原発事故対応作業員が過労死/原発事故の真相(159)
福島原発事故に対応していた作業員が過労死と認定された。
東電の経営陣は責任逃れに必死だが、現場で事故を収束させるべく努力している作業員は劣悪な条件を強いられているのである。
東京新聞11月6日
福島第1原発で昨年10月、福島県いわき市の自動車整備士、猪狩忠昭さん(当時57歳)が倒れて死亡したが、いわき労働基準監督署は今年10月、長時間労働による過労が原因として労災認定した。
猪狩さんは1次下請けで自動車整備・レンタル業「いわきオール」(いわき市)の整備士だった。同社規定の勤務時間は午前8時半~午後5時(休憩90分)だったが、実際は午前4時半にいわき市内の同社に出社、納車などの業務をこなしながら福島第1原発に入るなどしていたという。
猪狩さんは第1原発で防護服を着たまま作業。帰宅すると疲れた様子で、夕飯も食べずに寝ることもあったという。
残されたタイムカードの記録から、死亡前1カ月の時間外労働は122時間を超え、半年間では月平均110時間を超えていたとして、遺族は今年3月、労災申請した。いわき労基署は、発症前1カ月に100時間、または発症前2~6カ月で1カ月当たり80時間超とする「過労死ライン」を満たすと判断したとみられる。
時間外122時間超 事故後初の過労死認定
深夜残業や、夜勤と日勤を繰り返すなどの不規則な生活では、体内時計の乱れによる心身の不調は避けられない。
人間は概日リズムと言われる約 24時間サイクルの体内時計を持ち、食事、睡眠、排泄などに伴う体温や血圧、ホルモン分泌、脳の活動などを変化させ、調節している。
生活が不規則だと、体内時計が乱れやすく、日中に脳が十分に働かなくなるほか、食事の時間がずれるとホルモン分泌が乱れ、高血圧につながるとされる。
「働き方改革」の重要なポイントであるが、政権の向いている方向は真逆である。
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