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2019年2月11日 (月)

秀才かつクリエイティブ・堺屋太一/追悼(137)

堺屋太一さんが2月8日に多臓器不全のため東京都内の病院で亡くなった。
本名は池口小太郎。元通産(現経済産業)官僚。
昭和45年の大阪万博の開催に携わった後、石油危機を描いた小説「油断!」で作家としてデビューした。
第二作の『団塊の世代』文春文庫(2005年4月)がベストセラーになり世間に知られた。
Taichi_sakaiya
Wikipedia

「団塊」というのは本来は地質学の用語である。
それを人口構成上の用語に転用した。
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「団塊の世代」の研究(年表)

私にとっては『油断』日本経済新聞社(1975年)が鮮烈だった、
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刊行された時は某リサーチファームに所属しており、ある意味で描かれた世界は親しいものだった。
作者については某中央官庁の官僚とあったように記憶している。

藤原肇さんの『石油危機と日本の運命―地球史的・人類史的展望』サイマル出版会(1973年)などの影響で、1973年の石油危機発生の直前に石油化学業界から転職したのだった。
2014年9月20日 (土) 藤原肇『石油危機と日本の運命』/私撰アンソロジー(34) 
2009年4月 4日 (土) 同級生の死/追悼

油断』の内容は驚きは無かったが、政策決定の描写のリアリティはさすがであった。
旺盛な好奇心と筆力のある人だったと思う。
秀才であるには違いないが、クリエイティブな側面も兼ね備えていたとな存在だった。

「巨人、大鵬、卵焼き」と言ったのもこの人で、造語感覚が優れていた。
東日本大震災の直後に「第1の敗戦は幕末、第2の敗戦は太平洋戦争、そして、下り坂20年の末にきた大震災が第3の敗戦である。ここで大改革ができなければ、なお日本は負け続ける。」という問題意識で、『第三の敗戦』講談社(2011年6月)を緊急出版した。
しかし「大改革」どことろか、政権に復帰した安倍晋三首相の下で、取り返しのつかない道へ迷い込んでしまった。

官庁データを駆使した油断』でデビューし、人口動態データから団塊の世代』を書いた人は、公文書を偽造し、データ不正が疑われている現状をどう思っていたのだろう。
合掌。

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