親安倍のイデオローグ(4)見城徹/アベノポリシーの危うさ(324)
「ZAITEN]という雑誌がある。
かつて『財界展望』というの誌名だったが、しばらく見ないうちにリニューアルしたようで、発行元も「株式会社財界展望新社」となっている。
Wikipediaでは次のように解説している。
基本的には経済誌、ビジネス誌である。内容は大企業の内情(怪文書など)を取り上げた記事や、経営者(重役)の動向や私生活、現住所などを「あの人の自宅」と称して、写真付きで連載記事にしている。同種の雑誌と見られる「財界」や「経済界」が企業サロン誌であるのに対して、ZAITENは有力企業の経営者や政治家(主に自由民主党)、官僚を批判する記事が多い。
見ての通り、幻冬舎の見城徹氏の批判記事がウリになっている。
私は、一時期、幻冬舎という出版社に好意的だった。
1993年の設立で、命名には五木寛之氏が係わった。
2003年に店頭市場で株式を公開した。
見城氏の個人会社の色彩が強く、上場企業として必要なオープン性を保てるか疑問だったが、2011年に上場廃止した。
幻冬舎は数多くの大ヒット作を出している。
その点は間違いなく商売上手であり、それはおそらく一世を風靡した角川春樹氏に学んだことが多いであろう。
しかし、その出版物に違和感を覚えることが増え、現在では不快感さえある。
部数を売ることには成功したが、多くの読書人から顰蹙を買ったものに、百田尚樹氏の『殉愛』がある。
⇒2014年11月21日 (金):百田尚樹の『殉愛』の売り方/知的生産の方法(110)
⇒2014年11月22日 (土):クリティカル思考の反面教師としての百田尚樹/知的生産の方法(111)
百田氏は自他ともに認める安倍応援団である。
また、石原慎太郎氏は昔からの盟友で、ゴルフも良く一緒にやる仲だという。
石原氏が、田中角栄の独白風に描いた『天才』は、石原氏の衰えを感じさせる駄作だと思う。
文芸出版の志はどこに消えたのだろうか?
これらに輪をかけてひどいのが、準強姦事件を問われている山口敬之氏の『総理』および『暗闘』であろう。
⇒2017年5月12日 (金):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑/アベノポリシーの危うさ(206)
⇒2017年5月15日 (月):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(続)/アベノポリシーの危うさ(208)
⇒2017年6月 3日 (土):アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(3)/アベノポリシーの危うさ(224)
この件は、福島みずほ氏が国会で取り上げられたが、委員長が、なぜか中断させてしまった。
安倍首相に面識の有無を質問して、首相が「取材対象として」知っていると白々しい答弁をした直後である。
山口氏はTBS時代に番記者であったから知悉のはずであり、安倍首相は逃げを打ったのだろう。
そもそも、執務室での写真をジャーナリストに使わせることも異例だが、中身を読んでも、山口氏が安倍氏の自宅や外遊先のホテルの客室にもしょっちゅう出入りするシーン、第一次政権崩壊後の2008年から安倍や昭恵夫人と定期的に登山をしていたエピソード、さらには、内閣人事案や消費税をめぐってメッセンジャー的な役割まで果たしていたことを、山口氏自らが自慢げに語っている。それを「取材対象として知っている」とは、開いた口がふさがらない。
詩織さん準強姦事件もみ消し問題で安倍首相が山口敬之氏との関係を「取材対象として知ってるだけ」と嘘八百
この問題には菅官房長官の人脈も関係している。
しかし、希望の党の柚木道義議員も取り上げ、大きな問題になるのは必至である。
【必見】山口敬之氏レイプ&揉み消し事件、希望・柚木道義議員が本格追及!「中村格氏呼んだのに何故来ない?」→凍り付く議場!
山口氏の『総理』は、一読してとてもまともに論評する気にならない代物だった。
こんな本を出し続ける様では幻冬舎や首相の未来はないだろう。
「ZAITEN」記事の一節を切り貼りしておく。
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