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2018年9月 1日 (土)

自民党総裁選の「公正」を嗤う/メルトダウン日本(22)

自民党総裁選で石破氏が「正直、公正」と言ったら、自民党内部から「個人攻撃だ」という非難の声が上がった。
そのこと自体が、安倍首相の「非正直、不公正」を物語っていると考えるが、自民党の内部ではそうではないらしい。
2018年8月26日 (日) 自民党総裁選を嗤う/メルトダウン日本(18) 
2018年8月30日 (木) 「モリカケ」疑惑を放置して総裁選か?/メルトダウン日本(20)

自民党は総裁選の扱いについて、新聞・通信各社に「公平・公正な報道」を求める文書を配布した。
総裁選管理委員会の野田毅委員長名で配った文書は、記事内容や写真の掲載面積にいたるまで「必ず各候補者を平等・公平に」扱うように要求している。
毎日新聞は社説で次のように批判した。

 2014年の衆院選の際、自民党は安倍晋三首相の意向を踏まえ、放送局に対して関連番組のゲストやテーマ選び、街の声の扱い方など詳細に項目を挙げて公正な報道を求める文書を出したことがあった。
 当時も前代未聞の報道圧力だと批判を浴びたが、公職選挙法の対象外である政党の代表選びで、一体、何を根拠に自民党は「公平・公正」を求めているのだろうか。
 無論、首相選びとなる総裁選は国民全体にとって重要だ。だがそれはメディアが自律的に報じるもので、政党が注文をつける理由はない。
 今回の総裁選では、石破茂元幹事長が求めていた政策テーマごとの討論会は見送られた。安倍氏は記者会見を含め質問に答える形式は極力避けたい考えと見られる。見送りはその意向を受けてのことであり、選挙戦の運営自体が安倍氏に有利で不平等ではないかとの疑問は拭えない。
 そんな中、安倍政治に批判的な石破氏は既に連日のように記者会見を続け、それが報じられている。こうした報道が不平等だと言うのか。だとすれば石破氏の言動やメディア露出を封じるのが狙いなのだろうか。
自民が総裁選報道で要請 介入の前に公平な選挙を

まったく語るに落ちることばかりである。
「特命内閣参与」という肩書の飯島勲氏が「週刊文春」に次のような寄稿をした。
Photo_2
「週刊文春」9月6日号

そうだったのか、「特命内閣参与」の「特命」とは、という感じである。
さすがに石破陣営は抗議した。

 自民党石破派の古川禎久事務総長は31日、首相官邸を訪れ、石破茂元幹事長に関し飯島勲・内閣官房参与が「総裁選を辞退せよ」と題した週刊誌のコラムを執筆したことに抗議した。西村康稔官房副長官は急用で対応せず、古川氏は秘書官に口頭で再発防止を要求。記者団には「党内民主主義に介入するがごとき、あるまじき記事だ」と述べた。石破氏は別の場で「参与が党のあり方についてものを言うのは今まで見たことがない。違和感を感じざるを得ない」と記者団に語った。
 また古川氏は党本部で総裁選管理委員会にも抗議。党員への文書郵送を多額の費用を理由に禁じたことに関し文書で「政策周知の制限につながる」と指摘。安倍晋三首相陣営の集会に関し「県連の中立性が守られていない事例が聞かれる」とただした。
石破派が飯島内閣官房参与のコラムで抗議

史上最低の総裁選であることは間違いあるまい。

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