偽装国家の本領(7)カジノの米資本/メルトダウン日本(53)
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法が、多くの疑念を積み残したまま、7月20日の夜の参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立し、第196通常国会は閉幕した。
災害対策を置いてまで邁進した政府与党の姿は不自然で、異常なものだった。
麻生財務相や二階幹事長は、「赤坂自民亭」と称する飲み会が、災害が起きているさなかに行われていても、問題ではないとした。
彼らは、「西日本が被災中でもどんちゃん騒ぎで酒を飲みます」と言っているわけで、国会を閉じれば、国民の関心は他に向くだろうと考えているのだろう。
⇒2018年7月21日 (土) カジノ法を成立させて国会閉会/ABEXIT(75)
安倍政権は、今年の通常国会で「カジノ法案」こと統合型リゾート(IR)実施法案を数々の問題点を追及されながらも十分な審議もおこなわないままに強行採決したが、このカジノ法案の審議でも、じつは「トランプ大統領からの口利きがあったのではないか」という問題が追及されたことがあった。
この問題を安倍首相に突きつけたのは、共産党の塩川鉄也議員だ。6月1日に開かれた衆院内閣委員会で、塩川議員は昨年6月10日付けの日本経済新聞のある記事を読み上げた。その記事には、こう書かれている。
〈「シンゾウ、こういった企業を知っているか」。米国で開いた2月の日米首脳会談。トランプ大統領は安倍晋三首相にほほ笑みかけた。日本が取り組むIRの整備推進方針を歓迎したうえで、米ラスベガス・サンズ、米MGMリゾーツなどの娯楽企業を列挙した。政府関係者によると首相は聞き置く姿勢だったが、隣の側近にすかさず企業名のメモを取らせた〉
そして、「この記事は事実か」と問われた安倍首相は、ニヤニヤと笑みを浮かべながら、こう答えたのだ。
「まるでその場にいたかのごとくの記事でございますが(笑)、そんな事実は、これはまったく、一切なかったということをはっきりと申し上げておきたいと思います」
安倍首相がカジノ法審議でやっぱり大嘘答弁していた! 強行の裏にトランプ大統領“お友だち”優遇を要求と米メディアが暴露
だが、日経だけではなく、アメリカからも同様の報道が出てきた。
東京新聞10月12日
この問題を報じた「プロパブリカ」は調査報道を専門とし、2010年にはネットメディアで初めてピュリツァー賞を受賞するなど高い信頼を得ている報道機関だが、安倍首相がトランプ大統領からラスベガス・サンズへの免許を与えるよう強く迫られたというのである。
つまり安倍首相は、カジノ法案を押し通そうとした背景にトランプ大統領からの強い要求があったということをひた隠し、国民に対して“ニヤニヤ笑い”で嘘をついたのだ。
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