福島原発の廃炉は可能なのだろうか/安部政権の命運(90)
東日本大震災から8年である。
2020五輪誘致に際して、安倍首相は「福島は完全にコントロールされている」と内外に宣言した。
⇒2015年7月23日 (木) 五輪招致演説に表出した無責任の構造/人間の理解(16)
果たして安倍首相の言うように、福島の状況は統御されているだろうか?
福島第一原発の各号機は以下のような状況にあると推定されている。
福島原発事故8年 ゴール見えない廃炉の姿
しかし、事故から8年がたつ現在も「廃炉の定義」すら定まっていないのだ。
通常、廃炉は更地に戻すことを指し、地元自治体も完全撤去を望んでいる。
ただ、作業は困難を極めるとみられ、東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者は「(福島第1は)普通の原発と違う」と広範な議論を求めている。
ゴールが見えないまま廃炉が進められているのだ。
今年の2月に東京電力福島第一原子力発電所では燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)の採取が試みられた。
しかしその分析はこれからで、実態は良くわかっていない。
五輪に来た外国人に、汚染水タンクや除染物を詰めたフレコンを見て貰えばいい。
「完全にコントロールされている」実態を知ってもらうチャンスだろう。
もう一度言う。
第一次安倍政権だった2006年、すでに国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性が指摘されていた。
にもかかわらず、時の総理大臣だった安倍晋三は、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、一切の対策を拒否していたのである。
⇒2016年8月29日 (月) 『東京ブラックアウト』と国会質疑/原発事故の真相(147)
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