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2018年5月15日 (火)

「膿」を出し切るにはどうすべきか?/ABEXIT(25)

安倍首相が再三にわたり「膿」を出し切ると明言している。
にも関わらず、共同通信の調査で柳瀬氏の説明に納得せずが75%である。
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東京新聞5月14日

安倍首相自身、現状を「膿を出し切ったとは言えない」とせざるを得ない。
それは政府与党が、真実開示に消極的であることが第一の原因である。
例えば、衆参予算委員会で集中審議がおこなわれたが、与党は愛媛県の中村知事の参考人招致を拒否したが、柳瀬氏の主張と対立する知事の招致を拒否しておいて、「膿」を出し切ることなどできるわけがない。
2018年5月11日 (金) 疑惑は「言い逃れ」「開き直り」で良しなのか?/ABEXIT(22)

安倍首相は、柳瀬唯夫・元首相秘書官の答弁について「愛媛県や今治市との面会は『記憶にない』と言っていたが、加計学園関係者と会っていないとはいままでも証言したこともない」「嘘はついていない」とした。
こんなトリッキーな答弁で言い逃れをしようという姿勢が不信感を増大しているのだ。

さらに安倍首相は、唖然とするようなウソを平然と語っている。

 それは、国家戦略特区に京都産業大学ではなく加計学園を選んだという選定が正当であった理由を強弁したときのことだ。
「前川前次官ですらですね、京産大はすでに出していたんですが、そのことはまだ準備がまだ十分じゃないという認識の上に、熟度は十分ではないという認識の上に、加計学園しかなかったとおっしゃっていたわけであります」
 じつは安倍首相は、先週生出演した『プライムニュース イブニング』(フジテレビ)でも、同じようにこう主張していた。
「そういうなかにおいて、前川前次官も認めていることなんですが、そういう意味における熟度の高かったところが加計学園であり、積極的なアプローチをしたということなんだろうと」
 前川喜平・前文科事務次官が、京産大よりも加計学園のほうが熟度が上だったと認めている……? そんな話は聞いたことがない。むしろ、前川氏はこれまで“京産大は恣意的に排除された”と語っており、「サンデー毎日」(毎日新聞出版)2017年12月3日号に掲載されたインタビューでは、京産大の提案を「京大のiPS細胞研究所とタイアップする、というそれなりに立派な構想だった」と評価し、「国家戦略特区法が求める国際的な競争力はむしろ京産大の方があったかもしれない」と話していたのではなかったか。

前川氏はどう言っていたのか?

 しかし、前川氏は「実際に京産大がどの程度の具体化した計画を持っていたかということは、その時点で私は承知しておりませんでした」と、これをきっぱり否定している。
 つまり、前川氏の発言は、準備や計画の熟度が低いという意味ではまったくなく、前川氏自身が9月9日時点で具体的な計画を知らなかった。そう言っているにすぎない。
 実際、京産大は2016年3月に国家戦略特区の申請をおこなったが、9月9日の時点ではまだ、国家戦略特区ワーキンググループからのヒアリングを受けていなかった。そういう意味では、前川氏が京産大の具体的な計画内容を知らなかったとしてもなんら不思議はなく、加計のヒアリングしかおこなっていない段階で「文科省の対応を早くしろ」と迫った和泉首相補佐官の指示を加計の認可を早くしろ、という働きかけと受け取ったのも当然だろう。
 しかも、前川氏が京産大について「準備や計画の熟度が低い」などと考えていかなったことは、その後の前川氏の発言からもはっきりしている。約1カ月後の10月17日、京産大が正式に国家戦略特区ワーキンググループからヒアリングを受けて、21ページにも及ぶ資料を提出すると、その日、前川氏は再び和泉首相補佐官から呼び出され圧力を受けているが、そのときの自分の返答について「その時点では、強力なライバルである京都府、京都産業大学が具体的な構想を持っているということも承知していた」「10月17日の時点では、やはり引き続き検討中ですという以上の答えはできなかった」と語っているのだ。
 一体これのどこをどう解釈すれば、「前川前次官も加計のほうが熟度が上だったと認めている」という話になるのか。前川氏は閉会中審査の時点で小野寺議員の「成熟した計画があったのは加計のほうという認識か」という質問を否定し、その後、「強力なライバルである京産大が具体的な構想を持っている」とまったく逆の発言をしているのに、安倍首相はあたかも前川氏が加計と京産大を比較した上で「加計のほうが熟度が上だった」と認めているかのようにテレビや国会で主張したのである。

集中審議でも、安倍首相が「熟度が十分でなかったから」と説明した京産大に関して、当時の山本幸三地方創生相が獣医学部新設を断念するよう圧力をかけていたという新事実が明らかになった。
共産党の田村智子参院議員が独自入手した文書によると、獣医学部新設を1校に限るという方針が決まる2カ月も前の2016年10月に、山本地方創生相が京都府に対して、「経過もあり、1校しか認められない。難しい状況なので理解してほしい」と説得していたというのである。
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東京新聞5月15日

不正をごまかすためにいくら必死でウソを重ねても、そのウソがすぐばれて、さらにウソを重ねなければならなくなっている。
安倍首相が退陣するまで、「膿」を出し切ることはないだろう。

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