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2018年5月 2日 (水)

算数は知的好奇心のエンジン/知的生産の方法(175)

若い人たちと「考える」ということについての読書会をやっている。
現在は神永正博『直感を裏切る数学』ブルーバックス(1014年11月)がテキストであるが、
初歩的な問題集であったり、数学的な思想書であったりとさまざまである。
あくまでビジネスパーソンとしての基礎的な思考力の向上に寄与することを目的としているから、個別の問題の正誤にはまったくこだわらない(つもりだった)。
しかし中には問題を解くことに集中するあまり、高校時代のチャート式〇〇のような参考書を持ち込む人がいたりした。
「数学」と聞くと問題を解くこと、あるいは解答の正誤に関心が向くらしい。

例えば、算数で基本的な問題として、距離、時間、速さの関係に関するものがある。
[距離]=[速さ]×[時間]であるが、
変形すれば
[速さ]=[距離]÷[時間]
[時間]=[距離]÷[速さ]
まとめれば
Photo_3

これは当たり前のように思うが、これを以下のような図に当てはめて考える風潮があることを知った。
1804062
東京新聞4月6日

左側は、[距離]と[速さ]と[時間]の関係を覚えるものであり、右側は、[比べる量]と[元の量]と[割合]を覚えるものだという。
少なくとも私は初めて目にしたが、関西方面の塾などでは当たり前に扱われているようである。
両方とも、こんな図を使わなくとも、[速さ]とか[割合]とはどういうことかを理解していれば自明だと思うが、高校まで京都で過ごした人が上図を描いていた。

明光義塾宇土教室の人が「これらこそが、子供をダメにする要因ではないか」とツイートした。
何でもかんでも公式に当てはめて答を出すのは、如何なものか、ということに関してはまったく同感である。
与えられた問題に対して、教えられた通りに答を出す。
その行きつく先が、佐川宣寿前国税庁長官や柳瀬唯夫経産審議官(元首相秘書官)のような人間を作り出すことになるのではないか。
1804063
東京新聞4月6日

大事なのは、知的好奇心であろう。
知的好奇心の総和が国力を決することになると思うのだが、安倍政権の5年間で、急速に衰退しつつあるように感じる。
次のような閣議決定を行うというのだから、学力の基礎とも言える「語彙力」がオカシクなるのも当然であろう。

 政府は27日、自衛隊のイラク派遣の際の活動報告(日報)に記載があった「戦闘」の言葉について、自衛隊法で定義される「戦闘行為」の意味で用いられた表現ではないとする答弁書を閣議決定した。立憲民主党の逢坂誠二衆院議員の質問主意書に答えた。
 日報の記述については、昨年7月の衆院予算委員会でも、安倍晋三首相が「(憲法の要請との関係で)定義を決めている戦闘行為とは違う意味で、一般的、いわば国語辞典的な意味での戦闘という言葉を使う、これはあり得る」と答弁していた。
日報の「戦闘」、法的な「戦闘行為」でない 政府答弁書

自律的に考えるのではなく、上司の命に唯唯諾諾として従う。
会社員についてはヒラメ社員という言葉があったが、公務員が公僕ではなく、権力のシモベになっている。

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