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2018年1月10日 (水)

翻訳アルゴリズムと化学反応/知的生産の方法(169)

世の中にはユニークな発想をする人がいるものである。
有機化学といえば、ベンゼン核を思い出す人もいるだろう。
炭素を含む化合物の化学が有機化学である。

炭素には、4つの外殻電子と4つの空席があり、価電子数4と元素の中でも最も多い4組の共有結合を持つことが可能である。
そのため、多様な分子をつくる骨格となる。
IBMの研究者が、AIに39万5千の化学反応を勉強させ未知の化学反応の予測を可能にした。

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この結果の特徴は機械翻訳でよく使われるニューラルネットワークを用いたことで、化学反応を言語のように処理していることです。具体的には、
 1.合成化学的に正しい反応を予想をするためのSIMLEの文法
 2.分子構造の傾向
 3.原料、反応剤の反応部位
といったような三つの内容について学習させました。これは人間が有機化学を学ぶ時と同じで、人間のようと同じ方法で反応を予測していると考えられます。
今後の展望として、
 ・正解率を90%以上にする。
 ・有機合成化学の分野別に反応予測を最適化させる。
 ・システムに関しては化学構造だけでなく、温度や溶媒。pHなども予測のファクターに取り込む。
 ・特許のデータベースだけでなく、より多くの有機化学反応を学習させる。
 ・ビジネスの観点からクラウドサービスにして誰もが使えるサービスにする。
といったようなことを計画しているそうです。また、AIは完全ではないため化学者のフォローアップが必要で、このシステムが有機化学者にとって代わるのではなく助けるために作ったと論文を執筆した研究者の一人であるテオドロ・ライーノ博士はコメントしています。

AIによる化学反応の予測というトピックについて全然知りませんでしたが、論文中では最近の研究結果を多く引用していて、ホットなトピックであることがわかります。ScifinderとReaxysには多くの反応がデータベース化されているのでこれらとコラボすれば、すべての反応を網羅できると個人的には思います。またこの研究者のコメントには一安心ですが、このようなツールが発達すると研究が効率的に進められる一方、合成反応をよく勉強しなくても新規合成や反応開発できるようになってしまい、学生の考察力が低下するのではないかと私は危惧しています。Googleに聞けば学生実験の答えが出る時代から、AIに聞けば思い通りの分子が合成できる時代になるかもしれません。
翻訳アルゴリズムで化学反応を予測、IBMの研究者が発表

考えてみれば、語彙と語彙を結び付ける法則性(文法やレトリック)も多様であり、化学反応の多様性と似ているかも知れない。
しかしそれこそ「コロンブスの卵」というものであろう。

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投稿: mariotg4 | 2018年1月11日 (木) 07時10分

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