何のための「働き方改革」なのか(3)/日本の針路(378)
平昌オリンピックも間もなく閉会する。
政治的な思惑が交錯する大会だったが、アスリートたちのパフォーマンスは感激的だった。
特にスピードスケートの女子団体パシュートは、強豪オランダを破っての金メダルだった。
団体パシュートは3人一組で隊列を組んでタイムを競う種目でるが、日本は高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃、菊池彩花の4人チームで臨み、見事なチームワークでオリンピックレコードを出した。
その勝因は、チームワークの良さであり、まさに聖徳太子の「以和為貴=和を以て貴しと為す」の体現だったと思う。
それはあたかも弦楽四重奏のような自律した個人の協同である。
「働き方改革」というのも、自律した個人の協同という視点が重要ではないだろうか。
しかし政権の姿勢は、真逆のようである。
安倍首相は、1月29日の衆院予算委で、働き方改革関連法案による裁量労働制の対象拡大の意義を説明した際、「厚労省の調査によれば、裁量労働制で働く人の労働時間の長さは、平均的な人で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」と述べたことに関して、撤回して謝罪した。
⇒2018年2月20日 (火) 何のための「働き方改革」なのか(2)/日本の針路(377)
しかし法案を通す姿勢は堅持したままだ。
裁量労働制に関する規制緩和が、企業サイドの視点に立つものであって、働く側の視点とは縁遠いことを示している。
肝心の厚労省は、政権に対する「忖度」であろうか、とても政策立案の根拠とはならないようなずさんなデータである。
東京新聞2月23日
厚労省は、「薬害エイズ問題」「消えた年金問題」等、過去にも大きな社会的に指弾を受けたような問題を起こしている。
その反省ができていないと言わざるを得ないだろう。
東京新聞2月23日
このまま法案審議が継続されるべきではないことは当然であろう。
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