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2018年1月

2018年1月31日 (水)

コインチェックの仮想通貨・分散送金か?/技術論と文明論(92)

仮想通貨取引所大手コインチェックから約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム、単位はXEM/ゼム)」が外部からの不正アクセスで流出した問題で、実行犯のハッカーらが盗んだNEMを分散送金したらしい。
NEMは1つの口座に入金された後、9口座に分散されたという。
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東京新聞1月31日

 26日にコインチェックから盗まれたNEMのうち大半は、26日中にこのアカウントから9つのアカウントに送金されていたが、その後、出金はとだえていた。
 30日夜、このアカウントからの出金が突然再開された。30日午後10時半ごろから約30分にわたり、100XEM(30日夜の相場で約9000円)または0XEMを、9つのアカウントに対して、計14回送っている。送金先のほとんどが、26日以降、犯人のアカウントに送金したりメッセージなどを送ったアカウントのようだ。
 26日の事件発覚後からは、犯人のアカウントに対して、さまざまなアカウントから少額の入金や、メッセージの送信が行われていた。犯人にコンタクトを取ったり、犯人のアカウントからの送金を追跡するマーク(モザイク)を送る――などの目的とみられる。
 犯人側は、コンタクトを取ってきたアカウントに対して、NEMを“返信”している形になる。ただ、犯人の資金の移動を追跡するモザイクを送った日本の開発者、@minarin_(みなりん*)さんのアカウントには、送金が行われていない。
コインチェック窃盗犯、送金を再開 コンタクト取った人に“返信”?

この事件が犯人の思う通りに展開するのかどうか、現時点では分からない。
「仮想通貨少女」というアイドル・グループが登場するなど、ブームになっているがコインチェック事件が水を差すのかどうか。
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東京新聞1月24日

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2018年1月30日 (火)

明治維新=the Meiji Restoration/幕末維新史(6)

「幕末の思想地図」として下図が掲げられている。
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真説幕末明治維新史「官軍史観」と「逆賊」の真実』 DIA Collection(2017年12月)

私が子供の頃、チャンバラごっこでは、「尊王攘夷」が正義派で、佐幕はワルモノであった。
例えば何度か映画化されている『侍ニッポン』(郡司次郎正)の主人公・新納鶴千代は次のように歌われている。

〽昨日勤王 明日は佐幕
その日その日の出来心
・・・・・・

上図ですべてを尽くしているわけではないが、多方向のベクトルを持ったイデオロギーが入り組んでいたことが分かる。
幕末を「超克」して明治維新になったわけだが、それでは明治維新は思想地図的にどうポジショニングされるだろうか。
「日本資本主義論争」という有名な論争があった。

1933年頃から1937年頃まで行われたマルクス主義に立つ経済学者の論争のこと。広義には1927年頃から1932年頃まで日本共産党と労農派の間で行われた日本民主革命論争を含めていうこともある。日本の資本主義の性格について、講座派と労農派の間で激しく論戦が交わされた。
・・・・・・
共産党系の講座派は、明治維新後の日本を絶対主義国家と規定し、まず民主主義革命が必要であると論じた(「二段階革命論」)。これに対し、労農派は明治維新をブルジョア革命、維新後の日本を近代資本主義国家と規定し、社会主義革命を主張した。
Wikipedia
近代を代表する大論争と言えるが、明治維新の基本的性格の規定の見解の相違である。
詳しくは知らないが、決着がついたとも聞かない。
西鋭夫『新説・明治維新 西鋭夫講演録』ダイレクト出版(2016年4月)は、『A New Theory Of the Meiji Restoration』というタイトルが付いている。
「restoration」は辞書を引くと「もとに戻すこと、返還、もとの状態に戻ること、復職、復位、回復、復旧、修復、復元(作業)、(建物・死滅動物などの)復元(したもの)」とある(weblio)。
西氏の立場はともかく、用例にも載っているので英語では「the Meiji Restoration」というようだ。
この意味では「王政復古」が最も近いのだろう。

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2018年1月29日 (月)

沢木耕太郎『黒石行』/私撰アンソロジー(52)

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「俳句」KADOKAWA(2017年12月号)所収

俳句における「取り合わせ」の技法が気になっていて、たまたま上掲誌を書店で購入したが、その中に沢木耕太郎さんが『黒石行』と題する紀行文を載せていた。
青森県の黒石である。
弘前や十和田には行ったことがあるが、あまり馴染みがない土地である。
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沢木さんは16歳の時、アルバイトで貯めたわずかの金を元手に東北一周旅行をした。
車中泊や駅のベンチなどで宿泊する貧乏旅行だったが、例外的に黒石温泉の国民宿舎に泊まったのだ。
およそ50年前のことである。

私もちょうど50年くらい前に、友人と2人で東北一周の貧乏旅行をした。
単位を取得するために福島で工場実習をして、日当まで出してもらったのだ。
今でいうインターンのようなものかと思うが、高度成長真っ盛りだったので、企業としては青田刈りの一環の費用だったのだろう。
大学の寮などを探して泊まれば東北一周するくらいの日当を頂いた。

沢木さんの泊まった黒石の国民宿舎はとうに取り壊されていたが、部分的にではあるが、徐々に記憶が蘇ってくる。
さすがに「巧い」という文章だ。
構成といい、ボキャブラリーといい、お手本にすべき文章だと思う。
掲出部分は、沢木さんが父の死に際して突然浮かんだ俳句について書いている箇所である。
昔電通の仕事を請けていたことがあり、オフィスが昭和通り沿いにあった。
「昭和通りを横断し、銀座四丁目に向かって歩きながら」というのもよく通った記憶がある。

そして、私の場合は母であるが、死後、遺してあった雑文・短歌・俳句を一冊にまとめる作業を行った。
意識はしていなかったが、あれも「喪の作業」だったのだろう。
父の死の時はまだ子供だったから、特別の感懐はなかったが、自分が寿命を意識するようになって、父の死についても考えることが多くなった。
敗戦後、家庭を捨てたような人だったが、子供たちのことはどう考えていたのだろうか。
ああいう人生は送りたくないと思っていたのだが。

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2018年1月28日 (日)

コインチェックから仮想通貨が580億円分不正流出/技術論と文明論(91)

大手仮想通貨取引所のコインチェック(東京都渋谷区)が、外部から不正なアクセスを受け、顧客から預かっていた仮想通貨「NEM(ネム)」約580億円分が流出したと発表した。
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東京新聞1月28日

580億円という金額の大きさとセキュリティ管理の甘さの非対称性に驚く。
本物の通貨ならば、とても簡単には持ち出せない。
コインチェックは国内仮想通貨取引所、NEMは主要仮想通貨の1つである。Photo_2

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「週刊SPA1」2018年1月16・23日号

仮想通貨を巡っては、2014年に取引所を運営していた「マウント・ゴックス」で大量のビットコインが消失し、元社長が業務上横領などの罪に問われた事件が発生した。
⇒2014年2月28日 (金) ビットコイン騒動/花づな列島復興のためのメモ(313)

「マウント・ゴックス」事件の後、17年4月の改正資金決済法施行で、取引業者は登録制となり、コインチェックは登録審査中だが営業はできる。
ブームのようになっている仮想通貨であるが、コインチェックの大量流出で、信用が大きく損なわれることになると思われる。
まあ、新しいものに興味を持つことは良いが、投資はあくまで自己責任で。

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2018年1月27日 (土)

保守政治家の軸となった戦争&差別体験・野中広務/追悼(116)

小渕内閣の官房長官や自民党幹事長などを歴任した野中広務氏が亡くなった。1801272
東京新聞1月27日

権力の中枢で辣腕を振るっている頃、余り好感できる人ではなかったが、出自や育ちなどで大変な苦労をした人だ。
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野中氏、反戦・反差別訴え「一番まずかったのは安保法」

安倍首相、稲田元防衛相などが、まことに安易に「戦争のできる国」にしたがったのとは真逆で、己の戦争体験や被差別の体験が軸になっていたことは間違いない。

 自民党を一時離党したが、16年に復党した。だが「憲法9条を守る」との立場は貫き、それに関連する講演や取材なら積極的に引き受け、時の政権を厳しく批判もした。
 17年、朝日新聞のインタビューでは「最近の新聞の中には政府の都合の悪い報道はせず、かばうところも出てきた。安倍首相に意見する人が党内にも少ないんだ。一番まずかったのは集団的自衛権の行使を認める安保法制をつくり、戦争をできる国にしたこと。他国の人を傷つけ殺すことは、自分たちも殺されることになる」と語っていた。
野中氏、反戦・反差別訴え「一番まずかったのは安保法」

骨のある「昭和の政治家」がまた一人亡くなった。
それは宿命であるとしても、書物からでも歴史は学べる。
軽躁な政治家ばかりがはびこって、この国の針路は大丈夫なのだろうか、と思う。
合掌。

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2018年1月26日 (金)

水蒸気噴火の予測の難しさ/日本の針路(367)

草津白根山の本白根山の噴火は、御嶽山と同様の水蒸気噴火だったようだ。
⇒2018年1月24日 (水) 火山列島でどう生きるか?(続)/日本の針路(366)

 草津白根山の本白根山(群馬県、標高2171メートル)で発生した噴火について、気象庁は24日、噴出物に地下のマグマ成分が含まれないことから、水蒸気噴火の可能性が高いと発表した。一方、現地で観測を続ける東京工業大チームは、噴火は複数の場所で起こり、最大で1メートル程度の噴石があったことを明らかにした。火山活動は活発な状態が続いており、気象庁は引き続き鏡池から2キロの範囲では大きな噴石などへの警戒が必要としている。について、気象庁は24日、噴出物に地下のマグマ成分が含まれないことから、水蒸気噴火の可能性が高いと発表した。
草津白根山噴火 噴出物、マグマ含まず 水蒸気噴火か

火山噴火には次の3種類がある。
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草津白根山 水蒸気噴火、予知難しく 次に備え分析急務

水蒸気噴火は、マグマの熱で温められた地下水が水蒸気となって膨張し、火口の岩盤を破って噴き出す現象である。
マグマそのものが噴き出す「マグマ噴火」や、マグマが地下水と接触して水蒸気が急膨張する「マグマ水蒸気噴火」は、マグマの動きが地震や山体膨張という前兆に表れやすいが、マグマの動きがそれほどない水蒸気噴火は予知が特に難しい。
日本は「火山列島」ともいわれ、110の活火山がひしめいている。

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<御嶽山噴火>全国に110の活火山 油断できない「火山列島」
この火山列島のどこに原発適地や核廃棄物保存適地があるというのだろうか。

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2018年1月25日 (木)

京大IPS研の不正事件で芽を摘むな/日本の針路(366)

京都大のiPS細胞研究所で、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にかかわる論文に捏造と改竄が見つかった。
記者会見した山中伸弥所長は、「非常に強い後悔、反省をしている。心よりおわび申し上げる」と謝罪した。
また、林文科相は「調査結果を精査した上で、公的研究費への応募資格停止など必要な措置を講じる」とした。

まあ、確かに多くの国民の期待に反するような行為であったことは事実である。
不正があった論文は、「血液脳関門」と呼ばれる機能と同様の特徴を持つ脳内の細胞をiPS細胞から作製する手順について、京大iPS細胞研究所の助教がアメリカの科学誌に発表したものである。

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iPS研究論文不正、助教1人で実験データ解析

現時点での報道に限れば、不正は1人の助教によるものである。
特異な事例だと思いたいが、背景には研究者の有期雇用の問題がある。

 位田隆一・滋賀大学長(生命倫理法学)の話 不正は第一には研究者の良心の問題だと思うが、有期雇用のため、短期間で業績を上げないと任期を延長してもらえない恐れがあるなど焦りを生む研究環境も影響しているのではないか。また、不正防止には研究者間のコミュニケーションが重要になる。論文を提出する前に共著者がしっかりと目を通し、承諾する仕組みを徹底できれば、研究不正は起こりにくいはずだ。そうした環境づくりをせずにただルールを厳しくしても、網の目をすり抜けるケースが出てきかねない。
チェック形骸化、有期雇用成果焦りか 京大iPS研論文不正

いずれにしろ、スパコン疑惑のように、代表者が関与を疑われている事案とは性格が異なるのではなかろうか。
私は(珍しく?)産経新聞の「主張」に同意するところが多い。

 研究不正の根を絶つため、そして日本の科学研究が低落傾向から脱するためにも、国は本腰を入れて「行き過ぎた成果主義」の是正に取り組むべきだ。
 山中氏は記者会見で自らの責任について、辞職の可能性も含めて検討するとの意向を述べた。日本の科学のため、多くの難病患者のため、山中氏の所長辞職は責任を全うすることにならない。
 山中氏は「難病の患者を救いたい」という一心で臨床医から研究者に転じ、画期的なiPS細胞を生み出した。
 さまざまな倫理的な課題を乗り越えてiPS細胞を健全な医療技術に育てていくうえで、最も大切なのは山中氏の初心を研究者や医師が共有し、マラソンランナーを励ます沿道の声援のように国民がそれを支えることである。
今回の問題で、大切な求心力を失ってはならない。 研究不正の根を絶つため、そして日本の科学研究が低落傾向から脱するためにも、国は本腰を入れて「行き過ぎた成果主義」の是正に取り組むべきだ。
 山中氏は記者会見で自らの責任について、辞職の可能性も含めて検討するとの意向を述べた。日本の科学のため、多くの難病患者のため、山中氏の所長辞職は責任を全うすることにならない。
 山中氏は「難病の患者を救いたい」という一心で臨床医から研究者に転じ、画期的なiPS細胞を生み出した。
 さまざまな倫理的な課題を乗り越えてiPS細胞を健全な医療技術に育てていくうえで、最も大切なのは山中氏の初心を研究者や医師が共有し、マラソンランナーを励ます沿道の声援のように国民がそれを支えることである。
 今回の問題で、大切な求心力を失ってはならない。
iPS論文不正 山中伸弥氏の「一心」を失ってはならない

林文科相が語っているような、「応募資格停止」などの処分は、スパコン疑惑のようなケースにこそ適用すべきである。
今回のように、組織の1人が行った不正で、研究プロジェクト全体の芽を摘んでしまうことは「羹に懲りてなますを吹く」であろう。
山中教授も「職務を全うする」と言っているようなので安心したが、研究者の待遇を含め、科学技術分野をもっともっと支援して行かないと、国際競争に遅れてしまうのではないだろうか。

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2018年1月24日 (水)

火山列島でどう生きるか?(続)/日本の針路(366)

また、鳴りを潜めていた火山が牙を剥いた。
群馬県の草津白根山である。

 気象庁は23日、草津白根山(群馬、長野県境)の本(もと)白根山が噴火したと発表した。同庁によると、同日午前10時ごろに鏡池付近で発生した。本白根山での噴火は約3000年ぶり。群馬県などによると、鏡池から数百メートルの草津国際スキー場(同県草津町)に噴石が落下し、スキー場で訓練中だった陸上自衛隊の男性陸曹長(49)が死亡、隊員7人とスキー客4人の計11人が重軽傷を負った。スキー場の山頂付近に外国人客19人を含む約80人が取り残されたが、全員が自衛隊などに救助された。
草津白根山噴火噴石で陸自隊員1人死亡 11人重軽傷

火山噴火の被害としては、2014年の御嶽山の記憶が生々しい。
2014年10月 1日 (水) 火山列島でどう生きるか?/日本の針路(47)

また2016年の熊本・大分地震の際は、石黒耀『死都日本』を連想した。
2016年4月15日 (金) 熊本の地震と『死都日本』のメッセージ/技術論と文明論(48)
2016年4月27日 (水) 石黒耀『死都日本』/私撰アンソロジー(43)

草津白根山は、常時観測火山に指定され、気象庁が24時間体制で監視している。
東京工業大も火山観測所を草津町に置いている。
 
それでも今回、事前に警告を発することはできなかったのである。
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東京新聞1月24日

火山列島には原発適地はないという前提で考えるべきである。
その意味で、伊方原発に対する広島高裁の判断は画期的であった。
2017年12月14日 (木) 伊方原発に高裁が停止命令/技術論と文明論(82)

そもそも電源パラダイムは、原発から自然エネルギーにシフトしているのである。
2017年12月28日 (木) 電源パラダイムと原発の不良資産化/技術論と文明論(85)

安倍政権のスタンスでは、日本が後れを取ることが目に見えている。

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2018年1月23日 (火)

森友疑惑(63)原点としての国有地売却/アベノポリシーの危うさ(334)

学校法人「森友学園」へ国有地が売却された際の財務省近畿財務局と学園との交渉を内部で検討した詳細な文書が明らかになった。
今まで、国は「記録を廃棄した」として詳細な過程を説明してこなかった。

Ws000001_2 毎日新聞が入手した「相談記録」「照会票」はA4判で計46枚。表紙には「行政事務に支障を及ぼすおそれがある情報」などを意味する「機密性2」と書かれている。
 「国による廃棄物撤去など早急な対応を要請されている」。2016年3月24日付の文書には、想定していなかったごみが見つかった財務局の焦りがにじむ。国によるごみ撤去は「内部調整が難航」しているとして、撤去費相当を値引きして売却することを「資料次第で可能」と記載。一方で、「学園が考える価格水準になるかは不明」との懸念も記していた。
 このため、財務局の売却担当者が法務担当者に尋ねた質問は「損害賠償を要求された場合、どう対応すべきか」など7項目に上り、「回答は不可能」などと困惑している記載もみられた。
 財務省の国会での説明などによると、この3月24日は学園が土地購入を申し入れ、価格交渉を始めた日。財務局は学園側の弁護士と「1億3200万~1億6000万円の範囲なら折り合える」と確認したが、前理事長の籠池泰典被告(64)=詐欺罪などで起訴=の意向は違った。
 毎日新聞が入手した音声記録では、籠池被告は財務局との5月の交渉で「(猛毒の)ダイオキシンが出た」「ゼロ円に近い形で払い下げを」などと更なる値引きを要求。財務局内部でも訴訟への恐れがあったのか、法務担当者は、5月19日付文書で、学園との売買契約の文案を細かく添削。「地中に残存している可能性が高い廃棄物は可能な限り列挙を」などと助言していた。
森友、強硬な値引き攻勢 職員、右往左往

一般に尊大で威圧的な財務省がナーバスになっているのは、安倍夫妻の存在無くしてあり得ないことである。
この国を覆う暗雲が晴れるのはもう直ぐであろう。
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「週刊SPA!」2018年1月2・9日号

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2018年1月22日 (月)

60年安保を引きずった人生・西部邁/追悼(115)

「保守派」の論客・西部邁が、多摩川で入水自殺したと報じられている。

評論家の西部邁(すすむ)さん(78)が21日、死去した。東京都大田区田園調布5丁目の多摩川に自ら入り、警視庁と消防が西部さんを救出したが、約2時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。
 警視庁によると、同日未明に家族が「父親がいない」と110番通報。行方を捜しているなかで、多摩川で発見された。河川敷に遺書が残されており、自殺とみられている。最近は体調が優れなかったという。
 1939年、北海道生まれで東大経済学部卒。元東大教授。保守派の論客として活躍した。著書に『大衆への反逆』などがある。最近まで雑誌『表現者』顧問をしていた。
死去した西部邁氏が昨年末に語っていた言葉

2017年12月18日号の「AERA」で、ウーマンラッシュアワー・村本大輔氏と対談し、40歳以上の年齢差にもかかわらず、意気投合して話題になった。
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ウーマン村本氏については殆ど知らないが、たまたま垣間見た「朝生」で、孤立無援のように、リベラルな発言をしていたように思う。
西部さんは近代経済学批判のソシオ・エコノミックス イプシロン出版企画 (2006年3月、原著は1975年)で言論界にデビューした。
以後は、一般に「保守派」の論客と言われている。
自身も、左翼運動とは22歳の誕生日に訣別したと書いている。
私には「センチメンタル・ジャーニー」のサブタイトルを付けた『六十年安保』文藝春秋1986年10月)が印象に残っている。

上掲書は「センチメンタル・ジャーニー」が示すように、青春期の回想であるが、素直に心情が表出しているように思えた。
テレビの討論番組などで殊更に相手をやり込めようとしているかに見えたが、心の中に深い空洞を抱えていたのだろう。
入水自殺する時には、ほとんどが故人となってしまったかつての仲間の顔が思い浮かんでいたのかも知れない。
合掌。

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2018年1月21日 (日)

小学校上空の米軍ヘリ/永続敗戦の構造(14)

昨年12月に、市立普天間第二小学校の校庭に米軍大型ヘリコプターが窓を落下させるという事件が起きた。
すると、同校や宜野湾市教育委員会に「やらせだろ」「基地のおかげで経済発展しているじゃないか」などの誹謗中傷の電話が相次いだ。
これが一部の「愛国的」日本国民の姿である。

 市教委に「なぜこんな場所に学校を造ったのか。造った教育委員会の責任だ」との電話があり「(移転先の)土地がない」と返答すると「住宅地をつぶせ」と返ってきたという。
 普天間第二小は1969年4月、普天間小の児童増加に伴い分離して開校した。
 一方、普天間飛行場は沖縄戦の最中に建設され、当時は航空機の離着陸は少なかった。運用が過密になったきっかけは69年11月、山口県岩国基地を拠点としていた米海兵隊のヘリ部隊が普天間に移ってきたことだ。
 小学校移転計画も浮上したが、用地の問題などから断念した経緯がある。市教委は「宜野湾市のどこに移転したら安全だというのか。どこにいても事故は起こり得る」と指摘した。
被害校に誹謗中傷の電話 宜野湾市教委にも /沖縄

18日にも、同校上空を米軍ヘリコプター3機が飛行した。
同小に設置した4台の監視カメラの映像という証拠もある。
にもかかわらず、米軍は操縦士の証言やレーダーの航跡を根拠に「ヘリの操縦士らは学校の位置を把握し、避けて飛行した」と主張している。

 沖縄の怒りが激しいのは、米軍の振る舞いに苦悩させられるのが今に始まったわけではなく、常態化してしまっているからだ。日米両政府は1996年、米軍機の騒音軽減を目的に普天間飛行場(宜野湾市)と嘉手納基地(嘉手納町など)での午後10時~午前6時の飛行を制限する航空機騒音規制措置に合意。だが、実際には米軍は早朝、夜間の飛行を繰り返しており、合意は形骸化している。
 12年10月のオスプレイ配備の時も、日米両政府は飛行について「学校や病院を含む人口密集地域の上空をできる限り避ける」などとする運用ルールで合意したと強調したが、配備直後からルール違反とみられる飛行が相次いで目撃された。米軍の「約束」破りに沖縄側は煮え湯を飲まされてきている。日本政府は米側に改善を実行させられず、翁長知事が事件や事故の度に「日本政府には当事者能力がない」と批判するのもこうした実態があるからだ。
 今回は子供たちが過ごす学校を巡るトラブルだけに、県民の怒りはとりわけ強い。翁長知事は19日の記者会見で「沖縄防衛局は毅然(きぜん)とした対応をしてほしい」と注文した。
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小学校上空か否か 米否定に政府困惑

折しも名護市長選というタイミングで、何としても翁長雄志知事の再選阻止に全力を挙げる安倍政権は、なりふり構わぬ選挙戦を展開しているところである。
小野寺防衛相や菅官房長官も、沖縄側に立つ発言をしているが、「選挙にらみ」の政権の思惑では真の解決は望めまい。

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2018年1月20日 (土)

ムーミン谷の入試問題/知的生産の方法(172)

2018年1月13日に行われたセンター試験地理Bで「ムーミン」に関する問題が出題された件が話題になっている。
「ムーミン」と「小さなバイキングビッケ」がそれぞれフィンランドとノルウェーのどちらかを舞台にした作品であると紹介した上で、正しい言語との組み合わせを選択するものである。
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ムーミン公式が「ムーミン谷がある場所」について見解発表 センター試験地理Bの出題の件で

試験問題は、アニメの『ニルスの不思議な旅』がスウェーデンを舞台にしたものであることを紹介した上で、同じ北欧三国に関係する『ムーミン』と『小さなバイキングビッケ』の画像を見せ、それぞれが「ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション」であると紹介し、そのどちらが「フィンランドを舞台にしたアニメーションなのか」を考えさせる問題だった。

ただ、「ムーミン」は著者のトーベ・ヤンソンがフィンランド出身であるものの、あくまで舞台は仮想の世界「ムーミン谷」。そのため、「出題ミスではないか」という意見が出て、「ムーミン」の公式Twitterアカウントに意見するものが続出したり、大阪大学大学院にスウェーデン語研究室が「フィンランドとは確定できない」という見解を表明するなどの騒ぎになった。

私は、鈴木貴博・百年コンサルティング代表の『ムーミンの炎上入試問題が不適切どころか「良問」である理由』に同感するところが多い。

 さらにこの問題は、実はムーミンを知っているだけでは正解にならない。それぞれ(タ)(チ)という番号が付いたムーミンとビッケの画像の横に、同じく(A)(B)という番号が付いたフィンランド語とノルウェー語のイラストが載っており、アニメの舞台とその国の言語として、(タ)(チ)(A)(B)のどのような組み合わせが正しいかを、選ばせる内容になっていたのだ。
 その言語とは、「(それは)いくらですか?」という意味の「A:ヴァ コステル デ?」と「B:パリヨンコ セ マクサー?」である。
 受験生にしてみれば、こっちのほうが「わかるわけない!」と憤りそうだが、親切なことに、Aのイラストには妖精のような小さな小人が描かれていて、Bのほうにはトナカイが描かれている。
 トナカイと言えばサンタクロース。そして、サンタクロースが世界に向けて出発するサンタクロース村はフィンランドにある。また、サンタクロース村はムーミン谷と違い、実在している上に営業もしている。それを知っていれば、正しい組み合わせはBであることがなんとなく想像できる。

フィンランド大使館は「物語を愛する皆さんの心の中にある」とイキなコメントだし、スウェーデン大使館は「北欧は取り上げられるのは嬉しい」とオトナの対応だ。
見習うところが多いのでは?

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2018年1月19日 (金)

仮想通貨はどうなっていくのか?/技術論と文明論(90)

仮想通貨の代表がビットコインであるが、ビットコインの価格が急上昇した。
2017年12月半ばに一時1ビットコイン1万9000ドル台に達し、日本円では200万円を超えるまで上昇した。
年初は1000ドル弱、10万円程度だったから、1年間で約20倍になったことになる。
Ws000000
ビットコインは信⽤できる通貨になるのか

異常とも言うべき上昇ぶりであるが、直近では下落する傾向のようである。

事実上仮想通貨のトップ100すべてが15~30%暴落した。全仮想通貨の時価総額は約4500億ドルとなり、48時間前の6500億ドルから30%近く下落した。
昨日Bitcoinはあと数ドルで1万ドルを切るところまで来ていたが、その後1万1000ドルと2日前の15%安まで戻した。しかし現在Bitcoinは、ほとんどの主要交換所で1万ドル以下で取引されている。
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ビットコインの暴落、さらに加速。ついに1万ドルを切る

相場のことであるから、今後のことは分からない。
しかし、アルトコインと呼ばれるビットコイン以外の仮想通貨も増えている。
主要な
アルトコインには次のようなものがある。2
「週刊SPA!」2018年1月16・23日号

これらの仮想通貨はどの程度の規模になるのであろうか。
当面仮想通貨に投資する気はないが、ウォッチしておこう。

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2018年1月18日 (木)

西郷隆盛のイメージ(続)/幕末維新史(5)

大河ドラマ『西郷どん』のオープニングで、上野恩賜公園の西郷像の除幕式において、西郷の妻が「ちごっ、ちごっ! こんな人でなか」と叫んでいた。
⇒2018年1月15日 (月) 西郷隆盛のイメージ/幕末維新史(4)
お雇い外国人のキヨッソーネが描いたの肖像画をよく目にするが、西郷従道と大山巌をモデルにして作り上げたものだという。
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真説 幕末明治維新史 「官軍史観」と「逆賊」の真実』ダイアプレス(2018年1月)

ところが西郷隆盛を描いた可能性がある新しい肖像画が、枕崎市で見つかったと報道されている。

Photo_4 作者や制作年は不明で、西郷の遺品などを管理している鹿児島市の西郷南洲顕彰館が今月から一般公開して情報を求めている。西郷ゆかりの縁者は「祖先から聞いていた西郷さんの特徴がそろっている」と期待している。
 肖像画が保管されていたのは、鹿児島県枕崎市宮田町の丸谷兼彦さん(87)、昭子さん(83)夫妻宅。油絵で描かれ、サイズは縦54センチ、横45センチ。署名はなく、だれがいつ描いたのか全くわかっていない。ただ、1926年ごろには昭子さんの実家の仏間に掲げられていたという。
 これまでに外部に持ち出されたことはなく、兼彦さんは「西郷さんの肖像か真偽のほどはわからないが、維新150周年の記念の年に多くの人に見てもらえたら」と話す。
 肖像画を西郷南洲顕彰館へ橋渡ししたのは、鹿児島市の西郷銅像横にある「K10カフェ」の店長、若松宏さん(57)。若松さんの曽祖母の岩山トクさんは西郷の妻イトの弟に嫁ぎ、西郷家の家事を手伝うなど付き合いが深かったという。肖像画を見た若松さんは「西郷さんの顔を何度も見ていたトクばあさんが語っていた西郷さんの特徴がそろっている」と話す。
 トクさんは97歳で亡くなる前年の1951年、当時の鹿児島市長に西郷の顔の特徴として、目の上が少し盛り上がっていたこと、耳が縦に長かったこと、額の左右の部分の髪が抜けていたことなどを挙げており、若松さんは肖像画と一致していると見ている。
西郷隆盛の新肖像画を発見? 縁者「特徴そろっている」

どうしてアイデンティファイするか分からないが、アーネスト・サトウによる証言の「黒ダイヤのように光る大きな目玉」という特徴は現れているような感じではなかろうか。
西郷像のスタンダードになるのだろうか?
まあ、これを機会に謎多き西郷隆盛の実像の検討が深まることを期待したい。

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2018年1月17日 (水)

阪神淡路大震災の日に/技術論と文明論(90)

1995年1月17日の阪神大震災から23年である。
⇒2015年1月17日 (土) 阪神淡路大震災から20年/日本の針路(99)
この間、2011年の東日本大震災、2016年の熊本・大分震災と大規模な地震災害が後を絶たない。
日本列島の構造上、ある意味では当然のことであろう。

西日本を縦断する「中央構造線」と呼ばれる大規模な断層帯が存在する。
⇒2010年9月 2日 (木) 東海大震災は防げるか?
特に、熊本・大分地震がこの断層帯との関係が注目された。

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 中央構造線は、全長1000キロメートル以上に及ぶ。九州から四国北部を経て紀伊半島を横断。伊勢湾を横切り、天竜川に沿って北上して、長野県諏訪湖付近で本州の中央部を横切るフォッサマグナとよばれる巨大な地溝帯にぶつかる。このフォッサマグナの西の縁が、中央構造線と並ぶ巨大な断層帯として知られる糸魚川―静岡構造線だ。
 異なる断層に由来する大きな地震が連動するのは、近代的な観測が行われるようになってからはあまり例がない。だが、過去の時代の文献からは、そうした事例があったことが見て取れる。
 安土桃山時代末期の1596年9月1日、中央構造線沿いの愛媛県でM7級の慶長伊予地震が起きた。その3日後に、およそ200キロメートル離れた大分県で、同程度の慶長豊後地震が起きている。その翌日に兵庫県で発生した慶長伏見地震も、これらの地震と関連するとみる研究者もいる。
・・・・・・
Photo_2 中央構造線の元になった断層は、今から1億年以上前、日本列島がアジア大陸の一部だったころに誕生した。恐竜がいた白亜紀に、海洋プレートが運んできた陸地が大陸にぶつかった。その後、大陸の端が大きく横ずれして巨大な断層ができたと考えられている。これが中央構造線だ。
「中央構造線」列島横切る巨大断層 熊本地震の延長上 九州~近畿で400年前に連続発生 

また2017年12月、北海道沖の千島海溝でM(マグニチュード)9級の巨大地震の発生が切迫していると政府の地震調査委員会が公表した。
千島海溝では過去340〜380年間隔で巨大地震が起きていたが、前回の地震発生からすでに約400年が経っている。
つまり「切迫している」わけである。

1995年の阪神大震災を起こした地震の震源地も中央構造線の近傍であった。
千島海溝付近については「経験則」であるが、警戒するに越したことはないだろう。

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2018年1月16日 (火)

安倍首相が「ICAN」との面会拒否/日本の針路(365)

昨年のノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)事務局長で来日中のベアトリス・フィン氏が、安倍晋三首相との面会を政府に求めたが、日程を理由に断られた。

Ws000001 首相は東欧を歴訪中で17日に帰国の予定。12日に来日したフィン氏は16、17日と東京に滞在し、18日に日本を離れる。フィン氏は15日、広島市内で原爆資料館を見学後、報道陣に「他国の指導者たちとは面会できたこともあり大変残念。特に日本は(被爆という)独自の経験があり、首相や日本政府の方々と話をしたいと思っていた。次の機会に期待している」と語った。
 一方、菅義偉官房長官は同日、記者会見で「日程の都合上難しいということで、それ以上でもそれ以下でもない」と語った。ICANはフィン氏が東京滞在中に首相と面会できるよう、内閣府へ昨年12月以降、文書で2度要請していた。
 なお、安倍首相と海外のノーベル賞受賞者の面会は、2014年のポール・クルーグマン氏、15年のロバート・マートン氏、16年のジョセフ・スティグリッツ氏(いずれも経済学者)の例がある。
 核兵器禁止条約は核兵器の使用、開発、実験、製造、保有や、核抑止力の根幹である威嚇を禁じ、国連で昨年7月、122カ国の賛成多数で採択された。米国の「核の傘」の下にいる日本は交渉に参加しなかった。
 東京大の西崎文子教授(外交史)は「日本政府も最終目標は核兵器廃絶と主張しており、ノーベル平和賞受賞者に敬意をもって応じるのが筋。考えが相いれない団体にも耳を傾ける姿勢は政権の評価を高めたはずで、残念な判断だ」と話す。
ICAN事務局長来日 安倍首相、なぜ会わぬ 

芸能人やマスコミ幹部との会食がしばしば報道されており、以下のような見方があるのは当然であろう。

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「調整困難」というのは事実上の面会拒否である。
口では「唯一の被爆国」などと言うものの、核兵器廃絶に取り組む意思のないことの表明であろう。
共同通信は「ICAN]にかけて、「No I can't」と安倍首相を皮肉った。
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安倍首相の存在はもはや「世界の非常識」ではなかろうか。

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2018年1月15日 (月)

西郷隆盛のイメージ/幕末維新史(4)

今年は「明治150年」にあたることから、各種の記念行事が企画されている。
NHKの大河ドラマも西郷隆盛を主人公に『西郷どん』である。
原作林真理子、脚本中薗ミホという女流コンビが担当し、時代考証は『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』NHK出版 (2017年5月)の磯田道史氏である。

西郷は、戊辰戦争を主導し、勝海州との会談で江戸無血開城を決めるなど、明治維新の顔であることは間違いないだろう。
大河ドラマのオープニングで、上野恩賜公園の西郷像の除幕式で、西郷の妻が「ちごっ、ちごっ! こんな人でなか」と叫んでいたシーンがチラッと映されたが、実際に西郷隆盛とは似ていないそうである。
作者は高村光雲、つまる光太郎の父で、近代彫刻の父である。

なぜ似ていない像が作られたのか?
西郷隆盛の肖像画はよく見る。
例えば以下の貌である。
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西郷隆盛

西郷の現存する写真はなく、お雇い外国人のキヨッソーネが西郷従道と大山巌をモデルにして作り上げたという。
要するに実像は謎である。

加治将一『西郷の貌-新発見の古写真が暴いた明治政府の偽造史』祥伝社 (2012年2月)という小説がある。
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以下のような紹介文である。

なぜ、維新の英傑の顔っは消されたのか?歴史作家・望月真司は、一枚の古写真に瞠目した。 「島津(しまづ)公(こう)」とされる人物を中心に、総勢13人の侍がレンズを見据えている。 そして、その中でひときわ目立つ大男……かつて望月が 「フルベッキ写真」で西郷隆盛に比定した侍に酷似していたからだ。 この男は、若き日の西郷なのか? 写真はないとされている西郷だが、この大男が彼だとしたら、この写真はいつ、何のために撮影 されたのか?誰が、何のために合成の肖像画、似ても似つかぬ銅像を造ってまで偽のイメージを植えつけようとしたのか? 謎を解明するために望月は鹿児島へ飛んだ。

テーマは面白いが、文章が粗い感じなのが残念だ。
しかし僅か150年ほど前のことではあるが、幕末維新には多くの謎がある。

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2018年1月14日 (日)

AIのコピーライティング/知的生産の方法(171)

AIの話題に事欠かない。
囲碁や将棋などの知的ゲームの分野では棋士を凌駕するレベルになっている。
芸術とかビジネスの戦略など、クリエイティブな思考が重要な分野ではどうだろうか?
⇒2016年2月21日 (日) AIはクリエイティブ分野でもヒトに勝つか?/技術論と文明論(41)
電通が静岡大がと共同で広告コピーライティングのAIを開発した。

 電通は、人工知能(AI)による広告コピー生成システム「AICO (アイコ/AI Copy Writer)」のβ版を開発した。
 昨今人工知能の研究と実用化が急速に進んでおり、広告コミュニケーション領域においても欠かせない技術になりつつある。たとえば、今回電通が開発したシステムで人工知能による広告コピー生成が実現すると、TPOに合わせてリアルタイムにメッセージを変化させることができる。そのため、ネット広告や屋外・交通広告などでよりパーソナライズした広告配信が可能となる。
・・・・・・
 同社は次世代型広告に関する研究を5年ほど前から行っており、その中で広告コピーの良し悪しによって広告効果がどのように変化するかの定量・定性的評価を行ってきた。その研究をさらに発展させ、自然言語処理を専門分野とする静岡大学情報学部の狩野研究室と同システムの共同開発に至った。
 今回の発表に先駆け、電通と狩野研究室は、双方の知見とノウハウ、データを組み合わせることで、「人工知能が書いたキャッチコピーによる新聞広告」を2016年に出稿した。その際、広告制作の実務に携わっている電通のコピーライターが人工知能の学習をサポートし、より人間に近いコピーの生成を可能にした。
 今後電通は、同システム開発を皮切りにさらなる研究開発を進め、より具体的な広告効果が期待できる広告生成の実用化を目指す。くわえて、人工知能と人間のクリエイターの協業による、これまでにない新たな広告手法の研究開発を進めていく。
電通、人工知能による広告コピー生成システム「AICO」のβ版を開発 静岡大学の狩野研究室と共同で

実際の作例は以下のようである。
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東京新聞2017年6月24日

まあ、微妙な感じではあるが、「もう一息」のところまで来ていることは間違いないだろう。

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2018年1月13日 (土)

スマートフォンとAI/知的生産の方法(170)

身近にAIを感じることができるのは、スマホなどに搭載されている言語認識機能であろうか。
秘書機能と銘打ったSiri(Speech Interpretation and Recognition Interface:発話解析・認識インターフェース)は、iPhoneやiPadで使っている例を良く見かける。
野口悠紀雄『話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる!講談社(2016年5月)は、「著者の野口悠紀雄氏がスマートフォンの音声入力を使って書き上げた」そうである。
しかし私の場合、脳梗塞の後遺症で構音障害があるため、実用的に文章を入力することは不可能である。

ファーウェイ社の「HUAWEI Mate 10 Pro」というスマホは、AI搭載を売り物にしているようである。
NPU(Neural network Processing Unit)と呼ばれる、機械学習のためのプロセッサーを内蔵した、もっとも性能の高いチップセット「Kirin 970」を搭載したこと。さらにそこに、6GBに増えたRAMと、最新のEmotion UI(EMUI) 8.0が加わり、ハードとソフト、両方の進化によって快適な使用感を実現したという。

AIすなわち人工知能(Artificial Intelligence)には、「汎用AI」と「特化型AI」に分かれる。
「HUAWEI Mate 10 Pro」が搭載しているというAIは後者で、「機械学習」を指せるための専用のチップが使われた。
ユーザーが使用する中で蓄積されたデータから、ユーザーがしようとしていることなどを推測することができるようになったという。
Huawei2

Huawei
「HUAWEI Mate 10 Pro」レビュー。 「AI搭載」でスマートフォンはどう進化するか?

また、スマホのネックである電池の消耗に対しても、AIによる省電力を実現しているという。
今のスマホの電池の寿命が限界に近づきつつあるので、買い替えるとしたら一寸そそられる機種であるが、iPhoneからの乗り換えは面倒だろうなあ。
こういうものは実際に使って見ないと良く分からない。

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2018年1月12日 (金)

「伊藤-山口」事件に対する海外の反響(続)/日本の針路(363)

政権(官邸)ご用達のジャーナリスト(?)山口敬之氏の準強姦容疑事件は海外で大きく報道されつつある。
⇒2018年1月 4日 (木)  「伊藤-山口」事件に対する海外の反響/日本の針路(362)

国内大手メディアは消極的なようだが、「週刊新潮」が積極的だ。
⇒2017年5月12日 (金):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑/アベノポリシーの危うさ(206)
⇒2017年5月15日 (月):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(続)/アベノポリシーの危うさ(208)
⇒2017年6月 3日 (土):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(3)/アベノポリシーの危うさ(224)
⇒2017年6月21日 (水):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(4)/アベノポリシーの危うさ(239)

この伊藤詩織さんに対する破廉恥な行動と、それを隠蔽しようとする行為は、安倍政権の姿勢を象徴するものと言えよう。
本人も「安倍と麻生が後ろ盾」と言っているようだ。

 公金100億円を分捕った欠陥スパコン会社への特捜部の捜査は鉱脈に向かって更に継続中だ。他方、この会社の顧問でもあった総理ベッタリ記者こと山口敬之元TBSワシントン支局長。相棒の逮捕後も意気軒昂に、「後ろ盾は安倍・麻生」と嘯(うそぶ)いているというのだ。
・・・・・・
 2017年12月5日。東京地検特捜部が助成金詐欺容疑で、「PEZY Computing(ペジーコンピューティング)」創業社長の齊藤元章容疑者を逮捕した。
 齊藤社長の関連会社には、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」から約40億円の助成金、「科学技術振興機構(JST)」から60億円弱の無利子融資が注ぎ込まれている。いずれも国立の研究開発法人だ。
 逮捕容疑は助成金の一部を不正受給した疑いだが、齊藤社長はこんなセールストークを展開していた。
「人工知能が進化してそれが人類を超える点(シンギュラリティ)が来る。スパコンさえあれば衣食住はタダ、カネは不要、犯罪も事故もない、少子高齢化問題やエネルギー枯渇の懸念が解決される社会が実現する」
 専門家によれば、「しょっちゅうシステムエラーを起こしてしまう。稼働しない時間が長い」欠陥スパコンにもかかわらず、ある程度ハッタリは奏功。しかし、自転車操業でやんぬるかな、経営者から容疑者へ。他方、かますどころかやることがハッタリそのものだったのが、伊藤詩織さんへの準強姦容疑で逮捕状が出ていたペジー顧問の山口敬之記者。
 ハッタリとは……。山口記者がTBSワシントン支局長時代に執筆した〈歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!  米機密公文書が暴く朴槿恵の“急所”〉という記事が虚報だったと本誌(「週刊新潮」)が指摘したことを指す。公文書がまともに読めず、取材相手の語った内容を捏造して原稿を書く記者のありようが明らかとなったのである。
「今回の捜査の過程で、顧問料200万円、そして家賃として200万円が齊藤から山口に毎月支払われていることがわかりました」
 と、社会部デスク。家賃とは東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」内の「レジデンス」使用料だ。
 戸数はわずか14で最高が月240万円。200万円の部屋も実際に存在し、2番目のグレード。広さは約239平方メートルになる。
・・・・・・
「カネ集めの舞台装置ですよ。国家権力を睥睨するロケーション、安倍・麻生との蜜月を描いた山口自身の著書『総理』。これを武器に、“錬金術”に勤しんでいた様子が窺えます」(同)
 結果、前述の国からの100億円に加え、民間から200億円ほどを調達することに成功していたという。
山口敬之の口癖は「安倍と麻生は今でも後ろ盾」 血税100億円を分捕った欠陥スパコン 

山口敬之氏の著書は、品格なき安倍礼賛本であり、とてもジャーナリストとは思えない粗雑な筆である。
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⇒2017年12月 8日 (金):スパコン補助金詐取容疑者と山口敬之/アベノポリシーの危うさ(326)
山口氏の受けた支援は、官邸人脈の紹介料の意味だろうか。
こういうのをブローカーと呼ぶのだろう。

海外メディアについては「週刊新潮」1月18日号も紹介している。
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ホンの一部を拡大しておこう。
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それでも安倍支持者はいるのであろうが、実に汚れた集団だと言わざるを得ない。


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2018年1月11日 (木)

原発ゼロか輸出か/日本の針路(364)

小泉純一郎、細川護熙両元首相が顧問を務める民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連、会長・吉原毅城南信用金庫元理事長)が10日、国会内で記者会見し、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の骨子案を発表した。
小泉氏は、原発ゼロ基本法案の提出を目指す立憲民主党などと連携していく考えを強調した。

Ws000000_2 会見に同席した小泉氏は「近い将来、原発ゼロは国民多数の賛同で実現する。国会で議論が始まれば国民は目覚める。そういう動きが出てくるまで粘り強く諦めずに国民運動を展開したい」と語った。
 骨子案は、東京電力福島第1原発事故を踏まえ「原発は極めて危険かつ高コストで、国民に過大な負担を負わせる」と指摘。原発の即時停止のほか、核燃料サイクル事業からの撤退▽原発輸出の中止▽自然エネルギーの電力比率を2030年までに50%以上、50年までに100%に引き上げ--などを掲げる。
 政府は14年のエネルギー基本計画で原発を「ベースロード電源」と位置づけ、30年度の原発比率を20~22%に設定。自民党衆院選公約は「新規制基準に適合すると認められた場合は再稼働を進める」としている。
 小泉氏は会見で、安倍晋三首相について「今までの言動をみていると、安倍政権で(原発ゼロを)進めるのは難しい。自民党公約で『原発依存度低減』と言いながら、これからも基幹電源にすると。よく恥ずかしくないな、と思う」と批判。「仮に立憲民主党が政府をただしたら、自民党もうかうかしていられない。我々の活動は国造りに大きな影響を与える」と述べ、法案審議が国民的な議論を喚起するとの見方を示した。細川氏は会見に同席したが発言はしなかった。
「原発ゼロで国民運動」小泉元首相ら骨子案発表

稼働中の原発の即時停止や再稼働禁止などが盛り込まれる。
政府は「安全性が確認された原発のみ、地域の理解を得ながら再稼働を進める考えに変わりはない」(菅義偉官房長官)というスタンスである。
立憲は独自の原発ゼロ法案提出を目指しており、福山哲郎幹事長は記者団に「原発ゼロはスローガンでなく未来に対する責任だ。党派を超え、原自連を含めた国民運動をしたい」と連携を深める考えを示した。

日立製作所が英国で進める原発新設プロジェクトを後押しする政府と原自連のスタンスは真っ向から対立する。
⇒2018年1月 3日 (水)  対立軸としての原発/技術論と文明論(87)

原発をどう考えるかは、国論を二分する争点である。

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2018年1月10日 (水)

翻訳アルゴリズムと化学反応/知的生産の方法(169)

世の中にはユニークな発想をする人がいるものである。
有機化学といえば、ベンゼン核を思い出す人もいるだろう。
炭素を含む化合物の化学が有機化学である。

炭素には、4つの外殻電子と4つの空席があり、価電子数4と元素の中でも最も多い4組の共有結合を持つことが可能である。
そのため、多様な分子をつくる骨格となる。
IBMの研究者が、AIに39万5千の化学反応を勉強させ未知の化学反応の予測を可能にした。

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この結果の特徴は機械翻訳でよく使われるニューラルネットワークを用いたことで、化学反応を言語のように処理していることです。具体的には、
 1.合成化学的に正しい反応を予想をするためのSIMLEの文法
 2.分子構造の傾向
 3.原料、反応剤の反応部位
といったような三つの内容について学習させました。これは人間が有機化学を学ぶ時と同じで、人間のようと同じ方法で反応を予測していると考えられます。
今後の展望として、
 ・正解率を90%以上にする。
 ・有機合成化学の分野別に反応予測を最適化させる。
 ・システムに関しては化学構造だけでなく、温度や溶媒。pHなども予測のファクターに取り込む。
 ・特許のデータベースだけでなく、より多くの有機化学反応を学習させる。
 ・ビジネスの観点からクラウドサービスにして誰もが使えるサービスにする。
といったようなことを計画しているそうです。また、AIは完全ではないため化学者のフォローアップが必要で、このシステムが有機化学者にとって代わるのではなく助けるために作ったと論文を執筆した研究者の一人であるテオドロ・ライーノ博士はコメントしています。

AIによる化学反応の予測というトピックについて全然知りませんでしたが、論文中では最近の研究結果を多く引用していて、ホットなトピックであることがわかります。ScifinderとReaxysには多くの反応がデータベース化されているのでこれらとコラボすれば、すべての反応を網羅できると個人的には思います。またこの研究者のコメントには一安心ですが、このようなツールが発達すると研究が効率的に進められる一方、合成反応をよく勉強しなくても新規合成や反応開発できるようになってしまい、学生の考察力が低下するのではないかと私は危惧しています。Googleに聞けば学生実験の答えが出る時代から、AIに聞けば思い通りの分子が合成できる時代になるかもしれません。
翻訳アルゴリズムで化学反応を予測、IBMの研究者が発表

考えてみれば、語彙と語彙を結び付ける法則性(文法やレトリック)も多様であり、化学反応の多様性と似ているかも知れない。
しかしそれこそ「コロンブスの卵」というものであろう。

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2018年1月 9日 (火)

AIの発展とシンギュラリティ/技術論と文明論(89)

AIの発達と共にシンギュラリティという言葉が現実味を帯びてきた。
Wikipediaの説明を引用しよう。

技術的特異点(ぎじゅつてきとくいてん、英語:Technological Singularity)、またはシンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能人工超知能汎用人工知能AGI)の発明が急激な技術の成長を引き起こし、人間文明に計り知れない変化をもたらすという仮説である。人類が人工知能と融合し、生物学的な思考速度の限界を超越することで、現在の人類からして、人類の進化速度が無限大に到達したように見える瞬間に到達すること。実際に人類の進化速度が無限大になることはないが、進化速度が極めて速く、数学的な特異点と同様に見えるため、このように名付けられた。2010年代以降、一躍有名になったレイ・カーツワイルの予言の影響により、一般層を中心に2045年問題とも呼ばれている。

「Newton」2018年1月号の解説ではカーツワイルの予言を次のように整理している。
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端的にイメージで表現すれば下図のようであろう。
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Tag: シンギュラリティ

日本経済新聞は過去の事象を加えて、技術進歩と社会の変化の関係を下図のように俯瞰していた。
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2015年9月14日 (月) 文系学部狙い撃ちの愚/知的生産の方法(126)

2045年は近未来である。
私自身が生存する確率は小さいかもしれないが、死ぬまで「見者」であり続けたい。

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2018年1月 8日 (月)

AI(人工知能) の分類/技術論と文明論(88)

政府が、将棋で史上初の「永世七冠」を達成した羽生善治氏と囲碁で2度目の七冠独占を果たした井山雄太氏に対する国民栄誉賞の授与を正式に決定した。
国民栄養賞は、基本的に政府の人気通り政策ではあるが、両氏は人柄も好ましいように思え、素直に祝福したい。

将棋の電王戦や囲碁の「アルファ碁」の話題を通じて、今や知的ゲームと言われるものにおいて、AIが最強的な地位を占めている。
⇒2014年4月27日 (日) 電王戦の結果と2045年問題/知的生産の方法(93)
⇒2016年5月24日 (火) ディープラーニングの発展と脳のしくみ/知的生産の方法(150)
⇒2016年11月11日 (金) 人脳と人工知能/「同じ」と「違う」(99)

さて進展著しいAIはどう分類されるだろうか?
「分ける」ことは「分かる」ことの出発点である。
先ず、AIは、用途に基づいて大きく分けて、「特化型」と「汎用型」の2種類がある。
特化型AIは、特定の決まった作業を遂行するためのもので、自動運転技術や画像認識、将棋・チェス、人との会話など、一つの機能に専門化して稼働するものである。
電王戦に登場する将棋ソフトや「アルファ碁」が典型例と言えよう。

これに対して、汎用型AIは、特定の作業やタスクに限定せず人間と同様の、あるいは人間以上の汎化能力を持ち合わせているとされる。
プログラミングされた特定の機能以外にも、自身の能力を応用して対応できるとされ、自律的な学習が可能になる。
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日経アソシエ2017年10月号

自律的学習が可能になると、人間を超越する時が来るかもしれない。
アメリカの未来学者・発明家のレイ・カールワイルは、それを2045年と予言して話題になった。
⇒2013年5月17日 (金) 「成長の限界」はどのような形でやって来るか?/花づな列島復興のためのメモ(214)
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日経アソシエ2017年10月号

AIは特化型と汎用型のほか、しばしば「強いAI」と「弱いAI」という類型化もされる。
「強いAI」は、人間のようにものごとを認識し、人のように仕事を行う、あたかも人間のような自意識を備えているAIである。
「弱いAI」は、人間のような自意識を備えていず、人間の知能の一部を代替するが、あくまで「機械的」な存在である。
私の興味は、いわゆるクリエイティブな分野でのAIの進歩である。
⇒2016年2月21日 (日) AIはクリエイティブ分野でもヒトに勝つか?/技術論と文明論(41)2016年2月21日 (日) 

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2018年1月 7日 (日)

シンプソンのパラドックス/知的生産の方法(168)

西内啓『統計学が最強の学問である』ダイヤモンド社(2013年1月)という本があるが、「最強」という言葉には抵抗がある。
著者は、「どんな権威やロジックも吹き飛ばし」という。
権威を吹き飛ばすのは結構であるが、ロジックを吹き飛ばすのが最強だろうか?

そんなツッコミを入れたくなるが、統計的に処理され、表現されたデータが強い説得力を持つことは事実であろう。
定性的な言葉にない定量的な表現の持つ力である。

しかし、注意しないと誤った評価や判断など、ミスリードしかねない点に注意する必要がある。
統計的なパラドックスとして有名なものが「シンプソンのパラドックス」である。
イギリスの統計学者エドワード・H・シンプソンによって示されたもので、「母集団での相関と、母集団を分割した集団での相関は、異なっている場合がある。つまり集団を2つに分けた場合にある仮説が成立しても、集団全体では正反対の仮説が成立することがある」というものである。

神永正博『直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法 』講談社ブルーバックス(2014年11月)に「新生児体重のパラドックス」と呼ばれる例が載っている。

喫煙をしていない母親から産まれた新生児(A)と喫煙をしている母親から産まれた新生児(B)について、体重別死亡率をみると以下のようであった。
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上表は、どの体重ランクにおいても、喫煙をしている母親の方が赤ちゃんの死亡率が低いという不可解な結果であった。
喫煙の害は良く知られている。
何故だろうか?

もう少し詳細に見てみると以下のようであった。
2

上表をグラフ化すると下図になる。
Photo_12

つまり、喫煙をしていない母親から産まれた新生児(A)の方が、喫煙をしている母親から産まれた新生児(B)よりも死亡率が高いように見えた 最初の表は、以下のような2つの因果関係が複合した結果であった。

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それぞれの因果関係は当然であろうと納得できるものである。
統計の結果を、自分にとって都合のよいように解釈して、断片的に表示していくと、統計そのものの信頼性を失わせないことになる。

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2018年1月 6日 (土)

結果を出した闘将・星野仙一/追悼(114)

プロ野球・中日ドラゴンズの投手として活躍し、中日、阪神、楽天の3球団などで監督を務めた星野仙一さんが、4日亡くなった。

Ws000000_2 星野さんは岡山県出身。倉敷商高を卒業後、明大へ。1969年、中日にドラフト1位で入団した。投手として82年までの14年間で、通算146勝121敗34セーブ、防御率3・60の成績を残した。73年からは5年連続で2けた勝利を挙げるなど活躍し、74年には沢村を受賞した。
 87年から91年、96年から2001年までの2回、中日の監督を務め、1度ずつリーグ優勝を果たした。02年からは阪神の監督を2季務め、03年にチームを18年ぶりのリーグ優勝に導いた。08年の北京五輪では、アジア地区予選から日本代表監督を務めたが、メダルを獲得できず、翌年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督は、次期候補と有力視されながら辞退した。
 11年から楽天を率いた。13年には創設9年目の球団を初の日本一に導き、自身としても監督通算16年目で初の頂点に。三原脩、西本幸雄と並び、3球団でリーグ優勝を成し遂げた監督となった。計17年で通算1181勝。戦後生まれでは初の1000勝監督になった。15年からは楽天球団の副会長を務め、新人選手の獲得などに尽力した。
星野仙一さんが死去 プロ野球中日・阪神・楽天で監督

武闘派の印象が強いが、小学6年生の時には同じ学年の障害を持った友人を1年間毎日、おんぶして学校まで登校していたと自著で述べている。
ボランティア活動に熱心で、選手には「人生の1%をボランティアに捧げ」と説き、自身は毎年のように地元岡山の障害者施設に寄付を行っている。
「今の若い者は」という言い方を嫌い、「今の若い者には若い者の良さがある。今の選手には今の選手なりの接し方があるんだよ」と述べている。

中日では2度、阪神・楽天で優勝を果たしているが、すべて前年5位以下の低迷時に引き受け、4年以内に優勝を果たした。
結果を出しているのは、知将であることの証明であろう。
2016年7月、急性膵炎を発症した際に膵臓癌が発覚したが本人の強い意向で病については一切公にされなかった。
2017年11月28日と12月1日には自身の「野球殿堂入りを祝う会」に出席していたが、年が明けた2018年1月4日膵臓癌のため死去した。

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2018年1月 5日 (金)

貴乃花親方の相撲協会理事解任/日本の針路(363)

大相撲の元横綱・日馬富士による傷害事件で、日本相撲協会の臨時評議員会は、4日、貴乃花親方(元横綱)の理事解任を全会一致で決めた。
本件は既に国民的関心事になっており、TVや週刊誌が大きく取り上げている。
しかし、報道がTVと週刊誌で微妙に違うという指摘がある。

今回の騒動を週刊誌で読んでいる人と、新聞・テレビで見ている人とでは、明らかに違った印象を持っていると思われる。そしてこの奇妙な構図にこそ、大相撲をめぐる報道の構造的な問題が隠されているといえる。実はその構造的問題を把握することが今回の騒動の本質を理解する鍵でもあるように思うので、少し整理してみたいと思う。
 週刊誌が今のような白鳳と相撲協会に批判的な論陣を張るようになった端緒は、11月30日発売の『週刊新潮』12月7日号の記事だった。「『貴乃花』停戦条件は『モンゴル互助会』」と見出しはわかりにくいのだが、記事内容は明快だ。一言で言えば「この騒動の背景に八百長問題がある。それを理解しないと騒動の本質はわからない」というものだ。
 モンゴル人力士が部屋を超えて結束し親睦を深めているのは知られているが、同誌はそのモンゴル人力士同士の幾つかの取り組みを具体的に検証している。例えば2012年5月場所。横綱を目指していた大関の日馬富士が14日目を終えて7勝7敗。最後に白鵬に勝って勝ち越すのだが、その白鵬の負け方が不自然だとして、ベテラン相撲ジャーナリストの分析を紹介している。他にも幾つかの取り組みについて、同誌はそういう分析を行っていく。つまりモンゴル人力士同士の関係がある種のなれ合いを生み、八百長が疑われるような状況に至っているというわけだ。
日馬富士暴行事件をめぐる週刊誌とテレビの報道はなぜこんなに違うのか

なお同誌には以下のような「データ」が添えられている。
Ws000002

これだけで有意性のある数値とは言えないかも知れないが、相撲協会としてはまず第一に、こういう疑惑を払拭することに集中すべきではないのか?
それを擱いておいて、池坊保子議長が「相撲は国技。相撲道は礼に始まって礼に終わる。貴乃花理事の言動は礼を失していたと思う。特に上司の八角理事長が電話しても応答なく、折り返しがないのは著しく礼を欠いていた」と非難するのは如何なものか、と思う。
また高野利男危機管理委員会委員長の調査報告も、例えば「貴ノ岩が「睨んだ」から日馬富士が殴った」など、事実と意見の区別が付け難いものだった。

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 評議員会は理事の選任や解任などの権限を持つ最高議決機関。現在、外部有識者4人と力士出身者3人の計7人で構成される。4人以上の出席で成立し、その過半数の賛成で解任を決議できる。この日は5人が出席し、海老沢勝二氏(元NHK会長)、千家尊祐氏(出雲大社宮司)の2人は欠席した。
 協会は昨年12月28日の臨時理事会で、貴乃花親方の理事解任を評議員会に提案することを全会一致で決めた。事件の報告義務を怠った上、全協会員が協力することを理事会で決議したにもかかわらず、被害者で弟子の貴ノ岩関(27)の聴取を拒否し続けた貴乃花親方について「被害者側の立場にあることを勘案してもその責任は重い」とした。
 事件を巡っては、元日馬富士の師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が理事を辞任し、役員待遇委員に2階級降格になった。現場の酒席に同席しながら暴力を止められなかった白鵬関(32)、鶴竜関(32)の両横綱は減給処分を受け、八角理事長(元横綱・北勝海)も残る任期3カ月の報酬を全額返上する。
貴乃花親方の理事解任、初の決定 臨時評議員会

気になるのは、評議員会7人のメンバーの内、外部委員(?)の海老沢勝二氏、小西彦衛氏が欠席したことである。

日本相撲協会評議員会メンバー
池坊 保子 元副文部科学相(議長)
海老沢勝二 元NHK会長
小西 彦衛 公認会計士
佐藤 忠博 大嶽親方(元十両・大竜)
千家 尊祐 出雲大社宮司
竹内 雅人 二子山親方(元大関・雅山)
南  忠晃 湊川親方(元小結・大徹)

池坊氏の見識がどれほどか、詳らかには知らないが、貴乃花処分には異論も多いようである。

 理事会が決議した2つの理由に「礼を欠いた」ことが付け加えられたことに協会や評議員会サイドの“本音”が見えたような気がしたが、実は、このことに協会が抱える本質的な“勘違い”や“一般社会とのズレ”が見え隠れしている。池坊議長は、貴乃花親方の「礼を欠いた」ことを問題にするよりも協会のガバナンスの欠如を問題にすべきだったのだろう。
 相撲ジャーナリストの荒井太郎氏も、「池坊議長の感情的な部分が出た発言でしたね。結果的にマスコミがとびつくようなリップサービスになってしまいましたが、解任理由とした“礼を欠いたこと”が、事件の報告義務を怠ったことや、その後の協会の聴取などに非協力的で公益財団法人の理事として忠実義務違反をしたことと、同列に受け取られるような発言をしたことは問題だったと思います。協会内の実態が露わになったような失言だったように感じました」という意見を述べる。
 協会の意向に沿わない“貴乃花親方嫌い”が、処分対象となるアラ探しに走っていたようにさえ思える。
池坊保子議長の発言をめぐりネット上で物議「論点がずれている」

協会にスタンダードがないことが構造的な原因であろう。
⇒2017年12月31日 (日) 「公正さ」が問われ続けた2017年/日本の針路(360)
「道」とか「礼」を言うならば、具体的な形を示さなければならないだろうが、比較論で言えば、この点に関しては貴乃花側に軍配を上げたい。
これで角界の「膿」を出し切ったとはとても言えないだろう。

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2018年1月 4日 (木)

「伊藤-山口」事件に対する海外の反響/日本の針路(362)

残念ながら、政権(官邸)ご用達のジャーナリスト(?)山口敬之氏が、伊藤詩織氏に対して起こした破廉恥な事件が、海外で大きく取り上げられつつあるようである。
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伊藤詩織さんの告発に関する海外報道まとめ

準強姦を推認される事件であるが、国内では「週刊新潮」以外のメディアは概して大きく扱うことがなかった。
⇒2017年5月12日 (金):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑/アベノポリシーの危うさ(206)
⇒2017年5月15日 (月):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(続)/アベノポリシーの危うさ(208)
⇒2017年6月 3日 (土):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(3)/アベノポリシーの危うさ(224)
⇒2017年6月21日 (水):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(4)/アベノポリシーの危うさ(239)
⇒2017年12月 8日 (金):スパコン補助金詐取容疑者と山口敬之/アベノポリシーの危うさ(326)

海外の一流紙が取り上げたことにより、国内でもやがて大きな話題になるだろう。
しかし、「伊藤-山口」事件に対する彼我の扱いの違いが日本のメディアの現状を象徴している。
記者クラブという利権組織が牛耳っている政権の広報機関化している状況である。
高橋洋一氏は「既存メディアの「窮状・劣化」感じた1年 もっと「エビデンス」重視を」という記事を書いているが、高橋氏とはまったく違う意味「窮状・劣化」と言えよう。
わずかに望月衣塑子、横田一氏等が例外である。

記者クラブの弊害は昔から言われているが、個々の記者たちにとっては貴重な取材源であるので、個人的な考えではどうしようもないだろう。
結局世論の盛り上がりを待つしかないだろう。
「百年河清を俟つ」ではあろうが。
フランスのフィガロ紙は山口氏を「権力の親族」「著名な極右ジャーナリスト」と紹介しているようである。
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フランスのフィガロ、山口敬之氏を著名な【極右】ジャーナリスト「パンティを持って帰っていい」と報道

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2018年1月 3日 (水)

対立軸としての原発/技術論と文明論(87)

日立製作所が英国で進める原発新設プロジェクトに対し、3メガバンクと国際協力銀行(JBIC)を含む銀行団が、総額1.5兆円規模の融資を行う方針を固めた。
自国の原発事故の処理も十分にはできてないのに原発を後押しするのか?
エネルギーが原発から再生エネルギーへと歴史的なパラダイム転換しつつある時に、方向性を見誤っているのではないのか?
⇒2017年12月28日 (木) 電源パラダイムと原発の不良資産化/技術論と文明論(85)
⇒2017年12月29日 (金) 原発稼働と核ゴミ処理/技術論と文明論(86)

Ws000000_2 投融資の対象となるのは、日立の英国子会社が2020年代半ばの稼働を目指し、英中部アングルシー島で進める原発新設プロジェクト。日立は投資の最終判断を19年度に下す予定だが、リスクを1社で負うのは不可能として、日英両政府や金融機関と協議を続けている。国内金融機関と政府全額出資の日本貿易保険(NEXI)は昨年12月、日立の求めに応じ資金支援の意思を示す趣意書を提出した。
 関係者によると、日立は現時点で原発建設の事業費を3兆円程度と見積もり、うち1.5兆円程度を金融機関の融資、残りを出資で賄うことを見込んでいる。融資のうち、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは1行当たり千数百億円程度を拠出し、3行の融資総額は5000億円規模となる見通し。NEXIが債務を保証する。残りはJBICや、英国の民間金融機関が融資する。
英で新設、政府債務保証 大手銀など1.5兆円

一方立憲民主党は、すべての原発撤廃を法案化するという。
1801032_2
東京新聞1月3日

安倍政権との明確な対立姿勢といえよう。
2018年こそは安倍政権に引導を渡さなければ日本の将来が危うくなるだろう。

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2018年1月 2日 (火)

AIによる古文書の判読/知的生産の方法(167)

地域の歴史等を調べようとすると、古文書の読解が必須である。
以下のような文書である。
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白石村古文書

古文書などの史料を読解するためには「判読」と「解読」という2つのプロセスを経ることが必要である。
Photo_3

しかし、活字を印刷した文書に慣れている人間にとって、判読がなかなか難しい。
字の単位(1字なのか、2字なのか・・・)すら分からないし、仮名か漢字かも分からない。
仮名が漢字から作られていることからすれば当然のことではあるが。
⇒2008年2月17日 (日) 判読と解読
⇒2008年2月18日 (月) 右と左の識別

文字の崩し方には一定のパターンがある。
1990年代の終わりごろ、大学の理工学部でパターン認識を結球している知人に、何とか読解支援ができないだろうか、と相談を持ち掛けたことがある。
趣味でやっていた利根川開発史のサークルで、古文書を読んでいたからである。
知人は「できると思うよ」と軽く返事をしたが、仕事とは無関係だったので、話は発展しなかった。

ここ数年、機械学習(ディープラーニング)が話題になっている。
専用AIでは、人間を凌駕する「読み」を示すことは、将棋や囲碁で話題になっている。
これなら、古文書読解にも可能性が広がるのではないかと思っていた。
東京農工大の中川研究室の院生たちが、古文書読解アルゴリズムで、表彰を受けたというニュースがあった。

東京農工大学は、同大学の学生が考案したアルゴリズムが「第21回アルゴリズムコンテスト」において、最優秀賞を受賞したと発表した。古典籍画像の指定領域に含まれるくずし字をAIに認識させる課題で、優秀な認識性能を示したということだ。
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同アルゴリズムは、東京農工大学大学院工学研究院の中川研究室の修士課程2年リー・トゥアン・ナムと博士課程1年グエン・コング・カーが考案したもので、11月に開催された4th International Workshop on Historical Document Imaging and Processing(HIP 2017)でも、最優秀論文賞を受賞している。
同アルゴリズムコンテストは、パターン認識・メディア理解分野の若手研究者・学生の育成および研究会活動の活性化を目的として、毎年開催されているもの。提示される課題には、代表的・基礎的な研究課題が取り上げられ、応募されたアルゴリズムは、その性能・独創性・処理時間の観点で評価される。今年は、古典籍画像の指定領域に含まれるくずし字を認識して、コードを出力する課題が出された。課題は、外接する長方形に含まれる文字数に応じて難易度が設定されており、レベル1は1文字、レベル2は縦方向の3文字、レベル3は縦横方向の3文字以上の文字が含まれている。なお、認識対象の文字は変体かな50種程度で、漢字は含まれていない。
東京農工大、古典籍のくずし字をAIが認識するコンテストで最優秀賞

私(たち)は、AIの行方をどこまで見定められるのだろうか?

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2018年1月 1日 (月)

年の初めに/日本の針路(361)

喪中なので、年賀状のない正月であるが、今年は明治150年の節目の年である。
50年前の明治100年の時には記念事業の一環として「21世紀の日本」というテーマで懸賞論文が募集された。
見事に第1位に選ばれたのは、野口悠紀雄・今野浩・斎藤精一郎の3氏である。
彼らは、日比谷高校が輝いていた時代の同級生で、そろって東京大学に進学した。
後に3人とも、多くの著書を持つ研究者・評論家になった。

3氏が論文に取り組む様子は、工学部ヒラノ教授こと今野浩氏の『あのころ、僕たちは日本の未来を真剣に考えていた』青土社 (2014年3月)に描かれている。
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当時の総理大臣候補でありながら、病に倒れ、志半ばで亡くなった安倍慎太郎氏と近い位置にあったことも記されており、現在、アベノミクスと称する経済政策のイカサマ性を追及する1人が野口悠紀雄氏であることを考えると、50年という時間は長いと改めて思う。
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ダイヤモンド社 (2013年7月)

彼らの論文は加筆されて単行本になった。
未だ20代の頃である。
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東洋経済新報社 (1968年)

高度成長期の未来学華やかなりし頃である。
さすがに内容的には時代を感じさせるが、若き俊秀たちの記念碑的な作品である。
明治100年の頃は(そして大勢としては現在もであるが)、明治維新を近代日本の出発点として、高らかに賛美していた。
私などが学校で教わった基本的な歴史認識である。

ところが最近になって、このような史観に対して、一種の異議申し立てが行われるようになった。
例えば原田伊織『明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリストち』毎日ワンズ; 改訂増補版 (2015/年1月)である。
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折しもNHKの大河ドラマは『西郷どん』である。
原作は林真理子氏である。
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KADOKAWA (2017年11月)

未読であるが、どんな西郷像が描かれるのか?
原田氏には以下のような著書もある。
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悟空出版 (2016年6月)

西郷の実像はどちらに近いか?
私は大河ドラマはほとんど見ない。最初の幼少期の頃で飽きてしまうからである。
今年はどうだろうか?
NHKは別にしても、明治維新を考え直す良いチャンスであることは間違いない。

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