何のための「働き方改革」なのか/日本の針路(375)
電通の新入社員だった高橋まつりさんの過労自殺などが契機になって、「働き方」に関する論議が盛んになってきた。
⇒2016年10月30日 (日) 電通「鬼十則」の功罪/日本の針路(301)
もちろん、過労自殺に至るほどの長時間労働は許されることではなく、論外と言うべきであるが、労働を「時間」の観点から「だけ」論じるのは違和感がある。
それは結局人間を生産の装置と見る発想ではないか?
かつて厚生労働大臣だった柳沢伯夫氏が、女性を「子どもを産む機械」に例えて顰蹙を買ったことがあったが、同一線上の考え方である。
⇒2015年10月 1日 (木) 「女性の活躍」=出産と考える愚/日本の針路(236)
ドラッカーは組織の果たすべき役割の第一は「組織の目的と使命を果たすこと」だと言った。それは、企業であるか公的機関であるかを問わず、すべての組織に共通である。
それでは「企業の目的」はどう考えられるか?
ドラッカーは企業の目的の定義は一つしかない、それは「顧客を創造すること」だと言う。
「顧客を創造する」の原文は”create a customer”である。
customersではなく、a customerであっるところにドラッカーの人間を中心に見る態度が現れているという論者もいる。
⇒ドラッカーに学ぶ「企業の目的は顧客の創造である」
竹石健『図解・やるべきことがよくわかるドラッカー式マネジメント入門』イースト・プレス (2018年/1月)に、以下のような図が載っている。
そして、「マネジメント」の目的は、人と企業を成長させることである。
つまり、人が成長するような「働き方」への改革でなければならないのである。
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