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2018年12月 7日 (金)

今、なぜ、水道民営化なのか?/安部政権の命運(22)

水道法改正が可決成立した。
7月に衆議院本会議で可決されたが、参議院では時間切れとなったものである。
なぜ、臨時国会で、入管法改正など、審議を尽くすべき法案がある中で、今法律を改正する必要があるのか?

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朝日新聞12月7日

きっかけは麻生太郎財務相が2013年にワシントンの講演で「日本の水道をすべて民営化する」と話したことである。
水道事業を営むためには、安定的な原水の確保と供給網の維持管理が必要である。
全国的に見ると高度成長期に整備された水道管などの老朽化施設の更新が遅れている。
そこで、民営化によって効率化を図り、設備の更新を促進しようという狙いだとされる。

「コンフェッション方式」と呼ばれる「所有を公、運営を民」という上下分離型で民営化を促進するという。
しかし運営権を得た企業は、収益に直結しにくい設備投資には消極的になるのではなかろうか。

山口県の2歳の男児が、3日間野外で過ごしたがスーパーボランティアと呼ばれる男性に無事救出されたのは今年の明るい話題だった。
経験に裏打ちされた知恵に敬服するが、男児が無事だったのは近くに清流があったことが大きいと言われている。
水は生物の生存に必須の物質であり、「命の水」という言葉が実感される。

イザヤ・ベンダサン(山本七平の筆名)の『日本人とユダヤ人』に、「日本人は水と安全はタダと思っている」という言葉がある。
安全はともかく、水があって当然なのは、国民皆水道がほぼ実現しているからである。
明治23年に制定された水道条例において「水道ハ市町村カ其公費ヲ以テスルニ非サレハ之ヲ布設スルコトヲ得ス(第二条)」と規定されて以来、水道事業は殆どが公営である。

アラブの謎々に「あればタダ同然だが、なくなればとてつもなく高価なものは何だ?」がある。
答は水である。
今年は異常気象による災害が頻発したが、多すぎると災害になり、水ほど状況によって価値の異なる物質はない。
災害時には全国の自治体が被災地に出向き、無償で給水する協定を結んでいる。
民営化された場合、災害時の水の確保はどうなるのであろうか。

その他にも「水道料金は?」「水質の安全性をチェック・監視する機関は?」等々の課題が不透明なままである。
不安の声も全国的に根強い。
新潟県議会では改正法案反対の意見書が自民党も賛成に回り10月に可決されているように、地方の自民党議員には反対の声もあるだろう。
国民の生命・財産を営利事業の供する愚は再考すべきである。

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