英下院EU離脱案を大差で否決/世界史の動向(72)
英下院は、政府と欧州連合(EU)との離脱合意案を大差で否決した。
毎日新聞1月17日
反対432票、賛成202票で、倍以上の大差である。
離脱案は、かつて紛争があった英領北アイルランドと、地続きのEU加盟国アイルランドとの国境管理をどうするかが決まるまで、英国はEUの関税同盟にとどまる「安全策」を盛り込み、EU側は「安全策は一時的」と強調する文書を出したが、与党保守党内の強硬離脱派が「EUに永久に縛られる」と反発した。
しかし、安倍首相は離脱案を支持すると公言した。
首相個人の意見ならばともかく、英議会で否決されるであろうことを「全面的に支持」と言ってしまうところが「軽い」のである。
これらの難しさはプーチンが2016年12月15、16日の長門での安倍晋三との首脳会談後の共同記者会見で、1855年2月7日に伊豆下田で締結された日露和親条約から第2次世界大戦集結までの歴史を紐解き、1905年の日露戦争から「40年後の1945年の戦争の後にソ連はサハリンを取り戻しただけでなく、南クリル諸島も手に入れることができました」との物言いで、このことが最終決着であるかのように発言しているところに現れている。このプーチンの北方四島を返還する気はない難しさを踏まえるなら、平和条約締結交渉だけではなく、安倍晋三自身が締結の前提とした共同経済活動のための「特別な制度」に関わる議論も難しいことは当然であって、このような難しさを抜きにして、それとは反対の前進させることが可能であるかのように聞こえる言い方を用いたのである。言葉の軽さは人間の軽さに対応する。相当に人間が軽く出来上がっているように見える。
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