緑のタヌキの本領発揮/人間の理解(23)
しかし、政策や基本的な考え方は自民党タカ派であり、緑のシンボルカラーで連想させるエコロジー派とは水と油の関係だったのだ。
その意味で、偽装は見事に成功したと言えよう。
「跡地は食のテーマパーク機能を有する新たな市場にする」「事業者が築地に復帰する際のお手伝いはさせてもらう」
築地再開発問題は、2年前の2017年6月、都議選を目前に、市場の豊洲移転にからんで小池知事が「築地は守る、豊洲をいかす」と「タンカ」を切って、築地跡地などに市場機能を残し「食のテーマパーク」を整備するとの基本方針を表明したのが発端。「事業者が築地に復帰する際のお手伝いはさせてもらう」とも述べ、豊洲への市場移転の賛成・反対両派いずれにも配慮した。築地跡地の保有についても、市場業者の使用料収入などで賄う「中央卸売市場会計」が引き続き担い、「税金を新たに投入することはない」とも明言した。直後の都議選は知事が率いる都民ファーストの会が大勝し、自民から都議会第1党の座を奪った。
都民ファーストの会「もろさ」見えた築地問題 今の小池氏で難局乗り切れる?
しかし偽装は永遠に続けられるわけではない。
築地を守る気がないことがはっきりした。
2019年1月に公表した再開発素案に「食のテーマパーク」がないほか、跡地保有についても従来方針も改め、約5600億円で一般会計が買い取るとした。
公約の完全な反故である。
これに対し自民、共産など野党が「説明なく方針を転換した」と批判し、都議会での詳しい説明、質疑を求め、定例会開会日の2月20日は大混乱に陥った。
各会派の協議が難航して小池知事の施政方針演説が予定より11時間遅れて21日未明にずれ込むという異例の事態になった。
小池知事は「豊洲との近接性を考えれば、築地再開発において都が改めて卸売市場を整備することはない」としつつ、「(築地に)『食文化』は重要な要素。素案でも歴史的、文化的なストックを生かすことを検討している」と説明し、「基本方針の方向性は変わっていない」と強調した。
緑のタヌキの本領発揮というところだろうが、政治家が良く言う「綸言汗のごとし」はどこに行ったのだろう?
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