政府の「働き方改革」の馬脚/日本の針路(393)
「森友疑惑」は新たな段階へ移行した。
文書改竄&隠蔽をした財務省は、国家公務員のエリートである(はずである)。
しかし、彼らの「働き」にいろいろ考えさせられる。
役人として栄達した佐川氏は、麻生大臣から責任者と名指しされている。
彼が必死で庇ったのは、改竄までして隠そうとした安倍夫妻であることが明らかになった。
また上司の指示で実行せざるを得なかった近畿財務局職員(赤木氏?)は、憔悴の果てに自ら死を選んだ(自殺とは断定されていないが)。
公務員の「働き方」って何なのか?
佐橋滋氏の次の言葉を改めて考える。
「われわれはその職責において人間の福祉と社会の発展に寄与しなければならない。」
きっと佐川氏や赤木氏も、そういう心で入省したであろう。
しかし、財務省内に在職している間に、不本意な(?)仕事をせざるを得なくなった。
財務省ではリーク(内部告発?)の犯人捜しに躍起だったようだが、さすがに死者が出ては……。
結局、財務省には、佐橋氏も前川氏もいなかったということだ。
安倍、麻生両大臣は、任命責任に頬かむりしてやり過ごすつもりのようである。
両人とも佐川人事について「適材適所」を強調していた。
確かに佐川長官は、「権力犯罪の隠蔽」の適材適所であった。
安倍首相は、裁量労働制は断念したようだが、「高プロ制」は死守したい意向という。⇒2018年3月 2日 (金) 何のための「働き方改革」なのか(9)/日本の針路(384)それが経済界の要望を受けてのものであり、働くものの側に立ったものではないことは明らかである。
「高プロ」の実態はイメージしにくいが、以下のような記事があった。
まあ、少しでも安く労働力を買い叩きたいというのは世の常であろう。
しかし買い叩いてトクをするのだろうか?
短期的には良いのかも知れないが、中長期的になしっぺ返しに見舞われることは必定であろう。
大手不動産業の野村不動産の社員が過労自殺した。
政府は、裁量労働制の指導例として取り上げていたが、自殺してからでは遅すぎる。
何の担保にもならないことは明らかだ。
東京新聞3月5日
人の命の重さ、働くことの意味を考えないから、過労死遺族の前でヘラヘラ笑っていられるのだろう。
⇒2018年3月 2日 (金) 何のための「働き方改革」なのか(9)/日本の針路(384)
この様子を見て怒りを覚えない人はもはや「安倍教」に帰依した信者と考えるべきだ。
国民の怒りの圧は高まっている。
特に、佐川理財局長の国税庁長官への昇格人事を「適材適所」と嘯いた安倍首相、麻生財務相に対しては、周辺も含めて納税者一揆が起きている。
三悪人と名指しされているのは、川宣寿、安倍昭恵、加計孝太郎氏の3人である。
モリカケ疑惑解明の“カギ”を握っている3人に対する市民の怒りがピークに達している。その矛先は、野党が証人喚問を要求している、佐川宣寿国税庁長官、安倍首相の妻・昭恵夫人、安倍首相の“腹心の友”の加計孝太郎理事長だ。
3日行われた「第2弾 モリ・カケ追及!緊急デモ!」、いわゆる「納税者一揆」で、先月16日の参加者(約1100人)を上回る約1500人の市民が霞が関の財務省・国税庁前で怒りの声をあげた。
追い詰められるモリカケ3悪人 納税者の一揆はさらに拡大
佐川氏は陥落した。
あとの二人ももう少しだろう。
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