台湾で特急電車が脱線事故/技術論と文明論(114)
台湾北東部・宜蘭県で10月21日、台湾鉄道の特急「普悠瑪(プユマ)」号が脱線事故を起こした。
8人が死亡し、190人が負傷したものとみられる。
死者の多くは先頭から3両目までに集中していたことが分かった。
乗客は366人。台湾鉄道は当初、死者を22人と発表したが、その後、消防当局が18人に修正した。死者のなかには、韓国で英語スピーチ大会に参加し、台東市に帰る途中だった中学校の生徒3人と教師2人や、結婚式から帰る途中の親族8人も含まれるという。
脱線現場は、宜蘭県蘇澳地区にある新馬駅にかかる右カーブ。列車は全8両が脱線してジグザグ状になり、そのうち5両は横転した。車両は日本製だった。
台湾紙・聯合報(電子版)などによると、死者は先頭車両の8号車内で6人、7号車付近の外で7人、6号車付近の外で2人見つかった。車外で見つかった人たちは、脱線の衝撃で車外に飛び出したと消防当局はみている。
運転士は負傷して病院に運ばれている。台湾鉄道当局者は22日、事故発生前に、運転士が緊急ブレーキをかけていたことや、電力が不安定になっていると訴えていたことを明らかにしたが、事故原因と関係しているかは分からないとしている。
蔡氏は22日午前7時(日本時間同8時)ごろ、現場に到着。台湾鉄道幹部から状況の報告を受けた後、「関係当局には早急に原因を究明してもらいたい。ともに、この難関を乗り越えよう」と語った。
日本台湾交流協会台北事務所(大使館に相当)によると、日本人が事故に巻き込まれたという情報はないという。
死者は先頭3両に集中 台湾脱線事故、蔡総統が 現地入り
現時点での情報は、JR西日本の福知山線脱線事故とそっくりであるといえよう。
文明は利便性を求めて発展する。
しかしそこには自ずから制約条件がある。
それを定めたのがルールや制度である。
福知山線の場合もそうだったが、そのルールを超えた運用はあってはならないことだろう。
運転士というあるいは運行会社というミクロな世界で良かれと思ってしたことが、より広い視点でみると、真逆の結果になることはしばしばある。
巨大文明の現代においては特に心すべきではないだろうか。
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