研究や教育の評価は市場原理とは別/メルトダウン日本(21)
元財務(大蔵)官僚の高橋洋一氏は「三流官庁」と見下したような言い方をする。
⇒2017年10月16日 (月) 親安倍のイデオローグ(3)高橋洋一/アベノポリシーの危うさ(307)
元来文科省に入省する人には理想主義的な人が多いのではなかろうか。
教育とか研究という分野には長期的な視点が必要で、短期的な市場主義とは基本的に対立するはずである。
しかし、この数年、文科行政には首を傾げざるを得ないことが多い。
1つは「文系不要論」である。
⇒2015年12月29日 (火) 「知のあり方」が問われた年/知的生産の方法(139)
産業界の役に立つか否かという視点の安倍政権ならではの文科行政と言えよう。
しかしノーベル賞受賞者の多くが基礎の重要性を指摘している。
⇒2017年9月25日 (月) 日本の研究力を回復するために・基礎と自由/日本の針路(330)
そして基礎科学は文化なのだ。
⇒2016年12月 9日 (金) 「基礎科学は文化」by大隅良典/知的生産の方法(165)
しかしながら安倍政権は基礎とか文化には疎い。
大学の経営に必要な資金を削り、「競争的資金」を増やすことによって、研究開発分野をで市場主義に晒してしまった。
国立大学における競争的資金の割合および私立大学における補助金の割合の推移は以下のようである。
文科省が競争的資金という「ニンジン」をぶら下げ、大学支配の力の源泉にしようとする構図である。
東京医科大が執着した「私立大学研究ブランディング事業」はその1つであろう。
選考に恣意的要素を払拭することは不可能だから「魚心あれば水心」という関係が生ずる。
しかも申請には相当程度の書類が必要である。
「霞が関文学」の書き手が得意とする領域である。
書き方の指南をしたり、天下る地盤になるだろうことは容易に推測される。
東京新聞7月27日
「人づくり」の根幹に市場主義を持ち込むな!
⇒2017年9月23日 (土) 日本の研究力(知的生産力)の低下を憂う/日本の針路(329)
「革命」よりも地道な努力が必要なのである。
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