレベルではない。
西村康稔官房副長官は安倍首相の最側近として知られ、なおかつ防災担当である。

被害拡大が懸念されていた5日の夜、西村官房副長官は安倍首相に迅速な対応を進言するでもなく、一緒に「赤坂自民亭」に参加。そして、安倍首相と岸田文雄・自民党政調会長の、あきらかに酒が入って陽気な様子のツーショットや、安倍首相を中心に参加者が乾杯ポーズで写った集合写真とともに、こんなツイートを投稿した。
〈参加した多くの議員は「(安倍総理が差し入れた)獺祭と(岸田政調会長が差し入れた)賀茂鶴とどっちを飲むんだ??」と聞かれ、一瞬戸惑いながらも、結局両方飲んでました。そして、お二人と写真を撮っていました笑笑 いいなあ自民党。〉
〈今日は、安倍総理、岸田政調会長、竹下総務会長が勢揃い。和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!まさに自由民主党党。〉(原文ママ)
・・・・・・
この宴会写真と被災者の不安を無視した投稿には非難が殺到したためか、同日23時45分には〈地元秘書から、地元明石淡路の雨は、山を越えたとの報告を受けました。秘書、秘書官と随時連絡を取り合いながらの会でした〉とツイートしたのだ。
 官房副長官ともあろう者が、自分の選挙区のある地域にしか目を向けていないことを露呈させるとは、これだけでも酷い話だが、その明石市や淡路島にしても〈山を越えた〉というようなことはなく、その後、6~7日にかけて避難勧告が出され、淡路市にいたっては本日21時16分まで大雨、雷注意報が出されていた。つまり、自分が飲み会で浮かれていたのを打ち消すために、災害を矮小化するデマを流したのである。
 さらに、西村官房副長官は7日の関係閣僚会議において安倍首相が発言している写真と合わせて、〈これまでに経験したことのない記録的な雨量〉と投稿。未曾有の雨量だと認めているのに、この時点で非常災害対策本部がいまだ設置されていないのはどう考えてもおかしいのだが、西村官房副長官がそうした安倍首相の失策を指摘するはずもなく、ただ写真だけで「やっている感」を演出しようとしたのだ。
 しかも、問題はこのあと。西村官房副長官は、投稿文をこう締めくくっているのである。
〈現在、京都、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡の各府県で自衛隊員約21,000名が人命救助など活動中。〉
 じつは、これもデマだった。実際、自衛隊の救助態勢について、8日の毎日新聞の朝刊は以下のように伝えている。
〈防衛省によると同日(注・7日)夕現在、京都、高知、福岡、広島、愛媛、岡山、山口の7府県からの災害派遣要請を受け、自衛隊は約600人態勢で、土砂崩れ現場での救助、孤立地域からの輸送、洪水対策などにあたっている。西日本の陸上自衛隊を中心に約2万1000人が救助要請などに即応できるよう待機している〉
 ようするに、実際に7日時点で救助などの活動に当たっていた自衛隊員は約600人に過ぎず、2万1000人は「待機」していただけだったのだ。それを西村官房副長官は、「約21,000名が人命救助など活動中」だとデマを喧伝したのである。
安倍首相の豪雨対策そっちのけ自民飲み会参加に非難轟々! 一緒に大はしゃぎの安倍側近は言い訳のためデマ拡散

さすがに安倍首相が見込んだ男である。
ウソ・出まかせの連発である。
安倍政権の大失態というコメントが使われているが、本質の露呈と考えるべきであろう。

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2018年7月10日 (火)

西日本豪雨禍と不誠実な政治屋たち/ABEXIT(70)

西日本を襲った豪雨の被害は平成史上最悪となった。
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東京新聞7月10日

この非常時に、議員宿舎で「赤坂自民亭」と称して酒盛りをしていた自民党議員がいたことは忘れるべきではないだろう。2_2

「楽しい!」とはしゃぎ、わざわざツイッターで宴会の様子を拡散した片山さつき議員が皮肉られるのは当然であろう。
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2018年7月 8日 (日) 緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)

もちろん今回の豪雨は広がり、強さ等において記録的なものであることは確かである。
自民党の竹下亘総務会長は9日午後の記者会見で、自身も宴会に参加していたことについて、「どのような非難も受ける。正直言って、これだけすごい災害になるという予想は私自身はしていなかった」と述べた。
正直と言えば正直であるが、気象庁から最大級の警告が出ていたのである。Photo_4

要するに「軽い」のである。
ものごとをを考える習慣のない人たちが調子に乗って宴会をやっていたということである。
これでは気象庁がいくら警鐘を鳴らしても、ムダということになる。1807082
東京新聞7月8日

Jアラートを利用して北朝鮮のミサイル危機を煽ってきたので、警報を軽視してしまったのではないか。
参加者の中には上川法相もいたが、翌日の7人の死刑執行はいつ決まったのか?
命令書にサインをしていたはずであり、慄然とする。
安倍政権の酷薄さを見る思いがする。

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2018年7月 9日 (月)

モリカケ症候群・東京医科大のブランディング/ABEXIT(69)

公的な権限を私物化する「モリカケ症候群」が蔓延している。
文部科学省科学技術・学術政策局長だった佐野太氏が受託収賄容疑で逮捕された。
現職の本省局長が逮捕されるのは異例のことで、財務省と扱いが異なるような気もするが、容疑の内容は以下のようである。

佐野容疑者は1985年に旧科学技術庁に入庁。2005年に高等教育局私学部参事官、2012年に官房総務課長、2014年に官房審議官、2016年に官房長を務め、2017年に科学技術・学術政策局長に就任した。いわば私学行政のプロでもある。
そもそも「私立大学研究ブランディング事業」の選定は納谷廣美(公財)大学基準協会特別顧問を委員長とする同事業委員会が行うが、それは事実上の具申にすぎず、実際に最終的な裁可を下すのは旧文部系の文科省高等教育局長になる。
旧科技系の佐野容疑者はこのラインにはなく、直接の決裁権を持っているわけではなかったが、東京地検特捜部はその経歴から佐野容疑者が私立大学関連の監督行政などに通じていたと判断し、収賄罪成立に必要な「職務権限」内と見なしたようだ。
文科省エリート局長「受託収賄事件」の不可解

東京医大側で関与していたと言われる臼井正彦理事長と鈴木衛学長は共に辞職した。
大学の2トップである。

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「理事長は『オレに任せとけ』という親分肌の人」。臼井氏を、ある大学関係者はそう明かす。「よく言えば決断力はあるが、周りの声を聞かずに何でも自分で決める。ワンマン体質だ」と批判する。一方、学長の鈴木氏については「穏やかな印象。その分、学内での存在感は薄かった。そんな不正をするとは思えない」と驚いた様子。
東京医科大「ワンマン」学内から批判も

こういう関係は「あるある」の一種だろう。
臼井理事長は資金集めに長けていたようだ。

東京医科大学はここ最近は科研費の獲得に意欲的に取り組んでいた。
たとえば2013年度には140件だった科研費の採択件数(新規・継続)は2016年度は191件となり、2017年度には213件まで急伸した。科研費の金額も2013年度は2億6052万円だったが、2017年度には4億6436万円と急増している。
中でも「学長のリーダーシップの下、優先課題として全学的な独自性を大きく打ち出す研究に取り組む私立大学に対し、施設費・装置費・設備費と経常費を一体的に支援」する「私立大学研究ブランディング事業」については、東京医科大学は非常に重要なことと位置づけていたに違いない。
もっとも2016年度は申請校数が198校で、選定されたのは40校のみ。非常に厳しい競争率の中で、東京医科大学は落選した。一方で新設された獣医学部が問題になっている加計学園は、岡山理科大学と千葉科学大学で選定されている。
岡山理科大学は「恐竜研究の国際的な拠点形成」として、また同学園の千葉科学大学は「『大学発ブランド水産種』の生産」研究で選定されており、初年度の交付金額はそれぞれ4221万円と3752万円にも上る。
金額は単年度ごとに見直されるものの給付は5年間続き、合計で1億5000万円支給される。7月5日夕方に国会内で行われた本件に関する野党ヒアリングで文科省の職員の口から加計学園の名前と交付された金額が出ると、出席していた野党議員から軽いどよめきが起こった。
文科省エリート局長「受託収賄事件」の不可解

事件の背景や全容は徐々に明らかにされていくであろうが、モリカケ症候群蔓延に第一に責を負っているのは安倍首相に他ならない。
「膿を出し切るために」どうすべきか、誰が考えても明らかである。

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2018年7月 8日 (日)

緊急事態にもかかわらず「赤坂自民亭」で大宴会/ABEXIT(68)

停滞する梅雨前線の影響による記録的な大雨は7日も、西日本を中心に降り続いた。
各地で河川の氾濫や土砂崩れなどの被害が拡大し、救助活動が続いている。
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東京新聞7月8日

被害の全貌は未だ把握できていないし、今後の降り方も予断を許さない。
まさに緊急事態である。

という状況にもかかわらず、安倍首相は自民党国会議員が懇親を深めるため衆院赤坂宿舎(東京都港区)で定期的に催している飲み会「赤坂自民亭」に参加した。
9月の党総裁選を意識した動きとみられるが、終了後、首相は「和気あいあいで良かった」と記者団に語った。
5日夜のことであるが、5日には記録的大雨になることが警告されていた。

片山さつぎ議員のはしゃぎようはどうか。
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オウム死刑囚の7人同時に死刑執行という異例の判断も合意されていたはずである。
「楽しい!」とか「和気あいあい」とか、品性も知性も想像力もそして志も感じられない集団ではないか。

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