「加計ありき」の京産大排除は明らか/ABEXIT(27)
安倍首相は、国家戦略特区選定プロセスの「一点の曇りもない」と語っている。
その一方で、「膿を出し切ったとは言えない」し「忖度があったかどうか分からない」とも言う。
「膿」があっても、「忖度」があっても、一点の曇りもないということだろう。
今まで明らかにされていることでも、曇りだらけというのが実相ではないか。
獣医学部新設に関しては、加計学園の岡山理科大学の他にも、京都産業大学が意向を持っていた。
下馬評では「京産大は鳥インフルエンザの研究センターも持っており、感染症防疫を担う獣医師を育成し、アジア地域の交換留学などを通じ、共同研究も計画している。一方、京都府は北部地域の過疎化に対応するために、規制緩和をてこに綾部市を畜産や製薬、生命科学分野の振興につなげる考え」で、有力候補と目されていた。
⇒2017年5月28日 (日) 加計疑惑(7)京産大排除の論理/アベノポリシーの危うさ(218)
ところが、山本幸三地方創生相が京産大に、降りるよう圧力をかけたと報じられている。
⇒2018年5月15日 (火) 「膿」を出し切るにはどうすべきか?/ABEXIT(25)
これまでも、内閣府は加計学園に対して懇切丁寧にアドバイスをおこなったり、「2018年4月開学」という要件が公表される前から内閣府主導で今治市と開学スケジュールを共有するなど、さまざまな場面で加計を優遇してきた。
東京新聞4月12日
政府を挙げて加計に対応しているが、官邸主導であるのは明らかである。
内閣府の藤原次長(当時)は、出張時に加計学園の車に同乗している。
しかも、出張記録に官用車と記載していた。
加計の車を「官用車」 当時の次長、虚偽記載か
こういうのを「ズブズブの関係」というのではなかろうか。
一方で、内閣府は京産大を“厄介者”扱いをしてきた。
その対応を時系列で整理した図がある。
突然の「京産大外し」に困惑 元教授のインタビュー詳報
京産大は選考で外されたのではなく、排除されたのである。
東京新聞5月15日
安倍首相の言葉と裏腹に、曇りはますます濃くなっている。
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