ニュース

2017年3月23日 (木)

森友疑惑(30)騒動の陰の共謀罪/アベノポリシーの危うさ(165)

森友学園の籠池理事長の国会証人喚問が行われた。
幸か不幸か、WBCが敗退してしまい、野球中継が無くなったので、国会中継の視聴率も高かったのではないだろうか。
与党は籠池氏の発言の信用性を貶めようという作戦のようであるが、そうすればするほど、安倍昭恵氏、財務省、国交省、大阪府等の、籠池氏への異常な肩入れが問われることになる。
この問題は、少し引いた視点で俯瞰的に考えないと、問題の本質を捉え損ねるのではないか。

引いてみれば、森友疑惑に隠れるような形で閣議決定された組織的犯罪処罰法の改正案(いわゆる共謀罪)のことが頭に浮かぶ。
森友問題は陽動作戦であって、本命はこちらではないかという推測もできるからだ。
フリージャナリストの西岡研介氏のツイートである。
Ws000001

西岡氏は元新聞記者で、これまでに東京高検検事長のスキャンダル等をスクープした。
西岡氏のツイートは以下のように続いている。
②検察関係者によると「偽証罪での立件は通常、贈収賄などの本件があって、それを立件してから、再逮捕や追起訴の際に、(偽証罪を)くっつける」のだそうだ。が、今回は「偽証単体で、東京地検特捜部にやらせて(立件させて)籠池の口を封じる方針」なんだという。
③検察関係者によると「籠池側で真実性の証明ができなければ、立件は可能」、「籠池は証拠を示せないと即、偽証罪でパクられる」ことになるという。

このシナリオに沿っての与党側質問だったのだろう。
籠池氏がクローズアップされているのは、ウルトラナショナリストの内ゲバのようなものであろう。
現在は、鬼っ子の籠池氏がターゲットになっているが、既に官邸と橋下・松井の対立も見え始めた。
稲田防衛相がターゲットにされるのも遠くはないと思われる。

それにしても、共謀罪は治安維持法と対比させると性格がよく分かる。
Ws000000
治安維持法の教訓、今こそ 「共謀罪」法案、自民内で了承

共謀罪が成立すると、日本社会の戦前回帰が完成形に近くなる。
もちろん、強行採決などはとんでもないことだ。

籠池立件で幕引きを図ろうと思ったら大間違いであることを確認しよう。
疑惑の解明は緒についたばかりなのだ。
パンドラの箱は開けたら、不可逆的なのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月22日 (水)

森友疑惑(29)財務省の関与/アベノポリシーの危うさ(164)

森友学園の籠池理事長証人喚問の直接の契機は、出版差止処分を被った『日本会議の研究』扶桑社新書(2016年4月)の著者・菅野完氏の発言であろう。
⇒2017年1月 9日 (月):「日本会議の研究」の出版差止/アベノポリシーの危うさ
菅野氏に誘発される形で、籠池理事長が、安倍首相から昭惠夫人を通じ、100万円の寄付を受けたと発言した。
安倍夫妻は寄付を否定しており、これまた「藪の中」である。

23日の証人喚問の焦点であるが、どこまで実相が明らかになるだろうか。
都議会の百条委の様子をみても、通過儀礼に過ぎなかった。
菅野氏は、事情を聴くべき人間として、国有地売買当時の理財局長迫田氏と松井大阪府知事の名前を挙げている。

財務省(旧大蔵省)は、霞が関の頂点であると、自他共に認めている。
それは、政界との接点が多いことに繋がる。
今は知らないが、かつての都銀のエリートコースは、MOF担になることだった。
MOF=Ministry of Financeで、大きな影響力を持つ財務省とうまく連絡・調整することが求められた。
住友銀行秘史』講談社(2016年10月)の著者・国重惇史氏もMOF担だった。

「週刊文春」3月23日号に、『安倍晋三記念小学校“財務省の三悪人”』という記事が載っている。
件の土地は、近畿財務局が所管していた。
その土地が、過去に例のないような厚遇を受けて、開校寸前まで来ていたのである。
同誌によれば、近財だけで判断できるマターではなく、本省理財局が調整しただろう、という。
当時の理財局長が、菅野氏が名前を挙げている迫田英典氏である。
⇒2017年3月16日 (木):森友疑惑(23)見え始めた「藪の中」/アベノポリシーの危うさ(158)

同誌から、時系列を整理した表を引用しよう。
1703232

上表の赤枠の2015年9月3日~5日が「疑惑の3日間」である。
この時、安倍昭恵氏は塚本幼稚園で講演し、安倍首相は安保法制審議中にも拘わらず大阪のテレビ局に出演した。

安倍晋三首相が9月4日、大阪を訪れ、バラエティー番組2本に出演した。いずれも安全保障関連法案についての解説が主な内容だったが、参院の特別委員会で法案審議がある日に、大阪まで出向いてテレビ番組に出演したことで、波紋が広がっている。
首相はこの日午後、閣議を終えたあと、大阪市中央区で読売テレビの情報番組「そこまで言って委員会NP」の収録(6日放送)と、「情報ライブ ミヤネ屋」の生放送に出演、安保法案や政局について、学者やタレント、ジャーナリストらの質問に答えた。「そこまで言って委員会」では、司会の辛坊治郎氏が「国会開会中で、実はまずいんじゃないですか?」と聞いたのに対し、安倍首相は「国民にしっかり説明せよと言われておりますので、総理大臣の役目として、こういう番組を通じて、国民の皆様にわかりやすく説明をしたい」と答えた。
【安保法案】安倍首相、国会審議中の「ミヤネ屋」出演が波紋

くだんの100万円の寄付が行われたというのもこの時である。
同誌が“三悪人”としているのは、富永、佐川、迫田氏の、57年入省組である。
この年次が、過剰接待問題で2人の辞職者を出した期で結束が固いそうである。
なお、迫田氏は、山口県豊北町(現下関市豊北町)出身で、山口県立山口高等学校卒業(Wikipedia)であり、首相と同郷である。

まったく不透明のままの払下げの経緯であるが、霞が関の官僚が自発的に行うはずもない。
勝手に忖度してやったのか?
それとも、政治家筋からの圧力があったのか?
あったとすれば、誰が、どのように、関与したのか?
こんな問題で国政が空転するのはバカげてはいるが、日本の統治機構の改革が進まない根底に、財務省を頂点とする(と信じられている)官僚機構がある。
今こそ病根を絶たなければ、この国は終わるだろう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年3月21日 (火)

森友疑惑(28)籠池理事長は窮鼠か?/アベノポリシーの危うさ(163)

「窮鼠猫を噛む」という言葉がある。

追い詰められたネズミが逃げ場を失ったとき、必死で猫に噛みつくことがあるということ。
『塩鉄論・詔聖』に「死して再びは生きずとなれば、窮鼠も狸(野猫)を噛む(死に物狂いになった鼠は猫を噛むこともある)」とあるのに基づく。
「窮鼠反って猫を噛む」とも。
窮鼠猫を噛む

籠池理事長は追い詰められた窮鼠だろうか?
確かに、信じていたであろう人たちから切り捨てられ、逆襲に転じたと見えないこともない。
しかし、政権側が追い詰められているとも考えられる。

 籠池氏にインタビューした「日本会議の研究」の著者・菅野完氏は17日、2015年9月7日に「100万円」の記載がある森友の寄付者名簿のほか、振替払込用紙の名義欄の「安倍晋三」が修正液で消され、「森友学園」に書き直されていた写真をそれぞれネット上で公開した。これだけでも超ド級の“物証”で、カネの出どころが官房機密費なのか、安倍首相のポケットマネーなのかはともかく、少なくとも「100万円の寄付」が事実だったことが分かる。おそらく、自民党は証人喚問で「なぜ、領収書名を安倍にしなかったのか」と籠池を攻め立てるのだろうが、本人がすでに説明している通り、「昭恵夫人が要らないと言ったから。迷惑がかからないようにした」と反論すれば、それ以上、追及しようがない。それでも自民党が噛みつくのであれば、「事実解明のために昭恵氏も証人喚問してほしい」と突っぱねればいいだけだ。
安倍政権は窮地 籠池氏の偽証告発「かなり困難」と元検事

菅野氏が示した振替払込用紙は以下である。
Ws000001
「安倍首相からの100万円」

菅官房長官は、講演に同行した政府職員も「寄付を渡すという状況にはなかった」と“火消し”に躍起である。
もちろん、籠池理事長側の自作自演ということも否定はできない。
自民党は、証人喚問において、「安倍晋三から」と言って「100万円を寄付した」という籠池証言に焦点を絞り、偽証罪の告発を検討しているらしい。
この辺りの真偽は証人喚問の場を待ちたいが、そもそも蜜月時代の籠池理事長には、こんな手の込んだ自作自演をやる必然性はなかったと考える方が自然だろう。

南山法律事務所の小口幸人という弁護士が、「証拠力」の評価を行っている。
1.「27-09-07淀川新北野郵便局」というスタンプが押されており、後から森友学園が作出することがかなり困難な記載で、森友学園の口座に100万円送金されたときの伝票であることは、ほぼ確かだ。
2.つまり、森友学園がしっぽ切りにあった感じになってからつくられた証拠ではない。
3.森友学園の上に押されている赤い淀川新北の郵便局長印からして、修正テープの下の文字は、9月7日当日かそれ以前に記入された文字であろう。
4.つまり、まず安倍晋三とか、匿名とか書いたが、どちらも修正テープで消して森友学園と書いたという順序であり、郵便局が修正箇所を示すためにスタンプを押していることを考えると、郵便局の前でこのやりとりがあって、最後の森友学園を明確にするために、つまり他が修正であることを明確にするために、郵便局がスタンプをおしたと考えるのが、最も合理的。

まあ、小口弁護士自身も言っているように、真実は未だ分からないので、「当たるも八卦当たらぬも八卦」ではある。
さらに、100万円の寄付があったかなかったは、籠池氏と安倍夫妻の親密性のバロメーターの傍証に過ぎない。
仮に、自作自演をしたのであれば、そんな学園に、財務省や大阪府が類例のない優遇をしていたことを問うべきであろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月20日 (月)

森友疑惑(27)愛国者たちの実相/アベノポリシーの危うさ(162)

“火ダルマ”状態の稲田朋美防衛相が、17日の衆院外務委で、日報問題に関する特別防衛監察を開始したことを明らかにした。
特別防衛監察とは何か?

防衛相直属の防衛監察本部が独立した立場で、防衛省・自衛隊の全ての組織に対して行う監察業務。
同本部は、旧防衛施設庁の官製談合事件などの不祥事を受け、2007年9月に設置された。 検事や公認会計士など外部の人材も登用し、元高検検事長がトップの防衛監察監を務めている。
特別防衛監察とは

MPとか憲兵のような立場だろうか。
実際にどう運用されてきたのか?

「特別防衛監察は直近では、2016年に海自の次期多用途ヘリコプターの機種の選定過程が不適切と判断され、当時の海上幕僚長が訓戒処分を受けました。しかし、この監察では、監察対象である防衛計画課長が監察を指示したり報告書を修正したりしていました。さらに驚いたのは、計画課長自らが、監察の結果を発表し、記者レクまでしていたのです。省内職員も唖然としていて、処分された海幕は怒り心頭でした。しかも、調査に1年もかかったわけで、今回も『稲田大臣が対外的にリーダーシップをPRするための時間稼ぎ』とみられています」
 稲田氏が現場職員を憤慨させている理由はこれだけじゃない。森友問題もあるという。
「森友問題は、稲田大臣の個人的な問題です。にもかかわらず、稲田大臣の事務所や政策秘書が頼りないため、森友との関係について、防衛省秘書課が組織的に答弁書を作成して補佐している。秘書課というのは本来、職員全体のコンプライアンスを担当する部署。それが大臣の私的な問題について右往左往している。とても見ていられないし、まともな業務を遂行できるはずがありません」(前出の防衛省幹部)
特別防衛監察は時間稼ぎ 稲田防衛相に現場職員が激怒

まあ、いくらリーダーシップを示そうと思っても、国会でおたおたしている姿を見せられては、現場は言うことを聞く気がしないだろう。
自衛隊秋田地方協力本部大館出張所の40代の男性隊員が、「稲田防衛大臣(女性)は少々頼りないですが」と自衛官募集のビラに書いた通りである。
⇒2016年12月 4日 (日):不適格大臣列伝(4)・稲田朋美防衛相-2/アベノポリシーの危うさ(111)

問題がどんどん拡散して、焦点がボケつつあるが、森友学園問題の本質は、籠池理事長という怪しげな人物が経営する学校法人に対して、財務省や大阪府などが支援ともいうべき異例な優遇を行ったことである。

この問題を貫く1つのキーワードが「愛国心」であろう。
森友学園が塚本幼稚園で愛国教育を標榜していたのは周知の事実だし、日本会議も愛国心を強調している団体である。
愛国教育をウリした学校法人が異例の厚遇を受けて、新規に小学校を開校寸前まで行っていたのである。
Photo

18世紀イギリスの文筆家サミュエル・ジョンソンは、「愛国心は無頼漢たちの最後の避難所」という警句を遺している。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年3月19日 (日)

森友疑惑(26)稲田防衛相は何を隠したかったのか/アベノポリシーの危うさ(161)

稲田防衛相は、南スーダンPKOの問題でも、実態を隠し続けた。
⇒2016年10月22日 (土):南スーダンの安全と危険/アベノポリシーの危うさ(102)
⇒2016年10月16日 (日):稲田防衛大臣の資質と適性/人間の理解(18)

南スーダンの実情は、稲田氏の答弁とは乖離していた。
1703163_2
東京新聞3月16日

しかし、森友学園問題がクローズアップされる中で、稲田氏の人間性が浮き彫りになってきている。
森友学園問題は、籠池理事長の人脈を無視しては起こり得ない疑獄であった。
Photo_2
籠池氏の人脈 保守系ズラリ 稲田防衛相、首相の妻昭恵氏、鴻池氏ら

そもそも稲田氏はどうして籠池氏と面識を得たのか。
稲田氏の実父・椿原泰夫氏の存在が徐々にクローズアップされてきている。
椿原氏は知る人ぞ知る、京都の名門校・洛北高校の校長まで務めた人であるが、関西の反日教組の中心人物であった。
昨年10月に亡くなっている。
Photo

籠池人脈というか日本会議人脈が、互いに攻撃し始めている。
まさに魑魅魍魎の世界ではなかろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月18日 (土)

森友疑惑(25)昭惠夫人の役割/アベノポリシーの危うさ(160)

今まで頑なに籠池理事長の参考人招致さえも拒んできた自公両党が、一転して23日の証人喚問を決めた。
竹下亘国対委員長は、「総理が侮辱されたからだ」と説明した。
Photo
<バカじゃないの>自民党が籠池氏を国会に呼ぶ理由「総理が侮辱されたから」23日に証人喚問

笑止であり、日本はもはや『1984年』の世界かと思う。
⇒2017年3月17日 (金):森友疑惑(24)稲田防衛相のポスト真実/アベノポリシーの危うさ(159)
北朝鮮の将軍様を連想する。

森友学園問題は、スポーツ紙などでも大きく取り上げられているようだ。
Ws000000
森友学園の「昭恵夫人」とは一体何者だったのか?

政治家が陳情などの頼まれごとをされるのは、ごく日常的なことだろう。
夫人を通して、というのも、国会議員ならば地元に不在がちなので、理解できる。
しかし、昭惠夫人は独特のキャラクターで知られる。
原発やエコロジーなどの問題で、しばしば首相とは異なる意見を披瀝し、それが「家庭内野党」などと囃されていた。

ところが森友学園問題についてはちょっと違うようだ。
現在は削除されているHP上で、「籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました。」とか「瑞穂の國記念小學院は、優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます。」と主体的に宣伝塔の役割を担っていたのだ。
夫人に陳情すれば、予算が直ぐついた、という話もある。

森友学園などで疑惑が浮上している安倍昭恵夫人ですが、今度は別の場所で新たな口利き疑惑が浮上しています。問題となっているのは、2017年3月に動画公開された「もったいない学会」と「第38回縮小社会研究会合同」のシンポジウムです。
京都大学名誉教授の松井三郎氏と見られる人物が動画中で、「理事長と私が首相官邸のところに行きました。あの人(安倍昭恵)すごいですね。その晩に首相に話してくれて、 首相からすぐに連絡が入ってですね、ぐるっと回って今年に予算がつきました。 8000万円くらい入りました。あのご夫婦のホットラインすごいですね」と述べ、安倍昭恵夫人に相談したら予算が直ぐに入ってきたと言及しました。
これが事実ならば安倍昭恵夫人が、何らかの口利きをしたということになります。詳しい事実関係は分かりませんが、NGO団体で申請しても断られたのに、昭恵夫人経由だと即座に許可が出たというのは色々と問題がありそうです。
「昭恵夫人に伝えたら首相から連絡が入って予算がつきました」

同様のことは「週刊新潮」3月23日号の『文科省に圧力電話する「安倍昭恵」は私人か!』という記事にも見られる。
斎木陽平という青年が代表を務める「リビジョン」という一般社団法人が主催する「全国高校生未来会議」というイベントへの支援である。
0132

同様のことが他にもありそうだ。
森友学園については、果たして「忖度」だけで、役人中の役人である財務官僚がそこまでやるだろうか、という疑問が湧く。
ことごとく前例がないような優遇である。
誰が、何時、何をしたのか、明らかになるのを待ちたい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年3月17日 (金)

森友疑惑(24)稲田防衛相のポスト真実/アベノポリシーの危うさ(159)

トランプ政権誕生以来、G.オーウェルの『1984年』が売れているという。
主人公のW.スミスの仕事は、過去の記録の改訂つまり「歴史の修正」である。
歴史修正者の常套的行動が、隠蔽であり、詭弁であろう。
21703172
東京新聞3月17日

トランプ政権の言う「もう一つの事実:オルタナティブファクト」が、『1984年』を思わせたということであろう。
⇒2017年3月 2日 (木):森友疑惑(10)幼稚園運動会の園児宣誓/アベノポリシーの危うさ(144)
そう言えば、オックスフォード辞書が2016年の「今年の言葉」に選んだのが「ポスト真実」である。
⇒2017年1月14日 (土):「日本3.0」と梅棹忠夫/日本の針路(319)

同辞書は「世論を形成する際に、客観的な事実よりも、感情や個人的信条へのアピールの方がより影響力があるような状況」を示す言葉だと定義している。
要するに、真実か否かよりも、大衆に影響力を持つかどうかである。
極論すれば「ウソでも100回繰り返せばいい」ということになる。
Photo

国会での発言を1日で180度変更する稲田朋美防衛相も「ポスト真実」の流行に貢献していると言えよう。
⇒2017年3月15日 (水):森友疑惑(22)稲田防衛相の馬脚/アベノポリシーの危うさ(157)
⇒2017年3月12日 (日):森友疑惑(19)稲田防衛相の係わり/アベノポリシーの危うさ(154)
1703173
東京新聞3月17日

さすがの日本経済新聞も社説に『稲田防衛相の管理能力を疑う』を掲げた。

 防衛相は一連の経緯を踏まえ、直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を命じた。対応が後手に回っているとはいえ、情報管理の問題点や隠蔽の有無をきちんと明らかにしてほしい。
 防衛省は日報の扱いについて、中央即応集団司令部の担当者が報告用の「モーニングレポート」を作成したら廃棄する仕組みだと説明してきた。現地情勢は隊員の安全に直結するだけに関心も高い。これを機に情報の保全と公開に関する基準を見直す必要がある。
 防衛相は日報の扱いがこれだけ焦点になっても省内の動きを把握できていない。学校法人「森友学園」の訴訟への弁護士時代の関与を全面否定した先の答弁も「記憶違い」だったとして発言の撤回と謝罪に追い込まれた。国会審議に臨む姿勢が問われている。

こんな「頼りない人」が、防衛相であって良いものであろうか?
⇒2016年12月 4日 (日):不適格大臣列伝(4)・稲田朋美防衛相-2/アベノポリシーの危うさ(111)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年3月16日 (木)

森友疑惑(23)見え始めた「藪の中」/アベノポリシーの危うさ(158)

いささか展開が早すぎてめまいがしそうである。
森友学園の籠池理事長の爆弾発言だ。

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題をめぐる参院予算委員会の16日の現地調査で、籠池(かごいけ)泰典理事長への聞き取り調査を終えた舟山康江氏(民進)が記者団に「(籠池氏が)安倍(晋三)首相から、(昭恵)夫人を通して100万円をもらった、と語った。時期は2015年9月ごろ」と説明した。
 一方、菅義偉官房長官は同日午後の記者会見で、首相に確認したところ、「自分では寄付していない。昭恵夫人、事務所等、第三者を通じても寄付していない」との説明があったことを明らかにした。昭恵氏が個人として寄付したかどうかについても、念のために確認していることも説明した。
籠池氏、調査に「首相から100万円」 官房長官は否定

まるで映画『羅生門』の原作となった芥川龍之介の『藪の中』ではないだろうか。
関係者の証言が真っ向から対立している。
果たして、安倍首相が寄付をしたのか?
寄付自体は別に隠す必要もないと思うが、今まで強く否定したわけであり、事実を明らかにして、それなりの行動を示すべきであろう。

籠池氏が発言するに至ったのは、トカゲのしっぽの様に切り捨てられたからであろう。
籠池氏は国会で説明すると言っている。
自民党と公明党は今まで籠池氏の国会招致を拒否してきたが、いくらなんでも、与党も参考人招致を拒めないのではないか。
過去の事例からしても、与党がなぜ拒否に拘るのか理解しかねるからだ。
1703163
東京新聞3月16日

一般論として、隠そうとする人は、都合が悪いことがあると考えられる。
何を隠そうとしてきたのか。
籠池氏の爆弾発言は、「日本会議」追及の先鋒である菅野完氏の活動によって誘発されrたともいえる。
⇒2017年1月 9日 (月):「日本会議の研究」の出版差止/アベノポリシーの危うさ(122)⇒2017年2月24日 (金):森友疑惑(4)系列幼稚園と日本会議/アベノポリシーの危うさ(138)

15日、籠池理事長が都内で予定していた会見をキャンセルして菅野氏と会った。
菅野氏は東京都内で報道各社の取材に応じ、籠池氏から同日聞き取った内容の一端を明らかにした。
15日の段階で、菅野氏は、疑惑のキーマンとして、国有地売買当時の理財局長迫田氏と松井大阪府知事の名前を挙げている。
迫田氏は現国税庁長官であり、もし国有地の不自然な払下げに関与していたとすれば、それはそれで大問題である。

籠池氏と菅野氏の間で何がどこまで話しがあったのか、まだまだ水面下に隠れていることは多い。
身に覚えのある政治家は戦々恐々としているのではなかろうか。
不気味なことに、菅野氏は「安倍晋三なんてどうでもいい」というようなことになる、と言っていた。
菅野氏が名を挙げている松井一郎大阪府知事は稲田防衛相を擁護している。

 日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は15日、森友学園の民事訴訟への関与を否定する国会答弁を撤回した稲田朋美防衛相の辞任を野党が求めていることについて「今回の件は、防衛大臣としては関係ない。辞任させるのは単なる政局作りにしか見えない。辞める必要はない」と擁護した。
「政局作り。辞任必要ない」大阪府知事が擁護

怪しさの焦点が徐々に明確になりつつあり、点と点を繋ぐ線がうっすらと透けてきたのではないか。
政権に近いとされる「日本会議」の人脈が深く係わっていることは周知であるが、誰がどこまで関与しているのか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月15日 (水)

森友疑惑(22)稲田防衛相の馬脚/アベノポリシーの危うさ(157)

稲田防衛相が、馬脚を現した。

馬脚を現す。
「馬脚」とは芝居で馬の足に扮する役者のことで、馬の足を演じていた役者がうっかり自分の姿(足)を見せてしまうことから、隠していた本来の姿が表にあらわれること、化けの皮がはがれることをいう。
「馬脚を露わす(馬脚を露す)」とも書く。
故事ことわざ辞典

あれだけきっぱりと否定していた稲田防衛相が一転して、森友法廷への出廷を認めた。
⇒2017年3月13日 (月):森友疑惑(20)籠池理事長の参考人招致/アベノポリシーの危うさ(155)
「過ちては改むるに憚ること勿れ」とは言うものの、余りに無責任である。
1703152
東京新聞3月15日

衝撃的と言うべきか、笑劇的と言うべきか?
相方のいない漫才と言えば、漫才師に失礼になろう。
相方がいないと言うよりも、相方は夫なのかはたまたこの期に及んでまだ擁護するという安倍首相なのか。

 学校法人「森友学園」との関係を国会で断定調で否定してきた稲田朋美防衛相が一転、裁判を通じた籠池(かごいけ)泰典理事長との関係を認めた。稲田氏は「記憶違い」と釈明し、安倍晋三首相も擁護したが、野党は自衛隊を指揮する防衛相の「虚偽答弁」は許されないとして辞任を要求。政府答弁そのものの信用性が問われかねない事態になった。
Ws000000_2
断言連発の稲田氏、自ら批判招く それでも根強い擁護論

稲田氏の大臣不適格性については、繰り返し指摘してきた。
⇒2017年2月19日 (日):不適格大臣列伝(15)稲田朋美防衛相(6)/アベノポリシーの危うさ(134)
さすがに与党内からも批判の声が上がっている。

さらに南スーダンPKOについても新たな問題が指摘されている。

しかし、その後、これまでの説明と矛盾するため外部には公表しないという判断になり、さらに、先月になってデータを消去するよう、指示が出されたと幹部は証言しています。
防衛省幹部の1人はNHKの取材に対し、「日報の電子データは陸上自衛隊の司令部もダウンロードし、保存していました。しかし、『いまさら出せない』となり、公表しないことになった経緯があります。いま現在、司令部のデータは消去されたと聞いています」と証言しています。
「日報」 陸自が電子データを一貫して保管 “消去”指示か

ウソはどこかの時点でつじつまが合わなくなる。
最大限好意的に考えても、マネジメントできていないということではないか。
それでも、首相が 「泣いて馬謖を切る」もできないというのは同類ゆえか、それとも何らかの負い目があるのか?
籠池理事長がトカゲの尻尾だとすれば、トカゲの本体は誰なのか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月14日 (火)

森友疑惑(21)加計学園の李下の冠/アベノポリシーの危うさ(156)

「李下に冠を正さず」という言葉がある。
実がなっている李の木の下で冠を直さない。実を取ろうとしていると思われるからだ。
「君子は疑われるようなことは未然に防ぐもの」の意味で使われている。

安倍首相は、2月17日の衆院予算委員会で、国有地を格安で買い取った学校法人「森友学園」が設立する私立小学校の認可や国有地払い下げに関し、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と、血相を変えて抗論した。
⇒2017年2月22日 (水):森友疑惑(2)国有地格安売却/アベノポリシーの危うさ(136)

しかし、「安倍晋三記念小学校」と銘打たれて寄付金集めが行われていたのは事実だし、安倍昭恵夫人は名誉校長として、ホームページで「優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます」と生徒募集していたのだ。
そして、「第二の森友か?」と疑われているのが、加計学園岡山理科大学の獣医学部新設に係わる疑惑である。
加計学園は、森友学園とは比較にならない全国区の教育機関である。
Ws000000_2

相当なやり手の理事長であることが分かるが、理事長の加計孝太郎氏は安倍首相の大親友、肝胆相照らす仲として知られる。
21703143
東京新聞3月14日

参議院予算委員会で13日、社民党の福島みずほ議員が、「総理は加計学園が今治市で獣医学部を作りたいと思っているのを知っていたか?」質問した。
安倍首相は気色ばんで、次のように言った。

 「福島さんね、特定の名前を出している以上、政治によって歪められたという確証がなければ、その人物に対して極めて失礼ですよ・・・あなた責任とれるんですか」。首相は周章狼狽し早口になった。
 安倍首相は聞かれてもいないのに、国家戦略特区で獣医学部を作るスキームについて話し始めた。語るに落ちるとはこのことである。
 首相いわく「遊休地で地方自治体が困っている時、一番いいのは大学誘致なんです」、「若い人が来て、町が形成される」、「業界団体の反対があるから、特区でやるんです」。まるで加計理事長からレクチャーでも受けたかのようだった。
 筆者が銚子で聞いた、加計学園の大学を誘致した元市長とほとんど同じセリフである。元市長も安倍首相も、加計理事長とは20年以上の付き合いであることも共通する。
【アベ友疑獄】「加計学園を早くしろ」内閣府が今治市を恫喝 首相の意向か

「李下に冠を正さず」ではなく、「語るに落ちる」だった。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧