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2018年3月20日 (火)

浅見光彦シリーズ・内田康夫/追悼(121)

浅見光彦シリーズの推理作家・内田康夫さんが13日午前、敗血症のため東京都内で死去した。
何といっても「浅見光彦」というキャラクターを創造したことが推理作家としてのキー・サクセス・ファクターであろう。
初登場は1982年の『後鳥羽伝説殺人事件』で、プロフィールは以下のようである。
名家の次男坊で、ブルゾン姿でトヨタ・ソアラを乗り回すという「清潔かつスタイリッシュにしてフランク」が特徴。これは「変わり者でアナーキーかつ不潔」(金田一耕助など)や「背広姿でピシッとキマりすぎている社会人として完全無欠なインテリジェンス」(明智小五郎)といった従来の日本の探偵像と一線を画して人気を得る。また、「長身かつ甘いマスクの33歳で独身貴族」といった設定が女性層の人気をつかみ、彼の登場する浅見シリーズはレディースコミックなどにおいて漫画化されているものも多数見受けられる。
内田の執筆作の中でも浅見光彦シリーズは群を抜いて数多く書かれており、名実共に内田康夫作品を代表する名探偵である。軽井沢(内田康夫の居住地)には浅見のファンクラブとクラブハウスが存在しており「浅見光彦倶楽部」と称する。ファンクラブ事務局の住所は長野県北佐久郡軽井沢町長倉504。また、シャーロック・ホームズシリーズにおけるシャーロキアンのように、浅見光彦の研究を行っているファンをアサミストと称する事がある。
浅見光彦

浅見光彦シリーズは、TVドラマや映画になっているので、国広富之、篠田三郎、水谷豊、榎孝明、辰巳琢郎等の俳優が演じている。
いずれも爽やかさをウリにしている俳優である。

Photo 内田さんは毎日新聞に「孤道」を連載中だった2015年7月に脳梗塞で倒れ、リハビリに励んでいた。昨年3月に「書き続けることが難しくなった」として休筆宣言。同作は浅見シリーズ114作目で、未完のまま出版。完結編を公募し、その締め切りが来月末に迫る中で旅立った。
 榎木は「1カ月くらい前にお見舞いに行った際は、私のことを分かってくれていました」と明かし、「まだ大丈夫だと思っていたんですが…」。家族ぐるみで交流が深かっただけにショックが隠せなかった。
 フジテレビ版のドラマや映画「天河伝説殺人事件」(91年)で浅見を演じ、内田さんから「もっとも浅見のイメージに近い」と絶賛されていた。鮮明に思い出されるのは内田さんと初めて会った30代の頃。顔を合わせるなり「あっ、浅見光彦がいた」と声を掛けられ、「自分にそっくりだよ」と大喜び。榎木は「年をとったら(あなたも)こんな顔になるんだ」と言われた。
榎木孝明ショック…浅見光彦シリーズの作家・内田康夫さん死去 

上記のように、内田さんは榎木さんが浅見のイメージに最も近いと考えていたようである。
「新作を書くたび、榎木くんの顔が浮かんで邪魔をする」と言っていたほどだ。
私は熱心な読者ではないが、それでも『中央構造帯』角川文庫(2011年9月)等の何作かは読んでいる。
⇒2014年5月 8日 (木) 金融機関の役割と矜持/ブランド・企業論(24)
⇒2015年1月24日 (土) 将門塚の祟り?/やまとの謎(98)

著書ではなく、榎木孝明さんの絵の展覧会を見に行ったことがある。
武蔵野美大へ入学するほどだったが、芝居に夢中になって中退して劇団四季の研究生になった。
懐かしいような水彩に風景画で、確かに浅見光彦のイメージに重なるような気がした。
新作を読めないのは残念だが、私の持ち時間にとっては十分な量のシリーズである。
合掌。

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