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2019年2月17日 (日)

東京新聞望月記者の質問の制限/安部政権の命運(70)

菅義偉官房長官の定例会見をめぐり、東京新聞の望月衣塑子記者とみられる「特定の記者」が「問題行為」を行っているとして、会見を主催する官邸の記者クラブ(内閣記者会)に対して「問題意識の共有」を求める文書を首相官邸が送った。
これに対し、新聞労連は次のような抗議声明を出した。た。

政府との間に圧倒的な情報量の差があるなか、国民を代表する記者が事実関係を一つも間違えることなく質問することは不可能で、本来は官房長官が間違いを正し、理解を求めていくべきです。官邸の意に沿わない記者を排除するような今回の申し入れは、明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭めるもので、決して容認することはできません。厳重に抗議します。

2月15日の衆院本会議では「特定の記者の排除を意図したものでは全くない」と答弁したが、官邸が記者クラブに文書を送付したことをどう見るか?

 首相官邸からの申し入れ書が話題になっている。昨年末、内閣記者会の加盟社に上村秀紀・総理大臣官邸報道室長の名前で届いた文書は、官房長官会見での特定の記者の言動をクラブとして規制しろといわんばかりの内容だった。
 文書では「東京新聞の特定の記者」による質問内容が事実誤認であると指摘。そして会見がネット配信されているため、「正確でない質問に起因するやりとり」は「内外の幅広い層の視聴者に誤った事実認識を拡散」させ、「記者会見の意義が損なわれる」と訴える。
 仮に事実誤認なのであれば、そう回答すればいいようなものだが、この「特定の記者」が望月衣塑子氏であることは明白。要は望月氏の質問を減らせとクラブに申し入れているようなものなのだ。
 同文書は最後に、「本件申し入れは、記者の質問の権利に何らかの条件や制限を設けること等を意図していない」という言い訳で終わる。よもや、圧力に屈するメディアなどいないとは思うが……。
首相官邸が東京新聞・望月記者を牽制  記者クラブに異様な「申し入れ書」 

菅官房長官がキレたのは、辺野古の埋め立てに赤土が混じっているかどうかを質問した時である。
写真を見ても明らかに赤土のように見える。
Photo
土砂投入開始から1週間 濁る辺野古の海、工事止まらず – 沖縄:朝日新聞デジタル

しかし最近は動画等でも「加工」が問題になっている。
色調を変えれば赤土のように見えるのでは、という指摘もある。
しかし赤土を使っていないならば、そう答弁するのがスジであろう。
しかも軟弱地盤で設計変更をするというのだ。
2019年1月22日 (火) 辺野古赤土土砂投入と設計変更/安部政権の命運(50)

私も圧力に屈するメディアはないだろうと信じたいが、異様な官邸である。
望月記者と菅官房長官のやり取りした「信号無視話法」について分析した結果を紹介しよう。
信号の意味は次のようである。
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昨年12月14日午前の記者会見で質問した3名(共同通信 小笠原記者、朝日新聞 岡村記者、東京新聞 望月記者)の質問内容を色分けした結果は次のようだった。
当日は辺野古土砂投入の開始日とであり、記者全員の全ての質問が辺野古に集中していた。
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一目見て、色の割合は3者で大きく変わらない。
記者別に色分けした結果を文字数ベースで円グラフにまとめたものも示されている。
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望月衣塑子記者の質問は「無駄が多い」「自分の意見を述べ続ける」は本当か? 信号無視話法分析で検証

望月記者に灰色が少ない。
すなわち官房長官の指摘とは裏腹に、望月記者は「不要な言葉、言い間違い、似た言葉の繰り返し(読み飛ばしたほうが理解しやすい箇所)」が極めて少ない。
自分に都合の悪い質問を排除しようという官房長官はスポークスマンとして失格であろう。
Photo_4
公文書を改ざんする上に、ジャーナリストに質問させない政権はファシズム路線まっしぐらではないか。

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