人口減少というトレンド/安部政権の命運(41)
安倍首相は、年頭の所感で次のように述べた。
本年は、最大の課題である、少子高齢化の壁に本腰を入れて立ち向かいます。
安倍内閣総理大臣 平成31年 年頭所感
「えっ、本年は?」と聞き返したくなる。
何というお気楽さであろう。
「少子高齢化の壁」は、「本年、本腰を入れ」るのではもう手遅れなのだ。
将来人口は、基本的に、出生率と平均寿命の関数である。
単純であるが、2つとも簡単には変わらない。
中原圭介『AI×人口減少 これから日本で何が起こるのか』東洋経済新報社(2018年11月)から引用しよう。
わが国人口は2008年にピークアウトした。
⇒2010年10月22日 (金) 国勢調査と人口減少社会
⇒2013年8月30日 (金) 人口減少時代と加工貿易/花づな列島復興のためのメモ(254)
それは出生数を死亡数が上回る自然減によるものであり、この先差は必然的に拡大する。
特に合計特殊出生率のグラフを見れば、「本年、本腰を入れ」るのではどうしようもないことが分かる。
丙午という迷信から合計特殊出生率がトレンドを逸脱して1.58まで下がったが、1989年にはそれを下回り、「1.57」に下がり大騒ぎした。
⇒2010年11月 4日 (木) 戦後日本における人口転換
今思えば、長閑な時代であり、少なくとも警鐘が発せられたと理解すべきであったが、30年間有効な対策は実行されなかった。
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