「今年の漢字」に対する私の違和感/ブランド・企業論(70)
年末の恒例行事となっている日本漢字能力検定協会のキャンペーン「今年の漢字」。
2017年の世相を表す「今年の漢字」は、「北」とされ、「漢字の日」にあたる12月12日、京都・清水寺で発表された。
例年のように、清水寺の森清範貫主が揮毫したが、森貫主はその場で知らされるという。
言わば、ぶっつけ本番である。
1位の「北」には7104票が集まった。北朝鮮のミサイル発射や核実験の 強⾏、九州北部豪雨、北海道産のじゃがいもの不作、北海道日本ハム の大谷翔平選手や清宮幸太郎選手、競馬キタサンブラックなどが選ばれた理由として挙げられた。
今年の漢字は「北」 その理由は?
まあ、一種の遊びであろうからどうこういうこともないだろうが、理由がいかにも無理しているような感じがする。
松尾貴史氏が次のように言っているが、同感である。
もう少し、「なるほど」とうなずける文字はなかったのか。確かに、「北」朝鮮の行儀の悪い挑発には辟易(へきえき)させられたが、そんなもので今年を象徴されるのは片腹痛い。九州「北」部豪雨というのもこじつけが過ぎるのではないか。まだ「北」海道産のジャガイモの不作のほうが「北」の意味がストレートだが、今年の漢字の理由に数えるのは無理やりな気がする。
・・・・・・
とはいえ、これは一般公募で多数だったという決定であって、審査員が選ぶようなシステムならば別の文字が選ばれた可能性も高いと思う。逆にいえば、これは政権による「北の脅威を煽(あお)ること」が成功している証しなのかもしれない。
私が今年の漢字を投票するなら、「隠」だろうか。資料、書類、証拠を「隠(いん)」蔽(ぺい)し、逆に証拠「隠」滅も逃亡の恐れもない森友学園の籠池泰典氏を「隠」すために、さながら禁錮刑のような扱いで閉じ込め続け、疑惑満載の加計学園の加計孝太郎理事長や安倍晋三総理大臣の妻昭恵氏は「隠」れ続けた。これほど「隠」し事が取りざたされる一年も無かったのではないか。
「操」という漢字も捨てがたい。「印象操作はやめていただきたい」と言っていた人の繰り出す印象「操」作の数々に、翻弄(ほんろう)され続けた一年でもあった。経済政策がうまくいっているふりをするための株価「操」作や、各交通機関の「操」作ミスも多かった。裁判所や警察、原子力規制委員会、検察審査会、一部の報道機関が、政権に「操」られているのではないかと感じることも多かった。
もうひとつ、「難」という字もふさわしいかもしれない。「国難突破解散」と、自身の「難」を隠すためとしか思えない奇妙な解散をして、彼自身が国「難」であることを指摘する人も多かったが、与野党の非「難」合戦もかまびすしかった。官僚たちの「難」解な答弁にあきれた。日本海の「難」破船や遭「難」者の増加もあった。山中伸弥教授らによる研究で「難」病の治療法に光が差したということもある。
松尾貴史のちょっと違和感
いずれにせよこじつけ感が残るのは、そもそも漢字一字で代表させることに無理があるのだろうが。
私は一字という制約を外せばもう少し考えようがあるように思う。
例えば、「排除」である。
東京新聞12月24日
驕慢な小池都知事の言動や安倍首相の「こんな人たち」という言葉を忘れないためにも。
ついでに「今年の漢字」に比べるとマイナーではあるが、「大人げない発言大賞」というアワード(?)がある。
今年もまた貫禄の大人げない発言を連発して、我が国の大人げないシーンを力強く牽引してくれたのが、安倍晋三首相です。さすが我らがリーダーです。
とくに着目したいのが、2月に衆院予算委員会で、森友学園をめぐる疑惑を追及された際の発言。
「私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい」
安倍首相自身や昭恵夫人が「何の関係もなかった」と言い張るにはどうしても無理があります。安倍首相には「なぜこんなに強気だったのか不思議で仕方ないで賞」と、もっとも栄誉ある(?)「金賞」を贈らせてください。盾とか賞状とかはありませんが、気持ちだけでも受け取っていただけたら幸いです。
安倍首相が金賞! 「大人げない発言大賞」を石原壮一郎が選んだ
「今年の漢字」に比べれば、よほど納得的である。
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投稿: スーパーコピーブランド サイト gyao | 2021年4月25日 (日) 01時55分