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2018年8月19日 (日)

自民党総裁選と立憲主義・続/メルトダウン日本(12)

安倍首相は自民党総裁選の争点として憲法改正を挙げている。
改憲の内容は昨年5月3日の集会に寄せたビデオメッセージで明らかである。

自衛隊の存在を憲法にしっかりと位置付け、自衛隊が違憲かもしれないとの議論が生まれる余地をなくすべきだ。

つまり、戦争放棄を定めた九条一項、戦力不保持や交戦権否認を定めた二項を維持した上で、自衛隊の存在を憲法に明記する案である。

 党執行部が今年三月にまとめた改憲四項目の条文案で、九条改憲は、首相の考えがストレートに反映された。一項、二項を維持した上で「九条の二」を新設し、「必要な自衛の措置」のため「実力組織として自衛隊を保持する」と明記する内容。首相は総裁選で連続三選されれば、この条文案を軸に他の改憲勢力との間で調整を進めたい考えだ。
 自民党が野党時代の二〇一二年にまとめた改憲草案は、九条二項を削除して「国防軍」を保持すると明記していた。首相は、この案では公明党の理解が得られず、改憲発議に必要な議席に達しないと考え、二項維持を打ち出した。「自衛隊に関する憲法解釈は一切変わらない」とも強調する。
 だが、自衛隊が憲法に位置付けられれば、運用への歯止めがますます弱まり、装備や活動範囲の拡大につながりかねないとの懸念がある。「二項は死文化する」との指摘も。
Photo
<自民党総裁選 改憲の行方>9条 自衛隊明記 戦力不保持、死文化の恐れ

対抗馬の石破氏は以下のように述べている。

 改憲について(1)緊要性の高いもの(2)多くの国民、政党の理解が得られるもの、を挙げた。(1)として参院選の合区の解消と緊急事態条項の新設、(2)として「国は国政上の行為につき国民に説明する責務を負う」という政府の説明責任条項の新設を唱えた。森友・加計問題を「念頭においたものではない」としたが、こちらも対決色の強い改憲項目となる。
9条改正行うべきでない、石破氏が首相と対決色鮮明

私は石破氏の思想に与するものではないが、安倍か石破かの二者択一ならば、現時点では石破を選ぶ。
2018年8月17日 (金) 自民党総裁選の選択肢/メルトダウン日本(10)
2018年8月18日 (土) 自民党総裁選と立憲主義/メルトダウン日本(11) 

弁護士の猪野亨氏も次のように述べている。

 自民党総裁選挙は、安倍氏と石破氏の争いとなりましたが、当初から安倍氏が優勢と言われているように、政策ではなく、締め付けによって議員票を確保しています。
 そのような中で、対立候補の石破茂氏が公開討論を呼び掛けています。しかし、安倍氏側が無視を決め込むつもりです。それとも堂々と拒否しますか。
「総裁選 石破氏が安倍首相に公開討論求める」(日テレNEWS24 2018年8月16日)
「石破氏は、こう述べた上で「候補者同士の討論は、絶対にお願いしたい」と訴えた。しかし、安倍首相周辺は「優勢の中、直接討論をやっても得がない」として、「テレビ討論の回数を減らしたい」と話している。」
 少数であろうと劣勢であろうと、討論によって有権者(議員、党員)に投票行動のための情報を与えるということは選挙の過程においては極めて重要なものです。
 少数(劣勢)であったものが、多くの支持を得て逆転するための機会なのです。どちらの政策の方が理に適っているのかということは討論の過程こそ重要なのです。
 言いっ放しで終わっても意味がありません。
 確かに石破氏と安倍氏の憲法観は似たり寄ったりで、そこに大きな差は出てこないかもしれませんが、森友や加計学園問題、アベノミクス(と言われなくなった)経済政策などは大きな争点です。国民の声にもどう答えるのかというのも大きな争点の1つです。
 その憲法ですら討論を拒否しようというのです。自分で争点だと言っておきながらですよ。
総裁選挙、討論を拒否、安倍氏は国会でも同じことをしていた。討論拒否は少数意見を尊重しないということ トップとして相応しいかよく考えよう

時事川柳欄に以下があった。

石破派がハト派に見えるアベ政治

座布団1枚!

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