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2018年7月24日 (火)

杉田水脈議員の発言にみる自民党のホンネ/ABEXIT(77)

自民党に杉田水脈という衆院議員がいる。
差別発言で知られているが、バカバカしいような内容が多いので、無視してきた。
しかし、「新潮45」8月号に寄稿した『「LGBT」支援の度が過ぎる』という文章は余りにひどい。
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「生産性がない」寄稿 先輩議員が擁護と投稿 LGBT支援団体は抗議

 杉田議員は文章のなかで〈子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります〉とした上で、LGBTにこう言及するのだ。
〈LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女たちは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか〉
 子どもをつくらない=生産性がないから税金を投入するのは問題。──この主張は、明確にLGBTに対する差別だ。
 あらためて言うまでもなく、憲法では〈すべて国民は、個人として尊重される〉と謳われている。この国に生きるすべての人は独立した個人であり、どんなセクシュアリティをもっていても、あらゆる人が基本的人権を有する者として社会的保障や支援を受ける権利があり、性的指向や性自認によって差別することはけっして許されない。にもかかわらず、子どもをつくらないことを「「生産性」がない」などと言い、為政者が税金を投入することに疑義を呈するというのは、完全に差別を助長するものだ。
 そして、この「生産性」という言葉は子どもの有無にかぎらず、杉田議員の文脈では、さまざまな理由から働くことができない人や障がいをもつ人などにも当てはまるだろう。こういった主張の行き着く先は「弱者に権利を与えるな」「国の役に立たない者に生きる価値はない」という極論であり、相模原事件のようなジェノサイドをも煽動しかねない。そんな危険性を大いに孕むものだ。

常識ある人ならばトンデモ発言と眉を顰めるだろう。
「子どもをつくらない=生産性がない」というのは、女性を子供を生む機械にたとえた柳沢伯夫元厚労相と瓜二つである。
柳沢氏はこの発言で辞職せざるを得なかった。
2015年10月 1日 (木) 「女性の活躍」=出産と考える愚/日本の針路(236)

ところが杉田議員には強い味方がいるのだ。
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二階幹事長も、何が問題なのか分かっていないようである。
 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が寄稿で同性カップルを念頭に「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と記述した問題で、二階俊博幹事長は24日の記者会見で「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と述べ、問題視しない考えを示した。
 二階氏は「右から左まで各方面の人が集まって自民党は成り立っている。(政治的立場での)そういう発言だと理解したい」とした。一方で、「当事者が社会、職場、学校の場でつらい思いや不利益を被ることがないよう、多様性を受け入れていく社会の実現を図ることが大事だ。今後も努力していきたい」とも述べた。
人生観の問題ではない。
人権の問題なのだが、自民党の重鎮(?)には、人権という概念がないのだ。
杉田氏は次のように書いている。

「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること。〉
〈LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます。〉(22日のツイート、現在は削除)
つまり、杉田議員のLGBT差別は、「自民党公認」だと言うのである。自民党は一昨年の参院選の公約でも〈社会全体が多様性を受け入れていく環境を目指します〉などと表向きはLGBTフレンドリーを装っていたが、このような差別発言を容認するとは、一体どういうことなのか。

杉田氏は昨年の衆院選で自民党から出馬し比例で当選を果たした。
スカウトしたのは安倍首相である。
櫻井よしこは、『言論テレビ』の中で「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』って言うので、萩生田(光一・自民党幹事長代行)さんが一生懸命になってお誘いして、もうちゃんと話をして、(杉田氏は)『自民党、このしっかりした政党から出たい』と」と証言している。
要するに安倍首相自身のお気に入りで、絶対に当選するであろう比例から出ているのだ。
自民党候補でなければ当選するような人ではない。

衝撃的な相模原の障害者施設の無差別殺傷事件から2年経つ。
今ではすっかり忘れ去られてしまった「一億総活躍社会」というスローガンであるが、LGBTなど「生産活動」に無縁の人は、納税者であっても活躍してはならないのだ。
ナチスの「優生思想」そのものであるが、そう言えば、相模原事件の実行犯・植松聖は安倍首相に傾倒していた。

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