西郷隆盛のイメージ(続)/幕末維新史(5)
大河ドラマ『西郷どん』のオープニングで、上野恩賜公園の西郷像の除幕式において、西郷の妻が「ちごっ、ちごっ! こんな人でなか」と叫んでいた。
⇒2018年1月15日 (月) 西郷隆盛のイメージ/幕末維新史(4)
お雇い外国人のキヨッソーネが描いたの肖像画をよく目にするが、西郷従道と大山巌をモデルにして作り上げたものだという。
『真説 幕末明治維新史 「官軍史観」と「逆賊」の真実』ダイアプレス(2018年1月)
ところが西郷隆盛を描いた可能性がある新しい肖像画が、枕崎市で見つかったと報道されている。
作者や制作年は不明で、西郷の遺品などを管理している鹿児島市の西郷南洲顕彰館が今月から一般公開して情報を求めている。西郷ゆかりの縁者は「祖先から聞いていた西郷さんの特徴がそろっている」と期待している。
肖像画が保管されていたのは、鹿児島県枕崎市宮田町の丸谷兼彦さん(87)、昭子さん(83)夫妻宅。油絵で描かれ、サイズは縦54センチ、横45センチ。署名はなく、だれがいつ描いたのか全くわかっていない。ただ、1926年ごろには昭子さんの実家の仏間に掲げられていたという。
これまでに外部に持ち出されたことはなく、兼彦さんは「西郷さんの肖像か真偽のほどはわからないが、維新150周年の記念の年に多くの人に見てもらえたら」と話す。
肖像画を西郷南洲顕彰館へ橋渡ししたのは、鹿児島市の西郷銅像横にある「K10カフェ」の店長、若松宏さん(57)。若松さんの曽祖母の岩山トクさんは西郷の妻イトの弟に嫁ぎ、西郷家の家事を手伝うなど付き合いが深かったという。肖像画を見た若松さんは「西郷さんの顔を何度も見ていたトクばあさんが語っていた西郷さんの特徴がそろっている」と話す。
トクさんは97歳で亡くなる前年の1951年、当時の鹿児島市長に西郷の顔の特徴として、目の上が少し盛り上がっていたこと、耳が縦に長かったこと、額の左右の部分の髪が抜けていたことなどを挙げており、若松さんは肖像画と一致していると見ている。
西郷隆盛の新肖像画を発見? 縁者「特徴そろっている」
どうしてアイデンティファイするか分からないが、アーネスト・サトウによる証言の「黒ダイヤのように光る大きな目玉」という特徴は現れているような感じではなかろうか。
西郷像のスタンダードになるのだろうか?
まあ、これを機会に謎多き西郷隆盛の実像の検討が深まることを期待したい。
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