九条デモ俳句不掲載という忖度/安部政権の命運(33)
集団的自衛権の行使容認に反対するデモを詠んだ市民の俳句が、さいたま市の公民館の月報への掲載を拒否されたという事件があった。
作者の女性がさいたま市に賠償を求めて争っていた訴訟が結審した。
句の掲載は退けられ、賠償は認められた。
東京新聞12月22日
拒否された句と経緯は以下のようである。
梅雨空に『九条守れ』の女性デモ
俳句の掲載を拒否したのは大宮区の三橋(みはし)公民館。同公民館は、毎月発行する「公民館だより」の俳句コーナーに、館内で開く俳句教室の一作品を掲載している。
作者らによると、掲載作品は、この俳句教室の会員約二十人が詠んだ句の中から、互選で一句選ぶ方式。「梅雨空-」は六月に選び、七月号に掲載予定だったが、公民館は月報の俳句欄を削除して発行した。公民館長は「世論が大きく二つに分かれる問題で、一方の意見だけ載せられない」と説明したという。
公民館を管轄する市生涯学習総合センターの小川栄一副館長は、本紙の取材に「この句が市の考えだと誤解を招いてはいけない。公民館の判断は妥当だ」と話した。
梅雨空に「九条守れ」の女性デモ さいたまの70代俳句 月報掲載拒否
⇒2014年7月 5日 (土) さいたま公民館の俳句掲載拒否と新興俳句事件/日本の針路(4)
「九条守れ」という考えということだろうが、それは情景である。
まあ、言外にデモに対するシンパシーを感じはするだろうが、それは鑑賞の問題である。
稲葉康久教育長は、記者会見で、「集団的自衛権の問題が背景にあり、掲載すべきではなかった。今後もこの立場をご理解いただく」と話し、「世論を二分するような」テーマの作品は載せない基準にする考えを示した。
⇒2014年7月31日 (木) 「九条俳句」とさいたま市教育長批判/日本の針路(16)
市民のささやかな創作活動にまで神経を張り巡らす。
バカバカしいほどの過剰な自己規制である。
こういう過剰な自己規制を「忖度」というのであろう。
結果として、公文書を偽造し、まじめな近畿財務局の若い職員の命を奪った。
安倍、麻生、佐川・・・は何を思っているのだろうか。
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