核兵器禁止条約に参加を拒む安倍首相/技術論と文明論(106)
1945年8月、6日に広島へ原爆を投下されたが、それでもなお日本は戦争を継続しようとしていた。
その結果、9日に長崎へ再度の原爆投下を受け、旧ソ連の参加を許してしまった。
この終戦の意思決定の遅延による犠牲者はまったくの犬死と言えよう。
⇒2007年8月 9日 (木) 長崎への原爆投下
⇒2007年8月10日 (金) ソ連の対日参戦
戦争指導層の責任は大きいが、歴史に学ばなければ同じことを繰り返すことになろう。
安倍首相は、祖父・岸信介(A級戦犯容疑で収監。CIAのエージェントになることで釈放されたという説が有力)と同じ道を歩もうとしている。
⇒2014年3月24日 (月) 安倍晋三と岸信介/「同じ」と「違う」(68)
⇒2009年4月30日 (木) M資金とCIA
⇒2009年2月10日 (火) 岸信介と児玉誉士夫
安倍政権は殆どすべてが当てはまると言えよう。
広島の平和記念式典で、小学生が「平和の誓い」を読み上げた。
東京新聞8月7日
平和記念式典に臨んだ人は皆、人間がつくった恐ろしいもの-核兵器の廃絶を願ったであろう。
安倍首相を除いて。
被爆者の声を聞く会においても、切実な声を聞こうとしなかった。
⇒2018年8月 6日 (月) 兵器としての核エネルギー/技術論と文明論(105)
首相に条約への参加を求めたのは、広島被爆者団体連絡会議の吉岡幸雄事務局長。「日本政府は禁止条約に反対し、署名も批准も拒否している。国民多数の意思に背き続けることはできない。条約に署名し、批准への努力を強く求める」と迫った。さらに「私はこれまでもこの席で、安倍内閣の集団的自衛権の容認や憲法改悪の主張に対し、抗議して撤回を求めた」と強調した。
首相との面会後、吉岡氏は記者団に「われわれの要望に全然聞く耳を持たない態度は腹立たしいことこの上ない。もう(広島に)来てほしくない」と怒りをあらわにした。
広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長は記者団に、日本政府が昨年立ち上げた核保有国、非保有国の専門家が核軍縮について議論する賢人会議について「核兵器禁止条約(に賛成)の立場に政府が立たない限り、賢人会議そのものに意味がない」と指摘した。
被爆者が首相を批判するのは、要望を政策に反映しようという姿勢が感じられないからだ。核廃絶に関しては、日本政府が米国など核保有国に対して、真剣に核放棄を迫っているようにもみえない。
首相は被爆者との面会で、核軍縮を巡る各国の立場の違いが顕在化していると指摘。日本に求められるのは橋渡し役だとした上で、条約は「アプローチが異なる」として参加は難しいとの考えを示した。賢人会議に言及し「核兵器国と非核兵器国への働きかけを行い、国際社会を主導していく」と理解を求めた。
祈りと怒りの原爆忌 首相、核禁止条約なお「不参加」
日本に求められているのは「橋渡し=調整」ではなく、潮流の創造ではないのか。
「唯一の戦争被爆国」という言葉は、安倍首相にとっては単なる枕詞に過ぎないのだろう。
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