東レよ、お前もか?/ブランド・企業論(69)
東レが11月28日、子会社がタイヤなど形状を維持するための補強材の製品検査データを不正に改ざんしていたと発表した。
13社の顧客に対し、2008年4月から16年7月までの8年3カ月間に計149件の品質数値の書き換えが行われていたとのことだ。
東レと言えば、経団連の現会長榊原定征の出身企業であり、日本の化学会社の代表である。
東京新聞11月30日
同社の発表によると、書き換えが行われた製品はタイヤ用、自動車のホース・ベルト用、抄紙用のコードと呼ばれる補強材。子会社の東レハイブリッドコードが、タイヤメーカーや自動車部品メーカー、抄紙用フェルトメーカーに製品を納入する際に、顧客との間で取り決めた規格から外れた製品の品質データを規格内の数字に書き換えていたという。現時点では法令違反や安全に問題のある案件は見つかっていないとしている。
不正は16年7月に行われたコンプライアンス調査の結果で発覚。都内で会見した東レの日覚昭広社長によると、当初は法令違反や安全上の問題はなかったことなどから公表しない方針だったという。しかし、11月3日にインターネット掲示板上での書き込みがあり、一部株主からの問い合わせもあったことから発表に踏み切ったと話した。
東レ:子会社が製品検査データを不正改ざん、8年間で149件
ここしばらく、神戸製鋼、、日産、三菱マテリアルなど日本を代表するメーカーの不正が続いている。
東京新聞11月29日
東レの日覚社長の言い方には違和感がある。
安全性や社会への影響云々というよりも、ルールに抵触しているかどうかの問題である。
榊原氏の社長・会長在任中の事案であり、不正は承知していなかったというが、責任は免れまい。
天皇退位の日程が決まったが、平成も終わろうとする時期に、日本の製造業が揺らいでいる。
時代の変わり目ということだろうか。
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