オウム真理教の死刑囚の死刑執行/戦後史断章(30)

【号外】オウム・松本死刑囚ら刑執行
未だに詳細が不明な部分も多く、不可解な事件であったが、一つの時代が終わったと言って良いだろう。
しかし、再び起こらないとは言えない。
オウム真理教の代名詞とも言える地下鉄サリン事件が起きたのは1995年3月であった。、
もう23年前になるが、記憶は明瞭である。
既に前年から、ヨガ同好会のような組織から生まれたオウム真理教という教団が関与したのではないかと推認される犯罪が連続していた。
物情騒然とした雰囲気のびきの年明けであったが、新年早々に阪神淡路大震災が起きた。
⇒2015年1月17日 (土):阪神淡路大震災から20年/日本の針路(99)
ますます社会不安的な状況人sっていた時、「地下鉄サリン事件」が起きた。
⇒2015年3月20日 (金) 地下鉄サリン事件から20年/戦後史断章(19)
オウム真理教の特徴の一つは、代表(教祖)の松本智津夫が冴えない風貌であったのに対し、幹部に高学歴者が多いことだった。
・青山吉伸:京都大学法学部
・村井秀夫:大阪大学理学部物理学科→大阪大学大学院
・早川紀代秀:神戸大学農学部→大阪府立大学大学院
・中川智正:京都府立医科大学
・遠藤誠一:帯広畜産大学→京都大学大学院
・土谷正実:筑波大学農林学類→筑波大学大学院
・豊田亨:東京大学医学部
・富永昌宏:東京大学理学部→東京大学大学院
・廣瀬健一:早稲田大学理工学部応用物理学科
・林郁夫:慶應義塾大学医学部
・上祐史浩:早稲田大学理工学部電子通信学科→早稲田大学大学院
⇒2011年11月25日 (金):オウム真理教事件と知的基礎体力(?)
彼らのように、学力において秀でていると思われる人間がなぜ簡単にマインドコントロールされてしまったのか?
たとえば、富永昌宏は、高校時代(灘高)、3年連続で「大学への数学」誌の学力コンテストで全国1位になったというし、青山吉伸は在学中に司法試験合格している。
相当な秀才であったことは間違いないだろう。
毎日新聞社の牧太郎氏(サンデー毎日の編集長等を歴任)や菅直人元首相らは、「知的基礎体力」という言葉を使っているが、私は「知的基礎体力」という言葉がよく分からなかったし、今も分からない。
文脈からすると、「柔軟に幅広く状況に応じて判断する力」のようであるが、要は、自分で判断をすることを放棄し、他者の判断に身を委ねてしまっているからのように思える。
昨年の学習指導要領の改訂により、カリキュラムが段階的に改変されることになっている。
新しい学習指導要領の狙いはアクティブラーニングすなわち未知の問題に対して、自ら主体的に学習する姿勢の涵養である。
オウム真理教の幹部たちは、受験秀才ではあったが、問題意識を持って主体的に学ぶ能力に欠けていたように思える。
受験秀才はAIに叶わない。
もっとも「東ロボくん」プロジェクトが示すように、一般的な高校生がAI未満であることが深刻な問題であるが。
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