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2018年5月20日 (日)

日大アメフト部の悪質タックルが示すもの/ABEXIT(28)

日本大学(日大)と関西学院大学(関学)は、共にアメリカンフットボールの伝統的な強豪校である。
このスポーツは珍しく関西優位で、関関同立(関学、関西大学、同志社大学、立命館大学)といった私学の雄だけでなく、京都大学のようなスポーツ界では弱小の大学も、日本一の経験がある。
日大は、関西勢に対抗し得る東日本の代表校と言って良い。

だから、日大-関学は東西のエース校であり、対抗心は強かったものと思われる。
その日大-関学の練習試合で、信じがたいようなプレイがあった。
プレイというよりも、悪質な事件と言うべきかもしれない。
パスを終えて無防備状態の関学のQB(クオーターバック=攻撃の司令塔)に、日大の選手が後方から全力でタックルを掛けて怪我をさせたのである。

もともと防具を必要とするようなスポーツである。
肉体のぶつかり合いはこのスポーツの醍醐味であると言っても良いだろう。
しかし、スポーツである以上、ルールの枠内で争われるべきは当然中の当然である。
しかるに、日大の監督は、試合前のミーティングで「最初のプレーで相手のQBを壊せ(ケガをさせろ)と話し、何か言われたら『監督の指示』と言っていい」と話したと報じられた。
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東京新聞5月18日

スポーツの世界に怪我は付きものであるが、もしこの報道が事実なら、日大のプレイは意図的に行われたことになる。
一般社会ならば傷害罪である。
「セクハラ罪は存在しない」と閣議決定したというが、スポーツの怪我はどうだろうか。
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東京新聞5月19日

日大側は関学側に以下のような弁明をした。
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東京新聞5月18日

この回答書に関学側は納得していないが、問題の構図が、政権をめぐる様々な問題と相似であることは多くの人が感ずるものであろう。
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まあ、ヤクザの抗争などでも、親分を守ることは一種の美学として語られることがあるが、それは近代社会以前のモラルである。
以下のような批判は当然であろう。
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自律的な判断を奪う社会が、厳然と存在していることに慄然とする。
捜査当局は、スポーツ中の怪我については消極的だというが、このような悪質な事案に対しては断固たる姿勢で臨むべきである。
日大の選手は監督の指示の被害者という見方もあるが、直接の当事者が免罪されてはなるまい。
監督と選手は共謀関係にあり、監督を正犯として考えるべきである。
日大の監督は辞任の意向だという。
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東京新聞5月20日

しかし監督を辞任して済む問題でもない。
監督は「すべて自分の責任」と言っていたが、指示をしたか否かについては明言を避けた。
真相を明らかにすることこそが責任を果たすことだろう。
日本社会のあり方に係わる問題であり、それこそ徹底して「膿」を出し切らなければならない。
それは政権も同じである。

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