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2017年5月27日 (土)

加計疑惑(6)国家戦略特区というスキーム/アベノポリシーの危うさ(217)

加計学園の獣医学部新設問題は、巧妙に仕組まれたスキームによって行われてきた。
それが問題か否かを判断するためには、曖昧になっている事柄をはっきりさせなければならない。
衝撃的な会見を行った前川氏の証人喚問について、当の前川氏および野党4党が積極的なのに、自民党は拒否するという。
政府・自民党は何を隠したいのか?

まず、国家戦略特区における学部新設の流れは下図のようである。
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東京新聞5月26日

つまり、学部新設の認可について、首相が全面的に関係しているわけである。
諮問会議の議長は首相であるし、諮問会議の判断を受けて認定するのも首相である。
共産党の小池晃書記局長は22日の参院決算委員会で、政府が作成したとみられる資料を入手したことを明らかにした。
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「加計ありき」共産が新資料=獣医学部新設めぐり

資料には、愛媛県今治市での同学園の学部新設について、昨年10月から、来年4月の開学予定に至る政府内の大まかな段取りが記載されている。
赤字で「教員確保や施設設備の準備が間に合わない可能性」などと文科省の懸念とみられる意見が添えられていた。
無理やり加計学園に絞り込み、不安を感じていた文科省を押し切ったように思える。
もし、そうではないと言うなら、堂々と関係者に証言させれば良いではないだろうか。

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2017年5月26日 (金)

加計疑惑(5)文書の存在確認/アベノポリシーの危うさ(216)

加計学園が今治市に獣医学部を新設しようとする件は、違法性がないという声がある。
違法性がないとして、それならば何の問題もないのだろうか?
もし、前川氏の言うように、公平であるべき判断が、政治的圧力で偏ったならば、やはり問題にすべきであろう。

経緯は以下のようである。
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「週刊文春」6月1日号

問題の焦点は、16年9月~10月に作成されたとされる文科省の「総理の意向」などと記された文書の有無である。
A 菅官房長官は、出所のはっきりしない怪文書としている。
B 松野文科相は、省内を調査したが「確認できなかった」とし、再調査するつもりはない、としている。
C 前川前事務次官は、自分も共有していたので、文書は「存在する」と言っている。

これらは両立するかも知れないが、現時点では矛盾しているように見える。
文書の内容は別として、当該文書が「有るか無いか」は事実認定の問題である。
前川前次官は、「証人喚問があれば参ります」と明言している。
これに対し、自民党の竹下亘国対委員長と民進党の山井和則国対委員長が26日午前、国会内で会談した。
山井氏は民進、共産、自由、社民の野党4党の総意として、前川氏の証人喚問を要求したが、竹下氏は「必要ない。政治の本質に何の関係もない」などと拒否する考えを伝えた。

自民党の拒否の理由が分からない。
当該文書が存在したか、存在したことがないのか。
事実解明に消極的なのは、やはり隠したいのだろうと推測するのが自然だろう。

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2017年5月25日 (木)

加計疑惑(4)衝撃の前川前文科事務次官会見/アベノポリシーの危うさ(215)

加計学園の獣医学部新設をめぐって「総理の意向」などと記された文書について、前川前文部科学事務次官が、25日午後に記者会見を行った。

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文科省において、8枚の文書について、本物であるかどうか、真正なものかどうかについて、存在するかどうかということについて、文科省の中で調査が行われたと聞いているが、その結果、これらの文書については確認できなかったという結論になったと聞いている。これにつき、私は大変残念な思いを抱いた。これらの文書については、私が実際に在職中に共有していた文書である。これは確実に存在していた。そのことについてまずは申し上げたい。(文書は)見つけるつもりがあれば、すぐ見つかると思う。複雑な調査方法を用いる必要はない。
前川前文科次官が会見「行政歪められた」

前川氏は、「こういう発言を私がすることによって、非常に文科省の中にも混乱が生じるであろうと思う。文科省としては調査をしたが確認できなかったと言っているわけだから、その点については大変申し訳ないと思うが、しかし、あったものをなかったことにはできないということで申し上げたいと思っている」とした上で、判断すべき責任がある内閣府は、そこの判断を十分根拠のある形でしていないと思うと述べた。
また、将来の獣医学部で養成すべき人材について、その人材需要の見通しを明確に示すべき農水省、厚労省については、人材需要の見通しを示していないという認識を示した。

文書の存在について「怪文書みたいな文書じゃないか。出どころも明確になっていない」と切り捨てた菅官房長官は、「内閣府と文科省に確認したところ、『総理のご意向』はなかったと報告を受けている」と25日午前の会見でも従来の見解を繰り返した。
明らかに、菅氏と前川氏の認識は両立しない。

前川氏について、読売新聞が全国紙としては異例の個人的なスキャンダルを報じている。
官邸のリークによるものという見方が広がっているが、なりふり構っていられないということだろう。
読売新聞は官邸と「ズブズブの関係」と言っていいだろう。
⇒2017年5月14日 (日):アホな内閣(13)読売新聞を熟読せよ、だと/アベノポリシーの危うさ(207)

官邸は、すでに錯乱狂気に陥っているようだ。
⇒2017年5月17日 (水):加計疑惑(3)総理の意向という文科省文書/アベノポリシーの危うさ(209)
⇒2017年5月24日 (水):「朝日は言論テロ」の投稿に首相がいいね/アベノポリシーの危うさ(215)

前川氏は、 「証人喚問があれば参ります」と明言している。
森友問題では、籠池前理事長「だけ」が証人喚問されている。
両事件に係わっている安倍昭恵夫人は、Facebookなどでお茶を濁さず、自ら申し出てでも、証言すべきだろう。
安倍首相は自らの発言にけじめをつけるべきだろう。

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2017年5月24日 (水)

「朝日は言論テロ」の投稿に首相がいいね/アベノポリシーの危うさ(215)

この国はどうなっているのだろう?
テロ対策を口実に共謀罪法案の成立をもくろむ政権のトップが、「朝日新聞の報道は言論テロ」との趣旨のフェイスブック(FB)投稿に、「いいね!」と同意するとは。

投稿は以下のようなものだ。

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〈言論テロといっていいんじゃないか。およそ「報道」ではないし、狂ってる〉
 川崎市在住の40代男性が、自身のFBにそう書き込んだのは19日午前3時すぎ。きっかけは、マンガ家の須賀原洋行氏のツイートだ。〈朝日新聞の姿勢は気味が悪いの一言に尽きる〉などと、加計学園問題を巡る「総理のご意向」文書の記事への批判投稿をリンクし、自分のコメントを重ねたものだ。
 市井の人々が朝日の報道姿勢をどう思おうと勝手だが、一国の総理が数ある投稿から、自分を窮地に追い込む言論機関への批判投稿を見つけだし、「いいね!」と賛同するのは異常だ。しかも、この日は衆院法務委で共謀罪法案の採決を強行した当日。安倍首相本人がスマホ片手に「いいね!」を押して拡散したのなら、その光景を想像するだに不気味である。〈言論テロといっていいんじゃないか。およそ「報道」ではないし、狂ってる〉
朝日は言論テロ FB投稿に首相が「いいね!」のおぞましさ

上記の映像にはモザイクがかかっているが、以下の解説がある。

安倍首相が「いいね!」したのは、5月19日に劇作家・今井一隆氏が投稿した文章だ。加計学園の獣医学部新設をめぐる朝日新聞の報道について、漫画家の須賀原洋行氏が批判したことを紹介。その上で今井氏は、「言論テロといっていいんじゃないか。およそ『報道』ではないし、狂ってる」とコメントした。これに、安倍首相が「いいね!」をしていた。
「朝日新聞は言論テロ」Facebookの投稿に安倍首相が『いいね!』

共謀罪の恣意的運用が懸念されているタイミングで、首相がその懸念を実行して見せるとは!
朝日新聞(というよりも、リベラル勢力と)折り合いが悪いのは承知しているが、いやしくも国権の最高の位置にいる人間だ。
やっていいこと悪いことの区別もつかないのだろうか。
この人は、結局、何にも理解していないと思わざるを得ない。

当の須賀原氏は「朝日=言論テロ」を否定している。
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少なくともリーダーを自認するのならば、これくらいのことは言って欲しい。
かくなる上は、加計・森友で退陣に追い込むしかない。
でなければ、後世の人間に申し訳が立たない。

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2017年5月23日 (火)

共謀罪に対する国際批判/アベノポリシーの危うさ(214)

犯罪を計画段階から処罰する「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正案が23日、衆院本会議で自民、公明、日本維新の会などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。
しかし、国連特別報告者で「プライバシー権」担当のジョセフ・ケナタッチ(カナタチ)氏(マルタ大教授)が「プライバシーや表現の自由を制約する恐れがある」などと懸念を表明する書簡を安倍晋三首相宛てに送ったことをどう受け止めるか。

 内容については、①法案の「計画」や「準備行為」が抽象的で恣意(しい)的な適用のおそれがある②対象となる犯罪が幅広く、テロや組織犯罪と無関係のものを含んでいる――などと指摘し、「どんな行為が処罰の対象となるのか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題がある」。「共謀罪を立証するためには監視を強めることが必要となるが、プライバシーを守るための適切な仕組みを設けることが想定されていない」などと懸念を示した。
 「共謀罪NO!実行委員会」が19日開いた記者会見で同会の海渡雄一弁護士は、カナタチ特別報告者の書簡に触れて、「国連で採択された国際組織犯罪防止条約を批准するために必要とされた法案なのに、同じ国連から懸念を示されている」と法案が抱える矛盾点を指摘した。
「共謀罪」法案、国連特別報告者が懸念 首相に書簡送る

これに対し、菅義偉官房長官は、「不適切なものであり、強く抗議を行っている」とした。

菅官房長官は「特別報告者という立場は独立した個人の資格で人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場を反映するものではない」と強調。「プライバシーの権利や表現の自由などを不当に制約する恣意的運用がなされるということはまったく当たらない」との見方を示した。
「共謀罪」法案への国連報告者書簡は不適切、強く抗議=菅官房長官

これに対し、ジョセフ・ケナタッチ氏は22日、日本政府の対応を「中身のないただの怒り」と批判し、プライバシーが侵害される恐れに配慮した措置を整える必要性をあらためて強調した。

Photo ケナタッチ氏によると、「強い抗議」は十九日午後、国連人権高等弁務官事務所を訪れた在ジュネーブ日本政府代表部の職員が申し入れ、その後、約一ページ余りの文書を受け取った。しかし、内容は本質的な反論になっておらず「プライバシーや他の欠陥など、私が多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」と指摘した。
 抗議文で日本側が、国際組織犯罪防止条約の締結に法案が必要だと述べた点について、ケナタッチ氏は「プライバシーを守る適当な措置を取らないまま、法案を通過させる説明にはならない」と強く批判。法学者であるケナタッチ氏自身、日本のプライバシー権の性質や歴史について三十年にわたって研究を続けてきたとし、「日本政府はいったん立ち止まって熟考し、必要な保護措置を導入することで、世界に名だたる民主主義国家として行動する時だ」と訴えた。
「共謀罪」書簡の国連特別報告者 日本政府の抗議に反論

菅官房長官の傲慢な発言は、戦前の国連脱退の歴史を思わせる。

国際連盟創立以来の原加盟,常任理事国として重きを占めてきた日本は,満州事変を契機にその地位が一転し,事件が中国によって連盟に提訴された結果,列国から,問責非難される立場に立たされた。国際連盟からはリットン調査団が派遣され,32年9月 22日その報告書が連盟事務局に付託された。同報告書は日本の主張を否認するもので日本はこれに反対したが,連盟総会は 33年2月 24日 42対1 (日本) ,棄権1 (タイ) で同報告書を採択した。これに対して,松岡洋右全権以下の日本代表団は総会から退場し,次いで同年3月 27日日本国政府は連盟事務局に脱退の通告を行うとともに,同日脱退の声明を発表した。以後日本の外交は国際社会から孤立し,ドイツイタリアとの枢軸結成へと直進していくことになった。
国際連盟脱退

暗い歴史を繰り返すのか?
しかし2度目は喜劇であることを忘れてはなるまい。
⇒2011年2月26日 (土):歴史としての「二・二六」

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2017年5月22日 (月)

谷川俊太郎『大岡信を送る』/私撰アンソロジー(47)

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戦後の詩壇を牽引してきた大岡信さんが4月5日に亡くなった。
⇒2017年4月 7日 (金):ことばの魔術師・大岡信/追悼(102)
⇒2017年4月16日 (日):大岡信『春のために』/私撰アンソロジー(45)

JR三島駅の近くに「大岡信ことば館」がある。
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東京新聞5月11日

この「ことば館」で盟友ともいうべき谷川俊太郎さんの朗読とDiVaの演奏会が開かれた。
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DiVaというのは、谷川さんの子息・賢作さんを中心とする音楽グループである。
賢作さんは、もちろん子供の時から大岡さんと面識があり、アットホームな会であった。
掲出の詩は、「ことば館」の壁にレリーフになっている。
朝日新聞に4月11日に発表されたものである。

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2017年5月21日 (日)

アホな内閣(15)恣意的な閣議決定の乱用/アベノポリシーの危うさ(213)

最近の閣議決定はどうかしている。
5月12日には、「そもそも」には「どだい」という意味があるなどの答弁書が閣議決定された。
政府が言葉の意味を閣議決定? 
まるでG・オーウエルの『1984年』みたいではないか。
⇒2010年8月14日 (土):ジョージ・オーウェルの『1984年』-個人情報の監視と保護

『1984年』の中に、ニュースピーク(新語法)の話が出てくる。
独裁政権が支配を盤石なものにするため、国民の語彙や思考を制限して新しい言語を作り、国民に強制するのだ。
安倍政権も新語法を意図しているのだろうか?

経緯を振り返ってみよう。
「そもそも」の発端は、安倍首相の答弁である。
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大丈夫?首相の言葉 「そもそも=基本的に」辞書にな し

安倍首相は、「そもそも」という語を辞書で調べてみたところ、と自信たっぷりに前置きし、「初めから」以外に「基本的に」という意味があると答弁した。
この答弁に対し、さまざまな辞書を調べてみたが、そういう解説をしている辞書は見当たらないという疑問が上がった。

 普段から辞書と付き合う校閲記者の私は30種類以上の辞書に当たったが、「基本的に」 とするものは見当たらなかった。「新明解国語辞典」などを担当する三省堂の吉村三恵子さ んも「そんな意味はないと思う」と首をひねる。
 ちなみに「そもそも」の意味は、(1)説き起こす時に使う語(2)元来、最初から、物 事の初め・起こり(岩波国語辞典7新版)。(1)の用法もあり、(2)の「最初から」と 読み替える山尾氏の指摘は揚げ足取りの印象も受ける。とはいえ「基本的に、という意味も ある」とする首相答弁は解せない。本当に辞書を引いたのか。「基本的に」を「そもそも」 の類語とするものを見たのかもしれないが、類語は「意味」ではない。
大丈夫?答弁の解釈、辞書になく…言葉の粗雑さ露呈

安倍首相の国語力のお粗末さには定評(?)がある。
⇒2017年5月11日 (木):アホな内閣(11)安倍首相の国語力/アベノポリシーの危うさ(205)
そこで、参照した時点を尋ねる質問主意書が出された。
質問主意書と答弁書の要点は以下のようである。
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「そもそも」は基本的に 文法的にどだい無理

「そもそも」の大辞林の説明には、「(物事の)最初。起こり。どだい」という説明があるが、だからと言って、「そもそも=基本的に」にはならない。
大辞林の説明は名詞である。
副詞的に用いる場合は、否定的に使われる。
Ws0000013
「そもそも」は基本的に 文法的にどだい無理

首相の発言をフォローするための閣議決定は、森友学園問題でも行われた。
安倍昭恵夫人が「公人か私人か」が問題にされた時「首相夫人は私人である」とする答弁書が閣議決定されたのは記憶に新しい。
「忖度」の有無は別としても、公務員の秘書が5人もいることが判明し、それでも私人なのか、と疑問が増幅した。

安倍政権の閣議決定の一端を見てみよう。
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東京新聞5月16日

首相発言の正当化のために閣議決定をするとは、閣議の私物化と言われても仕方がないだろう。
閣議決定は憲法や国会決議と矛盾しても罰則がないのだ。

教育勅語の容認、銃剣道の導入、ヒトラーの『わが闘争』の容認等奇妙な閣議決定が続いている。
こんな内閣は、日本を不幸にするだけである。

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2017年5月20日 (土)

共謀罪強行採決と民主主義の危機/アベノポリシーの危うさ(212)

まったくヒドイ国会である。
安倍首相は、「我が党においては結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と述べたたことがある。
しかし、憲法違反の疑いも指摘されている集団的自衛権の行使容認をはじめ、強行採決のオンパレードではないか。
考えたことはないが、したことはある、とでも言うのであろうか。

「共謀罪」法案についても、19日の衆院法務委員会で、採決を行い、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決してしまった。
与党が一方的に採決の目安と定めた30時間という審議に何の意味があると言うのか?
むしろ、ますます法案への疑問が深まったところではないか。
しかも採決を促したのは、委員でもない維新の丸山穂高氏だ。

 衆院法務委員会で与党が採決を強行した背景には、日本維新の会の存在もある。この日、最後に質問に立った維新の丸山穂高氏はもともと委員外の議員。維新が修正案を共同提出したために代打で質疑に立ったが、最終盤に「ピント外れの質疑ばっかり繰り返し、足を引っ張ることが目的の質疑はこれ以上必要ない。直ちに採決に入って頂きたい」と促した。
 与野党が対決する法案であれば、問題点を指摘しながら、質疑時間をできるだけ確保しようと努めるのがこれまでの野党の姿だった。自公との修正に合意した維新は、矛先を他の野党に向け、与党との一体化を演出する役割を担った。
 自公維3党は4月27日に修正協議のテーブルについた。焦点は維新が要求した取り調べの可視化だったが、実際には、思想の自由を制約しかねない法案の根幹部分は変えず、政府が受け入れ可能な範囲の修正だった。公明幹部は「こんな程度の修正で満足するんだと思った」と振り返る。
 この間、5月3日の憲法記念日に安倍晋三首相が憲法改正について、9条への自衛隊明記と共に、維新が主張する教育無償化を盛り込んだビデオメッセージを公表。自民の二階俊博幹事長は8日、維新の馬場伸幸幹事長らと幹部同士で会食した。国会での改憲発議をにらみ、衆参各院で3分の2以上を占める3党の枠組みがますます強まりつつある。自民にとっては、野党の一角である維新が賛成すれば、採決強行に対する批判もかわしやすいという計算も働いた。
「共謀罪」強行劇、維新が採決促す「これ以上必要ない」

このまま、衆参の本会議で可決されれば、議会政治も民主主義も死んだと言わざるを得ないだろう。
改めて、維新の与党化がはっきり出た委員会だった。
それにしても論点が積み残された法案である。

Ws000002 質疑が打ち切られた19日の審議でも、野党側は具体的な事例を示し、法案の必要性の有無や矛盾点、処罰対象の範囲のあいまいさを指摘。根本的な疑問が解消していない実態を浮き彫りにした。
 「論点が満載だ。採決は絶対に認められない」
 民進党の逢坂誠二氏は約25分間の持ち時間で「一般人は捜査対象か」という論点を繰り返し問い、質疑終盤に語気を強めた。
 約1カ月の衆院委の審議で、「一般人」問題は最大の論点になったが、政府側の答弁が二転三転した。金田勝年法相はこの日、政府見解通り「捜査対象にならない」と答弁。捜査前に犯罪に関与した疑いを調べる「調査・検討」の対象にもならないと強調した。
 逢坂氏は「共謀罪」の捜査にからみ、警察による「情報収集活動」の対象に一般人が含まれるかを質問した。警察庁の白川靖浩・長官官房審議官が「情報収集は特定の犯罪の捜査を念頭に置いたものではない」とかわすと、逢坂氏は「広く多くの人が対象になる。ずっと(議論を)やってきたが釈然としない」と不満をあらわにした。
 最近の審議で新たな論点に浮上した「刑の重さの不均衡」にも明快な答弁はなかった。判例上、具体的な危険性が要件の予備罪に比べ、準備行為それ自体には危険性がない「共謀罪」の方が罪が重くなり得るという矛盾だ。
「共謀罪」強行劇、維新が採決促す「これ以上必要ない」

「一般人は対象にならない」と言われて、安心するのはよほどのお人好しであろう。
一般論として言っても、「一般」の対語は「特殊」あるいは「特別」であろうが、一般と特殊の差異は相対的である。
言い換えれば、視点を変えれば、一般にも特殊にもなるのである。
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東京新聞5月20日

小川洋子さんの『博士の愛した数式』に、28が完全数だというエピソードが出てくる。
⇒2014年2月 4日 (火):小川洋子『博士の愛した数式』/私撰アンソロジー(31)
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28という数字は、江夏の背番号でもあって、この小説で重要な意味を背負っているが、素数でもないし、「一般には」平凡な数字と言えよう。
何が一般で、何が特殊かは、何に着目するかによるのである。
そして、一般人かどうかを決めるのは捜査機関であることを銘記したい。

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2017年5月19日 (金)

アホな内閣(14)教育無償化をエサにするな/アベノポリシーの危うさ(211)

「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が19日午後、衆院法務委員会で可決した。
民進、共産両党などが廃案を求めて強く反発したが、与党は採決を強行し、与党と日本維新の会の賛成多数で可決した。
安倍首相は環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案を審議する衆院特別委員会で、「我が党においては(1955年の)結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と述べたたが、まったくの虚言である。

先日は、「憲法改正で高等教育を無償化する」と唐突に言い出した。
教育無償化は野党や国民の賛同も得やすいとの思惑があるとみられるが、小手先の材料に過ぎないことはミエミエだ。
こんな子供だましのような弁舌で次々と強行採決をするのだから恐ろしい。
自民党の中には、憂国の士はいないのだろうか。

首相が無償化を口にする一方で、自民党の教育再生実行本部ががまとめている案は、大学の授業料を国が一時的に肩代わりするということだ。
出世払いということだろうが、債務であるから、無償化とはまったく異なる。

そもそも、民主党政権時に高校無償化を次のように批判していたのだ。
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安倍首相「教育無償化へ憲法改正」の大ウソ

奨学金を返済できない事例の激増が社会問題化している。
「出世払い」といっても、年齢を重ねても給料がほとんど上がらないのが現状だ。
大卒の4割が非正規雇用のうえ、正社員の所定内給与もほとんど上がっていない。

大学の授業料と仕送り額の推移は下図のようである。
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<教育無償化>「改憲なくても実現」 9条とセットに違和感

教育の機会を拡大することには賛成であるが、教育無償化が現在の憲法ではできないとする理由が分からない。
教育無償化を改憲の理由にすることは、欺瞞である。

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2017年5月18日 (木)

森友疑惑(54)ゴミは最初から不存在!アベノポリシーの危うさ(210)

加計疑惑追及が佳境に入ってきたが、森友疑惑追及も終わっていない。
疑惑の根本問題である8億円の値引きの根拠とされたゴミの実態は果たしてどうだったのだろうか?
「紙の爆弾」という雑誌の6月号に『「8億円のゴミ」は存在しない』という記事が掲載されている。
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「8億円の値引きに関する国会に提出された質問主意書とそれに対する回答は以下の通りである。
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まったくふざけた誠意のない回答であることを記憶しておこう。
「適正な価格」か否かは、ゴミの算定に係わっていることは誰でも分かる。
8億円は以下のように算出された。
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ところが、ゴミは、3m以下には存在しなかったのだ。
籠池泰典前理事長が、ボーリング調査を担当した業者のメールを公開した。
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日刊ゲンダイ5月18日付

要するに、8億円の値引きに合わせてゴミを計算したのであり、「紙の爆弾」誌の記事のサブタイトルのいう通り「国家の犯罪」であると言うことになる。
籠池前理事長を逮捕するなどの口封じをしようするだろうが、この期に及んでそんなことをすれば、ますます疑惑を深めるだけである。
情報を隠すのではなく、正面から説明すれば、コトは早く終わるのだ。

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