戦争体験・前衛から平和の俳句へ・金子兜太/追悼(118)
前衛俳句の旗手として活躍し第二次世界大戦後の俳壇をリードした俳人の金子兜太さんが20日、埼玉県熊谷市内の病院で死去した。
数え年で言えば「白寿」だった。
中日・東京新聞で、昨年12月まで連載していた「平和の俳句」を主唱し、選者を務めた。
東京新聞2月22日
「平和の俳句」の相方は、俳優、
金子さんといとうさんには、『他流試合―兜太・せいこうの新俳句鑑賞 』新潮社(2001年4月)という共著もある。
反戦平和への思いを込めた多くの句を残し、安倍政権が強引に進めた安保法に反対する運動のシンボルとなったプラカード「アベ政治を許さない」を揮毫した俳人の金子兜太さんが20日、急性呼吸促迫症候群のため埼玉県熊谷市の病院で死去した。98歳だった。葬儀は近親者のみで営む。
・・・・・・
「『アベ政治』をカタカナにしたのは、こんな政権に漢字を使うのはもったいないから」と話し、「アベとかいう変な人が出てきたもんだから、私のようなボンクラな男でも危機感を痛切に感じるようになりました」などと政権を痛烈批判していた。
俳人・金子兜太さんが死去 「アベ政治を許さない」を揮毫
確かに安倍政権下で、戦後日本のありようが急変してきている。
特定秘密保護法、集団的自衛権の閣議決定、安全保障法制、憲法改正への動き…。
「平和の俳句」は、三年間で十三万句以上が集まった。
詠まれた句は「安倍政権への批判」である。
最後にご自身の句が掲載された。
東京新聞2017年12月31日
長野県上田市の「無言館」近くに建立された「俳句弾圧不忘の碑」の揮毫もされ、2月25日に除幕式が行われる直前だった。
今またこんな時代の再来が予感されもする。
⇒2007年10月26日 (金) 新興俳句弾圧事件…①全体像
そんなことがあるはずもないと、歴史の進歩を信じたい。
合掌。
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