沖縄知事選の結果が国政に与える影響/メルトダウン日本(44)
沖縄知事選でオール沖縄=実質的な野党統一候補の玉城デニー氏が勝利した。
最終的な投票数は以下の通りだった。
【知事選投票率速報】最終午後11時25分、63・24%
接戦と言われた割には大差である。
自公+維新+希望が総力を挙げても沖縄の民意を変えられなかったということだ。
一地方選には過ぎないが、国政にも影響することは必至と思われる。
総裁選に圧勝する予定が石破氏の「善戦」だったことに加え、沖縄知事選の敗北は政権のとっては想定外の痛手と思われる。
静岡新聞10月1日
影響の第一は安倍政権の「一強体制」の揺らぎであろう。
安倍政権としては辺野古基地移転問題などを抱え、絶対に勝たなければならない選挙だった。自民党幹部がこう頭を抱える。
「4年前に翁長氏に負けた瞬間から、4年後に勝つためにやってきた。告示前から、二階幹事長を筆頭に、小泉進次郎氏も3回も沖縄入り。公明党も山口代表以下、幹部が続々と現地に入った。新潟県知事選挙で勝利したように、期日前投票で圧勝して貯金をつくり、当日は互角で勝つ戦術だった。だが、自民党、公明党の支援者でも辺野古など基地移転問題では反対を示す離反者が続出した。玉城氏の演説会に創価学会の三色旗を振る人まで出て、票が流れてしまった。とりわけ、これまで安倍首相に代わって厳しい姿勢を沖縄にとり続けていた菅官房長官が現地入りし、進次郎氏と一緒に演説したことが、失敗だった。辺野古のへの字も言わず、携帯電話の値下げの話などを延々と喋り、『帰れ』と怒号まで飛び交う始末だった」
沖縄県知事選 玉城デニー氏が初当選 「菅官房長官と小泉進次郎氏の演説で失敗」(自民党幹部)
知事に権限のない携帯電話料金で釣ろうとするのは県民を愚弄するものであろう。
第二には、公明党の存立基盤が問われるのではないか。
知事選には、公明党の山口那津男代表と創価学会の原田稔会長が同時に沖縄入りするなど、異例のテコ入れを図った。
しかし、32%の公明党支持者が玉城氏に投票したという出口調査もある。
出口調査された経験がないが、どれくらい信頼性があるのだろうか。
共産支持者の8%が佐喜眞氏に投票したというのは、仕事がなくなると脅されてのことらしい。
それだけ締め付けがきつかったという。
公明党の山口氏は代表6選であるが躓きとなる可能性もあろう。
第三は、普天間基地移設問題そのものへの影響である。
選挙結果を踏まえた上で、菅官房長官は次のように語った。
菅義偉官房長官は1日午前の記者会見で、沖縄県知事選で米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設に反対する玉城(たまき)デニー前衆院議員(58)が当選したことを受け「政府としては早期に辺野古移設と普天間飛行場返還を実現したい考え方に変わりはない」と述べ、移設計画を進める考えを強調した。
菅義偉官房長官「辺野古移設の考えに変わりない」
これは政府が選挙を「植民地の選挙」だとしている喝破した佐藤優氏の見方そのものである。
⇒2018年9月28日 (金) 沖縄県知事選の政治思想的意味/メルトダウン日本(42)
政府がそのような態度であり続ける限り、沖縄も反政府の姿勢を強めるだけではないだろうか。
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