長崎への原爆投下という非人道性/技術論と文明論(107)

8月9日、長崎から「日常」が奪われた。
既に広島への投下でその威力が確認されていたことを考えれば、長崎は非人道性を上塗りしたことになる。
田上富久市長は平和宣言で、核保有国や「核の傘」に依存している国に対し「核兵器に頼らない」安全保障政策への転換を呼び掛けた。
田上市長は、2007年4月の市長射殺という忌まわしい事件の直後、市役所職員を辞し、急遽立候補した。
本日の東京新聞に、2009年の今日読み上げられた「平和宣言」の中の言葉が紹介されている。

田上市長は、政府に唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に賛同し、世界を非核化に導く道義的責任を果たすよう求めた。
しかし、安倍晋三首相はあいさつで、条約に言及しなかった。
長崎、広島の悲劇が再び繰り返されてはならない。唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現に向けて、粘り強く努力を重ねていくこと。それはわが国の使命です。
近年、核軍縮の進め方について、各国の考え方の違いが顕在化しております。
真に「核兵器のない世界」を実現するためには、被爆の悲惨な実相の正確な理解を出発点として、核兵器国と非核兵器国双方の協力を得ることが必要です。わが国は、非核三原則を堅持しつつ、粘り強く双方の橋渡しに努め、国際社会の取り組みを主導していく決意です。
その具体的な取り組みとして、昨年立ち上げた「賢人会議」を、本年秋に、ここ長崎で開催予定です。「賢人会議」を通じて得られる知見も踏まえながら、核兵器不拡散条約(NPT)発効50周年となる2020年のNPT運用検討会議が意義あるものとなるよう、本日、ご出席頂いているグテーレス国連事務総長とも緊密に協力しつつ、積極的に貢献してまいります。
長崎の平和祈念式典 安倍晋三首相のあいさつ全文
首相が核禁条約に消極的なことは、確信的にそう考えているからであろう。
「賢人会議」に下駄を預けても、その「賢人」はどういう基準で選んだのか?
毅然として核廃絶に向かうという姿勢がない限り、前身はしないであろうし、被爆者の賛同も得られないであろう。
被爆者は高齢化が進んでいる。
安倍首相らは絶滅するのを待っているのかも知れないが、思いは伝承されていき、決して絶えることはない。
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