海外紀行番組の草分け・兼高かおる/追悼(133)
「兼高かおる世界の旅」(TBS系)の案内役として約150カ国を巡った旅行ジャーナリストの兼高(かねたか)かおる(本名兼高ローズ)さんが5日、心不全のため死去した。
90歳だった。葬儀・告別式は近親者で行い、後日「しのぶ会」を開くという。
東京の香蘭女学校を出た後、米国のロサンゼルス市立大に留学。帰国後、英字紙でフリー記者として活動した。航空機を乗り継ぎ、世界一周の速さを競うコンテストで約七十三時間の記録を樹立し、有名になった。
日本人の海外渡航が自由化される前の一九五九年に紀行番組「兼高かおる世界飛び歩き」がスタート。六〇年にタイトルが「世界の旅」となり、海外旅行ブームに先駆けた名物番組として、九〇年まで約三十年間放送された。
番組出演・ナレーターのほか、ディレクターやプロデューサーも兼務。行動力と語学力を武器に各国で取材、南極や北極も訪れた。スペインの画家ダリやケネディ米大統領、英国のチャールズ皇太子ら著名人とも面会。総移動距離は約七百二十一万キロ、地球百八十周分というテレビ史上例を見ないスケールになった。
兵庫県淡路市の「兼高かおる旅の資料館」名誉館長や横浜市の「横浜人形の家」初代館長も務めた。著書に「私の好きな世界の街」「スーツケースのティー・タイム」など。菊池寛賞、紫綬褒章などを受けた。
兼高かおるさん死去 90歳「世界の旅」放送30年
まさに草分けであるが、当然だ草分けには草分けの苦労がある。
毎日新聞1月10日「余禄」
酷使したであろう羽根を休めて安らかに。
合掌。
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