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2018年7月18日 (水)

可算無限と非可算無限/知的生産の方法(179)

非常に多いものの喩えとして、例えば「浜の真砂」がある。
大盗賊・石川五右衛門の時世の歌として有名な「石川や浜の真砂は尽くるとも世に盗人の種は尽くまじ」である。
「古今和歌集」の343番。

Ws000007
言の葉の種

要するに「永遠に生きて下さい」ということだ。
浜の真砂は、非常に多いに違いないが、それでもことが1粒、2粒・・・と数えることができる・
すなわち可算であって、1粒、2粒、3粒・・・と数えて行けばいつか数え終わる。

数は以下のように分類される。
016

整数は数えられる。
しかし、無限に存在する。
何故ならば、常に「最大の数+1」を考えれば、最大の数は決められない。

無理数を含む実数は数えられないので、当然カウンタブルではない。
それでは整数の比、すなわち有理数はどうか?
分数を規則的に並べ、番号を振る。
Photo_2

約分して同じ数は飛ばす。
この方法でカウントして行くことができるので、有理数はカウンタブル(可算)である。
浜の真砂は有限であるが、有理数は数え切れない。
自然数も有理数も無限であるが、0と1の間を考えてみよう。

自然数は0と1の2個である。
しかし有理数は、1/2、1/3・・・と無限である。
2VS∞であるから、自然数より有理数の方が大きいように思う。
しかし有理数には番号を付けられるので、可算である。
つまり、無限といっても、可算な無限と非可算な無限があるのである。

Photo_3
図表はすべて、神永正博『直感を裏切る数学』講談社ブルーバックス(2014年11月)

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