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2019年2月

2019年2月28日 (木)

虚偽申述は隠蔽ではないのか?/安部政権の命運(80)

「毎月勤労統計」の不正調査問題を検証していた厚生労働省の特別監察委員会は、27日に追加報告書を公表した。
しかし奥歯に何か挟まったような気がすることは否めない。
虚偽の説明を重ねた厚労省の姿勢を厳しく批判する一方で、組織や担当者レベルでの隠蔽の意図を改めて否定した。
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統計不正「厚労省の虚偽申述」 「重い悪質性」認定 監察委「隠蔽」には踏み込めず

隠蔽を意図しない虚偽申述などあるのかと思う。
何のために虚偽申述をしたのか?
それについての合理的な説明がない限り「監察」に値しないと言うべきであろう。

追加報告書では、隠蔽行為を「違法行為を認識しながら意図的に隠そうとする行為」と定義した。
そして、このような定義における「組織的隠蔽」は認められなかったと結論づけている。
しかし「推定無罪」のような考え方はこの場合適切とは言えない。

本事案は統計法という法律に違反した行為である。
それを虚偽の報告まで行っていて、「隠蔽」と言わなかったら、何を隠ぺいと言うのだろうか?

2019年2月22日 (金) 統計不正を厚労省が虚偽報告/安部政権の命運(75)

公務員が法に反した行為をしたのであるから、単なる過失で済ます訳にはいかない。
これでは何のために監察したのか分からなくなってしまう。
このような違法行為について、積極的に全容を明らかにしようとしない政権・与党こそ問われるべきだ。
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毎日新聞2月28日

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2019年2月27日 (水)

それでも辺野古埋め立てを進めるか/安部政権の命運(79)

辺野古埋め立ての是非を問う県民投票の結果が出た。
「反対」は実に72%超であり、明白な「NO]である。
2019年2月25日 (月) 沖縄の民意をどう受け止めるか?/安部政権の命運(77)

この投票結果の報じ方がメディアでかなり異なる。
つまり安倍政権への忖度のバロメーターとなっていることが興味深い。
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毎日新聞2月26日

読売と産経の安倍政権応援団としての性格が浮き彫りになっている。
NHKも同様と言えよう。
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反対多数であることは報じられているが、比率は全有権者に対するもので、投票数に対するものではない。
下地幹生の言い方を見ればハッキリする。
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こんな幼稚なレトリックは小学生でも通用するまい。
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しかしNHKが同じようなことをしているのだ。
心ある職員の憤慨が聞こえるような気がする。
2019年2月19日 (火) 安倍官邸VSNHK反権力職員/安部政権の命運(72)
しかも「法的拘束力がない」と繰り返し強調している。
沖縄県民の投票は本当に法的拘束力はないのか?
憲法学の泰斗小林節慶應大学名誉教授は、憲法95条「特別法の住民投票」に触れつつ、地域と国の行政分担のあり方から、次のように結論づけている。1902272
日刊ゲンダイ2月27日

安倍首相は、住民投票の結果は「真摯に受け止める」と言いながら、工事は継続するという。
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毎日新聞2月26日

どういう頭の構造になっているのだろうか?

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2019年2月26日 (火)

粉飾と隠蔽は倒産の前兆/安部政権の命運(78)

高橋洋一氏ならば、「統計不正は厚労省のチョンボ」などと言いかねないが、官邸の関与は明らかになりつつある。
大体、安倍首相自身に審議の場で、真相に迫ろうとする姿勢が全くみられない。
答弁中の根本厚労相を席に戻させるし、審議の時間が終わったことをゼスチャーで示したり、一国の首相とも思えない恥ずかしい態度である。Ws000000
首相「変更、指示していない」 勤労統計事業所入れ替え

つまり政権は誤りを正すことよりも隠すことに必死なのだ。
この姿勢は今に始まったことではないが、企業とのアナロジーで考えると分かりやすい。
統計不正は粉飾決算であり、倒産も近いのではなかろうか。
ウソは重ねると必ず拡大するものと考えた方が良い。

統計不正について、坂村健氏が2月21日の毎日新聞『統計不正が意味すること』で分かりやすく説明している。
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経緯としては坂村氏の説明の通りだろうが、由々しいことは、総理秘書官の関与である。
中江元就秘書官(当時)が「問題意識」を厚労省側に伝え、「意見」をメールしていたのである。
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毎日新聞2月21日

政権側は「問題意識」を伝えることは何ら問題にならないと言っているが、メールについて根本厚労相が説明している最中に、安倍首相が説明を中断させた。
中江首相秘書官はこれまで“厚労省から検討会設置の報告は受けたが、検討の途中や結果の報告を受けた記憶はない”と答弁してきたが、これらは完全に虚偽答弁だったことになる。
首相が慌てたのはそのことを察知したからであろう。
首相秘書官が関与し、官僚がそれを忖度して動く。
既視感のある構図である。
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毎日新聞2月21日

「李下に冠を正さず」というが、安倍首相は冠を正し過ぎだろう。

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2019年2月25日 (月)

沖縄の民意をどう受け止めるか?/安部政権の命運(77)

辺野古埋め立てに関する県民投票の結果が明らかになった。
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東京新聞2月25日

投票率は52・48%で、反対票は昨年9月の知事選で玉城知事が獲得した過去最多の39万6632票を超えた。
埋め立てを強行する政府に対して反対する強い民意が示されたわけである。
この結果が出ても安倍政権は埋め立てを続けるであろう。
「沖縄の心に寄り添う」などの言葉は方便に過ぎないからだ。
2019年2月18日 (月) 辺野古埋め立てに関する政権の冷酷/安部政権の命運(71)

ノーベル平和賞推薦というおべっかまで使ってアメリカに隷従する政権にとっては、佐藤優氏が喝破したように、沖縄は植民地のよう感覚なのであろう。
2019年2月20日 (水) トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦?/安部政権の命運(73)
2018年12月 6日 (木) 沖縄は独立に動くか?/安部政権の命運(21)
2018年9月28日 (金) 沖縄県知事選の政治思想的意味/メルトダウン日本(42)

しかし政権が末期を迎えていることは確かだ。
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日刊ゲンダイ2月26日

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2019年2月24日 (日)

日本文学への深い愛・ドナルドキーン/追悼(138)

米コロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさんが2月24日、心不全のため東京都内の病院で亡くなった。
1922年、米ニューヨークで貿易商の家庭に生まれ、コロンビア大学に進学し、18歳の時、英訳された「源氏物語」を偶然手に取り、みやびな世界に魅了された。
太平洋戦争中には、米海軍語学将校として日本兵捕虜の尋問・通訳に従事した。

2011年3月の東日本大震災の津波被害と原発事故を憂えて、「大好きな日本に永住し、日本人になる」と表明年に日本国籍を取得し、2013年には、研究業績などを紹介する「ドナルド・キーン・センター柏崎」(同県柏崎市)がオープンした。

2012生涯独身で、後に養子に迎える新潟県出身の文楽三味線奏者、上原誠己さんと06年秋に知り合ったことが日本国籍取得(12年)の最大の契機になったという。
2012年から東京新聞等で『東京下町日記』を掲載し、日本文学への深い造詣と愛情を示した。
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東京新聞2013年10月6日

年譜は以下の通りである。
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東京新聞2月25日

 戦後、大学に戻り、本格的に日本文学研究に打ち込み、53年には京都大大学院へ留学。後の文相で教育社会学者の永井道雄と親交を結ぶ中、中央公論社の嶋中鵬二社長を紹介されたのを機に、谷崎潤一郎や川端康成、三島由紀夫ら多くの文学者と交流。古典から近現代文学まで幅広い日本文学作品に精通し、太宰治や三島、安部公房らの作品を積極的に翻訳、紹介した。谷崎、川端、三島らの名前が候補に挙がったノーベル文学賞の事前選考にも、大学の同僚だった日本文学研究者エドワード・G・サイデンステッカー(2007年死去)とともに関わった。
・・・・・・
 日記文学を論じた「百代の過客」で読売文学賞と日本文学大賞(85年)、力作評伝「明治天皇」で毎日出版文化賞(02年)を受賞するなど多数の論考を著した。
 近年でも評伝「正岡子規」(12年)、同「石川啄木」(16年)を刊行するなど晩年まで創作意欲は旺盛だったが、18年3月の米ニューヨーク訪問後に体調を崩しがちになり、都内の病院で入退院を繰り返していた。公には、同年5月に埼玉県草加市で上演された「幻」の古浄瑠璃「越後国柏崎 弘知法印御伝記(こうちほういんごでんき)」の記念座談会で元気そうな姿を見せたのが最後となった。
ドナルド・キーンさん死去 96歳 日本文学研究者、翻訳で国際化に貢献

あの世というものがあれば、三島由紀夫や川端康成などと、心行くまで交歓されることを。
合掌。

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2019年2月23日 (土)

統計不正の焦点としての18年賃金/安部政権の命運(76)

統計不正の焦点は18年の賃金の大幅な伸びが統計の取り方の影響であることと言えよう。
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東京新聞2月23日

安倍首相はこれを「アベノミクスの成果」だと訴えて昨年の衆院選を行い、勝利した。
しかし統計手法について、厚労省の統計に首相秘書官が関係していたのである。
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東京新聞2月23日

この秘書官の関与の証拠になるメールが衆院予算委員会の理事会で公開された。
「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(以下、検討会)で座長を務める中央大学・阿部正浩教授に対し、厚労省の手計高志統計情報部雇用・賃金福祉統計課長補佐(当時)が2015年9月14日の16時8分に送ったメールである。

〈委員以外の関係者と調整している中で サンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました。
(ご存じのとおり、報告書(案)では、総入れ替え方式が適当との記載を予定していました。)
このため、第6回では、報告書(案)ではなく、中間的整理(案)の議論ということで とりまとめを行わせていただきたいと考えています。
併せてサンプルの入れ替え方法についても「引き続き検討する」というような記述とする予定です〉
統計不正で新たに「官邸関係者」明記の圧力メールが発覚! 安倍首相「いったん戻れ」の理由はこれだったのか

実際、統計手法が首相秘書官が面談した当日書き換えられたのである。
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毎日新聞2月22日

安倍首相が答弁中の根本厚労相を関に戻らせるという異様とも見える行動をとったのが、焦りを表していた。
これでも関与を否定するのであろうか。

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2019年2月22日 (金)

統計不正を厚労省が虚偽報告/安部政権の命運(75)

毎月勤労統計の調査方法変更を巡り、厚生労働省の有識者検討会が2015年9月に中間報告をまとめた際、調査方法変更に慎重な意見が出ていたのに、厚労省がこうした部分に触れず趣旨の異なる文書を作り、政権の意に沿うような内容で総務省の統計委員会に示していたことが、統計委の会議資料で分かった。
虚偽文書である。

 厚労省が作成したのは、「検討会の主な意見」などとタイトルが付いた文書。厚労省の有識者検討会が一五年六~九月に六回開かれた後の同十二月、統計の見直しを話し合う統計委の部会で、同省雇用・賃金福祉統計課の課長(当時)が示した。
 検討会は、統計の調査対象とする中規模事業所のサンプルについて、二~三年に一度、全数を入れ替えるやり方から毎年一部を入れ替えるやり方に変えることは事務負担が増すなどの懸念から、「合理性は低い」などとして「引き続き検討する」としていた。ところが、厚労省が作成した文書は、こうした方針に触れていなかっ。  
 また検討会では、サンプルを入れ替えると平均賃金に高低差が生じるため補正が必要との指摘があり、規模別の労働者数などに基づく指数も補正が必要としていたが、厚労省の文書では「あえて増減率を補正する必要はない」などの文言に変わっていた。

 厚労省は一八年一月に勤労統計の調査方法を変更。厚労省文書は一八年八月、調査方法が変更された毎月勤労統計を検証するための統計委の会合でも、資料として提示された。

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 サンプルを全て入れ替えるよりも、毎年部分的に入れ替える方が賃金の下落を抑えられる。麻生氏ら閣僚からは、こうした調査変更を望む発言が相次いでいた。
 検討会で座長代理を務めた横浜市立大の土屋隆裕教授は取材に「(問題の文書は)検討会で出た一部の意見だけ拾い、肝心な部分が入っていない」と話した。
勤労統計調査・算出変更 検討会の結果、虚偽報告 厚労省が統計委に示す 

厚労省職員が政権の意に沿うような形で報告書を作ったのであろう。
また、毎月勤労統計で2018年に賃金の算出方法を変えて伸び率が過大になっている問題で、「統計委員会」が最も大きな上振れ要因については審議していないことも分かった。
安倍首相や根本厚労相は「統計委で適切に議論された」と説明してきたが、根拠がなかったことになる。
不正を根絶するためには原因を明確にすることが必要かつ重要であることは当然である。
しかし政権与党は、参考人招致に反対するは、情報を小出しににするはで、解明に積極的だとは、とても思えない。
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東京新聞2月20日

不正はほとんどの場合、隠しおおせる者ではない。

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2019年2月21日 (木)

安倍官邸VSジャーナリズム/安部政権の命運(74)

菅官房長官VS東京新聞望月記者の問題を、東京新聞が全面を用いて検証している。
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東京新聞2月20日

新聞社としては所属記者を守ることは当然とも言えるが、菅官房長官の姿勢は異常だ。
望月記者は、辺野古の埋め立て現場で赤土が使われているかどうかという「事実」を確認するものであった。
2019年2月17日 (日) 東京新聞望月記者の質問の制限/安部政権の命運(70) 

それを「事実誤認があった」という理由で制限するのはスジが通らない。
官邸側が「簡潔に」とせかすのも合点が行かない。
東京新聞の「意見」は以下のようであり、その通りとしか言いようがないであろう。
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同上

NHK職員の「反旗」もそうだが、官邸は硬骨のジャーナリストを敵に回していると言っていいるだろう。
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毎日新聞2月21日

記者クラブは利権共同体であり、ジャーナリズムの本道から外れている。

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2019年2月20日 (水)

トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦?/安部政権の命運(73)

安倍首相がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦したらしい。
トランプ大統領からの依頼に安倍首相が応えたということのようだ。
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毎日新聞2月19日

頼む方も頼む方だが、それに応える方もどうかしているのではないか?
せっせと国境の壁を建設するのに全力を上げている人間が平和賞に相応しいとはとても思えない。
国境の壁を除いた人が受賞すべきだろう。
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東京新聞2月20日

私はキリスト教徒ではないが、ローマ法王の言葉に同感する。
安倍首相は何とも思っていないようだが、世界の人々から物笑いになるだろう。
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東京新聞2月19日

安倍首相はかなり恥ずかしいと思うべきだが、この人に「恥の文化」は無縁だからなあ。

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2019年2月19日 (火)

安倍官邸VSNHK反権力職員/安部政権の命運(72)

「森友疑惑」では国策捜査であったと言わざるを得ないだろう。
その実態(の一部)が、元NHK記者相澤冬樹氏の著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』文藝春秋(2018年12月)によって一端が明らかにされた。
2018年12月29日 (土) 2018年の回顧(1)/安部政権の命運(37)
2018年12月21日 (金) ゴーン拘留延長不許可と再逮捕/ブランド・企業論(83)

NHKニュースにバイアスがかかっていることは今や常識であろう。
安倍首相は、あの百田尚樹氏を堂々と経営委員に据え、会長に任命された籾井勝人氏は、2014年1月25日の就任初日、10人の理事全員に辞表を提出させるという非常識ぶりだ。
2014年12月29日 (月) 百田尚樹の正体?/人間の理解(8) 
2014年3月 3日 (月) 不適格な籾井NHK会長の任命責任/アベノミクスの危うさ(28)

籾井氏は、一貫して政権のイに沿うように振る舞っていた。
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2015年3月29日 (日) 品格なき籾井NHK会長の任命責任/日本の針路(128)

国民の受信料で経営されていることを考えれば、まさに「悪夢」のような事態と言えよう。
相澤氏の著書は、未だにその「悪夢」が続いて入つことを示したが、組織改編のあり方をめぐって、心ある職員が反旗を翻したという。

 ここに「要望書」と題した一通の書面がある。差出人は、NHKの文化・福祉番組部職員一同。宛先は同局の制作局局長だ。要望書にはこうある。
〈今回の組織改正案について、文化・福祉番組部では1月31日・2月4日に、〇〇(注・原文では本名)部長より説明会が開かれました。(中略)福祉と文化が切り離されることについて驚きと強い懸念を抱いています〉
〈現在部員の全員(管理職を含む)が、現状の説明では納得がいっていないと考えています〉
〈NHKの番組全体の多様性が失われることを懸念する〉
NHK組織大改変で“反権力”職員72名が提出した反論意見書

部外者身は分かりにくいが下図のような再編だという。
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局長に対し、〈意見交換の場を求める〉とした部員は72名で、海外留学中の部員を除く全員であるという。
縦割り体制の見直しを目的とした組織改編という理由だが、意図は「安倍シフト」だという。
NHK職員の矜持であろう。
驕れる安倍官邸もあちこちで火を噴き始めたようだ。

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2019年2月18日 (月)

辺野古埋め立てに関する政権の冷酷/安部政権の命運(71)

沖縄県の辺野古埋め立ての是非を問う住民投票の期日前投票の最中である。
賛否の2択から、「どちらでもない」を加えて3択になった。
その影響はどう出るか?

琉球大学の久保慶明准教授(政治学)が、選択肢の提示方法が有権者に与える影響を調査し、結果をまとめた。

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 結果は「賛成」「反対」の2択では賛成34・7%、反対63・8%、白票1・5%だった。3択では賛成36・9%、反対40・1%、どちらでもない22・3%、白票0・6%で、2択に比べ埋め立て否定の割合が23・7ポイント低下した。
 「容認」「反対」の2択では容認44・9%、反対54・5%、白票0・6%となり、「賛成」の2択に比べ、埋め立て肯定の割合は10・2ポイント増加し、埋め立て否定の割合は9・3ポイント下がった。
 久保准教授は「『どちらでもない』という中間的な選択肢の追加や、『容認』という表現を使うことは単純な2択に比べ埋め立てに否定的な割合だけを低下させる可能性がある」と分析。その上で「(投票条例は)いったんは2択で可決した。選択肢の変更は投票行動を左右する可能性が大きく影響は大きい。県議会与野党ともに説明する責任がある」と事態を混乱させた県議会の対応を問題視した。
「どちらでもない」が加わったことで減る票は「賛成」?「反対」?

反対派に不利な影響であることが推認される。
にもかかわらず菅官房長官は、「結果に関わらず工事推進の考え」だという。

 名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票が告示されたことを受け、菅義偉官房長官は14日午前の会見で「政府としてはコメントは控える」と述べた上で、移設問題の原点は普天間飛行場の危険性除去だとし、「住環境や生活環境に十分配慮しながら進める考え方に変わりはない」と話し、投票結果に関わらず移設工事を進める考えを示した。
 県民投票に向け、政府や与党として移設に理解を得る取り組みをするかについては「(自主投票を決めた自民党)県連の意思が優先される」とした上で「移設の必要性はあらゆる所で答えてきた」と語った。
 投票が行われる24日までの間、工事を止めることについては「考えておりません」と否定した。
 一方、岩屋毅防衛相は14日午前、国会内で記者団に「地方自治体の取り組みについて防衛省としてコメントすることは控えたい」と述べた上で、「普天間基地の一日も早い全面返還に向けて(辺野古移設)事業を進めさせていただきたい」と強調した。県民投票の結果は「まだ仮定の話」としつつも、辺野古移設を進める方針は変わらないとの考えを示した。
菅官房長官、結果に関わらず工事推進の考え 県民投票告示を受け

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安倍首相は、再三「沖縄に寄り添う」と口にしてきた。

「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、基地負担の軽減に全力を尽くす。これが政府としての一貫した方針であります」

しかし実際は埋め立て工事をゴリ押ししてきた。
もはや口にさえもしない気らしい。
聖学院大教授の石川裕一郎氏(憲法)は次のように言う。

「安倍首相は過去、『民意を問う』と言って衆院選挙に打って出ましたが、沖縄の民意についてはまるで無視です。昨年9月の沖縄県知事選で新基地建設反対の知事が誕生しても、何事もなかったかのように埋め立て工事を強行しています。国政選挙では都合よく民意を振りかざすのに、沖縄の民意を無視するのはダブルスタンダードです」
 自民は、県民投票が盛り上がるのを避けるため、投票の呼びかけを行わずに“死んだフリ”作戦を貫いている。
「住民投票に法的拘束力がないとはいえ、無視するのは、地方自治をうたう憲法原理に反する。安倍政権の沖縄への行為は、嫌がらせや暴力と同じです」(石川裕一郎氏)
「馬の耳」のいじめっ子たちを、いつまでも政権に居座らせてはダメだ。
結果が出る前に…安倍政権は沖縄県民投票“ガン無視”モード

もはや政治とも言えない冷酷さではないか。

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2019年2月17日 (日)

東京新聞望月記者の質問の制限/安部政権の命運(70)

菅義偉官房長官の定例会見をめぐり、東京新聞の望月衣塑子記者とみられる「特定の記者」が「問題行為」を行っているとして、会見を主催する官邸の記者クラブ(内閣記者会)に対して「問題意識の共有」を求める文書を首相官邸が送った。
これに対し、新聞労連は次のような抗議声明を出した。た。

政府との間に圧倒的な情報量の差があるなか、国民を代表する記者が事実関係を一つも間違えることなく質問することは不可能で、本来は官房長官が間違いを正し、理解を求めていくべきです。官邸の意に沿わない記者を排除するような今回の申し入れは、明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭めるもので、決して容認することはできません。厳重に抗議します。

2月15日の衆院本会議では「特定の記者の排除を意図したものでは全くない」と答弁したが、官邸が記者クラブに文書を送付したことをどう見るか?

 首相官邸からの申し入れ書が話題になっている。昨年末、内閣記者会の加盟社に上村秀紀・総理大臣官邸報道室長の名前で届いた文書は、官房長官会見での特定の記者の言動をクラブとして規制しろといわんばかりの内容だった。
 文書では「東京新聞の特定の記者」による質問内容が事実誤認であると指摘。そして会見がネット配信されているため、「正確でない質問に起因するやりとり」は「内外の幅広い層の視聴者に誤った事実認識を拡散」させ、「記者会見の意義が損なわれる」と訴える。
 仮に事実誤認なのであれば、そう回答すればいいようなものだが、この「特定の記者」が望月衣塑子氏であることは明白。要は望月氏の質問を減らせとクラブに申し入れているようなものなのだ。
 同文書は最後に、「本件申し入れは、記者の質問の権利に何らかの条件や制限を設けること等を意図していない」という言い訳で終わる。よもや、圧力に屈するメディアなどいないとは思うが……。
首相官邸が東京新聞・望月記者を牽制  記者クラブに異様な「申し入れ書」 

菅官房長官がキレたのは、辺野古の埋め立てに赤土が混じっているかどうかを質問した時である。
写真を見ても明らかに赤土のように見える。
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土砂投入開始から1週間 濁る辺野古の海、工事止まらず – 沖縄:朝日新聞デジタル

しかし最近は動画等でも「加工」が問題になっている。
色調を変えれば赤土のように見えるのでは、という指摘もある。
しかし赤土を使っていないならば、そう答弁するのがスジであろう。
しかも軟弱地盤で設計変更をするというのだ。
2019年1月22日 (火) 辺野古赤土土砂投入と設計変更/安部政権の命運(50)

私も圧力に屈するメディアはないだろうと信じたいが、異様な官邸である。
望月記者と菅官房長官のやり取りした「信号無視話法」について分析した結果を紹介しよう。
信号の意味は次のようである。
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昨年12月14日午前の記者会見で質問した3名(共同通信 小笠原記者、朝日新聞 岡村記者、東京新聞 望月記者)の質問内容を色分けした結果は次のようだった。
当日は辺野古土砂投入の開始日とであり、記者全員の全ての質問が辺野古に集中していた。
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一目見て、色の割合は3者で大きく変わらない。
記者別に色分けした結果を文字数ベースで円グラフにまとめたものも示されている。
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望月衣塑子記者の質問は「無駄が多い」「自分の意見を述べ続ける」は本当か? 信号無視話法分析で検証

望月記者に灰色が少ない。
すなわち官房長官の指摘とは裏腹に、望月記者は「不要な言葉、言い間違い、似た言葉の繰り返し(読み飛ばしたほうが理解しやすい箇所)」が極めて少ない。
自分に都合の悪い質問を排除しようという官房長官はスポークスマンとして失格であろう。
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公文書を改ざんする上に、ジャーナリストに質問させない政権はファシズム路線まっしぐらではないか。

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2019年2月16日 (土)

病的な安倍首相の幼児性/安部政権の命運(69)

安倍首相は憲法改正が必要な理由として、自衛隊員の募集に自治体が非協力的であることを挙げた。
その際「自衛官の息子さんが『お父さん、憲法違反なの?』と目に涙を浮かべて聞いた」いう逸話を披露した。
今時そんな話があるのかと思う。
しかし本多平直衆議院議員が「これ、実話なんですか?」と聞くと、安倍首相は激高してキレた。

本多議員はわたしが言っていることをウソだと言ってるんでしょ、それは非常に無礼な話ですよ。
ウソだと言ってるんですよ、あなたは。ホントだったらどうするんですか、これ。…ウソを言うわけないじゃありませんか

私が視聴している限り、本多議員は「ウソ」とは言っていない。
それを「人格攻撃だ」とまで言って反論する安倍首相の姿勢は異様だった。
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しかし「自治体の6割が拒否」という安倍首相の言い方は正しいのか?

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 岩屋毅防衛相は十五日の衆院予算委員会で、自衛官募集の協力要請に一切応じていない自治体は五つだと明らかにした。
・・・・・・
 国民民主党の渡辺周氏への答弁。岩屋氏は「採用ポスター掲示などの募集広報を含む、自衛隊法九七条一項が規定する自衛官等の募集に関する事務を全く実施していただけていない」と説明した。自治体名は明らかにしなかった。
 岩屋氏は「六割の自治体からは防衛相からの依頼に対して回答(名簿)をもらっていない。協力いただければ募集事務も随分はかどる」と改めて自治体側に名簿提供を求めた。
 渡辺氏は「完全拒否」の自治体が0・3%にとどまることを受け「六割(が協力していない)というのはあまりに乱暴な数字ではないか」と指摘した。
自衛官募集で自治体協力 「完全拒否」0.3%だけ 防衛相答弁「6割拒否」変えず

安倍首相の「協力を拒否」の定義は何か?
「適齢者名簿を作成して自衛隊に提示すること」を意味しているようだ。
しかしそんなことを自治体側にされたら、個人情報保護に抵触するだろう。
安倍首相の頭の中では既に「徴兵制」が施行されているらしい。

また、民主党政権を「悪夢」と表現して物議を醸している。
1902132
毎日新聞2月13日

私も民主党政権に問題があったことは認める。
しかし「悪夢」というならば、安倍政権の方がフィットするだろう。
まして自分の発言を正当化(?)するのに「私にも言論の自由がある」と言うのは中学生以下であろう。
1902142
毎日新聞2月14日

安倍首相の幼児性は病的と言わざるを得ない。
2015年6月 2日 (火) 安倍晋三=サイコパス論/人間の理解(13)

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2019年2月15日 (金)

やっぱり桜田五輪相に大臣はムリだ/安部政権の命運(68)

水泳の池江璃花子選手が白血病に罹患したことを自ら公表した。
1902132
毎日新聞2月13日

誰もが、まさかと思うようなことであるが、基本はそっと見守っているべきだろう。
ところが、桜田五輪相は「ガッカリだ」と言った。
まあ、表現が拙いことは以前から分かっていた。
2018年11月24日 (土) ポンコツの極み櫻田五輪相/安部政権の命運(13)

しかしさすがに今回は他に言い方がないものかと思う。
表現力以前の問題であって、炎上状態になっているのも理解できる。
陳謝して撤回すれば「無かったこと」になるのか!

それに加え「五輪憲章」について、「聞いたことはあるが、読んだことはない」と言った。
190214
毎日新聞2月14日

少なくとも担当になったからには目を通すべきではないか。
というよりも、目を通さざるを得ないのではないだろうか。
やっぱり大臣になるべきでない人だと断じざるを得ない。
2018年11月16日 (金) 凡庸な人が大臣をやる害悪/安部政権の命運(10)

五輪熱が冷める一方である。
安倍首相は「文部副大臣として誘致に功績がある」し、「適任だ」と庇っているが、副大臣になったのは誘致決定後だという。
首相の言葉の誤りを自分で指摘しない(できない)ならば、究極のイエスマンだろう。
そんな人間ばかり登用しているからミスが絶えないのだ。

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2019年2月14日 (木)

何の目的で日雇いを除去したのか?/安部政権の命運(67)

徐々に統計不正の構図が明らかにされつつある。
全体像は下図のようである。
1902142
東京新聞2月14日

現時点での焦点の1つは、18年における賃金の大幅アップの信頼性である。
1902143
東京新聞2月14日

野党の試算は以下のようである。
Ws000000
日雇い除外で賃金が上振れ?

実質賃金の伸び率がプラスだったのかマイナスだったのか?
なぜ厚労省は日雇い賃金を外したのか?
その意図と影響を説明する必要がある。
1902142_2
毎日新聞1月14日

そもそも「かわす」問題ではない。
「統計の危機は国家の危機」という認識が必要だ。

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2019年2月13日 (水)

「活かせ統計、未来の指針。」/安部政権の命運(66)

今年度の「統計の日」の標語で特選に選ばれたのは「活かせ統計、未来の指針。」であった。
その通りであろう。しかしその指針が正しい方向をむいているのかどうか疑わしいとしたら?
厚労省墓の統計不正は、まさにそういう状況である。

間が良いと言うべきか悪いというべきか?
今年度の標語の募集の発表は、不正公表と重なった。1902072_2
東京新聞2月7日

ネットでは大喜利状態だという。
190213_2
毎日新聞2月13日

安倍首相は「再発防止に全力を尽くす」と語っているが、言葉だけが踊っている印象を受けるのは私だけではないだろう。
発生の要因を解明しないと再発防止はできないだろう。
なぜか、政府与党はコーマンの参考人招致に反対するなど消極的だ。
結局は参考人招致に同意するのだが、口裏合わせの時間稼ぎと勘繰られても仕方がない。

厚労省の統計不正は総務省が検証することになった。1902072
東京新聞2月7日

検証作業を当事者以外の手に委ねることは当然であろう。
不正の検証を内部のお手盛りで済ませようと考えていたところが疑問であるが、公務員試験を通ってきた厚労省の役人はそれほど知的レベルが低いのか?
2019年1月25日 (金) 不正統計の隠蔽を隠蔽!?/安部政権の命運(53)

私は国会の責任において、明確にすべき問題だと考える。
2019年1月31日 (木) 統計不正に国政調査権の発動を!/安部政権の命運(56)

根本厚労相が普通の「恥の感覚」を持っているならば辞任するだろう。
それでも自発的に辞任しないのは、何故か?
私には分からないが、考えられるのは次のどれかだろう。
1.自分の責任を感じていない。
*不正は役人がやったので自分は与り知らない。
2.自分が辞任すればドミノ的に広がり、首相退陣になりかねない。
*従って、できるだけ火の粉を浴びる覚悟。

度重なる暴言・失言にもかかわらず、麻生財務相が平然と居座っているのも、統計不正追及の的を逸らす陽動作戦だという見方もある。
190206
日刊ゲンダイ2月6日

そういう見方もあり得るだろうが、基本的には「アソウでなくアホウ」だからだと思う。
2019年2月 6日 (水) 政権ぐるみの統計偽装/安部政権の命運(62)

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2019年2月12日 (火)

GDP統計は信頼できるのか?/安部政権の命運(65)

政府は1月の月例経済報告で、景気拡大が戦後最長を更新したとの認識を示した。
しかし、多くの国民は好景気を実感していないだろう。190130
毎日新聞1月30日

もちろん確定判断には時間がかかるので暫定認識ではある。
1901233
毎日新聞1月23日

景気そのものは直接目には見えないから指標に頼らざるを得ない。
しかし、その指標を導出するためのデータが疑われているのだ。
Gdp1902062
日刊ゲンダイ2月6日

現時点では意図的な操作だというのは現時点では慎むべきだろう。
しかし「モリカケ」疑惑以来、決裁済みの公文書まで書き換えられていたのである。
非自然なデータがあると指摘されているにもかかわらず、説明に積極的でない姿勢が疑いを増幅するのだ。
Gdp1902092
東京新聞2月9日

統計データは政策の基礎である。
第一義的な説明責任はもちろん政府にある。

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2019年2月11日 (月)

秀才かつクリエイティブ・堺屋太一/追悼(137)

堺屋太一さんが2月8日に多臓器不全のため東京都内の病院で亡くなった。
本名は池口小太郎。元通産(現経済産業)官僚。
昭和45年の大阪万博の開催に携わった後、石油危機を描いた小説「油断!」で作家としてデビューした。
第二作の『団塊の世代』文春文庫(2005年4月)がベストセラーになり世間に知られた。
Taichi_sakaiya
Wikipedia

「団塊」というのは本来は地質学の用語である。
それを人口構成上の用語に転用した。
Photo
「団塊の世代」の研究(年表)

私にとっては『油断』日本経済新聞社(1975年)が鮮烈だった、
Photo
刊行された時は某リサーチファームに所属しており、ある意味で描かれた世界は親しいものだった。
作者については某中央官庁の官僚とあったように記憶している。

藤原肇さんの『石油危機と日本の運命―地球史的・人類史的展望』サイマル出版会(1973年)などの影響で、1973年の石油危機発生の直前に石油化学業界から転職したのだった。
2014年9月20日 (土) 藤原肇『石油危機と日本の運命』/私撰アンソロジー(34) 
2009年4月 4日 (土) 同級生の死/追悼

油断』の内容は驚きは無かったが、政策決定の描写のリアリティはさすがであった。
旺盛な好奇心と筆力のある人だったと思う。
秀才であるには違いないが、クリエイティブな側面も兼ね備えていたとな存在だった。

「巨人、大鵬、卵焼き」と言ったのもこの人で、造語感覚が優れていた。
東日本大震災の直後に「第1の敗戦は幕末、第2の敗戦は太平洋戦争、そして、下り坂20年の末にきた大震災が第3の敗戦である。ここで大改革ができなければ、なお日本は負け続ける。」という問題意識で、『第三の敗戦』講談社(2011年6月)を緊急出版した。
しかし「大改革」どことろか、政権に復帰した安倍晋三首相の下で、取り返しのつかない道へ迷い込んでしまった。

官庁データを駆使した油断』でデビューし、人口動態データから団塊の世代』を書いた人は、公文書を偽造し、データ不正が疑われている現状をどう思っていたのだろう。
合掌。

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2019年2月10日 (日)

統計不正の責任はどこにあるか/安部政権の命運(64)

私たちは知りたい情報を直接知りえないことが多い。
*明日の天気はどうなるか?
*保有している株はいつ売るべきか?
*彼女の本当の気持ちはどうなのか?
*今、企画検討している事業は進めるべきか否か? etc.

判断を迫られていることに関する情報がそのままの形で存在することは殆どない。
明日の天気は明日にならなければ確定しないし、株式の売買は、先行きの見方が半々なので成立する。
「レオパレス21」の株は2月8日(金)は、ウリ気配のまま推移し、ストップ安で比例配分された。
圧倒的にウリが多かったのだが、それでもカイのチャンスだと見た投資家もいたということだろう。
彼女の「本当の気持ち」など本人にも分からないかも知れない。

知りたい情報がそのままの形では存在しないとしたら、関連がありそうな事柄についての情報を得て、それから推測することになる。
明日の天気を判断するためには、天気予報を聞いたり、天気図をみたり、空模様を眺めたりするであろう。
そして、西空が夕焼けに染まっているから明日は晴れるだろう、などと判断する。

このように、Aという事柄からBという事柄を結論すること(A→B)は、日常的にもよく行っていることである。
この場合の、「A」を根拠といい、「B」を結論という。
また、「→」で示されるプロセスを導出と呼び、「A→B」全体を論証と呼ぶ。
根拠の典型例が統計データである。
従って、統計データは政策の根本であり、精度の高い統計データは近代国家の大前提である。

統計のあり方が揺れている。
インターネット・イニシアティブの鈴木幸一会長は次のようにコメントしている。
190208
毎日新聞2月8日

ここで言われているように、「導出」の方法論としての推測統計学自身は既に確立した分野と言って良いであろう。
伊藤整『氾濫』新潮文庫(初版1961年)は、推測統計学を用いて接着剤の開発にトライする主人公を描いた傑作であるが、単行本の発行は1958年であった。
伊藤は当時、東京工業大学の教授をしていたので、同僚やOBなどからこの方面の知見を得ていたのであろう。

統計不正に関して政権が積極的に指示をしたとは考え難いが、厚労省の「過剰な忖度」があるのではないか。
「モリカケ疑惑」と同じ構図であり。「過剰な忖度」を勝手にやったことで済ます訳にはいかないだろう。
1902102
東京新聞2月10日

少なくとも統計データに関しては全く中立的でなければならないことは当然である。

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2019年2月 9日 (土)

自然と命の画家・堀文子/追悼(136)

風景の絵や花鳥画で知られた日本画家の堀文子さんが、5日、心不全のため亡くなった。
私は「サライ」誌の連載『命といふもの』で存じ上げていた。
19032
「サライ」2019年3月号

 東京・平河町生まれ。女子美術専門学校(現女子美術大学)で学び、創画会などで活動した。うつろいゆく自然の姿を日本画特有の透き通った色合いと端正なタッチで描き続けた。
 自然、生命を生涯のテーマとしながら新境地を追い求め、イタリアの古都アレッツォ郊外にアトリエを構えたり、幻の花ブルーポピーをたずねてヒマラヤの高地に赴いたり。80歳を超えて動脈の病気で倒れた後は顕微鏡をのぞき、プランクトンなどのミクロな世界を優美に描いた作品で注目を集めた。「命といふもの」や「ホルトの木の下で」などの著作でも知られた。
 親しみやすい画風と同時に、自身を「わたくし」と呼ぶ丁寧な、かつ東京育ちらしい切れ味のいい語り口と若々しい姿でも人気に。「群れない、慣れない、頼らない」がモットーで、バブル景気以降の日本人のおごりを嫌い、晩年は「大きな公募団体展は好みません」と画壇からも距離をとっていた。
日本画家の堀文子さん死去 うつろいゆく自然の姿描く 

東京新聞のコラム「筆洗」がその画業の特質をうまく要約している。
1902092
2月9日

「凛」という言葉が相応しい人だと思う。
日本人の美質のようなことを考えるとしたら、この人の人生と作品を参照すべきであろう。
堂々たる大往生である。
合掌。

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2019年2月 8日 (金)

実質賃金非公表で政府と与党が調整?/安部政権の命運(63)

思わず嗤ってしまった。
インチキをやっていますと自白しているようなものではないか。
政府・与党は野党が明らかにするよう求めている2018年1~11月の「実質賃金の参考値」について、当面は公表しない調整に入ったという。
1902072_3
毎日新聞2月7日

政府与党は、「厚労省はけしからん」と言いながら(確かに不正を隠そうとする厚労省(相)は問題だるが)、まったく同じことを自分たちも平気でしている。
その典型が小泉進次郎しであろう。1902062
日刊ゲンダイ2月6日

厚生労働省が公表する「毎月勤労統計」の不正調査問題に絡み、野党は実質賃金の伸び率が同期間の「9カ月で前年同月比マイナスになる」との独自試算を示した。1902062
毎日新聞2月6日

 同省関係者によると、この実質賃金の参考値について再集計していないが、野党の試算と「近い数値の可能性はある」という。政府が公表をためらうのは、野党が「アベノミクス偽装」と追及する根拠を公式に認めることを回避する狙いもあるとみられる。
 毎月勤労統計は18年1月に調査対象事業所を一部入れ替えた。その際、ひそかにデータ補正していたが、補正していない前年と比較していたため、賃金の伸び率が実際より高く出ていた。同省は入れ替わらない事業所のみで比較した名目賃金の「参考値」を示したものの、実質賃金の参考値は公表しなかったため、野党は実質賃金についても再集計して公表するよう求めている。
 実質賃金は名目賃金から物価変動の影響を除いた指標で、生活実感に近い数値。同省がまとめた18年1~11月の実質賃金は6カ月で前年同月比マイナスになった。
政府与党、実質賃金の参考値は公表しない方向で調整

なぜ隠したり偽装したりするのか?
野田市の児童虐待のニュースは胸が痛むが、虐待していた父親が、児童の訴えを「ウソでした」と偽装することとソックリだと言えよう。
1902062_2
毎日新聞2月6日

素人でも分かる虚偽を重ねるのが安倍政権である。

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2019年2月 7日 (木)

北方領土の日/戦後史断章(34)

今日は内閣府が定めた「北方領土の日」である。
「北方領土問題に対する国民の関心と理解を更に深め、全国的な北方領土返還運動の一層の推進を図るために制定された記念日」である。
「北方領土の日」をいつにするかについては、ソ連が択捉島への侵略を開始した8月28日などいくつかの候補があったが、最終的に、1855年(安政元年)に江戸幕府とロシア(当時は帝政ロシア)との間で最初に国境の取り決めが行われた日露和親条約が結ばれた2月7日に決まった。

歴史を江戸時代まで巻き戻してみよう。
1855(安政元)年「日露(魯)通好条約」が結ばれた。
この条約で、両国の国境を択捉島とウルップ島の間に定め、ウルップ島より北につらなる千島列島はロシア領、択捉・国後・色丹・歯舞の四島は日本の領土、樺太については「どちらにも帰属しない、と定められた。Photo
日露通好条約

1875年「樺太・千島交換条約」が結ばれ、樺太はロシア領、千島列島は日本領になった。
1905年、日露戦争の戦後処理である「ポーツマス条約」によって、樺太の南半分が日本領になった。
私は日露戦争は日本が勝ったと学習したが、実態は「限りなく引き分けに近い」ものだった。
Wikipedia:ポ-ツマス条約の記述は以下のようである。

日露戦争において終始優勢を保っていた日本は、日本海海戦戦勝後の1905年(明治38年)6月、これ以上の戦争継続が国力の面で限界であったことから、当時英仏列強に肩を並べるまでに成長し国際的権威を高めようとしていたアメリカ合衆国に対し「中立の友誼的斡旋」(外交文書)を申し入れた。米国に斡旋を依頼したのは、陸奥国一関藩(岩手県)出身の日本の駐米公使高平小五郎であり、以後、和平交渉の動きが加速化した。
講和会議は1905年8月に開かれた。当初ロシアは強硬姿勢を貫き「たかだか小さな戦闘において敗れただけであり、ロシアは負けてはいない。まだまだ継戦も辞さない」と主張していたため、交渉は暗礁に乗り上げていたが日本としてはこれ以上の戦争の継続は不可能であると判断しており、またこの調停を成功させたい米国はロシアに働きかけることで事態の収拾をはかった。結局、ロシアは満州および朝鮮からは撤兵し日本に樺太の南部を割譲するものの、戦争賠償金には一切応じないというロシア側の最低条件で交渉は締結した。半面、日本は困難な外交的取引を通じて辛うじて勝者としての体面を勝ち取った。
この条約によって日本は、満州南部の鉄道及び領地の租借権、大韓帝国に対する排他的指導権などを獲得したものの、軍事費として投じてきた国家予算4年分にあたる20億円を埋め合わせるための戦争賠償金を獲得することができなかった。そのため、条約締結直後には、戦時中の増税による耐乏生活を強いられてきた国民によって日比谷焼打事件などの暴動が起こった。

日比谷焼打事件が起きたのも、「日本が勝った」ということがミスリードした結果だろう。
そして1945年である。
8月6日:広島原爆投下
8月8日:ソ連対日宣戦布告
8月9日:長崎原爆投下
8月14日:ポツダム宣言受諾
8月15日:玉音放送
8月28日:択捉占拠
9月5日:ソ連が北方四島の編入を宣言

上記過程からすれば、ラブロフ外相が「第二次大戦の結果、南クリール諸島(四島)がロシア領になったことを日本が認めない限り、領土交渉の進展は期待できない」というのもムリがあるだろう。
少なくとも、歯舞、色丹は、降伏後の領有というべきだろう。
しかし日本は一貫して「北方領土(四島)は日本固有」を主張してきた。1901232
東京新聞1月23日

しかし、岸信介元首相が日米安全保障条約を改定したことにより、米軍基地は日本国内のどこにでも置ける。
モスクワで行われた日ロ首脳会談でも特段の前進はなかったようである。
2019年1月26日 (土) 日ロ領土問題の経緯と落としどころ/世界史の動向(73)

そういう前提で考えれば、容易にロシアが了解するとも思えない。
安倍首相は成果を得たいために前のめりであるが、国益を損なうような交渉であってはならない。

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2019年2月 6日 (水)

政権ぐるみの統計偽装/安部政権の命運(62)

与党&政権は、統計不正のキーマンの参考人招致に反対している。
1902062
毎日新聞2月6日

なぜ参考人招致を拒むのか?
それは政権の体質そのものだからである。
安倍政権お得意の「隠蔽体質」である。

「モリカケ」疑惑と同じ構造であるが、そろそろ安倍信者も目が覚めるのではないか。
それにしても閣僚の言い訳は見苦しい。
根本厚労相は実質賃金がマイナスだった事実を「名目賃金を機械的に消費者物価で割り返すという前提の限りでは」と条件を付けて認めた。
190206
毎日新聞2月6日

「名目賃金」を「実質賃金」に換算するのに、他にどういう方法があるのか?
往生際が悪いとしか言いようがないが、麻生財務相も少子高齢化問題について、「産まない方が悪い」と講演した件について、不快に思う人がいれば撤回すると謝罪した。
1902052
毎日新聞2月5日

不快に思う人がいたことは確かで、そういう人に謝るのは当然であるが、「世代間の対立」という問題にすり替えて問題を捉えている認識そのものにある。
揃って、非論理的な思考経路を全開させているが恥ずかしい限りである。

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2019年2月 5日 (火)

政府与党は参考人招致拒否なのか/安部政権の命運(61)

統計不正を巡って国会審議が続いている。
しかし面妖なことに、状況を最も良く知っている人間の参考人招致を与党が拒んでいるという。
1902052
日刊ゲンダイ2月5日

「アベノミクス偽装」と言われているのであるから、疑いを晴らすことに積極的になるはずである。
2019年2月 1日 (金) アベノミクスという虚飾の看板/安部政権の命運(57) 

しかるに与党が参考人招致を拒むのはなぜか?
1902052_2
毎日新聞2月5日

しかも大西氏は2月1日付の異動である。
責任を取らせたように偽装するという何重もの偽装と隠蔽である。
そんなことが通じると思わせてしまったのは誰か?
我々であるとしたら、次の選挙では断固として「No!」を明確にしなければならない。

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2019年2月 4日 (月)

辺野古県民投票全自治体で実施/安部政権の命運(60)

辺野古の新基地の可否について、県民投票がすべての市町村で実施されることになった。
投票は参政の最も基礎にあり、投票できることは当たり前ではあるが、先ずは良かったと思う。
190202
東京新聞2月2日

普天間の危険性を除去するためには「辺野古移設が唯一の解決策」という政府の主張を県民はどう判断するのか?
工学的な観点から気になるのは軟弱地盤である。
190202_4
東京新聞2月2日

安倍首相は当該地のサンゴは移植済みだと言ったが、本当の情報が上がらない状態になっているのではないか?
2019年1月 9日 (水) 辺野古のサンゴは移植されたか?/安部政権の命運(42)
2019年1月21日 (月) 「嘘つきは戦争の始まり」とNHKの忖度/安部政権の命運(49)

辺野古移設に合理性があるのか、再考すべきではないのだろうか?
2019年1月22日 (火) 辺野古赤土土砂投入と設計変更/安部政権の命運(50)

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2019年2月 3日 (日)

戦後最長の景気拡大?/安部政権の命運(59)

政府は「戦後最長の景気拡大を実現した」という。
1901232
毎日新聞1月23日

しかし、身の回りに景気のよさそうな話はない。

統計不正の実態が底なし沼の様相を見せている中で、多くの国民が眉に唾をつけているのではないだろうか。

Ws000000

わが国の生産人口は、この先30年程度は減少していくことは、ドラッカー流に言えば『すでに起こった未来』である。
Photo
ダイヤモンド社(1994年11月)

藻谷浩介氏の『デフレの正体-経済は人口の波で動く』角川oneテーマ21(2010年6月)は、デフレの主因が人口の波によるものであることを喝破した。

Photo_3

アベノミクスを批判する安倍首相は藻谷浩介氏を「アイツはケンカ売ってるのか、絶対に許せない」と言ったらしい。
しかし異次元の金融緩和をしても一向にデフレ傾向は変わっていない。
1901242
毎日新聞1月24日

政策当事者は頭を冷やして再考すべきだろう。
女性が生涯に産む子供の数を表す合計特殊出生率の推移は下図の如くである。Photo_2
中原圭介『AI×人口減少 これから日本で何が起こるのか』東洋経済新報社(2018年11)

「和」は多義的な言葉であるが、大きくは2つの軸が考えられる。
和⇔競争
和⇔グローバル
奇しくも新自由主義的な経済政策の反対側に「和の経済政策」を措定することができよう。
Photo_4
藻谷浩介『和の国富論』新潮社(2016年4月)

「和の経済」はLOHASということでもある。
451501
2015年1月14日 (水) LOHASと「早送り」/日本の針路(97)

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2019年2月 2日 (土)

株価維持のための運用で大損失/安部政権の命運(58)

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の公的年金積立金の2018年10~12月期の資産運用成績は、14兆8039億円の赤字だった。
四半期ベースでの赤字幅としては過去最大である。Photo_3
GPIFによる国民年金や厚生年金の運用 14兆8039億円の赤字と発表

アベノミクスと称する政策が効果が上がっていないことは、一連の統計不正でも明らかであろう。
2019年1月25日 (金) 不正統計の隠蔽を隠蔽!?/安部政権の命運(53) 
2019年2月 1日 (金) アベノミクスという虚飾の看板/安部政権の命運(57)

景気拡大が最長を更新しているというが、手前味噌というしかないだろう。
可処分所得はむしろマイナスなのだ。
Photo_2
2018年12月26日 (水) 安倍バブルの崩壊/安部政権の命運(35)

しかもGPIFの運用先は、軍事部門の売上高の世界のトップ10に入っている企業である。
Gpif
2017年9月18日 (月) GPIFは死の機関投資家か?/アベノポリシーの危うさ(297)

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2019年2月 1日 (金)

アベノミクスという虚飾の看板/安部政権の命運(57)

アベノミクスなどというものを未だに信じている人がいるのだろうか?
私は得意げな顔をして「トリクルダウン」などと言っていた人間の何人かの顔は忘れていない。
2016年6月11日 (土) トリクルダウンの幻/アベノポリシーの危うさ(79)

もちろん騙される方も悪いという言い方もできるが、本質的には騙した方が悪い。
しかも政権が国民を騙したのであれば、その罪は深い。
1902012
東京新聞2月1日

GPIFの投資損失が14兆円だという。
Gpif14
いま、そのいかさま性が誤魔化しようもなく晒されようとしている。
2016年4月 2日 (土) 虚構の経済政策の終焉/アベノポリシーの危うさ(46)
2016年1月15日 (金) いかさま経済政策の破綻/アベノミクスの危うさ(67) 
2016年1月17日 (日) いかさま経済政策の破綻(続)/アベノミクスの危うさ(68)
2016年1月18日 (月) いかさま経済政策の破綻(3)/アベノミクスの危うさ(69)

安倍首相はまたもや自分の発言を都合の良いように限定して強弁している。1902012_2
東京新聞2月1日

「森友疑惑」では、どう贔屓目に見ても昭恵夫人の関与は明らかであった。
2018年12月29日 (土) 2018年の回顧(1)/安部政権の命運(37)
柳の下に、そう何匹もドジョウがいるわけがない。
さて、言い逃れを許すのかどうか、静かに見守っていよう。

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