サウジ記者殺害と皇太子/世界史の動向(68)
サウジアラビア政府に批判的な米国在住のサウジ人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がイスタンブールのサウジ総領事館を訪問中に殺害された。
サウジ政府は当初、「カショギ氏が総領事館で偶発的な事件で死亡した」という立場をとっていた。
⇒2018年10月21日 (日) サウジアラビア反体制記者抹消/世界史の動向(65)
その後、計画的に殺害されたことを認めざるを得なくなったが、皇太子の関与は否定し続けている。
皇太子が関与していることは、サウジとしては認めるわけにはいかないだろう。
しかし国際社会の目は厳しい。
21世紀に、総領事館で計画的に殺害されたこと自体、あってはならないことである。
しかしサウジはアラブの強国であり、各国の立場は微妙である。
静岡新聞11月2日
特に我が国は原油輸入の約36%を依存しており、サウジ情勢は大きな影響を及ぼすことを避けられない。
日本の原油輸入元をさぐる(石油統計版)
トルコのエルドアン大統領はワシントンポスト紙への寄稿の中で「サウジ政府の最高レベルの指示だ」とした。
サウジ当局の説明は二転三転しており、ムハンマド皇太子の権威は大きく棄損された。
王位継承さえ危うくなってくるという見方がある。
民主主義でないことの脆弱性の現れであるが、他山の石とすべきであろう。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
「思考技術」カテゴリの記事
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 横畠内閣法制局長官の不遜/安部政権の命運(91)(2019.03.12)
- 安倍首相の「法の支配」認識/安部政権の命運(89)(2019.03.10)
「世界史の動向」カテゴリの記事
- 日韓関係はどうすべきか/世界史の動向(74)(2019.01.28)
- 日ロ領土問題の経緯と落としどころ/世界史の動向(73)(2019.01.26)
- 英下院EU離脱案を大差で否決/世界史の動向(72)(2019.01.18)
- ファーウェイ問題と米中対立/世界史の動向(71)(2018.12.17)
- 米中対立とAPEC首脳宣言断言/世界史の動向(70)(2018.11.21)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント