粉飾と隠蔽は倒産の前兆/安部政権の命運(78)
高橋洋一氏ならば、「統計不正は厚労省のチョンボ」などと言いかねないが、官邸の関与は明らかになりつつある。
大体、安倍首相自身に審議の場で、真相に迫ろうとする姿勢が全くみられない。
答弁中の根本厚労相を席に戻させるし、審議の時間が終わったことをゼスチャーで示したり、一国の首相とも思えない恥ずかしい態度である。
首相「変更、指示していない」 勤労統計事業所入れ替え
つまり政権は誤りを正すことよりも隠すことに必死なのだ。
この姿勢は今に始まったことではないが、企業とのアナロジーで考えると分かりやすい。
統計不正は粉飾決算であり、倒産も近いのではなかろうか。
ウソは重ねると必ず拡大するものと考えた方が良い。
統計不正について、坂村健氏が2月21日の毎日新聞『統計不正が意味すること』で分かりやすく説明している。
経緯としては坂村氏の説明の通りだろうが、由々しいことは、総理秘書官の関与である。
中江元就秘書官(当時)が「問題意識」を厚労省側に伝え、「意見」をメールしていたのである。
毎日新聞2月21日
政権側は「問題意識」を伝えることは何ら問題にならないと言っているが、メールについて根本厚労相が説明している最中に、安倍首相が説明を中断させた。
中江首相秘書官はこれまで“厚労省から検討会設置の報告は受けたが、検討の途中や結果の報告を受けた記憶はない”と答弁してきたが、これらは完全に虚偽答弁だったことになる。
首相が慌てたのはそのことを察知したからであろう。
首相秘書官が関与し、官僚がそれを忖度して動く。
既視感のある構図である。
毎日新聞2月21日
「李下に冠を正さず」というが、安倍首相は冠を正し過ぎだろう。
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