カジノ法を成立させて国会閉会/ABEXIT(75)
今国会は歴史に記録されるべきだろう。
昨年来の懸案テーマだった「モリカケ疑惑」は、「膿を出し切る」どころか、大量の膿を残したままである。
象徴的だったのは、事実上の最終日に「カジノ法」を成立させたことである。
多くの懸念や疑問が残る中で、災害対策を置いてまで邁進した政府与党は不自然で、異常なものだった。
山本太郎氏らが垂れ幕
カジノとは「賭場」である。
現在の法律では禁止されている。
それには当然理由がある。
なぜそんなに急ぐのか?
トランプ大統領との約束なのか?
公明党は、胸を張って賛成できるのか?
東京新聞7月21日
主務大臣は公明党の石井国交相である。
もちろん災害対策にこそ邁進すべき時だった。
「赤坂自民亭」ご称する宴会のタイミングの悪さは弁解のしようがないはずだが、微塵の反省もないようである。
政府・与党は、多くの被災者が避難生活を強いられている時に、カジノ法に邁進して成立させたのだ。
私はこの点については、山本太郎氏に100%同意する。
こんなことを許す空気があるとすれば、主権者もなめられたものである。
犬飼淳さんという人の「【平成30年7月豪雨】政府の『空白の66時間』を視覚化」の記事は、ヘタな弁解が通用しなことを雄弁に語っている。
⇒2018年7月11日 (水) 豪雨被害を拡大した「空白の66時間」/ABEXIT(71)
⇒2018年7月13日 (金) 「空白の66時間」が映し出す思考と志向/ABEXIT(73)
⇒2018年7月15日 (日) 「赤坂自民亭」の耐えられない軽さ/ABEXIT(73)
西村氏は、7月11日に「多くの方々に不快な思いをさせてしまい、おわびを申し上げたい。反省もしている」とTwitterで陳謝しました。
さらに翌日7月12日にも「本日の国会質疑において厳しいご指摘を頂きました。私のツイートで多くの方に不愉快な思いを抱かせたこと強く反省しています。お詫び申し上げます。ご批判を真摯に受け止め、今後慎重に情報発信を行ってまいります」と述べています。
豪雨災害中に自民党宴会、謝罪文の酷さを可視化してみた
上記サイトの筆者・勝部元気氏は、これは謝罪とは言えないと批判している。
2年ほど前にブログ記事「『不快な思いをさせて申し訳ございません』は謝罪ではない」で書いた時から繰り返し指摘していることですが、これらは「Non-apology apology」です。「謝罪」とは「罪を謝る」と書くように、犯した罪や不適切な対応そのものに対して謝るべきです。ところが、不快にさせたという批判する人々の二次的な感情についてしか謝っていないわけですから、これは「罪を謝った」とは言えません。
まったく同感である。
勝部氏は犬飼氏の信号無視話法にも倣っている。
⇒2018年6月27日 (水) 「ごはん論法」と「信号無視論法」では議論にならない/ABEXIT(62)
青字が批判された点に関してしっかりと応答して謝罪をしている箇所、黄色が批判されている点とは全く異なる点について謝罪をしている箇所、赤色が事実を捻じ曲げたり、批判者側に過失があるかのような見解を述べている箇所です。豪雨災害中に自民党宴会、謝罪文の酷さを可視化してみた当然青字はゼロ。何一つ謝っていません。それどころか、批判をした人々のほうに責任転嫁をしているわけですから、かなり悪質な言い訳と言えるでしょう。犬飼さんのフレーズを借りれば、まさに「信号無視謝罪」です。このように、自分達の何が問題だったのかすら全く認識できない政治家に、災害対応を任せていることは、甚だ不安でしかありません。そしてマスコミの追求力もあまりに弱く、一連の政府対応を批判する声はほとんど聞こえてきません。地球環境が激変する中、今後も大きな自然災害が発生することが見込まれますが、このままで良いのでしょうか?
まったくその通りとしか言いようがないが、驚くことに自民党の長老はいたって太っ腹(無神経)である。
麻生財務相や二階幹事長は、擁護したり大騒ぎすることではないと言う。
大雨の予報が出ていた5日夜に自民党議員数十人が参加した飲み会「赤坂自民亭」への批判が続くことに関し、麻生太郎副総理兼財務相と二階俊博幹事長が17日、問題はなかったとの見方を示した。麻生氏は記者会見で「閣僚や閣僚経験者が若手の無派閥の人と懇親するのが目的だ。そういう意味では極めて有効な手段だ」と意義を語り、「あの日は行かなかったがほぼ毎回行っている。ああいう(批判)話に取られたのは、はなはだ残念だ」と述べた。
二階氏は記者団に「ああいうことはなければなかった方がいいと思うが、目くじらたてて大騒ぎするほどのことではない」と指摘した。
麻生太郎氏「赤坂自民亭」を擁護 二階氏も問題なし
そして国会を閉じれば、国民の関心は他に向くだろうと考えているはずだ。
自民党総裁選に安倍首相は意欲的のようだが、そんなことになればこの国の未来は絶望的である。
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